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A Baby’s Crawling Struggle in Another World – Chapter 14

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「理解はできないが、理解した」

「ん」

「何でお前みたいなのが生まれたのか、分からないけどな。弟がこんなで、俺はメチャメチャ嬉しい。今後も大いに助かりそうだ。それを喜ぶだけでいいんだろうな、きっと」

「ん」

「だいたいお前、たぶんきっと、俺より頭いいよな」

「……ふめい」

「その辺期待して、助けてもらいたいと思う」

「ん」

それにしても、まずはっきりさせておきたいことがある。

「ぼく、のこと、ひみちゅ」

「みんなに秘密にしておきたいのか?」

「ん」

「どうしてだ? 天才赤ん坊現るって言って、みんなに尊敬されるぞ。父上や母上もきっと、誇りに思ってくれるぞ」

「ほか、しれたら、どうなりゅ? おうととか」

「王都か……」うーん、と兄は腕を組んだ。「教会が知ったら『神の奇跡』とか祀られる? 王宮なら、将来有望で囲い込み……他の貴族にも狙われる、とか……」

「やら」

「……そうか。まあ俺としても、王宮に盗られるとか困る。うちの領地の立て直しのために、協力してもらいたいわけだからな」

「ん」

もとより、そのつもり。

領民と母のため、しかもそのデッドラインが間近、という理由がなければ、兄にも正体を明かすつもりはなかったのだ。

「にいちゃ、いがい、ひみちゅ」

「まあ、秘密は、知る者が少ないほどいいって言うからなあ」

「ん」

「だけど、いいのか? 昨日のクロアオソウのこととか、人に広めなければ意味がないわけだが、全部俺の功績になってしまうぞ」

「いい」

「俺としては、心苦しいって言うか、後ろめたいって言うか、落ち着かない気分なんだが」

「じきりょうしゅ」

「あ、ん?」

「ちゅとめ」

「次期領主……上に立つ者の務めってか」

「ん」

「分からないでもない……って、何だかうまく言いくるめられてる気がするんだが。お前実は、ややこしいところ俺に任せて、陰で楽していようとか思ってないか?」

「せいかい」

「このヤロ」

苦笑して、兄はぐしぐしと僕の頭を撫でた。

まだ髪が生えそろってないのだから、お手柔らかにしてほしい。

「まあしかたない。ってこれ、お前がまだ赤ん坊だからってことだからな。もう少し大きくなったら、相応の責任持ってもらうぞ」

「……しかたらい」

「それと、当面はそれで行くけど、何かまずい事態とか、どうかなったら、まず父上に打ち明けるからな」

「ん、いい」

「ということにするが……あと、確認することはなかったかな」

一度天井を見上げてから、兄はこちらを見直した。

「ああ、クロアオソウのことだが、昨日、アヒムやリヌスと話してきた。奴らには、一昨日の光は屋敷の誰かのお節介と話してある。その上で加護のことを話して、リヌスの加護が『光』だから、改めて実験をすることにした。あいつ、大喜びで昨日から小屋に籠もって『光』を試している」

「ん」

「これでうまくいったら、俺たち三人の実験結果ということで村全体に広めて、この冬の食料に役立てることにする。もともと種まきから収穫までひと月かからない便利な野菜だから、何度か収穫までいける期待が持てる。収穫後の日持ちがしないのが欠点なんだが、冬の食糧不足事情だと関係ないからな」

「ん。いい、おもう」

「それにしてもほんと、『光』加護がこんなことに役立つなんて誰も思わないからな、俺もあの二人も驚くばっかりだ。リヌスなんか、役立たずの『光』の名誉挽回とばかり、今朝から大張り切りだ」

「やくたたじゅ?」

「ああ、お前は知らなかったか」

「カゴ……おしえて」

「そうか、そこからか」

何しろこちとら、ベティーナの独り言みたいな話から知識を得ただけ。

あとは自分で勝手に『光』の使い方を工夫している、というだけなのだ。

兄の説明も、基本はベティーナの話と同じだった。

この世の人間は誰もが生まれつき、『火』『水』『風』『光』の四種類のうち一つの加護を授かる。

一歳を過ぎて、教会で適性を見てもらってから使えるようになる。

それぞれの強さや量みたいな目安も、ベティーナが話していた通りらしい。

『水』なら、一日コップ半分程度。他も似たようなもの。

個人ごとの差は、それこそ誤差程度にしか認識されていない。

身体や精神を鍛えて強さを高められるのではないかという都市伝説はあり、チャレンジする者は跡を絶たないが、効果のほどは確かめられていない。

一度に使いすぎると動けなくなる寸前まで疲れるのは、まちがいないところだ。

……という、などなど。

それにしても、さっき出た『役立たず』という表現が気にかかるのだが。

問うと、兄は軽く顔をしかめた。

「気を悪くするなよ? みんなの感覚だと、四種類のうち『光』は一段下、という受け止めなんだ」

「そう、らの?」

聞いてみると。

『火』や『水』は、当然生活に役立つ。特に『火』は炊事場などでの点火役として欠かせない。

『風』もいらないものを吹き飛ばしたり、虫や小動物を追い払ったりに重宝する。

一方で『光』は、暗いところを照らす役にしか立たない。

それだけでも便利じゃないか、と言うなかれ。

この世界、特に農民の生活は、シンプルなのだ。

朝は日が出たら起きる、夜は日が落ちたら寝る、それだけ。

暗いところ、というものができる場面がほとんどない。

もしそういう場面になったとき『あったら便利だね』という程度の受け止めだという。

なるほど、と不承不承ながら、頷いてしまう。

「それに加えて、なんだけどな。たぶん騎士の常識みたいなのが、一般民衆にも影響しているんじゃないかと思う」

「え」

騎士たちが武芸を身に着け、誇る際。

一般には『風』をうまく使う者が最も評価されるらしい。

弓矢の威力や精度を高められることはもちろん、剣でもうまく使えば強さや鋭さ、いわゆる剣筋の確かさ、などに活かすことができる。

これらをしっかり極めた剣技は、名人芸とばかり高い評価を得る、らしい。

『火』や『水』も、戦闘の中では重宝される。

『火』を吹きかけて相手の動きを妨げる。うまくすれば火傷など、損傷を与えられる場合もある。

『水』を浴びせて相手の動きを妨げる。相手の動きを読んで効果的に逸らすことに秀でれば、試合巧者と評価される。

ただしこれらは、確かに戦術としてはアリだが、純粋な剣技だけに比べるとやや外連味を持つ感じに捉えられる。

聞いて、思わず僕は内心ツッコミを入れてしまった。

――それって、ただ『風』が目で見にくいっていうだけの違いじゃね?

これらに比べて。

確かに戦闘で『光』も使うことはできる。

要するに、剣で切り結ぶ最中での『目くらまし』として。

これが、騎士にとっては『火』や『水』以上に外連味、はっきり言えば『誤魔化し』のような受け止めになるらしいのだ。

――『光』が物理的効果を与えない、からか?

「――という、まあいろいろ言いたいことはあるかもしれないけど、そういう常識になっているわけだな」

「……はあ」

確かに、分からないでもない。

純粋な剣技を尊ぶ気高い騎士という人種が、こういう評価をすることも。

尊敬される騎士の価値基準が、一般民衆にも影響することも。

「だからつまり今回の件は、少なくとも農民の中では『光』の価値を変える大きなきっかけになるかもしれないわけだ」

「なりゅ、ほろ」

その希望を抱いて、悲観論者のリヌスも持論を一転させたということのようだ。

そう聞くと、クロアオソウ栽培を軌道に乗せることに加えて、『光』民の応援としても、リヌスには頑張ってもらいたい、という気が募ってくる。

まあ何より重要なのは領民の食糧事情改善なわけで、まだまだ問題が山積しているはずだ。

その点を論じるためにも、まず僕には情報が必要なわけで。

焦らず、一歩ずつ。

まずこの国全体に関することから、説明を受けることにした。

「何も知らないって言ったよな、お前。この国の国名も?」

「しらない」

「……そこからか」

相手が生後六ヶ月だということ、再認識してもらいたいものだ、と思う。

秘かながらこれ見よがしに溜息をついて、兄は講義を始めてくれた。

A Baby’s Crawling Struggle in Another World

A Baby’s Crawling Struggle in Another World

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Native Language: Japanese
Rudolf Berushuman, the second son of an impoverished baron, suddenly awakens to an adult-level consciousness at just six months old. At the same time, he senses the presence of “memories” from a world different from the one he now lives in, whispering to him. Panic sets in. Everyone in this world possesses a seemingly pathetic, magic-like “blessing.” Upon learning of his real older brother’s existence, Rudolf enlists his brother’s power and sets out to save their territory.

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