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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 321

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「…………」

「お久しぶりですわね、ファルタン伯爵令嬢」

「……はい」

行く手を阻むかのように立ち塞がったものの、一言も喋らない主に、とりあえず声をかけてみる。

もちろんデフォルト的な微笑みは絶やさないわ。

日に照らされて、焦茶の髪が青く艶めいている。

相変わらず視線は下に、長い前髪で先日見えた空色の瞳も、可愛らしい顔立ちも隠れていて、何だかもったいない。

声もとっても小さくて、自信の無さが押し出されているせいか、とっても残念に感じちゃう。

でも何だか前世の娘を思い出して、懐かしいの。

双子の弟達が成長して、ヤンチャギャングになるまで、こんな感じで家族以外の人の前では、モジモジして、話す声も囁きかとつっこみたくなる程だったわ。

ギャング化した弟達に巻きこまれて、ヤンチャの片棒担がされそうになる事が増えてからは、ハッキリ自己主張するようになったけれど。

「「…………」」

それにしても、何かお話ししようとして引き止めたのよね?

「「…………」」

うんうん、いざとなったら喋れないのも、モジモジちゃんの特徴ね。

さあ、頑張って!

心の中ではエールを送る。

「「…………」」

どうしましょう?

本当に用があって呼び止めたのかしら?

微笑みを浮かべるのを苦痛に思わせるなんて、やるわね。

「「…………」」

うん、そろそろ帰りましょう。

用があったら、また話しかけてくるわよね。

そう思って微笑みつつ、通せんぼう状態の障害物の脇をすり抜けようと1歩前に。

すると障害物が、1歩後退?!

様子を窺いつつ、また1歩進めば、1歩後退……。

何かのゲームかしら?

試しに2歩前進。

すると2歩後退……。

「「…………」」

やっぱりそういうゲームね!

無言で等間隔を保って、前進と後退するルールなんだわ!

次は2歩後退してみれば、相手はハッとしたように一瞬だけ顔を上げて、2歩前進。

ほら、やっぱりそうよ!

でもこれをずっと先の通りまで繰り返すのは、疲れそう。

こんな事ならワンコ君と乗り合ってきた、お馬のラティちゃんに乗って帰れば良かった。

帰りは転移しようと思っていたから、ワンコ君に気を使って、ラティちゃんはアトリエの馬小屋に繋いだままにしてきたの。

ちなみにアトリエは、ユストさんが持っていた、王都から馬で駆けて数時間の、郊外よ。

私が産まれた頃は、貴族の別荘ブームだったらしくて、ここもその一つ。

ユストさんが会長を勤めるリュンヌォンブル商会と、大昔にもめて裁判沙汰にした貴族がいたじゃない?

示談となった時に、お金だけじゃなく、ここもいただいたの。

本人はすっかり忘れていたみたいだけど。

少し寂れた郊外だけあって、徒歩では大通りに出るまでに、かなり歩くわ。

ゲームをしながらだと、もっと時間がかかっちゃいそうね。

暇な時なら付き合うのも、やぶさかではないわ。

どうせなら前世の娘や孫娘達にしていたように、髪を結んだり、着飾らせたりする方が好きなのだけれど。

あの子達の何人かは、それを録画してSNSにアップして、広告収入にしていた子達もいた。

それ以外の芸事も嗜んでいたから、お小遣い稼ぎに貢献できて、お祖母ちゃんは何よりよ。

「ふふ」

「?!」

あら、思わず当時を思い出したら、うっかり笑いが漏れちゃった。

ビクッとしたから、驚かせ……あらあら?

何だかキョトンとして……今度は頬を赤らめた?

ちょっと意味がわからない。

「…………」

元のデフォルトの微笑みを浮かべたら、今度は何か言いたげに、けれどやっぱり無言で、残念そうなお顔ね?

どんな心境の移ろい?

まあいいわ。

前々世ではその手の侍女もいなくて、髪も自分で結っていたし、道端で拾って面倒を見ていた女の子でも遊んでいたの。

多分その頃から、元々好きだったんでしょうね。

去年の学園祭でシュシュを販売した時も楽しかったの。

今年はどんな出し物にするか、そろそろ決まるわ。

土壇場になって、色々提案したのよ。

けれど四大公爵家の公女だからこそ、最終的な決定はお任せしてあるの。

学園祭は皆で決めて、皆で楽しまなくちゃ。

水を差したくないから、今年も前日まで動いて、後は奥に引っこむわ。

「用がないなら、そろそろ……」

「ラビアンジェ!」

気持ちを切り替えて、この場を去ろうと声をかけたその時よ。

何だかつい最近ぶりの、金切り声がどこかから飛来してきたのは。

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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