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Alchemist Karen No Longer Compromises – Chapter 165

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「なんでここに……!?」

「魔物を一掃はしましたが、ここはダンジョン。何があるかわかりませんもの。カレン様お一人で入浴をさせるのは心配なので、私が共に入浴させていただくこととなりました」

せめて他の人たちにはならなかったのか、と思いつつ、カレンは体を洗いはじめたテレーゼの白い体から目を逸らした。

「何か深くお考えのようでしたが、何をお考えだったのですか?」

「仕事のことです」

カレンは淡々と言った。それ以上を語るつもりはないと言外に滲ませておく。

「錬金術師のお仕事ですわね。あっという間にFランクからCランクまで駆け上がられたとうかがいました。並大抵の努力では成し遂げられぬ、偉業だと思いますわ」

「……どうも、ありがとうございます」

「才能あるカレン様をエーレルトに繋ぎ留めるためにと、ユリウス様がカレン様とお付き合いをはじめたことも、存じております」

カレンは固く唇を引き結んだ。

知っていて、どうしてああいう態度なのか。

だが、知っているからこそ直接的なアプローチはしていないのかもしれない。

テレーゼは全身でユリウスに『私を見て』と言っているものの、口に出しては言っていない。

「私の存在がご不快のように見受けられますが、どうしてユリウス様と私を引き裂こうとされないのですか?」

「……仕事をしているだけだからです。ユリウス様も、あなたも」

「ですが、恋人としてご不快のようですわ。カレン様がお願いしたら、ユリウス様は私を遠ざけると思いますが、そうはされないのですか?」

「不快でも、仕事をしているだけなのに邪魔をするつもりはありません」

カレンを不快にさせているとわかっているのならやめればいいのに、やるのは所詮平民と見下しているからなのか。

ともかくカレンは邪魔をするつもりはないが、邪魔をしたくはなってしまう。

邪魔したい欲を振り払うために、カレンは必死の努力でユリウスを避け続けているのだ。

「わたしが邪魔をしない代わりに、逆の立場になった時にも邪魔をさせないためにね」

「あら」

「たとえわたしのことが好きなわたし狙いの男が現れても、わたしの錬金術にその男が必要だったら共に仕事をする分には、絶対にユリウス様に文句は言わせません。そのためにも、わたしは仕事に必要な限りは口出しするつもりはありませんよ」

あくまでテレーゼの配置はボロミアスの采配で、ヴァルトリーデにも利があった。

これは仕事だ。逆の立場になった時のことを考えたら、カレンは絶対に堪えなければならないところだった。

カレンのことを好きになるような、奇特な人物がいるかどうかは置いといて。

もしいたとしても、カレンが錬金術師の夢を叶えるために必要な存在なら、ユリウスのためとはいえ遠ざけたりするつもりはない。

「ま、ユリウス様にとっては大して不快でも何でもないことなのかもしれませんけど」

「そんなことありませんわ。カレン様がそのようにお考えだとユリウス様が知ったら、私、ユリウス様に二度と口を利いてもらえないかもしれません」

「さすがにそんなことは……いえ、エーレルトのためだと思えばありえるんですかね?」

「ありえますわ。エーレルトのためではないかもしれませんが」

「じゃあ、何のために?」

首を傾げるカレンの横に体を洗い終えたテレーゼが入ってきて、にっこりと微笑んだ。

「カレン様は恋する女性である前に、錬金術師なのですね」

「そうありたい、と思ってますね」

「では、ユリウス様が自分も仕事とはいえ女性に近づかないのでカレン様にも今後仕事のためとはいえ男性に近づかないようにとお願いされたら、カレン様は困るのですね」

「そうですね」

たとえどんなに嫌な気持ちになっても、止めると後々自分の首を絞めることになるかもしれない。

ユリウスが、自分からテレーゼを遠ざけて、自分もこうするからカレンにも配慮してほしいと言ってきたら、カレンはそれに抗う自信がまったくない。

カレン自身も嫌なだけに、ユリウスも嫌だというのなら、配慮をせずにはいられない。

だが現在、ユリウスはテレーゼを避けようというそぶりが微塵もない。

仕事だからだろう。つまり、カレンも仕事ならなーんにも気にしなくていいということである。

カレンは、いずれ賢者の石を作ってみたい。

その足枷になりそうな可能性は、すべて取り除いておくつもりだった。

今にも舌打ちしかねない顔つきで歯を食いしばるカレンに向き直り、テレーゼは緊張した面持ちで言った。

「カレン様、ユリウス様に私の想いを伝えることをお許しいただけないでしょうか?」

カレンはぎろりとテレーゼを見やった。相手が貴族だとか、そういう些細なことは吹き飛んでいる。ここがダンジョンなせいで、軽い魔力酔いを起こしている可能性がある。

「たとえどういう思惑にしろ、恋人であるわたしがいるのを知っていてそう言っているんですか?」

「告白するわけではありません。ユリウス様に憧れと、感謝の想いをお伝えするつもりです」

「憧れと、感謝?」

カレンは浮かせかけた腰を降ろした。

「過去にユリウス様のお心を傷つける事件があり――」

「ダンジョン連れ込み事件のことなら知ってます」

「ユリウス様はカレン様にそのようなことまで話されているのですね」

この事件名を知ったのはホルストからだったが、カレンはあえて黙っておく。

「ダンジョンでなら憧れのユリウス様に会えるかもしれないと思い、一人でダンジョンに潜ったことが大きな間違いでした。私もまたユリウス様のお心を傷つけた者の一人です。ですが、私がユリウス様のように護国の戦士になりたいと思った気持ちは本物だったのです。それをユリウス様に知っていただければ、ユリウス様のお心の傷が少しは晴れるかもしれないと思い、強くなった姿をお見せしようと、今日まで努力して参りました」

「……それをわたしに言って、どうするんですか?」

「たとえカレン様がご不快でも、これだけはユリウス様にお伝えさせていただきたいからです。あの事件はユリウス様を傷つけました。ですが、ユリウス様の存在が励みとなって本当に冒険者になった私のような者がいるのだと実感されれば、その傷が多少なりとも癒えるのではないかと思うのです」

「ユリウス様の心の傷を癒やすため、ですか」

確かに、テレーゼの存在はユリウスの心の傷を癒やすだろう。

実際、喜んでいる姿をカレンも目撃している。

「どうか、ユリウス様のためと思って、これだけは伝えることをお許しください」

テレーゼが頭を下げる。切実な祈りを感じる。

きっと、昔からユリウスを慕っていたのだろう。

テレーゼからしてみれば、ユリウスのために、そして自分のためにも冒険者としてランクをあげて、立派になっていざユリウスに会いに戻ったら、すでに隣にはカレンがいたという状況だ。

カレンを侮っているからユリウスに好き好きアピールをしているわけではないのかもしれない。

昔からずっと想っているから自然と態度に滲んでしまうだけだとしたら、現状はテレーゼにとってとてつもない苦行だろう。

テレーゼにも複雑な思いはあるだろうに、不快な思いをさせられているとは言っても、これまで彼女がカレンに対して嫌な態度を取ったことは一度もない。

今もただ、ユリウスのためだけを思ってこう言っているのが伝わってくる。

カレンの目にはテレーゼがいい人にしか見えなくて、頭を掻いた。

マリアンのように嫌な女であってくれた方が、カレンは安心だった。

カレンは溜息を吐きつつ言った。

「仕事の範囲の接触なら、わたしも邪魔をするつもりはありませんので、お気になさらず。仕事をしながらの雑談を制限するつもりもありません。感謝の気持ちも、バンバン伝えてあげてください。ユリウス様、冒険者になったあなたに会えて嬉しそうでしたから」

「寛大なお言葉をありがとうございます、カレン様」

テレーゼがホッとした顔をして、カレンに深く頭を下げる。

その姿を見てカレンは確信を深めた。

カレンよりも先にテレーゼと出会っていたら、きっとユリウスはテレーゼを選んでいた。

Alchemist Karen No Longer Compromises

Alchemist Karen No Longer Compromises

錬金術師カレンはもう妥協しません
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2024 Native Language: Japanese
“I’m breaking off our engagement.” Karen, an F-rank alchemist, is dumped by her fiancé who, though once sickly, is now cruising down an elite path. Who does he think supported him during his illness? Drowning her sorrows in alcohol, she recklessly accepts a request with outrageous conditions. It’s a commission from a nobleman asking her to save his nephew who suffers from “Bloodline Blessing,” a curse caused by inherited overwhelming magical power. While the request itself isn’t the issue, the problem lies in Karen’s chosen reward. Given complete freedom to name her price, she demands marriage to the client himself. Julius Ehlertt—currently the most eligible bachelor in the royal capital. After being rejected by men she had settled for in both her previous and current life, Karen refuses to compromise anymore. She’s set her sights on the kingdom’s finest man—beautiful, strong, and of noble birth. To complete the request, Karen begins crafting potions as an alchemist. Through her work, she interacts with various people, and her outlook gradually transforms. A new chapter begins in the life of Karen the alchemist.

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