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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 489

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『妾の最後となる子を託す。

無事に孵化するかもわからぬ子だが、孵化すればそなたの力となろう』

ピヴィエラは亜空間から出した卵を私の目の前に出現させる。

どうして他の卵と違って、この1個だけを亜空間に隠したんだろう?

そう思いつつも両手で卵を受ける。

ウミガメの卵くらいのサイズだったわ。

手に載せた卵には、とてつもない質量の魔力が内包されているのを感じて、だからかと合点がいく。

ピヴィエラが生んだ卵の内、5個はキャスケットにお願いして、安全な所に避難させている。

けれどそれ以外の卵は、見つけた時にはもう割れてしまっていた。

なのに今、こうして亜空間から1個だけ卵を出した。

だとするなら、ピヴィエラは他の卵を失う事になっても、この卵だけは真っ先に隠したに違いない。

恐らくそれは、聖獣としての判断。

魔力だけでなく、それだけこの卵には特別な力を秘められているという事だろうか?

『それはラグォンドルに託すべきでは?』

『ラグォンドル……妾の愛しく可愛い夫よ』

だから尚の事、私が卵を育てるのは気が引けた。

ラグォンドルの性格がどんなものか、この時は良く知らなかった。

けれど少し前まで妻を傷つけられ、卵を失って怒り狂っていたんだ。

一般的な魔獣よりも、ずっと大きな……多分愛情という感情を傾けているはず。

ベルジャンヌだった私が、卵に何らかの感情を傾けてやれるかと問われたら、答えは否。

ましてや前々世では、親子の愛情というものに全く縁がなかったもの。

孵化するまでにどう接していけば良いか全く想像がつかなかった。

そんな自分の魔力を与えるよりも、父親としての自覚を持っていそうなラグォンドルこそ、卵に魔力を与えて育むべきでは?

卵の孵化には、時に親の想いが関係すると聞いた事もある。

ベルジャンヌだった頃の私は、そんな風に考えて敬遠してしまった。

『なれど、ならぬ。

妾の与えた聖獣の力が馴染まぬ状態で、卵に魔力を与えれば、孵化より先に子が力に耐えられずに死ぬ。

元より卵は死にかけておるのだ。

魔力を与えて育む者が、繊細な魔力コントロールをできねば、すぐに魔力の過不足が起きて過剰か不足のどちらかで卵が割れ、子は命を落とす。

どうかラグォンドルにも伝えてくれるな。

他の無事な子ならともかく、その子は生き延びるかどうかもわからぬ。

もしもの時、再びラグォンドルが我を失い、暴走しかねぬ』

『けれど、ピヴィエラ……』

確かにピヴィエラの言葉は一理ある。

けれどどうせ失敗する可能性の方が高いのなら、やはり卵を愛する者の魔力の方が少しは孵化の確率も上がるかもしれない。

私がラグォンドルのサポートをして……ああ、でも無事だった5個の卵もラグォンドルが孵化させるのか。

となればこの卵にだけ、かかりきりになるのは難しい?

頭の中では堂々巡りが起きていて、珍しく答えが出なかったのを覚えている。

『赤子だった死にゆくそなたを生かし、ベルジャンヌという名を与え、短い時間とはいえ育んだ妾に免じて……頼む』

けれど恩のあるピヴィエラにそこまで言われてしまえば、これ以上の拒否もできなくて。

『…………わかったよ、ピヴィエラ。

けれどその子が無事に孵化できたら、その時はラグォンドルに今の会話を話しても良い?』

『……ああ……そんな日がくると……願って……』

ラグちゃんの奥さんとの会話は、これで最期。

この直後、ピヴィエラは力尽きた。

聖獣ヴァミリアが初代国王と契約した最後の一体となったわ。

表向きは、よ。

アヴォイドもリアちゃんも存在しているもの。

でもアヴォイドは亡くなっているようなものね。

今のリアちゃんは新しい体を手に入れて、転生している。

だとすると初代国王の契約した聖獣は、もう存在しないようなものになるかしら?

線引きがわからないわね。

それはそうとベルジャンヌは、初代国王と同じ素養があるとピヴィエラは言っていた。

あの時は単純に、魔力量や王族だからだと思っていたわ。

けれど、もしかして私は何か勘違いをしていた?

ピヴィエラはどんな意図で、同じ素養だと言ったのかしら?

それに初代国王が存命中、代替わりした聖獣ちゃんも存在していた。

ピヴィエラに教えてもらったもの。

なのにピヴィエラは最古の聖獣と限定して、悪魔に勝てないと言った。

今になってピヴィエラの意図に考えを巡らせる。

「お母さん?」

その時、ディアが目を覚ました。

「おはよう、ディア。

目が覚めたのね」

「うん……リーダーと伯父さんの魔力、他にもいっぱい、消えちゃってる?」

「そうね。

ラルフ君と伯父さんの魔力は、私が起きた直後に消えてしまったし、今も私の知る魔力は少しずつ消えていっているわね。

ふふふ、そんなに心配しないで。

それより、これから聖獣としてお仕事をしてもらいたいの」

ディアが珍しく口にした伯父さんとは、私の実兄であるミハイル=ロブールの事よ。

ディアが起き抜けにこの部屋で氷柱を作り出した直前、消えてしまったわ。

ラルフ君の魔力は、ディアが眠り始めた時。

内々にだけれど、極秘に内定している兄の婚約者の魔力は、私の目覚めた時には感じなくなっていた。

他にも消えていく魔力、消え入りそうな魔力と、時間と共に魔力を持つ人間の数がどんどん減っている。

お陰で私に残された時間は少ないのに、やる事はハードね。

だから今度ばかりは、無才無能な逃走公女で押し切るのは難しそうだと、腹はくくってディアが起きるのを待っていたの。

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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