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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop! – Chapter 165

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世の中の大抵のことは不可逆だし一方通行だ。“時間”はその代表と言っても良い。過去を振り返ることはできるが、そこに戻ることはできない。俺たちは前を向いて進むしかないのだ。後ろばかり見ていては今目の前にある小石にも気付かず転んでしまいかねない。

なにが言いたいかというと、過ぎたことをうだうだ言っても仕方がないということ。

「なので大掃除やりま~す」

「神官様」

俺はオリヴィエとその背後にそびえる死体の山に背を向ける。

「いやぁ、この前の年末は帰省しちゃったしその後も姫が来たり色々あったのでできなかったんですよね」

「分かりますよ。仕事溜まってるときって別の事したくなりますよね。あれこれ事件もあったので現実逃避したくなるのも分かります。でも目の前の仕事を片付けてからにしてください。さぁほら。終わったら僕も掃除手伝いますから」

オリヴィエの声援を受け、俺はすすり泣きながら死体の山の蘇生を進める。

前を見ても後ろを振り向いても俺の周りは死体だらけだ……

*****

「足元気を付けてくださいね。滑りますよ」

オリヴィエを連れ、ランタン片手に地下室へ降りていく。

どうせ掃除を終えたらマーガレットちゃんに突っ込んでいくオリヴィエを延々蘇生させられるのだ。遠慮はいらない。存分に働いてもらおう。ちょうど腕力が必要だったしな。

「掃除って……地下室ですか? あぁ、ここは火事の時も火の手が回らなかったんですね。年季入ってるなぁ」

辺りを見回すオリヴィエを横目に、俺は地下室の冷たい壁をなでる。あったあった。目では分からない妙なでっぱり。押し込むと、カチリと音がして壁が沈みこんでいく。

「隠し扉!?」

オリヴィエの声が地下に反響する。俺は頷いた。

「ええ。どうやら倉庫みたいです」

「ただの倉庫にしては厳重すぎませんか? なにか特別なものを置いてるんでしょうか」

「さぁ……なにせ私もつい先日見つけたんですよ。どうしてか分からないんですけど、急に穴に入りたい衝動に駆られて地下室をウロウロしてたら偶然」

「珍しくメンタルダメージ受けてますね」

そりゃそうよ……賞金全部スッた上にとんでもない醜態をまぁまぁの数の人間に見られたんだぞ……

しかしこのタイミングでこの部屋を見つけたのもきっと天からの啓示。これだけ厳重な部屋なのだ。とんでもない宝とかが眠ってるに違いない。

俺はランタンを掲げる。倉庫内への侵入を阻むようにして粗大ゴミ――もとい大きめの女神像が扉の前に立ち塞がっている。これが邪魔で倉庫内に入れないのだ。奥に宝箱が見えるのにこれでは手が届かない。

「まずこれを押して通路を確保してもらえますか。私一人ではびくともしません」

俺はため息を吐きながら眼前にそびえる少し趣の違う女神像(大)をガンガン叩く。

オリヴィエが怪訝な顔をした。

「妙に音が響きますね。中が空洞? ……まさか」

そう呟き、オリヴィエが像についた取っ手を掴んで引く。耳障りな金属音を響かせながら像の前面についた扉が開き、棘だらけの内部が露わになった。

オリヴィエが古い血のこびりついた棘にギョッとした顔を向ける。

「なぜ教会の地下室にアイアンメイデンが……しかも使用済み……」

「見事でしょう。これ売れませんかねぇ」

「ハンバートさんに聞いてみます」

幸先良いな。さっそく買い取り手が見つかりそうだ。

しかしこんなのは序の口。オリヴィエと一緒に像を押しながら、俺は期待に胸を膨らませた。

こうまでして厳重に守られた倉庫。一体どんなお宝があるというのか。

さすがに勇者の腕力は俺なんかとはモノが違う。像は易々と押し込まれ、俺は意気揚々と倉庫の中へ飛び込んだ。それほど広くない部屋の中をランタンのオレンジ色の光がぼんやりと照らし出す。

整然と並んだ宝箱、ツボ、タル、壁の周りにびっしり配置された筒状のガラス管に入った深海生物を思わせる触手――触手?

「し、神官様! 扉が勝手に!」

さっきまで開いていた扉が閉まっている。アイアンメイデンを軽々と移動させたオリヴィエがいくら叩いても扉はびくともしない。

血の気が引いていく。嫌な予感がする!

『侵入者発見 侵入者発見』

狭い部屋にサイレンが鳴り響く。耳を塞ぎたくなるような大音量が触手共の安眠を妨げたようだ。

壁際にならんだ筒状のガラス管があちこちで割れ、謎の液体と共に触手が飛び出した。

「あああああぁぁぁ! オリヴィエ! 助けて!」

「なぜ教会の地下室に触手が!? 触手養殖の副業ですか!?」

「そんな狂った副業しません!」

俺は身の潔白を主張しながら、剣を抜いたオリヴィエの背中にさっと隠れる。

ガラス管を飛び出しダイナミック起床を終えた触手共が次にご所望なのは朝食だろうか。陸に上がったイソギンチャクのような成りをした触手どもが根っからの陸生生物にはなかなかできないであろう動きでこちらに集ってくる。

一体一体のサイズは大型犬くらいだが、無駄に数が多い。しかもこのタコ型の触手……犯人が見えてきた……

『あー、あー、ユリウス君聞こえる? そこ入っちゃったかぁ。アイアンメイデンで塞いでたのに』

どこからか聞こえてくるノイズの混じった男の声。

やっぱりテメェかマッド野郎。俺は悲鳴を上げた。

「なんですかこれ!? なんですかこれ!? なんで貴方が!?」

『その宝物庫ね、湿度といい暗さといい静けさといい触手の培養室にピッタリなんだよ。だからユリウス君が帰省してる時にちょちょっと改築させてもらったんだ。その後、地下牢獄に収監されたり色々あったから説明するの忘れてた。ゴメン』

「ゴメンじゃないですよ。今すぐ扉開けてください」

『それ外からじゃないと開かないんだよね』

「じゃあすぐ来てください! あと触手どうにかしてください」

『その触手は生まれたてで躾ができてないから俺の言うこと聞かないよ。警報で触手が目覚めるのは俺も想定してなかったんだ。すぐ向かうから、十分耐えて』

「だそうです」

襲い来る触手をちぎっては投げちぎっては投げしているオリヴィエが早くも悲鳴を上げた。

「無理無理無理無理! 無理です。あと三分だってキツイです。いっそ死にたい」

「なに言ってるんですか。生きることを諦めないで!」

オリヴィエに死なれると漏れなく俺も死ぬ。

そんな考えを見透かされたか、オリヴィエがこちらに恨めしそうな視線を向ける。

「神官様も戦ってくださいよ!」

「無理に決まってるじゃないですか! 私は無抵抗の成人男性しか殴ったことのない善良な神官なんです」

「こんな街にいて何度も死にかけてるのにどうして護身術の一つも覚えようとしないんですか!」

「は? そんな時間がどこにあるというんですか? それもこれも貴方たち勇者がルーティンワークのごとく死ぬからですよ。魔物との戦闘で死ぬならまだ我慢しますけど貴方に至ってはマーガレットちゃんに突っ込んで死ぬじゃないですかあれどうにかならないんですかというか神官である私が死にかけるような状況にたびたび追い込まれるのが異常なのであってそもそも仕事の合間にできるちょっとした習い事レベルの護身術でどうにかできるレベルの危機ばかりなら私も苦労しないんですがね今回のこの状況だって普通の護身術で切り抜けられるわけないじゃないですか触手殺しの技を修められる護身術っていうのがあるんですか教えてくださいよまぁもし私がなんらかの武芸を極めることができたら真っ先にマーガレットちゃんに突っ込む貴方を止めるのに使うでしょうけどねそもそも教会の地下に触手がいるなんて誰が予想できるって言うんですか責めるならあのマッド野郎を」

「分かりました、分かりましたからキレないで! 気が散ると手元が狂う――」

襲い来る触手生物をかっ飛ばしながら、オリヴィエが何かに気付いたように固まる。

一体どうしたというんだ。口を開きかけるが、声を発するより早くオリヴィエに制止された。

「静かに! ……聞こえます」

呟くとほぼ同時に地面を蹴って後退する。割れたガラス片と謎の培養液を踏みしめながら、オリヴィエがへばりつくようにして壁に耳を押し付けた。

「ほら、聞こえる……聞こえます……」

なにが聞こえるってんだ? もしかしてマッドの助けが来た? いや、オリヴィエがへばりついているのは出入り口とは逆側の壁だ。そんなとこから音が聞こえるとは思えない。

あぁ、そうか。俺はピンときた。

「耳にクズ触手が入ったんですね!? 無理に出そうとすると奥にいきますから無理せず」

「違いますよ! ほら、聞こえないんですか? あぁ、聞こえる聞こえる」

うわごとのように呟きながら、オリヴィエが石造りの壁をガリガリと爪でひっかく。薄笑いを浮かべ、目は虚ろ。クソッ、触手が脳にまでいったか……

触手もオリヴィエの突然の奇行に引いたようだったが、様子を窺いながらもジワジワ距離を詰めている。

マズい。頼みのオリヴィエがこれでは。どうにかしなくては。考えろ、考えろ。

俺は辺りをザッと見回し、神官学校をまずまずの成績で卒業した優秀な頭脳をフル回転させる。

触手生物は十匹……いや十五……二十? 足がいっぱいある上にそれぞれ絡まっていてよく分からん。とにかくいっぱい。

一方こちらの手持ちは気付いたら勝手に狂ってたオリヴィエが一人。脳はダメかもしれないが見たところ体は無事だ。体重は六十キロ前後か。可食部はどれくらいだろう。

「神官様! 来ます……来ますよ!」

オリヴィエが喚いている。可哀そうに。触手が聴覚野の辺りでも這いずっているのだろうか。

俺はオリヴィエに微笑みかけた。

「そうですね。大丈夫です。触手の腹の中もそんなに悪くないですよ。私が無事戻れたらちゃんと綺麗に治しますから」

「えっ、もしかして僕を食べさせて一人だけ難を逃れようとしてます?」

オリヴィエが急に正気を取り戻した。気まずい沈黙。しかし静かな時間は二秒と持たなかった。

凄まじい轟音。石造りの壁がぶっ飛び、土がなだれ込み、地下室に鮮血が飛び散る。おめざの一杯に触手共が上げる歓声がどこか遠くに聞こえる。

突然のことに動けない俺を尻目にオリヴィエが血反吐を吐きながら勝ち誇ったように笑った。

「ほら、見てください。マーガレットちゃんはどこにいても僕を見つけてくれる」

マーガレットちゃん? なに言ってるんだ?

一瞬意味が分からなかったが、少ししてようやく理解が追い付いてきた。

そうか。石壁をぶち抜いてお前の腹を貫いたその白い触手、マーガレットちゃんの根か。

「マーガレットちゃんの脚は白くて綺麗だね」

オリヴィエの指先がマーガレットちゃんの白い根に赤い筋を描く。おっと、マーガレットちゃんの根に血痕が増えた。オリヴィエの体が乱切りにされたからである。今のは俺から見ても普通にキモかったもんな。そういうとこだぞオリヴィエ。

さすがはマーガレットちゃん。オリヴィエの血の匂いに興奮し集まってくる触手を蛆虫でも払うように蹂躙していく。こうなればマッドの作った触手など雑魚も雑魚。勝ったわ。敗北を知りたい。

さて、触手もあらかた片付いた。馬鹿め。相手を見てケンカを売れ。ん? どうしたマーガレットちゃん。マーガレットちゃんの根が俺の胴に巻き付く。えっ、本当にどうしたの?

そうか。放っておくとすぐ死にそうになる俺を心配して外に出そうとしてくれてるんだな。でもわざわざそっから出る必要は――あぁ、もう遅い。

俺は壁にあいた大穴に引きずり込まれた。

「えっ……土葬されてたんですか?」

裏庭の地面から萌え出た俺を見上げてカタリナが呆然としている。またマーガレットちゃんに餌付けされてたか。うちの食器棚から無許可で持ち出した皿とスプーンで蜜を啜ってやがる。オリヴィエが死んでて良かった。また喧嘩になりかねないからな。

しかしちょうど良い。俺はマーガレットちゃんに頬ずりされながら言う。

「良かったら掃除手伝ってくれませんか? 地下室でちょっとした事件があってちょっとだけ散らかってしまいまして」

カタリナが血と土に塗れた俺を見上げ、怪訝な顔で呟いた。

「本当に“ちょっとだけ”ですか……?」

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Send Help, Not Corpses—My Church Is a Hero Repair Shop!

I'm a priest working at a church, but please stop sending me the bodies of heroes who have been brutally murdered., I'm Working at the Church as a Priest, but I Want to Be Cut Some Slack from the Mutilated Bodies of the Heroes that Keep Getting Sent to Me, Kyōkai tsutome no shinkandesuga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, Kyōkai tsutome no shinken desu ga, yūsha no zansatsu shitai tensō sa rete kuru no kanben shite hoshīdesu, 教会務めの神官ですが、勇者の惨殺死体転送されてくるの勘弁して欲しいです
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2019 Native Language: Japanese
Monsters roaming? The bravest heroes charging into battle? That means someone’s working overtime at the church—me. Every time an adventuring party falls, their mangled bodies land on my altar. My job? Stitch their bits back together, slap on a revival spell, and pray the church gets paid this month. Swords and sorcery are tough—but try arguing fees with dead heroes, wild mages, and coffin stalkers. Welcome to a fantasy world where the real grind isn’t on the battlefield, but right behind the sanctuary doors. Sharp humor, absurd obstacles, and a fresh take on classic fantasy resurrection. If you thought dying was dramatic, you haven’t seen what I go through bringing heroes back—one limb at a time.

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