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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 623

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「何が……」

「ワフ?」

同時に呟くポチに気づいて、突然の不思議現象が俺以外にも起こっていると悟る。

『王女なんか関係ねえ!

ベルジャンヌ、お前は子供だ!

子供が自分勝手な大人の理不尽を、我慢なんかしてんじゃねえ!』

なおも続く怒声。

すると少年の怒声に呼応するかのように、王女の様子が一変した。

「き、貴様?!」

国王が慌てるのも無理はない。

王女は聖獣達の拘束から難なく逃れ、国王が一斉に放った全ての刃を弾き、国王の前に踊り出た。

国王が王女の進行を防ぐべく張った障壁も、結界も、王女が拳で殴って、硝子が砕けるかのように消しながら。

「あらあら、まるでショウワの格闘技マンガ」

シャローナよ、ショウワやらマンガやらは、どこから……いや、本当にシャローナか?

微笑ましげにポチを抱えて、王女を眺める顔が、まるで……。

『フレ〜! フレ〜!』

すると今度は、頭の中の少年が片手ずつ、腕を横斜め上に上げた。

手の平がピシッと上へ向いている。

上体をそらせて腹から声を出し、野太い声で叫んだ?!

「「はぁ(ワフ)?」」

『ベ・ル・ジャン・ヌ!』

困惑する俺達など!そもそも知る由もないだろう。

少年は一言ずつ区切りながら王女の名を叫ぶ。

一言発すると同時に片手ずつ前上方へ、次に再び片手ずつ両手を左右上方の位置に素早く戻す。

な、何事?!

『フレ! フレ! ベルジャンヌ!

フレ! フレ! ベルジャンヌ!』

すると今度は言葉を繰り返すと同時に、手をキビキビと前後左右へ、規則的に動かし始めた?!

「「?! ?! ?!」」

ポチと共に拡大する困惑を抱える中、少年が声援……声援、だろうか?

声援を送り始めた。

何に向かうともなく、宙に向かって声援を送る少年の、度肝を抜く声援だ。

「ぐっふぅ〜……幾つになっても推せるぅ……初生応援団員……たまらん〜」

んん?

鼻息荒いシャローナ……の中の人物は、俺の時代の学園で時折見る変態恍惚とした……。

背中にゾワリと悪寒が走り、見てはならない禁断の何かを垣間見た錯覚を覚える。

魔獣を相手にするより、ずっと手強い逃走本能が刺激されまくりだ。

もう間違いなく、シャローナの皮を被った……。

「ぐっうぅ」

国王の苦しむ声に、ハッとする。

あまりに予想外な展開で、意識が完全に逸れた。

見ると王女が、国王の首を正面から鷲掴んでいた。

もちろん王女の手は小さい。

ただ掴むだけで、あんな風に国王が苦しむ事はないだろう。

身体強化?

いや、王女の体からは薄っすらだが、魔力の低い俺でも認識できるくらい、魔力が発せられている。

「貴様っ……ぐっ……余の魔力……乱して、魔法を阻害……」

そうか、王女は国王の体内魔力に干渉している。

国王がこれ以上、魔法を発動しないように防いでいるのだと察した。

確か治癒魔法の1つに、己の魔力を他者の体に流す方法があった。

かなり緻密な魔力コントロールが必要な方法だ。

王女はその方法で更に、他者の魔力に干渉して、魔法を使えなくしたと言うのか?

理論的に考えれば、できなくはないが……不可能に近いはず。

どれだけ魔法の才能があるんだ。

「ふふふ。

エッシュの瞳の訓練に、付き合っていたお陰ね」

シャローナの体で撫でられているポチを見れば……。

「……ポチ……」

直感的にはシャローナの中の人物が誰か、既に理解している。

ポチも同じだろうが、ポチのこの変わりようには、つい呆れが口を突く。

ポチは大人しくなった、というより、むしろ撫でてくれと言わんばかりに、頭をシャローナの手にこすりつけている。

尻尾なんか、はち切れんばかりに左右へブンブン振りまくりだ。

それより今、エッシュと言ったか。

王女がソビエッシュを私的な場で呼ぶ時の愛称だ。

少なくとも、この時点のソビエッシュとシャローナとの関係性でも、シャローナの中にいるのが俺の思う通りの人物であっても、愛称を口にするとは思えない。

何より、ソビエッシュの瞳の訓練?

思い出されるのは時折、ソビエッシュの瞳が煌めいたようになる事。

ミハイルにも起こる現象だ。

もしかすると血族間で引き継がれる、魔法とは違う固有スキルのような力の事かもしれない。

魔法に秀でた王女なら、2人は定期的に交流もしていたから、知っている可能性は高い。

それなら余計に、シャローナも、中の人物も知っているとは思えない。

しかし常識を忘れて、俺がこれまでに見てきた出来事と、度々、王女の中に垣間見た、ラビアンジェ=ロブールらしき片鱗を繋ぎ合わせていけば……。

『助けたくば、見つけよ』

あの中性的な声の主が告げた言葉。

見つけた。

更に王女の真実も見つけた。

そして王女と、ラビアンジェ=ロブールの関係性も……。

課題はクリアできた……のか?

自信はないものの直感的に、この試練が終わると告げている。

しかし……このまま王女を……。

「王座と言うものに興味はない。

だからあえて放っておいたのに……愚かしいね」

「……っぐぁっ」

父親、いや、異母兄の腹を蹴り上げる王女を、改めて見つめる。

ここへ来た目的は、公女を助ける事。

なのに王女の真実を知った今、俺は王女も助けたい。

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

ラビアンジェが元々記憶していた、ベルジャンヌが初めて怒った理由が変わって困惑しているのは、No.482に。

理由がわからないけど怒ったのよね〜、と国王に話していたのはNo.411に書いてます。

気になった方は、よろしければご覧下さいm(_ _)m

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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