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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 335

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勉強を進めている伊奈野。その様子に普段との違いは見られない。普段より圧倒的な集中力を見せているということもないが、集中していないわけではない。安定した集中と回答速度を保てているという面で見ればいい事だろう。というか、これ以上を望むのは他の多くの受験生がかわいそうだろう。

ただ、そんな変化がない伊奈野とは違い、その隣にはどこかそわそわしている人物(?)が。

当然トイレに今すぐ行きたいとかそういう話ではなく、

「ね、労い。何されるんだろう……………」

伊奈野が前回の休憩時間中に口にしていた労いと言う言葉に困惑するとともにどこか期待していた。

今まで労いなんてされたことがなかったため、どんな労いをされるのかと思うと怖いような嬉しいような。そんな気分になるのだ。

伊奈野は直接そのそわそわしている炎さんに労いをするということは言っていないのだが、接触している配下には労いが必要かもしれないという言葉からそれに当てはまるのは自分くらいだろうと考えているのでる。

「労い。自分がされて嬉しい事?それこそ、言葉をかけられるとかそういうことを候補に出してましたけど、自分はそれをされて嬉しいんでしょうか?」

炎さんは独り言ちる。

自分の気持ちは分からないが、想像してもそこまで気分が盛り上がることはない。やはり、労いには自分が想定するもの以外が欲しいというのが本心だった。

想定するもの以外と言うことであるから当然自分は想像できるはずもなく、本人(?)が欲しい物が分からないのに他人がそれを理解するなんて相当難しい事だろう。炎さんは伊奈野に非常に難しい事を期待しているのであった。

「自分の欲しい物。欲しい物かぁ……………」

ただ炎さんもさすがにそんな事を期待するのは良くないということで、自分の欲求を改めて見つめなおすよう努力はする。

それでも今まで見つけられなかった自分の欲求部分と言うのをこんなに短時間で理解できるわけもなく、いつの間にか時間は過ぎていき、

「……………ん~。休憩」

「あっ。ダンマス、休憩ですか?」

「そうですね。一旦休憩に入ります」

ついに伊奈野が休憩に入った。自分の欲しい物が見つからないまま、彼女の休憩時間が始まってしまったのである。

炎さんは自身のことを自分自身が思っていた以上に理解していないということを認識して衝撃を受けることになるのだった。

ただそれはそれとして、今回問題になるのは伊奈野の労いである。

まず伊奈野が労いを覚えているかどうかすら謎なのだ、どれだけ勉強前に行っていたことを本気で言っていたのかもわからないし、労いという行ない自体があやふや過ぎて結局まとまっておらずやることに入れられていない可能性もある。

「………………さて、それじゃあ」

「それじゃあ?」

勉強道具を片づけた伊奈野は何かを始めようとする。

だがそれが労いかどうかは分からないし、炎さんは気持ちがせるあまり思わず伊奈野の言葉を反芻し聞き返すようにしてしまう。

そうして問いかけたのだから、当然答えとして出てくるのだと思われるのは今後の予定。炎さんはそれ以上喋ることなく言葉を静かに待つ。緊張の一瞬だ。

伊奈野は何かを考えるようにしながらゆっくりと口を開き、

「さっき言ってた、労いっていうのをやってみましょ、」

「よっしゃ、きたぁぁぁぁ!!!!!!!」

労いをするらしい。

それを理解した瞬間テンションがぶちあがってしまった炎さんは思わず声を張り上げてしまう。

伊奈野の言葉を遮るようにして発せられたそれは、当然ながらしっかりと伊奈野の耳にまで届いており炎さんには何とも言えない、不審者を見るような目が向けられた。

「………………」

「………………あっ、いや、その。すみません。何でもないです」

「えぇ?今のはさすがに何でもないではごまかされないような言動ですよ?」

沈黙に耐え切れず謝罪し無視を要求した炎さんだが、さすがにそれをスルーできる程伊奈野も図太くはない。困惑した表情で首を横に振られることになるのだった。

さらに沈黙は続いて行く。

だが、数秒後、

「………………はぁ。分かりました。非常に気にはなりますけど今は労いの時間だから仕方がないですね。とりあえず横に置いておいて未来に出荷しましょう」

「できればそのまま途中で間違えて捨てられたりとか送り先を間違えられるとありがたいですね」

伊奈野はため息をつくとともに今回は見逃すことを決める。炎さんは安堵するとともにこれから先永遠に忘れ去ってもらうことを心から祈るのだった。

そしてそこから炎さんが考えるのは、この後の労いの事。

やはり労いが行なわれるのは間違いないということであり、自分が何をされるのか非常に気になるわけだ。頭の中では『本日の主役』と書かれたタスキを付けてパーティー用の帽子をかぶりさらに鼻とひげの付いたメガネといういわゆるギャグ眼鏡を着けた自分自身がクラッカーを手に持った伊奈野に祝われているところが想像されていた。

99.9999%ありえない、あまりにも非現実的過ぎる光景である。

あと、労うにしても本日の主役ってなんやねんと言う話だ。

ただそうはならないにしてもそういった感じで何かしら言葉なり行動なりでの労いが行なわれると予想していた炎さんは、

「それじゃあ、行ってきますね。労いに」

「いってらっしゃ、…………………………え?」

「やっぱり日頃お世話になったり昔お世話になったりしましたからね。こういうことを思いついたときくらい労ってあげた方がいいですよね。せっかくですし私のお小遣いなDPも使うとしましょうか」

「……………………………………………………え?」

理解ができなかった。自分の目の前から消えていく伊奈野のことが。

なぜ労いだというのに自分の目の前から消えるのか。労う自分の前から消えるような準備などするほど伊奈野が考えているようにも見えないし、なぜ伊奈野はどこかへ行ったのか。

少しも理解はできない。

伊奈野が消えてからしばらくは完全に思考停止して固まっていた炎さんだったが、やっと復帰して伊奈野の言葉を理解するためにダンジョンの内部を映し出すモニターに伊奈野の周辺の様子を映し出すよう設定すると、

『いつもありがとね。良い『龍落とし』の練習ができてるよ』

『キュ~』『シャァ~~』『ギャァゥ』

そこには、和やかな空間が出来上がっていた。

数体の大き目なモンスターに囲まれ、伊奈野はお礼を言ったりその体をなでたりとまさしく労いと言ったような言葉をかけているのである。

炎さんにはそんなことしていないというのに。

「……………なんで、なんでなんですかダンマス」

《スキル『脳破壊1』を獲得しました》

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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