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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 5

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「………ありがとうございました」

「いえ。参考になれば幸いです」

魔女さんへの授業を何度か繰り返した後、仕事があるということで魔女さんはそこから去っていった。

もちろんそれを伊奈野は特に良くも悪くも思うことはなく、そうなってもひたすら勉強を続けるだけ。

………なのだが、

「ん?表示が騒がしい」

視界の端の方で、赤い点滅が起き始めた。何か異常を知らせていたり、何かを警告しているのではないかと思われる。

「ログイン制限?というわけでもなさそうだし」

勉強の邪魔をされて少しイラっとはしたものの、何かマズいことが起きているかもしれないということで伊奈野はいったん確認をする。

よく見てみたところ、そこにはゲージのようなものがあり、

「あっ。満腹ゲージか」

彼女はそれが満腹ゲージであるということに気が付く。

よくゲームなどで存在する、何か食べないとそのゲージが下がり最後には餓死してしまったり何かデバフがかかったりするものだ。

「よくある移動速度低下とかの状態異常なら関係ないんだけど」

単純に移動速度が低下するだけならば問題ない。

だが、ここで手の動きまで遅くなってしまったりすれば勉強に支障が出る。できればそれは避けたいところだった。

とは言っても、

「お金使っちゃったし、何も買えないかも………」

すでに伊奈野は初期に持っていた所持金の8割を使って腕輪を買ってしまっている。残りの金額で食料品を買えるかどうかも怪しいものだった。

それに、いま食事をしたところで資金は減り続けるだけであり、その後にまた訪れる空腹に対応し続けることができるとも思えない。

「解決は無理、かな」

そういう結論に落ち着いた。

警告を知りながらも伊奈野は無視して勉強を繰り返す。実を言うとこの点滅の時点で歩行速度がすでに下がっていたりしたのだが、歩かないので気づくこともない。

そんな中ついにゲージは完全に下がり切り、

「あっ。リスポーン」

伊奈野はあまりじっくり見ていなかったが、ゲージが0になったことで死亡判定となりリスポーン。特にデスペナで所持金や装備品がなくなったり減っていたりするということもなく。ただ強制的に最初に設定後やってきた場所に送り返されただけ。

レベルを含めた色々な要素が重なってデスペナなしということになっているのだが、伊奈野は全く気付くこともない。

しかもログに

《称号『忘れてはいけない』を獲得しました》

とかいうものが流れて。それと一緒に空腹を満たす食事なんかもアイテムボックスへ入っていたのだが、ログもアイテムボックスも見ていないので気づくことはない。

ただ、

「えぇと。この腕輪で転移できるんだったかな?『転移』」

妙齢の女性から買った腕輪で図書館に転移し、また勉強を再開するだけ。

多少のロスにはなるが、大きなロスでもないので伊奈野にはあまり気にならないものだった。

「点滅しだしたら難しい問題でもやれば良いかな。場所が変わってくれれば思考も切り換えられるし。難しい問題は一か所で同じように考えてるとドツボにはまっちゃうからね」

しかも、なんだかポジティブにとらえようとしている始末である。

彼女は受験生らしく、根強い何かを持っているのであった。

その後は勉強、休憩、魔女さんへの授業、そして時たまのリスポーンと、その4つを繰り返し。

ゲーム内での生活を謳歌(?)していた。

「………なんか、餓死する間隔も長くなってる?」

そうしているうちに、彼女はだんだんと餓死する回数が少なくなってきていることに気が付く。よく見て見ると、満腹ゲージの減り自体もかなり遅くなっていた。

伊奈野は気づいていないが何度か空腹で死亡することで『飢餓耐性』というスキルを獲得しており、それの影響で餓死するまでの間隔が長くなっているのだ。

それでも空腹への対応をしていないため餓死でリスポーンし、それにより『飢餓耐性』のレベルも上がっている。

つまり、餓死でリスポーンすればするほど彼女の満腹ゲージの減りは遅くなっているのだ。

もちろん、そんなことなど伊奈野は一切気が付いていないが。

「まあ、いちいち転移しなくていいのは楽でいいんだけどさぁ~」

そんな気楽に言う伊奈野は、一切気が付くことなどない。

自分が持っている高レベルの『飢餓耐性』は、ほかのプレイヤーたちが攻略のために大量の食料品を買っているのと比べるとかなり消費する金額が少なくて済むようになるスキルだということに。

というか、多くのプレイヤーが知れば求めるスキルだということに。

そして、もしこのスキルを上げ切れば、彼女は多くのプレイヤーがうらやむ偉大な力を得るということに。

「あっ。師匠。これ見てもらってもいいですか?」

「良いですよ」

「これなんですけど、ちょっと分からないところがあって………」

彼女が攻略に参加すれば必ずトッププレイヤーのような存在になれる。

しかし彼女はそれに気が付かないまま、勉強と授業を繰り返すのだった。

「あっ。すみません。もうそろそろゲージがなくなる。一回リスポーンしてきますね」

「え?あっ!………うそ!?死んじゃった!!?????」


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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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