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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 83

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ダンジョンの防衛など考えるつもりもなくすべてを炎さんと骸さんに丸投げした伊奈野。彼女は今までのように勉強を行なっている。それも、一切周辺の確認などせずに数十分。

ダンジョンの解体と再構築を行なう必要がなくなったことでより集中力がまし、今まで以上に勉強ははかどっているくらいだ。

それでもやっと1時間ほど経過したところで彼女はいったん休憩しようと顔をあげ、

「………………………………………………は?」

長い沈黙の後、強い困惑のこもった声が口から洩れる。

何故なら知らない間に、

「め、めちゃくちゃ長くなってる。ナニコレ?」

伊奈野の目の前には、かなり先の方まで続いているように見える通路が。出口などと言うものは見えないほど長くなっており、伊奈野が困惑するのも当然である。

周囲を見回してみるが炎さんや骸さんの姿はなく、説明を求めることもできない。

「計画書くらい書いてもらっとけばよかった…」

流石に何も聞かなかったのはまずかったと思い、頭を抱える伊奈野。

しかし、そこへタイミングよく、

『む?勉強とやらは終わったのか?』

「あっ。骸さん。今は休憩中です………と、それは良いとして何ですかこれ?すごい長いんですけど」

骸さんが戻ってきた。どうやったのかは分からないが、突然伊奈野の目の前へ転移するようにして現れたのである。

伊奈野は骸さんの質問に答えつつ、現状を尋ねる。

『ふむ。これはこのダンジョンの最下層となっている。今のところではあるがな』

「最下層、ですか?」

『うむ。今は実験中だが、実際に稼働する際にはここへ大量に余の配下を置いておき、ここへ転送されてくる挑戦者を袋叩きにするつもりなのだ』

「は、はぁ。そうなんですか」

そうなんですかとしか言いようのない状況だ。

伊奈野にはさっぱり分からない。

最下層とか転送とか言われても伊奈野には、

「このダンジョンにはいくつもの層があって、その層を攻略するごとに次の層に転送される仕組みになっているということでしょうか?」

くらいにしか思えない!

『…………………………………とてもよく分かっているではないか。その通りだ。ダンジョンは今のところ全55階層。1階層から3階層は階段で上り下りする仕組みとなっており、1階層だけDPで生み出したモンスターに。それ以降は余の配下に守らせる予定である』

「なるほど。では4階層以降はどうなっているのですか?わざわざ転送などという仕組みを使うくらいですから、地形や気候などの環境が違うとか?」

『それもその通りだ。本当に説明のし甲斐がないな…………4階層から6階層も上層と同じように階段による移動が可能になっている。ただし1階層から3階層は通常のダンジョンらしい土壁の場所であるのに対して、こちらは水中のフィールドとなる。転送先からすでに水の中であり、専用の呼吸ができるスキルを持っていなければ窒息死する』

「おぉ。それはなかなかに鬼畜ですね」

『そして7階層以降は…………』

骸さんの説明が続く。なんだか聞いている限り、とても難攻不落で堅牢なダンジョンになるのではないかと思えた。

ただ、そこまで強いと。

「デメリットとかはないんですか?あまりにも強すぎて誰も攻略できないような気がするんですけど」

『ふむ。その通りだな。ダンジョンマスターは興味がないという割になかなか読みが良い。その考えの通りこのダンジョンを維持するのにもかなりのDPが必要とされているのだ。ダンジョンモンスターや特殊な環境と言うのは維持するだけでもDPを使うから実に厄介だ』

「は、はぁ。そうなんですか。じゃあ、結局今のままじゃダメなんじゃないですか?」

伊奈野はあきれた目を向ける。

作ったはいい物のこのまま防衛することは無理なのではないか、と。そんな気持ちを込めて。

しかし、その視線を受けた骸さんは、

『カカカッ!だからこその余、なのである!』

「と、おっしゃいますと?」

『余や余の配下と言った存在は、このダンジョンにとっては異物。排除対象であると同時に、搾取の対象なのである!』

「搾取の対象?」

『うむ!どうやらこのダンジョンというのは侵入者がいる間、その侵入者から自然に出されるエネルギーを回収してDPに変換するようなのだ!だからこそ、余という圧倒的な存在がいるだけでこのダンジョンは多くのDPを得られるのだ!!』

「へぇ。凄いですね」

よく分からないが、適当に褒めておく。ただ、とりあえずDPが枯渇してダンジョンを維持できなくなるといった事態にならないだろうという話なのは理解できた。

「じゃあ、私は安心して勉強できますね。では引き続きよろしくお願いします」

『うむ!…………と、またこの威圧感か。余の返事も聞いていたのかすら怪しいな』

骸さんから何とも言えない視線を向けられる伊奈野。しかし、勉強に集中している伊奈野がその視線に気づくはずもなく。

そしてまた、

《称号『小規模ダンジョンマスター』を獲得しました》

《称号『中規模ダンジョンマスター』を獲得しました》

《称号『大規模ダンジョンマスター』を獲得しました》

《称号『海の…………

流れる大量のダンジョン関連のログにも気づくことはなかった。

この省略される諸々も今のうちに作者は考えておく必要があるんですよね(白目)

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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