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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 99

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それは、合同競技大会が終わり、翌日の事だった。

辺境伯や、王都からの来賓も帰路につきひと段落した夜のこと。

家族水入らずの夕食会……、の筈だった。

遅れて夕食を待つ居間に入った俺は、予想していた、でも実現して欲しくなかった光景を目にした。

「タクヒール、お疲れさま。夕食の前に大事なお話がしたいと思ってたのよ」

笑顔で迎える母、横に座っている妹、そして……、正座し項垂れている2人の男たち。

父と兄がそこに居た。

「さあ、今回1番の功労者だった貴方は、ここに座ってね」

捨てられた子犬の様な目で、此方を見る父と兄の前では、ソファに座るのは遠慮したい気分だったが、母には逆らえないので仕方がない。

「さて、タクヒールも揃ったことだし、お話を始めましょうか。

息子、弟が大会の運営やもてなしに、走り回っているなか、貴方たちは一体何をしていたのですか?」

「いや、儂もダレクも来賓の方々の、もてなしや案内を……」

「そうですか? 主賓である、ハストブルグ辺境伯を迎賓館に残して、【夜の視察団】のご案内は、さぞお忙しかったことでしょうね?」

「!」

淡々と母のクリティカルヒットが入り、父は固まる。

「いや、誤解だ。来賓の皆さまをもてなす、これも大事なことなんだ。

儂等は道中の安全を確保し、ご案内したまでで……」

父さん、ダメだよ。

母さまは全て把握した上で追い込んでるんだ。

嘘は墓穴を掘るだけだよ。

俺は心の中で、この後の展開に合掌した。

「金髪の娘さんは、エレナさんでしたっけ? そして赤毛のカレンさん、この若く、可愛いお二人には、特にご執心だったようですよね?」

「な、な、何故っ……?」

「あと、宿場街での武勇伝もこの場でお話ししましょうか?」

「は、話せば分かる、頼む、儂の話も……」

「お黙りなさいっ! なんならこの場で、全ての娘さんの名前を挙げても良いのですよっ!」

「お父さま、お兄さま、お母さまが何故お怒りか、分かってらっしゃいますか?」

うわっ! 妹まで参戦して来た。

「……」

「タクヒールお兄さまが、毎日必死に走り回っているのに、お二人がずっと遊び呆けていらしたからです。

単に娼館通いを仰っているのではありません。

お母さまも最初は……、『今回は仕方ないわね』、そう仰って目を瞑っていたのですよ!」

この2人に責められ、縮こまる2人の姿は、もう見てられない。

「本来、この競技会を行うのはエストの街だった筈です。

貴方もテイグーン開催に賛成されたのでしょう?

なら、何故、貴方たちの決定で振り回され、寝る間を惜しんで働く息子の事を考えないのですか?

何故、貴方もダレクも、お客様気分で毎晩毎晩、遊び惚けているのですか?

貴方の息子、弟は毎日、誰よりも遅く床に就き、誰よりも早く起床し、働いていたのですよ!

貴方たちは、何故、それが見えないのですか?

私はその事が情けなくて、仕方ありません!」

やっぱり……、父と兄は完全にうなだれている。

「母上、今回は無事に大任を果たせた事ですし、父上も、兄上も、反省しているご様子。

少し大目にみていただくことはできませんか?」

「ダメよっ、本題はこれからだから。

そして、私が依頼されたこともあるの。だから貴方もここに居て、最後まで話を聞いて欲しいの」

その瞬間、般若からいつもの顔に戻った母がいた。

「先ずダレク、フローラさまが王都の学園に入学される際、貴方との婚約を発表します。

なので、以後、厳に身を慎むのよ」

「何っ! ちょっと待て!

そんな大事な話、儂は聞いとらん! いつの間に」

ここで初めて父は声を荒げて立ち上がった。

「お座りっ!」

再び般若が降臨する。

「立って良いとは言ってません!

その大事なお話を行う機会を、【夜の視察】と称して毎夜、不在にしていたのは誰ですかっ!」

父はまた子犬に戻り正座した。

「そんな事だから、辺境伯は仕方なく、ご存念を私にお話しされたのですよ」

「ちょっと待ってください。俺はまだ結婚とか……」

「ダレク、貴方はまだ分かってない様ですね。【ソリス家の若き雄】と呼ばれている、貴方の通り名に、【夜の】と言う言葉が新たに付いても良いのですか?」

「全くです。

お兄さまが一晩で娼館を何件も梯子された件、それを聞いて、私は恥ずかしくて仕方ありませんでした」

「ク、クリシア、何故それを?」

「投票券を買うために並んでいた時、後ろに並んでいた方々が話してましたわ。

幸い、フローラさまは気付いてなかったようですが。

そんな事、もう2度と聞かせないでくださいっ!」

「ダレク、貴方はこのままだと武勲ではなく、夜の豪のものとして、貴族の間でも噂に登る事になります。

既にこの町の人々の噂になっているように……

そんな事になってもいいのですか?

王都での貴方の行い、私が知らないとでも思っていますか?」

「えっ! どうしてそれを……、まさかお前っ……」

「オレデハアリマセン、ハシゴノハナシモ、オウトノコトモ、イマハジメテキキマシタ」

事実、俺ではない。でも、俺には推察できる。

以前、娼館にいた、ヨルティアの情報網を手に入れた母は、もう無敵だ。

王都のことも、何らかの手立てを持っていたに違いない。

「辺境伯もご心配されていました。

大事な娘を預ける貴方が、良いところも悪いところも父親譲りである事を……」

兄は小さくなってしまった。

父も更に小さくなっている。

「辺境伯は貴方を婿として迎え、直系男子がいない、ハストブルグ家の、将来の後継者候補としてもお考えです。教育をよしなに頼む、辺境伯からはそう言付かっております」

「……」

兄は黙ってうな垂れる。

「ダレク、貴方は暫くそこで我が身を省みてなさい。

因みに……、王都にも私の【耳】はありますからね」

「さて、タクヒール、貴方のお話です」

優しい笑顔の母が此方に向き直った。

「この度の武勲、テイグーンの開発などの内治の功績、今回の合同最上位大会の運営や差配など、辺境伯だけでなくゴーマン子爵からも、お褒めの言葉をたくさんいただきました」

「ありがたいお話です」

「ゴーマン子爵からは、愛娘のユーカさんを頼む、そう言付かっているのよ。

貴方も薄々は気付いているでしょう?」

俺は無言で頷いた。

「合同競技大会、1日目の夜のことでした。私は貴方たちの事をおふたりから聞かれ、私は、自身の存念をお話ししました」

〜合同競技大会、1日目の夜のこと〜

「では、お言葉に甘え、子爵家の意向ではなく、2人の母親として、お話し申し上げます」

頷く2人に母は続けた。

「ご存じかも知れませんが、ダレクは、先の戦でかけがえのない友と、彼を慕う配下を失いました。

私にはあの子がまだ、深い悲しみに包まれていること、悲しみを振り切るために、一時の享楽に身を置いていると考えています。

時が経てば、息子も立ち直り、落ち着くと思います。私はダレクを信じています。

ですが、残念ながら今、ダレクの傍には、支え、癒やしてくれる存在がおりません。

少しだけ、ダレクに時間をください。

私も息子を導いていきたいと考えています」

ここでクリスは言葉を切った。

「タクヒールについては、もう少し複雑です。

息子は母である私から見ても、不思議な子供でした。

同じ年頃の子供と比べ、幼い頃から母に甘えることもなく、彼は独りで戦っていたように思えます。

誰にも本心を打ち明けることもできず、孤独に戦うあの子の心は、安らぐことなく消耗し続けていった筈です。

私は、息子を守るべき母として、彼と心が通じている味方を、素直に気持ちを吐き出すことができる、そして、安らぎをもたらしてくれる、そんな存在になってくれる女性達を、タクヒールの傍らに付けました。

今、あの子は心身ともにもう大人です。

そして傍には、心も身体も寄り添うことができる女性がいます」

「では、彼には妻となるべき女性が既におると?」

ゴーマン子爵は驚きと失望のあまり、思わずテーブルに手をつき、前のめりになった。

「いえ、私も彼女たちも、正妻となることは望んでおりません。

例え望んでも、この国では貴族として抗えない定めもあります。

息子は既に男爵家の当主です。貴族としての務め、これは皆が理解しております。

ゴーマン子爵さま、そんな息子でも、ユーカさまのお相手は務まりましょうか?

ユーカさまは、それをお許しになるでしょうか?」

「ふむ、儂は娘が不憫な思いをすることがないよう、それだけが心配でな」

ゴーマン子爵も遠い目をして語る。

「お恥ずかしいことながら、我が領内で、娘は決して幸せとは言えんのだ。

だが、そんな環境に居ても、いつも明るく、こんな儂にも気安く話しかけてくれる。

お主の息子も同じだ。

この2人がいる時だけ、儂は自分に素直になれる。

だからこそ、お主の息子なら、娘を安心して任せられる、そう思ったのじゃ」

「では、ユーカさまが、事情を知った上でご承知くださるのであれば、そういう事でどうでしょうか?」

「ふむ……」

「ソリス家では、ユーカさまが不憫な思いをされる事は決してさせない、それはお約束いたします。

私が目を光らせておりますし、タクヒールの周りの女性たちも、道理を弁えた、性根のしっかりした者ばかりです。

それは私自身が会って話をして、確認しております」

「ほっほっほ、ものには順序もあろうて。

先ずは兄の話が公になった後、それでどうじゃ? 本人たちの思いもあるしの」

「御意のままに」

「仰せの通りに」

「タクヒール、今すぐ婚約、そういう事にはならないわ。

でも覚えておいて、いずれそうなる前提として、私たちは考えていることを」

「母上、ゴーマン子爵は、その……、4人の事を、ご存知なのですか?」

「ご存知ですよ、流石に4人も妻がいると申し上げた時は、非常に驚かれていたわ」

やっぱり、ですよね……

「でもね、その後は、『流石! いつも儂の想像の上を行く奴デアルっ!』と、笑っていらっしゃったわ」

カイル王国では、貴族が、特に優秀な当主が複数の妻を迎えることに、比較的寛容な文化を持つ。

これは、少ない配下と領民とともに、この地を切り拓き、王国の礎を作った、初代カイル王からの伝統だ。

だが後年、貴族の血を薄めないよう、当主の正妻は必ず貴族同士の婚姻を定めた悪弊も残している。

騎士爵や準男爵は、あくまでも一代限りの準貴族であって、婚姻に関して、貴族同士の対象として認められていない。

それらが、法によって定められている。

「ま、待てっ!」

ここで再び父が参戦した。

「クリス、4人の妻だとっ! 儂は知らんぞっ!」

「以前にも申し上げた筈です。子供たちには、私がふさわしいと思った女性を付けると」

「だが、よ、4人とは、うら……、由々しき話ではないかっ!」

「タクヒール、お前いつも、ずるいなぁ」

この2人、やっぱりブレないよなぁ。

心には思ったが、ここは神妙に無言でいた。

「節操のない貴方がたは黙ってなさいっ!

タクヒールを大切に見守りたい女性たちがいて、タクヒールも彼女たちを頼りに、そして大切にしている。

ただそれだけです!」

「お兄さま、私はフローラさまに続き、ユーカさまがお姉さまになること、大賛成です」

え? 妹は4人の件、全くスルーなのか?

そこは少し驚いた。

「では、お話は以上です。

今日は家族だけが揃っていただく、久しぶりの団欒です。凄く楽しみだわっ!」

母はいつもの顔に戻っている。

安堵のため息をつき、立ち上がった2人に向かい、声を掛けた。

「そこの2人! 食事後に、お話はゆっくりと……」

この日、ソリス子爵家では、久しぶりに家族全員が揃った、夕食をゆっくり楽しんだ。

来賓への対応の気疲れか、当主と長男だけは、青い顔で食が進まなかったようだが……

後日になって、母と妹が起こした【断罪イベント】は、結果として、兄の命運を救うことになる。

兄や俺を取り巻く陰謀は、今後、王都で蜘蛛の巣のように張り巡らされ、俺たちを陥れようとする者たちは、虎視眈々とその口実を窺っている。

兄も俺も、結果的に母に救われている。

俺たちは、後になってそのことを改めて感じた。

ご覧いただきありがとうございます。

ブックマークやいいね、評価をいただいた皆さま、本当にありがとうございます。

凄く嬉しいです。毎回励みになります。

また誤字のご指摘もありがとうございます。

こちらでの御礼で失礼いたします。

これからもどうぞ宜しくお願いいたします。

<追記>

九十話〜まで毎日投稿が継続できました。

このまま年内は継続投稿を目指して頑張りたいと思います。

また感想やご指摘もありがとうございます。

お返事やお礼が追いついていませんが、全て目を通し、改善点など参考にさせていただいております。

日頃の応援や評価いただいたお陰と感謝しています。

今後も感謝の気持ちを忘れずに、投稿頑張りますのでどうぞよろしくお願いします。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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