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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 211

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グリフォニア帝国の帝都グリフィンにて、カイル王国の運命を左右する重要な決定がなされていたころ……

サザンゲート平原の最南部、国境近くに新たに築かれた要塞では、その完成を祝い、王国南部辺境域の防衛を担う者たちが参集し、今後の戦略を議論する会議が行われていた。

主催するのは、ハストブルグ辺境伯だが、会議には王都騎士団長である、ゴウラス伯爵も招かれていた。

参加者は、これまでの戦役を潜り抜けた、錚々たる顔ぶれだった。

ハストブルグ辺境伯

ソリス魔境伯

ゴウラス伯爵

ゴーマン伯爵

ソリス伯爵

キリアス子爵

コーネル子爵

ソリス子爵

クライツ男爵

ボールド男爵

ヘラルド男爵

ヴァイス男爵

カッパー男爵

「さて、早速だが王国防衛に関する今後の指針を、この会議にて議論したい。

まず、ソリス魔境伯から、各々方には話がある。

それを受けて議論を進めたいと思う」

「ハストブルグ辺境伯、ありがとうございます。

まず、前提として皆様に共有すべき情報があります。来年末に帝国との休戦協定が切れれば、1年を待たずして帝国が大挙して侵攻して来る事がほぼ確実です。その数、恐らく5万を超えるかも知れません……」

「ご、5万っ!」

「なんと……」

「いや、それは……」

全員が5万という数字に絶句した。

「皆さまもご存じの通り、昨年私は陛下のご意向に沿い、帝国のジークハルト・フォー・ケンプファー子爵を、テイグーンにて受け入れ、話す機会を得ました。

そこでの話と、これまでの諜報を合わせた予測です。帝国は、皇位継承争いを最終決定する場として、我らとの戦いを求めて来ることになると思われます。

その際には、第一皇子、第三皇子が共に攻め入り、功を競い合うことになるでしょう。そうなれば、敵軍は自ずと5万を超える軍勢となります」

「ふむ、片方だけでも厄介な相手だというのに……、厄介な話じゃな。困ったものじゃな。

各々が新領地の経営に精を出し、兵力の充実に努めてはおるが、2年後であればまだ時間が足らぬわ。

せいぜい頑張って我らは1万5千もいかんだろうな。

ゴウラス殿の援軍頼み、そうなるかの」

ハストブルグ辺境伯はそう言っていたが、敢えて一番の懸念を言葉にするのは避けている。

「私は先程の魔境伯のお話、俄かに賛同しかねます。そもそも不倶戴天の敵同士、2人の皇子が共同戦線をとり、共に攻めて来るなど考えにくいのですが……」

「キリアス子爵のお言葉はもっともです。もちろん彼らは最初から協力する意思など全くないと思います。

恐らく、彼らはこの要塞の前に抑えの兵を配し、それぞれが左右から王都を目指してくるでしょう。

彼らにとって王都を攻略する戦功こそが、継承者たる証として他方を圧倒できるのですから」

「そうなると、我ら騎士団も簡単には動けぬ、そういうことか? 王都の守りもあるため、前線参加できないまま、前線は圧倒的な大軍の波に飲まれ……」

ゴウラス騎士団長も青ざめていた。

彼らが大軍の利を生かし、分散して攻略を進めれば、騎士団は王都を離れられない。

「はい、我々はこの最悪の事態を考慮し、その対策を2年以内に整える必要があると考えます。

帝国にも弱みがあります。彼らは連携し協力する意思がなく、互いに競争していることです。

彼らは自ずと、外線作戦を取らざるを得ません。

そのため、数の利を損ない連携もできません。

我々の強みは、内線作戦が取れることです。

戦況に応じて戦線を縮小し、一点から食い破ること。

そうすれば、敵軍の後背を扼して退路を断つことができます」

集まった全員が、国境から王都までの地図を頭に浮かべながら、帝国の動きに想像を巡らす。

「団長、この辺りご指摘など有れば、お願いします」

「はい、帝国の動きは魔境伯の仰った通りです。

恐らく彼らは、1万から2万の軍勢を中央軍とし、この要塞を囲み無力化するでしょうね。

落とさなくて良いのです。包囲して無力化し、ついでに辺境騎士団も封じ込めるだけで効果があります。

そのため我らは、辺境騎士団の配置を改めて検討すべきでしょう。機動戦力を遊兵としないように。

要塞には、弓箭兵を主軸に配し、守りだけに専念することが妥当であると考えます」

そう、これって凄く言いにくいんだよね。

要塞完成を祝う場なのに、要塞の存在を否定しかねない話だから……

楔としては、十分に役に立つんだけどね。

楔以上は厳しいけれど。

「敵の本隊、各皇子の指揮する打撃部隊は、各々2万から3万の兵で左翼と右翼に別れ進軍するでしょう。

それぞれの地に広がる、魔境を抜けて。

敵左翼は、テイグーン又は旧ヒヨリミ領から侵入し、エスト方面を抜けて一気に王都を目指すでしょう。

王都までの道は、目立った防衛施設もありません。収穫の時期に侵攻すれば、補給も現地調達できます」

うん、これは前回の歴史で実際に団長が採った戦術であり、それもあって俺は敢えて団長に意見を聞いた。

これを聞き、父ソリス伯爵とコーネル子爵が表情を強張らせた。

「敵左翼軍の対応については、我々も前回の侵攻以降も、準備を整え対策を練っております。

2万から3万程度の軍勢なら、十分支え切れるとお約束できます。問題は……」

そう、俺は言葉を濁したが問題は敵右翼への対処だ。

キリアス子爵は有能な武将であり、率いるクライツ、ボールド、ヘラルド男爵たちも経験豊かで信頼できる武将だが、いかんせん数が圧倒的に足らない。

そして西側の俺たちに比べ、数が少ないだけでなく、目立った防衛施設もない。

「敵右翼部隊は、キリアス子爵の領地を抜けたとしても、王都を目指すには結局、ブルグ辺りで中央の街道に戻ることになるじゃろうな?

それ以外の道は、大軍の移動には向かんじゃろう。

どうじゃな、キリアス?」

「辺境伯の仰せの通り、数の差は如何ともし難い、そう思います。我らは順次撤退を行い、焦土戦術を執る以外に選択肢はないようです。

誠に……、無念ではありますが」

「儂配下の歩兵を全て、ここの守りに当てるとして、辺境騎士団4千騎と、東部諸侯軍が最大でも1,500名、6千足らずの軍勢で右翼軍に対するには、ちと厳しいものがあるな?」

「辺境伯、今の想定中での仮定の話ですが、魔境伯が敵左翼を抑えてくれるのであれば、王都騎士団から2万騎を派遣し、協力して敵右翼と対峙できます。

それなら、互角以上の戦いができると思われます。

先年、それなりの働きをした、東部地区の貴族たちの軍勢も召集すれば、更に5千は援軍となりましょう。

併せて3万、これで敵に当たれば、撃退は可能と思われます。ただこれは、魔境伯と西側のゴーマン伯爵、ソリス伯爵、コーネル子爵らが、敵左翼を支えてくれることが前提です。さもなくば、我らの戦線は崩壊します」

「我らは日夜、その日のために訓練と準備を行っております。弓箭兵に加え、魔法士たちの力を戦力に融合すれば、騎士団長閣下のご期待に添い、必ず持ちこたえるとお約束します」

団長は胸を張ってそれに答えてくれた。

「私からもひとつ。焦土作戦を取る場合、敵の補給線は国境からそれなりに長くなります。

辺境騎士団第六軍、第七軍を遊撃隊として、敵の補給線を叩きます。

そうすれば敵は行動不能に陥り、撤退を促すことができるかも知れません。

また、東の魔境の中に密かに我らの拠点を構築し、そこから出撃した部隊が右翼軍の後背を叩く。

これも検討すべきことだと思います。

私やカッパー殿は魔境での行動にも慣れております。存分に暴れてみせましょう。

学園に依頼し、地魔法士を中心に魔法士を動員すれば、それなりの秘匿拠点の建設もできると思います」

「確かに! ダレク卿の言は良いの。

ゴウラス殿、王都騎士団からもお借りできるかの?

西側は今も魔法士が必要で貸し出している余裕もなかろう。なので王都や学園からお借りしたいが……」

「そうですな。王都騎士団所属の魔法士は問題ないでしょう。後は……、クライン公爵に相談ですが……、恐らく問題ないでしょう。

既に勅令魔法士や学生を、研修という名目で魔境伯領での動員事例もありますからね。

ダレク卿、其方も学園の卒業生であり学園長とも親しい仲、直接相談されるのも良かろう」

「ゴウラス閣下、ありがとうございます。

では、学園長と最も昵懇の仲であり、今も在学中の魔境伯と共に、王都にお願いに参ると致します」

「???」

兄さん、また巻き込みましたね?

狸爺の相手が苦手だからって……、酷くないですか?

まぁ俺も苦手なので、そういう時は狸退治名人を連れて行くことになると思うけど……

「では各々、その日に備え、対応と作戦を整える。

御一同、それで良いかな。

他に何かある者は……、ん、魔境伯、どうした?」

「はい、今日のお話と少し趣旨は異なるのですが、近年の天候と、文献にある情報を照らし合わせてみたところ、今年、または来年あたりに、天災の可能性があると危惧しております。

大雨による水害か、大規模な干ばつなどによる凶作か……

我らもその準備と対策に動いておりますが、皆様方におかれましても、内々に食料の備蓄や対策を進めていただくよう提案します」

俺の発言で、父ソリス伯爵とゴーマン伯爵は表情を変えた。過去、俺が発した災厄の経緯を知っているからだ。彼らにとってはもう確定情報だ。

2人は無言で頷き、了解した旨を示してくれた。

コーネル子爵も、多少の経緯は知っているはずだし、母から後押ししてもらえば真剣に動くだろう。

「やれやれ、難儀なことじゃな。

じゃが、魔境伯の言葉、軽く思わん方が良いぞ。

先の疫病の件もある。各々、真剣に準備に努めよ」

最後に辺境伯が後押ししてくれたので、恐らく大丈夫だろう。

過去の経験から、仮に災厄を回避しても、それは隣領などに飛び火し、歴史は等量の被害を確保しようと流れてきた。

遠く離れた辺境伯領や東側の貴族領でも安心はできない。

仮にどこかの領地で被害があっても、周りが十分な備蓄を用意していれば、互いに助け合うことができる。

来るべき帝国との戦いを前に、俺はできる限り、戦力低下となる要因を潰しておきたかった。

こうして俺は、周辺貴族を巻き込んで、最大の危機に向けて動き出していた。

歴史に対して、完全勝利を目指して。

ご覧いただきありがとうございます。

次回は【闇は途絶えず】を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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