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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 493

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空間の主である槍。それの前所有者の偽物が今伊奈野を狙っているわけなのだが、そこには問題があった。

前所有者が現れた地点は、モンスターが倒された場所と同じ。伊奈野とかなり近い距離になるのだ。よって最初から、強烈なの威圧を受けることになる。

しかも最悪なことに、距離を取ろうにも伊奈野が出したかまくらは多層構造で、それこそ倒したモンスターの場所すら超えてかまくらは作られている。つまり今、前所有者はかまくらとかまくらの間にいるのだ。より正確に言えば、かまくらの内側にいるが、その中にあるかまくらの外側にいるということだ。

「時間よ凍りつけ」

板挟みならぬかまくらばさみとなっており何もできない前所有者だが、どうにかしようと頑張ってはいる。

狭い隙間であるから槍を振り回すことも難しいが、それでも槍の力を使って攻撃を繰り返していた。もちろん威圧を受けている状態であるため、攻撃が強い物かと問われると微妙なところではあるが。

通常であれば槍に氷を纏わせて槍と呼んでいいのか分からないような太くて長い杭のようなものを使って攻撃したりもするのだが、今行なっている攻撃は適当に槍から出した氷の粒をかまくらにぶつけるくらいだ。

全くダメージを発生させないようなものではないが、万全な状態で行なう攻撃との差を考えるとひどい物であるとはっきり言える。

とてもではないが、それでかまくらを突破することはできないだろう。

「時間よ凍りつけ」

それでも前所有者の偽者は攻撃を繰り返す。そうすることしかできないのだから。そうするように生み出されたのだから。

時たま口から出る言葉は生前から口にしていたものだったのか、それともこの空間の主の想いなのか。

無駄なことをただただ繰り返すその姿には、何とも物悲しいものがあった。

もちろん、伊奈野はそんな姿などしらないし、興味もないが。

攻撃が来ていようが何だろうが関係はなく、ただただ勉強を進めるだけだ。

大量のかまくらの層となったそれの中心では、静かな中ただただ伊奈野が問題を解き続けていた。

ただ、

「ん?ちょっと動きが鈍いような?」

勉強開始から数十分が経過し、いつもなら伊奈野が絶対に手を止めないタイミングで伊奈野は手を止めた。集中力は問題なく発揮されていたし伊奈野の集中を乱すような騒音や光などもなかったはずなのだが、伊奈野は手を止めたのだ。

原因は、ちょっとした自分の体の動きの悪さ。

なぜ急にそんなものが襲ってきたのかと伊奈野は首をかしげるのだが、

「ん?もしかして、一酸化炭素中毒?」

伊奈野は気がつく。恐ろしい事態に自分が陥っていることに。

一酸化炭素中毒と言えば、火事の時などに陥りやすい現象でそれのせいで動けなくなって火に飲まれてしまう人も多いという厄介なものだ。

一酸化炭素自体には匂いがないため気がつきにくく、いつの間にか陥っているというケースも多い。

一酸化炭素中毒の場合最初に出る症状が体が動かなくなるというものであるため、なってからでは遅いという点も厄介な部分だ。

一時期は体が動かなくなって感覚もマヒするから苦しまずに終われるなどという噂もあったのだが実際はそんなことはなく、動かなくなった後ただただ苦しい時間が続くという話があるため伊奈野もなってしまってはマズい物である。

ただ、そこまで考えてから焦り、気づいたのだが、

「あれ?一酸化炭素中毒って、禁忌じゃなったっけ?」

より正確に言うと、禁忌にされたのではなかったか。伊奈野はそんなことを考えて不思議に感じた。

自分が今、禁忌と同じ状況に陥りそうになっているのだから。

以前伊奈野は一酸化炭素中毒を利用して敵を倒すという作戦をダンジョンがあるサーバのうるさい人と宗教勧誘少女ちゃんに教えたことがあったのだが、それが禁忌に指定されてしまっていたのだ。そのことは伊奈野の記憶にも強く残っているため今回発生した事態を不思議にも感じる。

どうして禁忌に指定されることが自然に(?)発生したのか、と。

「意図的でなければ禁忌にはならないの?というか、禁忌だからと言ってそれを防止する仕組みがあるわけではない?…………よく分からないけどマズいことは間違いなさそう。早く処理しないと」

一酸化炭素がこれ以上充満すると、伊奈野の勉強に支障が出かねない。それは間違いのない事だった。

ただ解決しようと思って解決できるものでもないのだが、それでも伊奈野はできることをする。

まず一酸化炭素は空気より軽く上の方にあることが多いため、1つずつかまくらを解除していけばいったんどうにかできるのではないかと考えた。

行動はすぐにしなければならないということで早速1番内側のものから解除してを繰り返した後、また再度1番内から作り直していく。

これだけでも十分効果はあったのか、先ほどまでの酷い状態は解消されたように感じた。

「ずっと燃やしてると、こういうことになるリスクもあるんだね。すっかり頭から抜けてた。気をつけないとなぁ」

そう呟く伊奈野は、何か解決策がない物かと考えながらまた勉強に向かう、一応ヒントがあるかもしれないので手を付ける教科は化学だ。

《称号『禁忌に気づく者』を獲得しました》

《称号『禁忌回避者』を獲得しました》

こうしたことでまた称号が増えているということはつゆ知らず、またしばらくしたら換気をする必要があるかなどと考えていた。

だからこそ、知るはずもない。

伊奈野が外へと送り出したところで丁度いいところまで一酸化炭素が充満して、

「時間よ凍り…つ……け………」

伊奈野を襲おうとした存在に深刻な問題が起きたことに。

ただでさえ威圧の影響を強く受けていたりと大変な状況だというのに、やっとそれが収まりしかも近くのかまくらが解除されて動けるようになったかと思えばこれなのだ。やってられないだろう。

《称号『合法禁忌活用者』を獲得しました》

《称号『限りなく黒に近いグレー』を獲得しました》

こんな称号を獲得してしまうことも仕方のない所業である。

このまま敵に一酸化炭素を吸い込ませ続けることができれば伊奈野が知らぬ間に勝利することも難しくはないだろう。

が、それは相手が吸い込み続けるならばの話である。

さすがに一酸化炭素を吸い込み続けると前所有者の偽物は倒れ、それによって呼吸器の位置が下がるため一酸化炭素を吸い込まずに済むようになる。図らずしも火事になった時には姿勢を低くすることという大事なことを実践できたわけだ。

もちろん火事は起きていないし、実際にこういう倒れて姿勢を低くするということをしてしまった場合は炎を待つだけになるわけだが。

「じ……か……」

固定のセリフを口にしようとしているが、吸い込んだ一酸化炭素の影響は残留するため上手くしゃべることができない。

一酸化炭素を体から出し切るには相当時間がかかるし、伊奈野が勉強を終わらせるまでに万全な状態まで戻せるかどうかというのは微妙なところだった。

そして、この状況に1番焦るのはこの空間の主だ。

なにせ、槍には一酸化炭素中毒なんていう概念がないのだ。何をするにしても今では理解できる(?)攻撃で苦しんでいたのというのに、今度の一酸化炭素中毒はそもそもその知識がないため見た目だけでは何が起こっているのか分からない。

だからと言って臭いなどに異常が出ているわけでもなく魔力に動きがあるわけでもないし、調べてみても毒が使われているという形跡もない。

前所有者が倒れる理由が不明で、頭を抱えるしかないのだ。

伊奈野が何かをやっていたことからその影響だろうことは分かるのだが、ここまでの影響が出始めると自分が何か失敗したのではないかという気すらしてきてしまう。

結果として、

「ん?あれ?戻ってきちゃった?」

「あっ!おかえりなさい!」

伊奈野は槍の作り出した空間から解放されることとなった。

勉強中に急に戻された伊奈野は、首をかしげるばかり。槍が理解できない伊奈野を恐れて降伏したことなど、知る由もなかった。

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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