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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop! – Chapter 142

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魔法――体内を巡る魔力を全く別のエネルギーに変えて出力する術。

未だその仕組みの大部分は解明されておらず、また古い魔法使いの一族は独自の魔術を門外不出の秘術として独占している。

神秘的で底の見えない強大な力に魅了され、のめり込んだ挙句身を滅ぼした権力者は数知れない。

ここにもまた一人、幼い権力者がそれに手を伸ばそうとしていた。

「魔法です! これからの時代は魔法ですよユリウス神官!」

ロンドである。

呪われたロングソード騒ぎの際のカタリナ勇者虐殺事件を目の当たりにし、すっかり魔法に興味津々だ。

まぁ神秘の術に縋りたくなる気持ちも分かる。どれだけ鍛えようとも人間のちっぽけな肉体が出せる力には限度があるからな。

とはいえ問題もある。魔法使いの体の貧弱さとか魔法の発動には時間がかかるとか強大な魔法を使うには膨大な魔力と技量が必要だとか細かいことを上げていけばキリがないが――根本的な問題は、一般的に魔法を扱える勇者があまり多くないというところだろう。

「なぜですか?」

俺の言葉にロンドが不満げな表情を浮かべる。

ロンドはこの国の王子であり、フェーゲフォイアーの領主。それなりの教育は受けているはずだがやはりこういうところには疎いな。

俺は腕を組み、ロンドの質問に答えてやる。

「そりゃあ、魔物と戦えるくらい魔法が扱えればもっと良い仕事が山ほどあるからです」

「あぁ……」

別に勇者という職業を貶す気はない。

上手くやれば一攫千金も狙えるし、自分の好きな場所で自分の好きな時間に働けて、一緒に戦う人間も自分で選べる。命の価値が大暴落するという些細な問題を除けばとても良い仕事だと思うよ。俺は絶対イヤだけど。

「そもそも魔法使いの人口自体が少ないですからね。量や質を問わなければ、魔力を持つ人間そのものはそんなに珍しくないんですが」

するとロンドはパッと顔を輝かせて口を開いた。コロコロと表情の変わるヤツだ。

「ということは、訓練すれば魔法を扱えるようになるってことですね!」

「え? うーん……まぁ……理論上は……」

「じゃあやりましょう!」

まぁね、その新しい事に挑戦しようという気概は良いと思う。

良いと思うんだけどさぁ……

俺は中庭に集った魔力持ち勇者共を見回しながらロンドに尋ねる。

「なんでわざわざ教会でやるんですか」

「だって、的があった方が分かりやすいですし」

庭に咲き誇る魔族を見上げて、ロンドがさらりと言う。

なるほど、マーガレットちゃんで試すのか。まぁその辺の人形に撃つよりは実戦に近いかもしれない。

おっと、さっそくマーガレットちゃんが教会の塀から侵入を試みたオリヴィエの首を飛ばした。こちらも準備万端のようだな。

で、問題なのは講師である。

「では先生、お願いします!」

ロンドの呼び掛けに応じ、照れ笑いを浮かべながら前へ歩み出てきたのは白魔導師勇者のカタリナさんだ。

「攻撃魔法なら私にお任せください!」

そう言ってカタリナは杖を振り上げる。一体どこからその自信が湧いて出るのか。

俺はロンドを抱えてダッシュでカタリナから離れる。

結果は言わずもがな。

「どこ狙ってんですか!!」

ターゲットを大きくそれた魔法が勇者数人を巻き込んで炸裂。光や棺桶になって消えていく死体を横目に、カタリナが照れたように頭を掻く。

「あれぇ? すみません、ちょっと緊張して力みすぎたみたいで。再チャレンジお願いします!」

ダメに決まってんだろ!

俺はカタリナの腕を掴んで杖を降ろさせる。

「近くで見てて分かりました。高威力すぎて、魔法を撃った時の反動で手元がブレてるんです。だから狙いが定まらない。自分の力量でコントロールできる範囲の魔法を使いなさい」

「できるだけ魔力絞ったつもりだったんですが……私加減が苦手で。へへ」

へへ、じゃねぇよ。そんなヤツに講師が務まるか!

ん? そういえば俺はなんでここにいるんだ? 裏庭でマーガレットちゃん相手に訓練しているとはいえ、俺がその様子を見ている必要ないじゃないか。俺は踵を返した。

「勝手にやっててください。こんな危険な場所にいられない。私は中に戻らせていただきます!」

肩越しにそう宣言し、俺は教会へと歩を進める。誰かが俺の腕を掴む。なんだよ、離せ。振りほどこうとする努力も虚しく、俺の足は呆気なく地面を離れる。

よくよく見ればマーガレットちゃんのツタだった。振り解けるはずもない。

捕縛された俺は成すすべなくマーガレットちゃんに抱擁と頬ずりをされる。

「ちょっ……大丈夫ですかユリウス神官!? それ大丈夫なんですか!?」

足元からロンドの悲鳴が聞こえる。俺はロンドを安心させるため明るい声を上げた。

「ははは。大丈夫ですよ。マーガレットちゃんは意外と力加減が分かっているのでね」

「な、なんでそんな平然としてるんですか……?」

そんなことよりも、今は訓練だ。俺はマーガレットちゃんとの対話を試みる。

「マーガレットちゃん、下ろして貰えますか? 私がいたら訓練の邪魔になるでしょうから」

当然マーガレットちゃんは答えない。それは想定内だが、マーガレットちゃんはツタを緩めようとも俺から手を離そうともしなかった。ただ植物的無表情で俺の顔をじいっと覗き込む。

うーん、俺の言葉に応えて下ろしてくれる時もあるのだが、今日はダメみたいだな。しかしこれでは訓練ができない……いや、待てよ。そうでもないかもな。ヤツらの魔法がマーガレットちゃんに届くとは思えない。下手したらマーガレットちゃんの腕の中がこの街で一番の安全地帯まである。色々考えて、俺は決断を下した。

「……まぁ良いか」

「なにが良いんですか!? なにが良いんですか!?」

二回も言うなよ。聞こえてるよ。

俺は高みから勇者共を見回す。

「ほとんど魔法が使えない人間が急に魔導師を目指すのは酷です。魔法戦士くらいが良いとこでしょう」

「えっ……あの人、あの状態のまま話進める気なんですか……?」

俺はロンドの呟きを無視した。

とにかく講師は交替だ。

お、こちらを見上げる勇者の中に赤髪の騎士を見つけた。とはいってもアイギスではない。弟君の方だ。

「フェイル、前へ出て講師を務めてもらえませんか」

するとカタリナが頬を膨らませて不満げな声を漏らす。

「ええ~、私は?」

「貴方はさっさと戻りなさい! もう二度と街中で魔法をぶっ放さないでくださいよ!」

口を尖らせながら渋々下がっていくカタリナと交代する形で前へ歩み出てきたフェイル。しかしヤツもヤツでどこか不服そうだ。

「確かに魔法の扱いに関して言えば魔導師には及ばないかもしれませんが、俺だって長い時間をかけて鍛錬を積んできたんですよ。そう簡単に真似できるものではありません」

ああ、魔法戦士を軽んじられたようにフェイルは感じたのか。騎士ってのはプライドが高い。

俺は慌ててフェイルのフォローにまわる。

「もちろんこのわずかな時間で魔法がマスターできるとは思っていません。でもきっかけは必要でしょう? まずは興味を持ってもらわないと。お願いします、貴方の力が必要なんですよ」

するとフェイルがこちらをチラリと見上げ、渋々ながら頷いた。

「神官様がそう言うなら……」

思わず笑みがこぼれる。

なぁんだ、相変わらずチョロいな。そんなんじゃ悪い人間に騙されるぞ。

フェイルが勇者たちに向き直り、小さく咳払いをして口を開く。

「じゃあ初心者向けに火の魔法から」

そう言って、フェイルは手のひらの上に火球を作り出す。簡単にやってみせたが、これが意外と難しい。

とはいえカタリナのバカみたいな威力の魔法を見た後だとどうしても見劣りする。

「そんなのじゃスライムくらいしか倒せないんじゃ?」

しかし生徒のヤジをフェイルは鼻で笑った。

「確かに魔導師の魔法に比べれば地味に見えるかもな。だが魔導師と同じ土俵で戦うつもりはない」

フェイルは剣を抜き、そこに火球を近付ける。火球が形を変え、蛇が這うようにして刃に纏わりついた。

おお……なんかカッコいいぞ。

燃え盛る剣を携え、フェイルがこちらを見上げる。

「もう少しの辛抱です。すぐに植物モンスターの魔の手から解放して差し上げます!」

え? ああ、うん。ありがとう。その気持ちだけでも嬉しいよ。

勇敢にもマーガレットちゃんに立ち向かい、赤子の手を捻るように難なく転がされたフェイルを見下ろしながらそう思った。

「………………」

フェイルは地面に転がされたまま動かない。

マーガレットちゃんは心の優しい魔族だ。オリヴィエ以外の人間は殺さないし、今もフェイルに怪我はなかったはず。目にも止まらぬスピードで折れたのは骨ではなく心の方である。俺は慌ててフェイルのフォローにまわった。

「ま、まぁ相手が悪いですよ。マーガレットちゃんに歯が立たないのは今に始まったことじゃないし。それに、ええと、あの炎の剣メチャメチャカッコよかったですよ!」

フェイルが緩慢な動きでこちらを見上げる。よ、よし。もう少し……

「なんか、見た目はカッコいいけど意味あるかな……」

俺が必死に回復させていたフェイルのプライドをその辺の勇者の一言が容易くへし折った。

それを皮切りに勇者共の心無い声がぽつりぽつりと上がる。

「まぁ普通に斬るよりは威力大きくなるのかもしれないけど、わざわざ一から習得する意味があるかというとな」

「魔法の力が付与された剣って売ってるよね。それ買えば良くない?」

「…………………………」

フェイルが緩慢な動きで寝返りを打ち、俺から顔をそむけた。

フェイル君が拗ねてしまった……こうなったらもうダメだ。なにがダメって、勇者共の言葉に反論できないのがダメ。正論だからね。

「もうお開きです! 帰ってください!」

俺は大声を上げて有耶無耶にすることにした。それ以外にフェイル君のプライドを守る方法が思いつかなかった。

「ほら、なにボサッとしてるんです。散って散って!」

勇者たちは俺の閉会宣言により、不服そうにこちらを見上げながらも緩慢な動きで裏庭を出ていく。そして不必要な捨て台詞を忘れない。

「なんだよ、呼び出したのそっちだろ……」

「マジで植物モンスターとのイチャイチャを見せつけられるためだけに呼ばれたのかよ」

「やってらんねぇな」

うるせぇ! 帰れ!

塩撒こう塩。いや、これで良いな。

俺はマーガレットちゃんの花粉を手に取り投げつける。

くしゃみをしながら裏庭を駆け出していく勇者たち。それに紛れてフェイルも帰ったらしい。最後にロンドだけが残った。

俺はロンドを見下ろして言う。

「はぁ……やっぱり付け焼刃の魔法を覚えたところで勇者の戦力向上には繋がりませんよ。第一、魔法だって万能じゃないんです。カタリナみたいな一撃をすべての魔法使いが使えると思ったら大間違いです」

ロンドは答えない。おいおい、こっちも不機嫌か?

いや……どうやら違うらしい。腕を組み、何やら考えるように虚空を見つめている。そして誰に聞かせるでもなく呟いた。

「やはり勇者カタリナの魔法は別格ですね」

「え? あぁ……まぁ威力だけ言えばそうですけど……」

な、なんだ? ロンドのヤツ、一体どうする気だ?

汗が額を伝い、喉を強烈な甘味が伝っていく。マーガレットちゃんの蜜だ。相変わらず俺の胃のキャパを全く考えていない。容量を超え、口の端から蜜が漏れてボタボタ神官服に落ちていく。

ロンドがこちらを見上げてギョッとした。

「ユリウス神官それ大丈夫ですか!? 本当に大丈夫ですか!?」

大丈夫だよぉ。

突然ですがコミカライズします。

スクウェア・エニックス様の漫画アプリ、マンガUP!にて4月6日(月)から連載開始です。

コミカライズを担当してくださるのはタナカトモ先生!

連載開始までの間、原作更新に合わせてタナカ先生がツイッター(@TT_TANAKA)でラフイラストを上げてくださるとのことです。要チェック!

また、4月4日(土)にタナカ先生のご厚意で挿絵を描いていただいたコミカライズ記念コラボSSを上げます。

コミカライズ、原作ともどもよろしくお願いします!

Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

I'm a priest working at a church, but please stop sending me the bodies of heroes who have been brutally murdered., I'm Working at the Church as a Priest, but I Want to Be Cut Some Slack from the Mutilated Bodies of the Heroes that Keep Getting Sent to Me, Kyōkai tsutome no shinkandesuga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, Kyōkai tsutome no shinken desu ga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, 教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2019 Native Language: Japanese
Monsters roaming? The bravest heroes charging into battle? That means someone’s working overtime at the church—me. Every time an adventuring party falls, their mangled bodies land on my altar. My job? Stitch their bits back together, slap on a revival spell, and pray the church gets paid this month. Swords and sorcery are tough—but try arguing fees with dead heroes, wild mages, and coffin stalkers. Welcome to a fantasy world where the real grind isn’t on the battlefield, but right behind the sanctuary doors. Sharp humor, absurd obstacles, and a fresh take on classic fantasy resurrection. If you thought dying was dramatic, you haven’t seen what I go through bringing heroes back—one limb at a time.

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