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Nope, It’s Called Item Synthesis! – Chapter 42

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「ここがアルセルの工房だよ」

シェイラさんがマジックアイテムを研究している錬金術師と知り合いだと聞いた私は、すぐその錬金術師を紹介してほしいと頼んだ。

幸い即OKを貰った私は、彼女に案内されて錬金術師の工房にやって来た。

ただ、やって来た場所は大変ボロ……いや、趣のある建物だった。

「ここが錬金術師の工房……」

おお、錬金術師……遂に会えるんだ。

よくよく考えると私は錬金術師になりたかったんだよね。

自分のうっかりでその道は閉ざされちゃったけど、それでも錬金術師への憧れが失われていなかった事をこの建物を見て改めて気付いた。

「アルセル! 居るかい?」

シェイラさんがドンドンとドアを叩くと、ドアがギイイと開く。

けれど扉の向こうには誰の姿もない。

「はっ!? まさか錬金術で作った自動で開く扉!?」

オーバーテクノロジーですか!?

「いや、こりゃ立てつけが悪いだけだ」

ありゃりゃ、てっきり錬金術で作った発明品かと思ったのに。

「まぁ開いてるなら居るだろ。アルセル、入るぞー」

返事が来る前にシェイラさんは工房の中に入ってゆく。

「ええ!? 勝手に入って良いんですか!?」

「ああ。アルセルは研究に夢中になると何も聞こえなくなるんだよ。だから依頼の品を持ってく時は返事が無くても勝手に入ればいいってモルワさんから言われてるんだ」

おおー、典型的な研究家タイプなんだね。

「アルセルー、どこだー?」

工房の中に入ると、薄暗い室内に独特の匂いが鼻をくすぐる。

これは薬品の匂いかな? ポーションみたいな匂いがするし。

そして不思議な形をした道具や大量の武器の山がドアから差し込んだ光に照らされる。

「うわぁ、不思議なものが一杯」

私はこっそり近くにあった剣に触れると、小声で鑑定を行う。

『最低品質の炎の魔剣:素材、製法、術式、魔法の全てが最低品質の魔剣。炎の魔法が封じられており刀身にうっすらと低い温度の炎を纏わせることが出来る。魔法使いでなくても魔力さえあれば使える。魔力消費が非常に高い』

「おおっ!!」

凄い! 本当にマジックアイテムだ!

性能は低いけど合成をすればいける筈!

これは何としても買わないと!!

気合いの入った私は件のアルセルさんの姿を探す。

けれどアルセルさんの姿はどこにも見当たらない。

「留守なのかな?」

「いや、扉が開いていたから居る筈だよ。さすがに鍵をかけずに出かけるほど不用心じゃない筈だ」

そりゃそうだ。治安の良かった日本だってドアをあけっぱなしで家を空けたりはしないもんね。

「じゃあ寝てるとか?」

話を聞く限り研究に専念し過ぎて昼夜逆転してそうな人だしね。

「ああ、その可能性はあるかもね。奥で寝てるかもな」

私は工房の見学を止めて、シェイラさんと共に奥の部屋に向かおうとした。

だが足元に転がっていたなにかに躓いてバランスを崩してしまう。

「きゃっ!?」

危うく床に倒れるところをニャットが体をすべり込ませて受け止めてくれた。

「キャッチだニャ」

「ありがとうニャット」

「大丈夫ですかカコお嬢様!?」

危うく怪我をしそうになった私にマーキスとティーアが心配そうな様子で駆け寄る。

「ニャットが助けてくれたから大丈夫。けど何コレ? マジックアイテムかな?」

薄暗い部屋の中なのでいまいち形が分かりにくいんだよね。

「カコお嬢様、今窓を開けて光を入れますね」

そう言ってティーアが窓を開けると、室内に光が差し込み部屋の全貌が明らかにされてゆく。

そして私は見た。

地面に倒れた人間の姿を。

「……ふぁっ!?」

え? 人!? 何で人!?

「ま、まさか死……」

死体、と言おうとしたその時だった。

「ん? 何だそこに居たのか。おい起きろ」

なんと戻ってきたシェイラさんが死体の腹にキックをぶちかましたのだ。

「ちょぉっ!?」

ななな何しちゃってるのぉー!? 文字通りの死体蹴りだよ!?

「う、うう……」

「え!?」

い、生きてる!? 生きてるの!?

よかったぁー死体じゃなくて……ってそれどころじゃない!

「マーキス、お医者さんを呼……」

グウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッ

「は?」

お医者さんを呼んでと言おうとした私の声は、大きなおなかの音によってかき消されたのだった。

「ガツガツガツモグモグモグ!!」

工房の床に並べられた料理がもの凄い勢いで食べられていく。

食べているのはさっきまで床に倒れていた人だ。

「あの、シェイラさん……もしかして」

私は男の人を指差しながら尋ねる。

「ああ、コイツが錬金術師のアルセルだよ」

ああー、やっぱりーっ!

「どうやら空腹で倒れてただけみたいだね」

空腹で倒れるってそんなマンガみたいな……

「おいアルセル、飯くらいちゃんと食べなよ」

シェイラさんが声をかけると、アルセルさんがちらりとこちらに視線を向ける。

「研究にモグ、専念してたらガツガツ……目が回ってモグモ、ムググッ!!」

「ほら水。落ち着いて食べなって。飯を食う時間くらいあるだろ?」

「ゴクゴクゴクッ! ぷはーっ! まだ大丈夫だと思っていたんだが駄目だったガツガツガツ!」

「大丈夫とか駄目って何がですか?」

仕事の納期とか?

「いや空腹が。ガツガツガツ前は5日食べなくても耐えられたんだがモグモグゴクゴク今回は4日で倒れた」

「4日!?」

え? この人なに言ってるの? 4日食べなかったってもう絶食とか断食とかそういうレベルでは?

「ああ、今回はモグモグ。水を飲み忘れたのがいけなかったのかもしれないグビグビッ」

そういう問題じゃないし! 普通に栄養失調で死ぬぞこの人!!

やべぇ、予想の別方向にぶっちぎりでやばいよこの人。

錬金術師って皆こんな感じなのかな?

「プハーッ! ふぅ。助かった、礼を言う」

本当に助けたよ。命の危機を。

「それでシェイラ、この子達は?」

ドン引きしている私達を放置して、アルセルさんは何事もなかったかのようにシェイラさんに私達の事を尋ねる。この人、とんでもない大物なのでは?

「この子はクシャク侯爵様のお嬢様だよ。アンタに用があるんだってさ」

「クシャク侯爵様の!?」

貴族と聞いて流石に驚いたらしく、アルセルさんは慌てて立ち上がって私に頭を下げてきた。

「初めまして。俺、いや私はアルセルといいま、申します」

「初めましてアルセルさん。私はカコ=マヤマ=クシャクです」

「そ、それで俺、いや私に用ってのは?」

畏まった喋り方に慣れないんだろうな。アルセルさんはつっかえつっかえの敬語で私に用件を聞いてくる。

「普段通りの話し方で構いませんよ。その方が私も楽なので」

「そ、そうか?」

「はい。そして私がここに来た用事は、貴方の作っているマジックアイテムに興味を持ったからです」

「お貴族様が俺のマジックアイテムを!?」

私の言葉にアルセルさんが驚きの声をあげる。

「ええ。アルセルさん、貴方はマジックアイテムの研究をしていらっしゃるそうですね」

「あ、ああ。ポーション作りの片手間にだけどな」

いやさっきの様子を見るととても片手間には見えないんだけど。

まぁ、それはいいや。

「工房を見させていただいた限り、アルセルさんは魔剣の研究をされているんですよね?」

「ああ、その通りさ! 見てくれ! こいつは試作品だが、ちゃんと炎が出るんだぜ!」

そう言ってアルセルさんはさっき鑑定した炎の魔剣を持ってくると、刀身から炎を生み出す。

けれど浮き上がった炎はライターの火を弱火にしたくらいに小さなものだった。

「まだ魔力効率は悪いが、しっかり火は出る! このまま研究を進めればもっと効率が良くなる! ……んだが……」

と生き生きとした様子で語っていたアルセルさんが急にショボンとなる。

「予算やらなんやらが色々と足りなくてなぁ」

ああ、金が無くて研究が進まないのかぁ。

多分食費も削ってるんだろうな。でもそれなら丁度いい。

「それは好都合。アルセルさん、私は優秀なマジックアイテムの研究者を探していたんです」

「研究者を? 何でまた?」

「実は私は商人なんです」

そう言って私は黄色商人の証である金色に近い輝きを持った黄色のギルドカードを見せる。

「黄色商人!?」

どうやら私のカードが持つ意味を知っていたらしく、カードを見たアルセルさんが固まる。

「率直に言いましてアルセルさん。私に貴方の援助をさせてください」

「俺の援助!?」

そんな事を言われるとは思っても居なかったのか、アルセルさんが目を丸くして驚く。

「け、けど俺のマジックアイテムは大した性能もない現代マジックアイテムだぜ!? お貴族様が買いに来るようなものじゃねぇよ!」

しかしアルセルさんは援助の話を喜ぶでもなく、自分の品は大したものではないと卑下する。

悔しさをにじませたその声は、謙遜じゃなくて本気で言ってるみたいだ。

「でもマジックアイテムは大変高価な品だと聞いていますよ。それに効果が選べない古代マジックアイテムよりも望む効果を付与できる現代マジックアイテムの方が便利だと思うのですけど?」

これは私の本心だ。魔法の威力は低くとも、利便性に置いては現代マジックアイテムの方が明らかに有利な筈だ。

「例えば威力が必要ない魔法はどうですか? 武具の重量を軽くする魔法とか」

うん、私がメイテナお義姉様に貰った剣に込められている魔法だね。

「永続型の付与魔法だな。だが残念なことに現代マジックアイテムに永続魔法は込められないんだ」

「え? そうなんですか?」

あれ? 出来ないの?

「それが現代マジックアイテムが劣っている最大の理由なんだ。永続魔法の込められたマジックアイテムは所有者の魔力を必要としない作りになっているんだが、その構造が全く解析できないんだ」

ああ、確かに私も貰った短剣にいちいち魔力を込めたりしてないもんね。魔法の袋も同じ理屈なんだろう。

「俺達現代の錬金術師に作れるのは使う度に魔力を消費するタイプのマジックアイテムなんだが、そういう魔法は大抵威力の大小がある。しかし古代マジックアイテムと違って圧倒的に威力が劣るんだ。そのくせ値段は高いからとても売り物にならないのさ。見習い鍛冶師の作った武具よりも売れないと来たもんだ」

ははっ、と乾いた笑いを浮かべるアルセルさん。

成程、だからこの部屋には大量のマジックアイテムが転がってたんだね。

売り物にもならないけど、捨てるには使った金額が勿体なさ過ぎる品の数々。

しかし成程、現代マジックアイテムにはそういう問題があったから売り物にならなかったんだね。

でもこの状況は私にとって好都合だ。

「ふむ、ではアルセルさんに信用してもらうために私も自分の言葉が嘘ではないという証明をしてみせましょう」

「証明?」

「はい。アルセルさんがこれまで作ったマジックアイテムを全部売ってください」

「…………は?」

私の言葉を聞いたアルセルさんがポカンとした顔で首を傾げる。

うん、言葉の意味が伝わってないね。

「この工房にあるアルセルさんの作ったマジックアイテムを全部売ってください」

なので私はもう一度同じ言葉を告げた。すると……

「……え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?」

工房を震わすようなアルセルさんの驚きの声が響き渡る。

「どうですか 売って頂けますか?」

「ぜ、全部って本当に全部買ってくれるのか?」

アルセルさんは困惑の眼差しを浮かべながらも少しだけ期待を込めて聞いてくる。

「ええ、全部購入します。おいくらになりますか? ああ、全部買い取るのですから、少しくらいおまけしてくれると嬉しいですけど」

「そ、そうだな……売値としちゃ金貨50枚くらいだけど、試作品だし纏めて買ってくれるのなら……ぜ、全部で20個、金貨800枚ってところか」

アルセルさんはどうよ、本気で買うの? と期待交じりに答える。

「買います」

「「マジで!?」」

いや何でシェイラさんまで驚くの?

「ほ、本当に買ってくれるのか? 金貨800枚だぞ? それもマジックアイテムの出来損ないに!?」

問題ない。本物のマジックアイテムなら一個金貨800枚はするけど、私の合成スキルを使えば、格安で同じレベルのマジックアイテムを複数手に入れるのと同じだ。

しかもお店で買ったら金貨100枚はする品が一個当たり金貨40枚で買えるのはお得すぎるよ!

まさに産地直売価格!

「はい、買います」

代金はロストポーションの売上げがあるからね。

不足分もこの間メイテナお義姉様達が振り込んでくれたみたいで口座残高が増えてたし、手持ちが足りなくなったら最高品質の武具や宝石を売れば問題ないので今後の支援も問題ない。

「では代金を……」

「カコお嬢様」

支払おうとしたその時、突然私の耳元でマーキスが囁いた。

「ぴぇっ!?」

ビ、ビックリしたぁー! いきなり何!?

「代金は侯爵家が支払います」

あ、ああ、そういう事ね。

今の私は貴族令嬢として取引に来たからか。

うーん、いちいちお義父様を介して代金を支払うの面倒というか緊張するなぁ。

あっ、でも魔法の袋の容量を削ってまで大金を持ち歩く事に比べたら、こっちの方が総合的には良いのかなぁ?

「ほ、本当に買い取ってくれるのか……?」

やっぱり不安なのか、アルセルさんは何度も確認してくる。

「ええ、優秀な研究者を支援するのも貴族の役割ですから」

本音を言えば他の商人や貴族にアルセルさんを奪わせないためだ。

いつか彼の努力が結実すれば、アルセルさんは金の卵を産む鶏になってくれるんだからね。

「ただし、今後貴方の研究成果はクシャク侯爵家に最優先で回してくださいね」

念のためアルセルさんにはくぎを刺しておく。

ウチがスポンサーなんだよってね。

「も、勿論だ! 研究の援助をしてくれるのなら出来上がった成果はすぐに持っていくよ!」

おっし、これでお抱え錬金術師が出来たよ!

マジックアイテムの補充ルートを確保だぜ!

「それとマーキス、少しで良いので代金の一部を先払いしてあげて。このままだとまた食事を抜いて倒れてしまいそうなので」

そう、この人から目を放すとまた倒れそうで怖いんだよね。

「確かにそうですな。しかしこのまま代金を渡しても食事に使わずに研究に使ってしまう可能性もありますよ」

「……うっ」

まるで母親にイタズラがバレた子供のような顔をして目を逸らすアルセルさん。

あー、これはやるわ。絶対やるわ。

「ですので、代金の一部はシェイラ殿にあずかってもらうべきかと」

「私!?」

話題が自分に飛び火して驚くシェイラさん。

「シェイラ殿はアルセル殿と仕事上の付き合いがあるのですから、お嬢様とのやり取りの仲介役になってもらうのがよろしいかと。その際に食事も運んでもらえば、空腹で倒れる事もありますまい」

「それはいい考えだね!」

ナイスマーキス! 流石有能執事だよ!

「シェイラさん、お願いできますか?」

突然話を振られて困惑していたシェイラさんだったけど、すぐに考えがまとまったのかうんと頷いてくれた。

「分かったよ。カコにも侯爵家にも世話になってるし、どのみちモルワさんの仕事の為にコイツの所に武具を運ばないといけないからな」

「ありがとうございます!」

よーし、これでうっかりアルセルさんが餓死する事は無くなったよ!

ホント定期的に様子を見に行ってもらわないとね。週一、いや週二でだね。

ともあれ、これでマジックアイテムの仕入れの目途が立ったよ!

あとは合成の実験だーっ!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis! ~I Keep Creating Extraordinary Items From T*ash Piles Using Item Synthesis Ability!~, Renkinjutsu? Iie, Item Gousei Desu! ~Gousei Skill de Gomi no Yama kara Chou Item wo Mugen Rensei!~, 錬金術? いいえ、アイテム合成です!~合成スキルでゴミの山から超アイテムを無限錬成!~
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Kako Mayama is a girl who likes playing fantasy games, especially alchemy-themed games because she likes to craft items in games. One day, she died after saving an animal that was actually the pet of a goddess from another world. The goddess gave Kako a chance to be reincarnated in another world in return for saving her pet. She would also give her the ability of her choice from a list if she accepted her offer. Without hesitation, Kako accepted the offer and chose Alchemy ability from the listー No. To be exact, she wanted the Alchemy ability from the list, but because of some kind of careless mistake, she got Synthesis ability instead. Kako was disappointed at first but then she realized the greatness of her ability. Synthesis ability is kind of similar to Alchemy ability, but they have differences. To make an item using Alchemy, you need to collect the required materials first, but to use Synthesis ability you only need multiple items to be combined together into a higher grade item. When Kako realized the usefulness of her ability, she started to combine cheap items to create high-quality items and achieve a successful life. After a while, she became completely addicted to her game-like ability. She kept creating extraordinary items one after another and making a sensation around the world.

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