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The Corrupt Lord Who Got a Do-Over Doesn’t Repent! – Chapter 107

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【書籍化】一般兵士が転生特典に『無限再生』を貰った結果、数多の美女に狙われた

第107話 全てを護った彼は(エレスディアside)

———聖光国の教皇がゼロの手で斃されてから2ヶ月が経った。

この2ヶ月の間に聖光国及びアズベルト王国はもちろんのこと、世界は目まぐるしく変化を遂げた。

恐らく……いや間違いなくこの数十年で1番の変化だっただろう。

まず1番は———聖光国のトップの交代と、聖光国が行っていた数々の悪行の国民への公表。

聖光国を新たに治めることになったアズベルト王国王妃の妹君であるアウレリア・フォン・デュヴァル・アズベルトは、これまでの教皇の悪行を余すことなく国民たちに伝えた。

それと同時に。

世界は聖光国を非難した。

が、既に当事者は死んでいたことと代行者の一部が反旗を翻していたこともあり、直ぐに沈静化するに至った。

公表の前に教皇に加担していた者達を先に死刑にしていたアウレリア陛下の手腕は流石としか言いようがない。

『すまねぇな、エレスディア。アタシはここに残るぜ。ただ、ゼロが目覚めたらアタシのところに連れてきな』

なんて豪快に笑いながら、姉さんは聖光国に残る道を選んだ。

だが、これからは自由に会えるのだから悲しくない別れだった。

そう、聖光国とアズベルト王国は正式に友好国となった。

国際的地位を著しく低下させた聖光国ではあるが……腐っていても元三大強国の一国だ。

アズベルト王国と手を組んだことにより、聖光国は予想以上に地位を落とすことなく、アズベルト王国もまた大きくなった。

一部では既に帝国をも上回る国力を持っているのではないか、という話だ。

煙のないところに火は立たないという言葉がある(昔ゼロが嬉しそうに意味を教えてくれた)が、その理由は教皇を打ち倒した時についてアウレリア陛下が語った話から来ている。

『かの教皇を斃したのは……私でも他の代行者でもありません。そう、アズベルト王国の英雄———『不滅者』の異名を持つゼロ様です。彼の者がいなければ、私達は殺され、こうして皆が真実を知ることも無かったでしょう。よって聖光国は、ゼロ様をこの国の英雄として———『救世主』の特別位を設け、あらゆる面での彼の者の絶対的支持国となることを宣言いたします』

……ほんと、凄まじい成長ぶりだ。

私が初めて出会った時なんて謝罪と土下座をしていたというのに、今では世界で最も注目されている人になった。

……いや違う。

彼は、会った時から何も変わっていないのかもしれない。

———いつも無茶をして、私を、アシュエリ様を、セラを、カエラム団長を……あらゆる人々を救ってきた英雄。

そんな、この全ての騒動の中心にいる英雄たるゼロは———。

「ゼロ、おはよう」

「…………」

「ふふっ、今日は私だけよ。あ、今なら寝起きの情けない姿を私以外に見られなくて済むわね」

「…………」

———未だ、目を覚ましていなかった。この2ヶ月の間、ただの1度も。

こんなこと今までなかった。

どんな時も気付けばケロッとしていて、また締まりの無い馬鹿っぽくも落ち着く私の大好きな笑みを浮かべていたのに。

くだらないことを宣って、皆んなの心を明るく照らしてくれていたのに。

でも、医師が言うには、命に別状はないらしい。

またカエラム団長が言うには、無理な身体強化魔法の使用と他の魂と深く繋がっている中での【高次元化】、死による一時的な魂の消滅が原因らしい。

彼は何度も言っていた。

自らには才能がない、と。

それなのに、私達を護るために殆どの天才ですら辿り着けない【高次元化】という御技に手を伸ばしてしまったからには……この症状は仕方がない、とのことだ。

更に彼は戦闘中に言っていた。

———【劣化原初能力:再構築】、と。

劣化という完璧な能力ではない故に、再構築されればされるほど欠陥が浮き彫りになってくる。

流石に人智を越えた力のため、そう指摘したカエラム団長自身も確信を持っているわけではないらしいが。

そう語ってくれたカエラム団長は、血が出るほどに拳を握り締めていたのを憶えている。

自分がもっと早く着けていればと悔やんでいた。

だが私からすれば、帝国からの侵攻を1人で半壊させただけに限らず、私達を教皇の広範囲攻撃から逃がしてくれたのだから最善を尽くしていると思う。

そう、教皇とゼロが戦闘を始める数時間前から、アズベルト王国に帝国から数万ほどの軍が侵攻してきたらしいのだ。

明らかにタイミングがおかしく……まるでカエラム団長を聖光国に行かせないように邪魔をしているように感じた。

実際、これによってカエラム団長はギリギリまで聖光国に来れず、ゼロは今も意識不明状態。

結果的に聖光国もアズベルト王国も切り札を1つ失った状態で……帝国によっては有利に動いている。

「最近は本当に色々と変わってるわよ。きっとアンタなら『もおおおお変わりすぎだろ!? こちとら全然ついていけてないんですけど!?』とか言ってそうよね」

そう彼の言葉を真似してみても、彼は相変わらず静かな寝息を立てるのみ。

開いた窓から光が差し込み、彼が眠るベッドを照らしている。

そこに———賑やかさは微塵も無かった。

「……っ、あー……えーっと……知ってる? 最近セラが『大賢者』の居場所が分かったって噂が出たと同時に出ていったのよ。———『自分はゼロさんと一緒にいるにはあまりにも弱いんです。だから、彼のお役に立てるくらい強くなって戻ってきます』って言ってね。あまりの気迫に止められなかったわ」

なんとか沈黙だけは避けたくて。

私は彼の手を握りながら1つ1つ、眠る彼に届くように言葉を紡いでいく。

けれど、一向に彼から言葉は返ってこなくて……グッと唇を噛む。

そしてまた、私は話を続けた。

「アシュエリ様はね、相変わらず王族しか場所を知らされてないっていう『秘密の図書館』って場所に引き籠もってるわ。何故かは教えてもらえなかったけれど……アシュエリ様は私達とは少し視ているモノが違うのかもしれないわね」

だから、私達に『覚悟が必要』なんて言葉を残して行ったのかもしれない。

正直なところ、あまり言葉の意味は理解出来ていないけれど……ゼロに悪いことが起こるのだと思えて仕方ない。

「最近はね、アンタが居ないから皆んな元気がないの。先輩方もそうだけれど、あんたを含めたおふざけの権化みたいなフェイとザーグが、仕事に黙々と打ち込んでいるらしいわよ。飲み会だってあまり行ってないんだって」

これには普通にびっくりしたものだ。

あの2人がゼロの状態を見た時、どこか決心したかのような顔で出て行ったと思ったら黙々と努力しているらしく……今では新たな精鋭騎士に迎えようかと議論されるまでに至っている。

「あ、あとね、私も頑張って……やっと副騎士団長になったのよ。元々騎士団には3人くらい副団長が必要らしいの。だから……あと1人、空いてるわ」

そっとゼロの頬を、目に掛かる綺麗な漆黒の髪を撫でる。

2ヶ月寝たきりなせいで髪は伸び、僅かに頬が痩せこけていた。

「……ねぇゼロ、良い加減目を覚ましてよ」

「…………」

「アンタに、改めて『好き』って言いたいの。言ってもらいたいの」

「…………」

「……お願い、返事をしてよ……っ」

私は眠るゼロをぎゅっと抱き締めた。

———その時だった。

「…………ぁ……」

バッ、と私は彼から離れ、彼を凝視する。

ぎゅっと手を握って、私は小さく語り掛けた。

「ゼロ……?」

同時、ピクッと動く瞼。

握る手が、指が僅かに動く。

呼吸がほんの少し早くなって、それで———。

———目が、開いた。

その瞬間———私の我慢は、決意は呆気なく揺らいだ。

絶対泣かないと決めていたのに……目が熱い。

視界がぼやけて彼の輪郭が歪んで見える。

でも、今はそれすら気にならなかった。

ただ。

ただ。

彼に手を伸ばして。

彼の身体に手を回して。

ゆっくりと引き寄せて。

私の肩に彼の顎が当たるのを感じて。

たったそれだけで嬉しくなって……彼の鎖骨辺りに顔を埋める。

「ゼロ……ッ、ほんとっ、ほんとに……本当に良かったぁ……ッ!!」

「———ぇっと……」

さ、流石にいきなりのハグは拙かったらしい。

私も起きて直ぐに誰かに抱き着かれたら混乱してしまう自信がある。

「あ、ごめんなさい、どうし———っ」

私は彼の声を聞いて慌てて身体を離すと。

頬に熱が籠もるのを自覚しつつ……意識して笑みを浮かべながら彼の顔を見て。

ゼロの表情を。

心の底からの困惑や混乱を浮かべた表情を見て———言葉を失った。

そんな私に追い打ちを掛けるように、彼は口を開いた———。

「———ここが何処で……貴女は、誰……なんですかね……?」

窓から入り込んだ一陣の風が、私と彼の髪をはためかせて通り過ぎていった。

—————————————————————

どうも、あおぞらです。

これにて第5章『聖光国』は完結です。

今章は最初期から登場していたヒロイン———エレスディアの過去についてのお話でした。

地味にエレスディアって掘り下げが少なかったので、前からずっとしたいと思っていたんですよ。

お陰でだいぶん話数を使いましたし時間も掛けましたが。

時間が掛かったのは私のせいでしかないのですが……本当に申し訳ありません。

ところで、正直読者の皆さんはゼロがなんかヤバくてそれどころじゃないでしょう?

やっと目覚めたら……まさかの記憶喪失。

今までの残念ヒーロームーブはどうしたんだ、と。

ただ、章が進むに連れ、徐々に彼の目覚める時間は長くなっていました。

ですが、身体及び魂の負荷度で言えば、今回が1位、2位は第1章の【極限強化】を初お披露目した時でした。

それなのに目覚める時間は月日と比例して長くなる……それこそが【無限再生】のひいては【劣化原初能力】の最大の弱点であり、彼が大層なモノではなく、ただの人間であることを示しています。

さて、次話からは……いよいよ最終章の開幕です。

といっても、最終章は3部の予定なので、最終章Part1と言えますが。

最終章第1部の題名は———『不滅者』です。

記憶を失ったゼロ、国を出たセラ、秘匿された場所に籠もるアシュエリ、謎の動きを見せる帝国……などなど様々なことが同時に起こっている中。

彼が、ゼロがどのような未来を歩むのか……読者の方々には是非とも見守ってくださると嬉しいです。

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The Corrupt Lord Who Got a Do-Over Doesn’t Repent!

The Corrupt Lord Who Got a Do-Over Doesn’t Repent!

The Unrepentant Reincarnated Villain Lord! ~ When He Aimed for a Carefree Commoner Life in His Second Round, Why Is He Treated as a Wise Ruler!? ~, Yarinaoshi akutoku ryoushu wa hansei shinai! ~ Nishuumoku wa sukibanashi no heimin seikatsu wo mezashitara, nazeka meikun atsukai sarerunda ga!? ~, やり直し悪徳領主は反省しない! ~二周目は好き放題の平民生活を目指したら、なぜか名君扱いされるんだが!?~
Score 8.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
The Corrupt Lord Runs Wild in His Second Life—Only to Be Hailed as a Benevolent Ruler for Some Reason!? At the moment of his execution, the corrupt lord Furado time-leaps back to the past. Having been condemned in his previous life, you’d think he’d finally see the error of his ways—but of course not; for the sake of self-preservation, he sets his sights on a carefree existence as a commoner. Yet everything he does gets hailed as virtuous deeds, until at last he’s revered as a national hero!?

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