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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 437

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かなり無駄な可能性を考えて、マターとコスプレ魔王を探しに外へと出てきた伊奈野。

しかし街は広すぎるし2人は長い事街の外にいて今はすでに図書館へと戻っているため見つかるはずもなく、何の成果も得られないでいた。

そうしてさすがに時間を使い過ぎたということで図書館に帰ろうかと思ったところ、

「あれ?」

後ろから小さな、だがどこか聞き覚えのある声が聞こえてきた。声から考えると、向こうも伊奈野の事を見おぼえがあるように感じていそうである。

視線を向けてみればそこにいるのは、

「…………………だ、誰だっけ」

「あ、あれぇ!?私のこと覚えてくれてない感じですか!?あんなに楽しくおしゃべりしたのに!?ひどいな~まったく」

伊奈野の記憶にぼんやりと残っている誰か。

とりあえず今覚えている、というか分かっていることは、目の前のその人が非常にテンションの高い人だということ。そして、それに加えて、恰好が非常に怪しいということ。

「…………怪しい?って、ことはもしかして」

「おっ!良いですね良いですね!確か私のこと呼ぶときにそんな雰囲気の単語を使ってたはずです!その調子ですよ!」

怪しいという単語から伊奈野は記憶から急に何かが沸き上がってくるのを感じる。

そんな感じの名前(を勝手に伊奈野に付けられた)の人がいた気がするのだ。

それはそう、

「怪しい服の人?」

「おしい!」

伊奈野が導き出した答えは、怪しい服の人。

まさに恰好が怪しいという要素から導いた名前としては最適なものである。

だが言われてみれば確かに目の前の人は怪しい服の人とは違う。怪しい服の人は伊奈野に呪いをかけてくれた人物であり、もっと目の前の人よりも元気がなくて胡散臭いのだ。

ここまでテンションが高いなんてありえない。

だが、怪しい服の人ではないとなればもう絞り込めたと言ってもよく、

「怪しい服の人2号、ですね」

「おっ!正解で~す!覚えてもらっててよかった~!」

怪しい服の人2号。

最初にあった時には速度を出し過ぎてなかなか止まれず、伊奈野の前を何度も通り過ぎていた記憶がある元気のいい子だ。そして何より名前が似ていることからわかるように(なお名付けた時にはあまりつながりなど意識しなかった)怪しい服の人の知り合いである。

詳しく言うと、

「怪しい服の人のお弟子さんでしたよね?」

「はい!その通りです!」

師弟関係。つまり、この見た目の怪しさは師匠譲りだというわけである。

2人とも師弟関係ではあるが前回見かけた際はかなり緩い関係性だった記憶が伊奈野にもあった。

伊奈野のイメージではそんな格好をしているから普段は表に出てこないものと考えていたのだが、この街中で元気よくしゃべりかけてくることを考えるにそういったわけでもないらしい

「何かお買い物ですか?」

「買い物もやりますけど、正確には素材集めですね。あのアホ師匠は面倒くさいからってそういうの私に押し付けてくるんですよね。あんなんだから普段人と会話しない引きこもりになっちゃうんですよね。しかも家にいる間も大したことないし。せめてもうちょっとお金稼ぐとかすればいいのに」

「うん。気持ちはわかりますけどその発言は刺さる人が多そうですからやめてあげてください。さっき通りすがりの人が胸を押さえながら走り去っていきましたよ。まるで初恋に敗れた人みたいでした」

「それはそんな生き方しかしてないようなやつが悪いんですよ」

「…………なるほど」

生産性のない人間に何の恨みがあるのかは分からないが、怪しい服の人2号はバッサリと切り捨てた。救いはないらしい。

周囲からは話を通りすがりに聞いていた通行人が胸を押さえて次々と逃げるように去っていく。

一応他に逃げずにいられるものもいたが、みな顔色が悪いのは共通していた。朝からVRをやっているのだから伊奈野と同じように学生や出勤前の会社員が多いのかと思われたがそういうわけでもないようだ。

そしてそんな周囲に大した興味も無いようで、怪しい服の人2号は伊奈野の顔を見ながらいいことを思いついたとでも言いたげに顔を輝かせて、

「そうだ!ここであったのも何かの縁ですし、一緒に素材取りに行きませんか!」

「素材、ですか?」

伊奈野を素材採取という普段なら絶対にやらないようなことへと誘う。何の成果も得られていないのだからここで何かしてみるのも悪くないかもしれない。

ただ伊奈野は現在時間がない状況であり、

「ん~。30秒だけなら付き合いますよ。それがギリギリです」

「え!?30秒!?じょ、冗談ですよね!?」

「いえ。冗談じゃないです。ついでにもうカウントは始まってます」

「は、はぁ!?」

甘く見積もっても怪しい服の人2号に対して最低時間は30秒。

1分すら分けてあげられないほどもう勉強再開までの時間が迫ってきている中で、それが伊奈野に出せる限界だった。

当然そんな少しの時間で伊奈野と共にやれるような採取など、

「うん!それならアレがありますね!行きますよ!ついてきてください!」

「了解です『速きこと風のごとし』」

普通ならできない。

だが、怪しい服の人2号は普通じゃない。だてに怪しいだけではないのだ。

怪しい服の人に師事して呪術の知識を手に入れるとともに、さまざまな特殊な知識も入手しているのである。

例えば、伊奈野がユニークスキルを使う必要があるほどの速度で走って行った先にある、

「それじゃあ苔の採取です!ここ良いスポットなので、他の人には内緒ですよ!あっ、あと、教えた代金ってことでできれば採取量の半分くらい貰えるとありがたいと言いますか…………」

「分かりました。半分どころか全部上げてもいいくらいですけど」

少し路地の方に入った場所に生えている苔。

何に使うのかといったようなものだが、怪しい服の人2号によればいい素材らしい。

それらをごっそり2人でそぎ落として回収し、

《スキル『採取1』を獲得しました》

《称号『天才採取家』を獲得しました》

称号まで獲得しながら作業は進んでいった。

さすがにこの近くに簡単な採取場所はないためこのまま回収をして終わればいいかと怪しい服の人2号は考えていたのだが、

「ああ。そうだ。何か欲しい成分とかあるんですか?」

「呪いの効果を高める成分ですね」

最後の10秒。

そこで伊奈野は1つ思い出したことがあり求めている素材の内容を尋ねる。

やはり個体差はあり、特定の成分が多いほど高品質な素材となってくれたりするわけだ。ただそれは素人に分かるようなものでもないし答えた怪しい服の人2号としても気にしないことだったのだが、

「『濃度変化』…………じゃあ私はこのへんで」

「あっ、ありがとうございました!…………って、品質高っ!?なにこれ!?」

伊奈野が渡した苔。半分どころではなく8割近くをまとめて怪しい人2号に渡したのだが、それには少し仕掛けがあった。

ただ採取したそのままを渡したわけではなく、たまたま思い出した『濃度変化』のスキルを活用して中身の成分の調整を行なったのだ。

植物の中の水分に含まれる成分を調整するなど伊奈野にとっては朝飯前の処理なのだ(なおスキルを思い出した時に限る)。

こうして異様に品質の高い苔を怪しい服の人2号に渡した伊奈野は活動限界だということで消えていき、

「戻りました。結局2人は見つから…………あれ?戻ってきてる?」

「お疲れ様です。師匠。さっき戻ってきましたよ」

「入れ違いって感じでしたね。私たちも連絡が取れたらよかったのですが」

自分の外出が無駄だったことを知るのだった。心配したことが起きたのかどうかは兎も角、何も活躍することはできずに2人は戻ってきてしまったのである。

「ま、まあ、問題が起きるよりはいいのかもしれませんけど…………」

口ではそう言いつつもあからさまに落ち込んだ様子を見せる伊奈野。

そのまま彼女は落ち込む気持ちをごまかすかのように机に向かっていくのだった。

そんな伊奈野は気づかない。

彼女が先ほどまで触っていたものが呪いに使われる材料だということを。そして、その触った手で触れているペンと本に変化が起き始めていることを。

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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