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Nope, It’s Called Item Synthesis! – Chapter 45

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◆オグラーン伯爵◆

「くそっ! 忌々しい!!」

私は憤っていた。

それと言うのも商人ギルドが開催するオークションで目当ての品を落札する事が出来なかったからだ。

始めは噂だった。

オークションで他に類のない素晴らしい魔剣が出品されると言う噂だ。

それを聞いた時は正直期待していなかった。

オークションで高く売る為に出品者が話を盛る事はよくある事だからだ。

そして実物を見て肩透かしを食らう所までがオークション慣れしていない素人のお約束だ。

だがそれは本物だった。

「これよりご紹介するのは世にも珍しい底なし沼を作る魔剣です!」

オークショナーの奇妙な説明を聞いた時はなんともパッとしない効果だと思った。

事実オークションに於いては実用性よりも美しさや派手な性能が好まれるからだ。

というのも貴族や騎士と言う者は華やかな活躍を好むもの。

自分の活躍を華々しく彩ってこその武具だと考えるからだ。

それを考えれば、底なし沼を作る魔剣は実用性はあるのだろうが騎士らしい華々しさには欠ける代物だった。

少なくともその時点では本気でそう思っていた。

だが、オークショナーが出品された品を隠していたカバーを外した瞬間にそんな思いは吹き飛んだ。

『美しい……』

会場に集まった全ての参加者が同じ言葉を発した。

勿論それは私も同様だ。

その剣は酷く平凡なデザインをしていた。

装飾らしき装飾もない飾り気のない見栄え。

ともすれば見習いが作ったかと思うような凡庸なデザインだ。

にも拘らず我々はその剣から目が離せなかった。

一見して凡庸。だがそこからあふれ出すオーラは、それが名剣などと言う言葉では言い表せない程の逸品だと我々の視覚に強く訴えかけてきたのだ。

我は戦場を駆ける暴力の化身。壁に飾るなど愚か者の行いよと、我々をあざ笑うかのように極限まで磨き上げられた実用美。

そんなものを見せられては、後に引く事など出来なかった。

「金貨500枚!」

「金貨1000枚!!」

「金貨1200枚っ!!」

我を忘れた参加者達の熱情が加速してゆく。

「金貨2000枚っっ!!」

もはや魔剣の平均相場を越えた価格になっていると言うのにだれも降りようとはしなかった。

否、否だ。この程度の価格ではこの魔剣の価値に遠く及ばない!

私もまた予算の許す限りに入札を続けて行った。

だが……

「金貨3500枚っっっっ!?」

『なっ!?』

常識外れの金額に会場が凍り付いた。

3500枚といえば市場に流れる魔剣の4倍近い価格だ。

確かに優れたマジックアイテムならばそれ以上の価格で落札されることも珍しくはない。だがそれでも滅多にでる金額ではないのも事実だ。

一体誰がそんなバカげた金額を提示したのかと落札者に視線が集まる。

「あれは……バルヴィン公爵の子息か!?」

馬鹿な! バルヴィン公爵と言えば南都の貴族。

息子とはいえ何故東都に!?

だがバルヴィン公爵の息子ならば納得がいった。

南都は海に面した都で大きな港がある。

多くの国家と貿易を行う事からバルヴィン公爵家は非常に裕福な事で知られているからだ。

「だが、何故よりによって!」

確かにバルヴィン公爵家ならその金額でも支払う事が出来るのは分かった。

しかしそれとあの男に魔剣が相応しいかは別の話だ!

「愛剣砕きのバルヴィンだ……」

誰かが呟いたその二つ名が私の心情を表していた。

愛剣砕きのバルヴィン、かの男は公爵家子息でありながら軍人であり、南都の海軍に所属する将校でもあった。

実力は非常に優秀で剣士としてだけでなく作戦将校としても優れたバルヴィン公爵の自慢の息子だ。

その実力と性格から軍内部での人望もある。

だが、剣の担い手としては最悪の男だった。

この男は自分の剣を愛剣と嘯いているくせに、その実武具をいくらでも替えの利く道具としてしか見ていない。

戦場では剣を乱暴に扱い、名剣であろうとも平気で折る。

敵に投げつけてそのまま海に沈めてしまう事すらあったそうだ。

そのくせ名剣しか使わぬのだ!

この男の所為で一体どれだけの名剣が失われた事か!

しかも海に面した土地である為、船の上で剣を振るえば当然のように潮風と海水で剣が傷む!

それゆえ、この男は名剣の天敵として我等愛剣家から蛇蝎の如く嫌われていた。

そんな男が、あの名剣を競り落としただとぉ!?

「き、金貨3500枚が出ました! 他に入札される方はいらっしゃいますか?」

しかし愛剣砕きのバルヴィンが相手とあっては誰も彼もが尻込みしている。

当然だ。南都一の富豪と金貨の競り合いで勝てるわけがない。

私もまた忸怩たる思いで入札を諦めたのだった。

「くっ、あれ程の品を戦場で使うつもりか! 芸術の分からん愚か者め!」

このままあの剣が南都に渡れば、私が手に入れる機会は二度と訪れないだろう。

「おのれ口惜しい! アレを手に入れたのが他の貴族なら力ずくで手に入れる事も出来たであろうに!」

バルヴィン公爵家は代々軍に籍を置く武闘派の貴族で一族の者は皆優れた武芸者であると同時に、かの家に仕える使用人達もまた高度な戦闘訓練を修めていると聞く。

過去にその事を知らずに屋敷に侵入した賊が、一人残らず凄惨な姿で捕まったという話はあまりにも有名すぎるからだ。

あの家が相手では奴らを使うのも危険すぎる。

苛立ちに手を震わせながらワインを注ぐも、怒りで全く味が楽しめん。

「旦那様、その魔剣なのですが、会場を去る際に気になる情報を耳にしました」

そんな時だった。傍で控えていた家令が気になる事を口にした。

あの魔剣に関する情報だと?

「なんだ?」

家臣はニヤリと笑みを浮かべると、驚くべき情報を口にする。

「どうもその魔剣には勝るとも劣らない兄弟剣が存在するようです」

「兄弟剣だと!?」

あの無二の名剣の兄弟剣だと!?

「その剣はいつ出品されるのだ!?」

「それが、魔剣の片割れは出品する予定はないとの事です」

予定はないだと!? 片割れを出品しておきながら!?

「なんでも持ち主が魔剣を相応しいモノの手に渡る事を望んでいるそうです」

「相応しいモノの手にだと!?」

ならば何故私の手に無いのだ!

「それで魔剣の片割れはどこにあるのだ!?」

他の連中が殺到する前に持ち主に直接交渉するよりほかない!

断ったら力ずくでも手に入れてやる!

「オークショナーの話では、底なし沼の魔剣を出品したクシャク侯爵家にあるそうです」

「クシャク侯爵だと!? だがあの男は魔剣になど興味はなかった筈だぞ!?」

クシャク候爵家と言えば、私の所属する派閥とはあまり仲が良くない貴族だ。

完全に敵対しているわけではないが、敵対寄りの中立同士と言ったところか。

交渉の目はないでもないが、爵位は向こうの方が上である以上迂闊な真似は出来んな。

「どうも侯爵が引き取った養女の私物のようです」

「はぁ!? 養女? それが何故魔剣を持っているのだ!?」

何故子供、それも娘があれ程の魔剣を所持しているのだ!?

「それはわたくしめにも……恐らくですが、親兄弟の持ち物だったのではないでしょうか?」

「そうか、戦場で死んだ騎士の遺品か!」

ありえない話ではない。どれほど優れた武器を持った戦士でも使い手の腕が未熟では宝の持ち腐れだからな。

「ふむ、となるとクシャク候爵が引き取ったのも部下の子供だったからか?」

「もしくは武具が目当てだったのかもしれません」

「それだったら底なし沼の魔剣を手放す道理はなかろう」

クシャク候爵の目的が二本の兄弟魔剣ならば、どちらも手元に置いておく筈だ。

「恐らくですが、兄弟剣の片割れを侯爵に差し出す事で、家族を奪った片割れを捨てる許可を得たのでしょう。金貨3500枚もあれば、平民どころか男爵家でもそれなりの財産になります。魔剣を売った金で家の再興を約束して貰ったと言ったところかと」

ふむ、確かにそれならば筋は通る。

家族の命を奪った憎き剣を捨てると共に、自分の身柄の保護と没落した家の再興を求めたか。

子供が自分で考えたとは思えんな。親の遺言か、もしくはクシャク候爵に唆されたか?

仮にも侯爵だ。部下の娘から形見を奪ったと言われては外聞が悪かろう。

本人の意思で育てて貰った恩を返す名目で差し出された方が良いだろうからな。

「まぁそれはどちらでも良い。重要なのはあの魔剣の兄弟剣があると言う事だ」

そうだ、あれ程の魔剣の兄弟剣ならばその美しさは必ずや片割れに匹敵するだろう。

寧ろクシャク候爵が手放さなかった事を考えればそちらの方が剣としての美しさは上かもしれん。

「よし、奴らに連絡をとれ。落札された剣を奪うように命じるのだ!」

「はっ!? しかし相手はバルヴィン公爵家ですよ!? 戦いになれば当家が不利です!」

「頭を使え馬鹿者。金貨3500枚の剣だぞ。今日はまだ手付金を支払っただけで、後日残りの金を支払う際に剣の引き渡しになる筈だ。つまり今の時間ならまだオークション会場に剣はある筈。連中にはオークション会場を襲わせるのだ」

「な、成る程。賊が狙ったのはあくまでオークション会場であり、バルヴィン公爵家の落札物とは知らなかったと言う事ですね?」

「そうだ。賊が狙ったのは落札金額の金貨3500枚だったが、元は庶民であったがためにまだ金が支払われていない事を知らなかったのだ。その為同じ価値を持つ剣を盗んだのだ。どこかで売りさばくためにな」

「そして旦那様はほとぼりが冷めた頃にどこかの店に売りに出された剣を偶然手に入れる訳ですな」

「その通りだ!」

くっくっくっ、賊が売った品を知らずに買ったのであれば、私に責はない。

全ての責任は出品物を奪われたオークショナー、商人ギルドにあるのだからな。

「それとクシャク侯爵にパーティの招待状を送れ。魔剣の片割れの持ち主であるご令嬢にもだ。是非噂の魔剣を見せてほしいと主催者の私が言っていたと伝えるのだぞ」

「はっ」

クシャク候爵家との交渉は難しいかもしれんが、養女の方は交渉の余地があるだろう。

剣が盗まれてはお家再興の為の軍資金となるオークションの売り上げが手に入らないからな。

無論商人ギルドに賠償金を請求すればある程度の金は返って来るだろうが、連中は海千山千の商人だ。

あの手この手で賠償金を減額してくるだろう。

そこで傷心の娘に私が手を差し伸べれば、娘は自分から私の手元に転がって来るだろう。

「くくくっ、貴族達が我を忘れて買い求めた魔剣と対を成す兄弟剣か……さぞ美しいのだろうなぁ」

美しき兄弟剣が揃う日の事を考えながら飲むワインは、極上の美酒に感じるのだった。

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis!

Alchemy? Nope, It’s Called Item Synthesis! ~I Keep Creating Extraordinary Items From T*ash Piles Using Item Synthesis Ability!~, Renkinjutsu? Iie, Item Gousei Desu! ~Gousei Skill de Gomi no Yama kara Chou Item wo Mugen Rensei!~, 錬金術? いいえ、アイテム合成です!~合成スキルでゴミの山から超アイテムを無限錬成!~
Score 6.6
Status: Ongoing Type: Author: , Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Kako Mayama is a girl who likes playing fantasy games, especially alchemy-themed games because she likes to craft items in games. One day, she died after saving an animal that was actually the pet of a goddess from another world. The goddess gave Kako a chance to be reincarnated in another world in return for saving her pet. She would also give her the ability of her choice from a list if she accepted her offer. Without hesitation, Kako accepted the offer and chose Alchemy ability from the listー No. To be exact, she wanted the Alchemy ability from the list, but because of some kind of careless mistake, she got Synthesis ability instead. Kako was disappointed at first but then she realized the greatness of her ability. Synthesis ability is kind of similar to Alchemy ability, but they have differences. To make an item using Alchemy, you need to collect the required materials first, but to use Synthesis ability you only need multiple items to be combined together into a higher grade item. When Kako realized the usefulness of her ability, she started to combine cheap items to create high-quality items and achieve a successful life. After a while, she became completely addicted to her game-like ability. She kept creating extraordinary items one after another and making a sensation around the world.

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