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My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~ – Chapter 111

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その後誘拐犯を尋問したが、完全にただの営利誘拐だった。もちろん三留間さんの能力を知ってのことで、どうやら海外のどこぞの組織に売り飛ばそうとしていたようだ。

彼ら自体はどこかの組織の人間というわけでもなく、どうも今流行りのネットを介した犯罪的なバイトみたいな形式でこの誘拐をやるに至ったらしい。もしやクリムゾントワイライト関係かとも思っていたのだが、どうやらその線はないようだ。

ともあれ現場の事後処理は東風原氏に任せ、俺と絢斗、そして三留間さんは現場から離れた街灯の下で三留間さんの親御さんが迎えに来るのを待っていた。

ちなみに三留間さんは助けられたときは相当に怯えていたが、『平静』の魔法をかけたので今は落ち着いている。

「先生には何度もお世話になって申し訳ありません。両親も一度ご挨拶をと言っているのですが……」

三留間さんはまだ落ち着かないのか俺の腕を掴んでいる。絢斗はそれを横目に見て、やれやれ、みたいな表情をしてそっぽを向いている。

「今回の件でまたいろいろ大変になるだろうしそれが落ち着いてからでいいよ。特に今回の件は俺は手伝っただけで手柄はむしろ絢斗の方にあるしね」

そう言うと、三留間さんは「大紋さん本当にありがとう」と絢斗に頭を下げた。

「もうお礼はいいって。こういう時のためのボクなんだから気にしないで欲しい。でもま、三留間さんに怪我がなくてよかったよ。しかしこんな時間にさらわれるなんて何をしてたの?」

「土曜日は塾に行っている弟を迎えに行くんだけど、近くだから私が歩きで行っているの。その途中で無理矢理車に乗せられて……」

「なるほど、行動パターンを調べられていた感じだね。でも近くだからって、夜三留間さん一人で歩いたらダメじゃないのかい?」

「ごめんなさい。同じ町内だし、近いから大丈夫だと思ってて。私も自分がそこまで狙われるなんて思ってなかったし……」

「う~ん、まあ気持ちは分かるけどね」

絢斗はそう言いながら渋い顔をする。

本当は「その考えは甘いよ」とでも言いたいのだろう。しかし三留間さんの立場からすれば、狙う奴がいるから厳重に警戒して人より不自由な暮らしをしろというのも理不尽な話ではある。絢斗の立場でははっきり言うことも難しいだろう。

まあここは教師として俺が言わないとならないところか。

「三留間さんには納得がいかないこともあるだろうけど、やはり持っている力を考えたら警戒はしないといけないよ」

「先生……、はい、すみません」

「魔力の使い方とかを知ってても、実際なにかが起きてから対処するっていうのは難しいからね。まずは狙われるような隙を作らないことが一番なんだ」

「今回のことで分かりました。いざとなったら怖くて身体が動かなくて……。この間皆で『深淵窟』に入った時は大丈夫だったのに、やっぱりそんなに簡単には慣れないものなんですね」

「そうだね。俺も勇者とか言ってるけど最初はマトモに戦えなかったし、人間なんてそんなもんだよ」

「先生でも、ですか? 分かりました、これからはキチンと気を付けるようにします」

「それがいい。三留間さんはパッと見ただけでも可愛いし目を引くから、いくら警戒してもしすぎることはないよ。ウチの学校は女子校だからまだいいけどね」

そういえば高校生に声を掛けられていたこともあったなあ、などと思い出す。普通に街を歩くだけでも三留間さんにとっては難易度が高そうだ。その理由の大半が男のせいになるとなると俺としても肩身が狭い。

などと考えていると、三留間さんが顔を赤くして下を向いているのに気付いた。その横で絢斗が湿度の高い視線を送ってくる。その目つき、ちょっと青奥寺さん入ってませんかね。

なんかよく分からない状況に戸惑っていると、目の前に一台の車が止まった。どうやら三留間さんの迎えが来たようだ。

車を下りて丁重に礼を言ってくる三留間さんのご両親は双方ともに美形で、御母堂が海外の方であることを除けば普通な感じの人たちであった。いやその時点でそこまで普通でもない気がするな。ともかく何度も頭を下げてから彼らは三留間さんを連れて帰って行った。多分警察には連絡をしているはずだし、彼らは彼らでこの後事情を聞かれたりするだろう。

ともかくも一件落着、絢斗を連れて飛んで帰るか……というところで、俺は妙な気配を感じてそちらの方へ顔を向けた。絢斗も感じたらしく同じ方向を向いている。

「あれえ、結構な魔力を感じたから来てみたんだけど、もしかしておたくらのどっちかがクゼーロの言ってた勇者もどきな人?」

そう言いながら物陰から染み出るように現れたのは、絢斗と同じくらいの年齢の少年だった。赤いぼさぼさ髪の下に三白眼、軽薄そうな顔つきをしたその少年は、こちらを値踏みするような視線を投げかけつつ、足音もなく近づいてきた。

「すまないがどちら様かな?」

俺が聞くと、その赤髪の少年は「あん?」と返事をして、そのあと頭をかきながら「ちっ」とか舌打ちをした。どうも礼儀のなっていない少年のようである。

「ああそうか、こっちの人間がオレのことを知ってるワケないか。オレはレグサ、『魔人衆』直属の精鋭さ。『赤の牙』って言えばその筋じゃ結構有名なんだけどな」

「『魔人衆』、『赤の牙』ね……。で、その精鋭さんがなんの用なんだ?」

「こっちの世界にいる勇者もどきを始末しろって言われててね。で、どっちがその勇者もどき?」

「もどきじゃなくて勇者本人なんだが、クゼーロが狙っているなら俺の方だな」

「あぁん? 見た目は強そうに見えねえけど、魔力はそこそこある感じだな。クゼーロが言うくらいだから弱くはないんだろ?」

「クゼーロなんて相手にもならないレベルだな。しかし確か複数送ってくると言っていたと思うが」

俺の言葉に気を悪くしたのか、少年……レグサは犬歯を剥きだした。ん? こいつ獣人族か。よく見るとぼさぼさ頭に小さな獣の耳が埋まってるな。

「まあそうなんだけどさあ、一人でやれるなら一人でよくね?」

そう言った瞬間レグサの身体が消えた。『高速移動』、それもガイゼルより倍は速い。

俺は右手を横に突き出す。腕にバシッと衝撃が走り、その先にレグサの姿が現れた。

軽く構える手には鋭い爪が光っているが、いまその爪で俺の頬を抉ろうとしたわけだ。

「マジか、これ反応できんのかよ」

「そりゃ勇者だからな。しかし精鋭か、確かに強そうだ」

「余裕あんのがムカつくけど、クゼーロが気をつけろとか言うだけはあるっぽいな」

そう言うとレグサは再度『高速移動』で距離を取った。

「やっぱ今日は挨拶だけにしとくわ。あんた逃げないって言ってんだろ? 全員揃ったらまた会いに行くからな」

雰囲気的に後先考えずにかかってくるかと思ったんだが、レグサは意外と慎重派のようだ。さすがに力だけでは精鋭は名乗らないか。

そのまま去るか……と思ったら、今まで黙っていた絢斗がいきなり前に出た。

「ちょっと待ってくれよ。せっかくだからボクの方にも挨拶して欲しいんだけどね」

「あん? なんだお前もしかして女か。オレとやりたいってのか?」

レグサはいかにも品のない舌なめずりをして見せた。

「だって君、結構強そうじゃないか。ボクも全力を出せる相手に不足しててね、ちょっと遊んでもらえると助かるんだ」

「へえ、結構いい魔力してんじゃん。んだよ、こっちの世界も結構面白いんじゃねえか」

「ボクと遊んでくれるならこっちの先生は手を出さないって約束するよ。先生、いいですよね」

俺を見る絢斗の顔は真剣そのものだった。まあ相手はクリムゾントワイライトの戦士格だし、自分の力を試したい、あわよくばかたき討ちをしたいというのはわからなくはない。

ただ俺が見た限り、実力的にはレグサに及ぶかは難しいところだ。能力的に劣ってはいないだろうが、恐らく踏んだ場数が一桁は違う気がする。

「……まあほどほどにな」

だが戦いたいというのを止めるのも勇者的にはしたくないところではある。腕の一本くらいなら治せるしな。

「というわけさ。悪いけど相手をしてもらうよ」

絢斗はそう言うと同時に『高速移動』、レグサに一撃を食らわせようとする。

しかしカウンターで爪の一撃を食らって離れる。といってもレグサもノーダメージではないようだ。

「スキル持ちかよ。マジで面白えな」

レグサは犬歯を剥きだすと、姿が消えるほどの『高速移動』で突っ込んでいく。絢斗も『高速移動』で応じると、二人の姿は瞬く間に何度も路上で交錯する。重なる一瞬に拳と爪が閃くと、双方ともにダメージをくらって離れ、離れてはまた重なっていく。

見た感じ移動速度はレグサの方が勝っている。しかしパワーは多少絢斗の方が上か。『魔力硬質化』を使って爪の攻撃を上手く防いでもいる。ただやはり経験の差はいかんともしがたいか――

「くぅっ!」

何度目かの差し合いの後、絢斗が大きくバックステップした。右肩に3本の爪痕が刻まれている。

「悪くはなかったぜっ」

レグサがニヤリと牙をむき出して再度『高速移動』、直線で絢斗に向かっていく。絢斗が肩を押さえる隙を見せたのだ。しかしそれは罠ではあった。

絢斗は瞬時に『魔力放出』の構えを取り、レグサに向かってカウンターで魔力を放つ。

「甘いって!」

ここで経験の差が出た。レグサは瞬時に『高速移動』の軌道を上に変えて跳躍、絢斗の首を狙って爪を閃かせる。

「すまんな、そこまでにしてくれ」

その爪が頸動脈に届く寸前、俺はレグサを横から蹴っ飛ばした。約束を破ってしまうが、手加減はしたので許してもらいたい。

「けっ、戦いに水差すのなんてのは最悪だろ。やっぱ勇者もどきじゃんか」

体勢を立て直して着地したレグサが悪態をつく。まあこれに関してはこっちが悪いっちゃ悪い。

「お前の勝ちだ、間違いなくな。次は俺が全力で相手するから許してくれ」

俺が頭を下げると、レグサは毒気を抜かれたように構えを解いた。

「……ちっ、白けたぜ。まあ少しはいい運動になったから許すわ。だが次はねえぞ。最後まで付き合ってもらう」

「もちろんだ」

レグサは再度舌打ちをするとそのまま闇に溶けるように姿を消した。態度が悪い割にあっさり退くあたり、やはりガイゼルとは違う感じがするな。しかしあのレベルが複数人来るなら、ちょっとは本気を出さないといけないかもしれない。

「すみません、調子に乗って情けないところを見せてしまいました……」

絢斗が唇をかみしめながら、震える声を搾りだした。

俺は回復魔法をかけてやり、『空間魔法』からマントを出してかけてやる。

「いいさ、戦える時に戦っておくのは悪いことじゃない。だがやはり何事もステップというのは大切だからな」

「そうですね……。さっきの彼、ボクと同じくらいの年に見えたのに何枚も上手に感じました。これが経験の差なんですね」

「そうだな。あれは多分相当場数を踏んでいる。その差は場数を踏むことでしか埋められない。そういう意味じゃ今回はいい経験になったかもな」

「ボクは今日初めて怖いという感覚を知った気がします。あの時に死は一度感じたはずなのに……」

絢斗が言っているのは恐らく両親が襲撃された時のことだろう。東風原氏は詳しくは教えてくれなかったが、絢斗が強い復讐心を持っている以上彼女の目の前で両親が殺された可能性は高かった。

「強くなりたいなら俺が力を貸すさ。ただ今まで以上に激しくなるけどな。死にかけるくらいのことならしてやるぞ?」

俺が背中をさすりながら言うと、絢斗は少し笑ったようだった。

「そうですね、よろしくお願いします。先生に鍛えてもらえるんですからボクは恵まれているはずですよね」

ようやく顔を上げた絢斗は、そう言って息を大きく吐き出した。突発的なイベントだったが絢斗にとってはいい転換点になりそうだ。

さてこれで絢斗はパワーアップ確定として、気になるのはレグサが口にしていた『魔人衆』とかいう言葉だ。要するにクゼーロクラスが複数いるってことだろうし、その部下もこの間のガイゼルやレグサを含めて結構な数がいるということだろう。そう考えると『白狐』の戦力アップは急務になるな。この際双党も含めてちょっと本格的に鍛えてやる必要があるかもしれない。

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

My Students Are Fighting Monsters, Aliens, and Mysterious Organizations~

勇者先生 ~教え子が化物や宇宙人や謎の組織と戦っている件~
Score 8.6
Status: Ongoing Type: Author: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Aiba Hashiru is a hero who was summoned to another world. After defeating the Demon King, he returned to his original world due to some troubles, and returns to his former life as a new teacher with his abilities as a Hero warrior. However, among his students, there are those who fight against monsters, aliens, and a mysterious criminal organization. This is a story about the life of a former hero, who doesn’t particularly hide or hold back his heroic abilities

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