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I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~ – Chapter 322

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この日行われた論功行賞は、最大の山場、魔境公国設立の発表を終え、最後に残されていたのは、固有の領地を持つ領主貴族ではなく、個人への勲功認定だった。

もちろんこれは、各戦線での総司令官や上席にある者たちが推薦し、それを王国側が、承認するかの判断、更に個別の武勲や勲功を精査し、具体的な褒賞金額を断じたものとなっている。

「では最後に、これまでの褒賞から漏れた、個人への勲功認定を始める。現在の爵位の順に名を呼ばれた者から、御前に進むように。

ヴァイス・フォン・シュバルツファルケ男爵、エロール・フォン・カッパー男爵、ユーカ・フォン・ソリス男爵、アレクシス・フォン・バウナー準男爵、ソリス・フォン・クリシア準男爵、……、ソリス・フォン・アン準男爵、ソリス・フォン・ミザリー準男爵、ソリス・フォン・クレア準男爵、ソリス・フォン・ヨルティア準男爵、……」

俺の5人の妻のうち、ユーカはクラリス殿下と俺が、そして4人は俺が推薦している。

戦場だけではない、内治の功績も含め、この際彼女たちも男爵号を持っておいてほしかった。

これでもう、彼女たちは準貴族ではなく、正式な貴族となる。国内外でも、そうそう侮らせないだろう。

呼び出しはまだ続く……

「ソリディア・フォン・クリストフ騎士爵、ソリディア・フォン・ゲイル騎士爵、ソリディア・フォン・エラン騎士爵、ソリディア・フォン・バルト騎士爵、ソリディア・フォン・ラファール騎士爵、ソリディア……」

「おい、タクヒール! 皆同じゃねぇかよ。手を抜いたな?」

兄が笑いながら小声で話しかけてきた。

「イエ……、ゼンインガオナジデハ、アリマセン」

ほら……、これには色々と事情が……

そうあれは2日前のことだ。

◇◇◇ 王都カイラール ソリス伯爵の館にて

俺は論功行賞に参加させるため、団長やアレクシス、5人の妻たちの他に、多くの者たちを呼び寄せていた。その数、22名、合計で29名を率いる、まるで御一行様だ。

「今回はここに居る者全て、明後日に行われる論功行賞で、陛下の御前に参じることになる」

「はっ! は? はぁっ?」

その多くが、驚きの余り、変な声を上げていた。

まぁ、その殆どは王宮にすら上がったことのない者たちだ。

「あ、いや……、俺なんか、本当にいいんですかい?」

「ああ、もちろんだよ。ラファールはファアラート王にも気に入られているし、今後は正式に貴族として使者に任じられることもあるだろうしね」

「いや、勘弁してください! 今でさえ仲間たちからは『山賊貴族』とか言われてるのに……

王国の品位が落ちてしまいますよ」

日頃は豪胆で肝の据わった百戦錬磨のラファールが、血相を変えて慌てている姿に、全員が笑ってまずは場が和んだ。

まぁ……、前回の酒盛りが余程懲りたのだろう。

「さて、俺からひとつ、大事なことを皆に伝えたい。

一つ、皆のこれまでの努力、そして俺に付き従い苦労を掛けてきたことに対し、ちゃんと報いたい。

二つ、今回の戦いで思ったが、皆には能力に相応しい公的身分がない。身分とは、誰もが認める命令権だ。

それが無ければ、いざと言う時に上に立てない」

そう、二つ目は俺が特に感じたことだ。

俺の領内は問題ない。暗黙の了解で彼らが指揮官として立っても、誰も文句は言わないし、俺が役職を設定して任じれば済むことだ。

だが、今回の戦いのように他領の者を率いる場合、今後帝国と折衝する場合などにも、公的な身分は絶対に必要になってくる。

アレクシスにも苦労を掛けたし、ゴルドなど西部戦線では相当気を遣っていた様だった。

「公式の立場、それは堅苦しいものかも知れない。でも、皆を助けるものにもなると思う。

俺が自由に任じることができるのは、せいぜい騎士爵程度、それじゃあダメなんだ。

今回、俺の領地は帝国内にも及ぶ。そうなると、皆にもより大きな役割をお願いすることになる。

その時、皆の指揮命令権の後ろ盾になる身分、これがどうしても必要になってくる」

「身分が変わっても、我らはこれまで通りお仕えできますか?」

「ああ、ゲイルの質問だが、今後も何も変わらない。変わるのは、貴族になって俸給が増え、配下も格段に増えるし、一部は俸給から家臣を雇用もしてもらうことになるだろう。

でも、俺との関係、ここに居る仲間同士の関係は、何も変わらないよ」

そう、彼らは準貴族、貴族となっても領地はなく、これまで通り武官、文官として仕えてもらう。

ただ、今後は彼らの配下の人数も、これまでと比較にならないほど増えるけど。

「そこでここに集まった者の殆どが、今は姓を持っていない。なので、今日一日でそれを考えておいてほしいんだ。全員だよ」

そう言うと全員が深刻な顔をして頭を抱え出した。

まぁ……、無理もないけど。

そこに一石を投じる、勇気ある者が現れた。

「ははは、ラファール、サンゾーク・フォン・ラファールなんでどうだ?」

「いやいやゲイルの旦那、勘弁してくれよ。かく言う旦那はどうなんだい?」

「えっ、俺か? …………、ニンソーク?」

「ダメだろう!」

元人足であったゲイルは、見事にブーメランを浴び、全員からダメ出しを食らっていた。

だが、それを笑った者たちも、明日は我が身だ。

「……」

一旦は2人のやり取りを笑った者たちも、我が身になると何も思い付かず再び沈黙してしまった。

まぁ姓なんて、早々思いつくものじゃないし、これまで夢にも思ってないことだしな。

そこにミザリーが手を挙げた。

「タクヒールさま、よろしいでしょうか?

以前にレイモンドさまが、長年仕えたソリス家から、領地にちなんだ『エスティア』という、素晴らしい姓を賜りました」

う……、何か嫌な予感がする。

「どうか彼らにも、テイグーンやソリス家に因んだ、良い名を与えていただけませんか?

今後、タクヒールさまの配下で、功のあった者には、その名を賜る、そんな形にできれば良いかと……」

あ、いや、ミザリー。

お願いだから俺にもブーメランを回さないでくれ。

確かに、サンゾークやニンソークに一番笑っていたのは俺だけど……

さて、どうしよう?

そんなもん、今日の明日で考えられるもんじゃないだろっ! 誰がそんな無茶を言ったんだ!

俺ですよね……

はい……、ゴメンナサイ。

「……」

テイグーン……、タクヒール……、ソリス……

ん、ソリス?

「ソリ……、いや、ソリディア、これでどう?

……かな?」

「おおっ、我ら一同、ソリディアの名を賜ります!」

「あ……、男性はソリディア、女性はソルディアで、姓を分けるのはどうかな」

この様な経緯があった。

◇◇◇ 王宮 論功行賞の間

俺は兄に、なし崩しで彼らの姓を決めたとも言えず、ただ頭を掻いて笑って誤魔化しただけだった。

そしてその後も、内務卿のソリディア連呼は続いた。

「……、以上、全38名!」

「お、おい、まさかタクヒール、お前、まとめて関係者全員、突っ込んだな?」

「はい、兄さん。そもそも今回の戦功は陛下の仰った通り、テイグーンの街を作るところから始まっています。なので武官文官を問わず、30人ほど推薦させていただきましたよ」

俺はしれっとした顔で答えた。

「個人表彰、勲功第一位!

アレクシス・フォン・バウナー準男爵!

イシュタル戦にて彼の者が果たした役割と戦果は膨大である。ウエストライツ公王、ソリス侯爵、コーネル伯爵らよりも、それぞれ推挙があった。

故に、子爵に特進、そして金貨三万枚を授け、魔境公国内に相応の領地を与えられることになる」

「おおっ!」

大きな歓声と拍手が上がった。特にハミッシュ辺境公を始めとする東部辺境貴族たちからは盛大に。

爵位が二段上がった上に、領主貴族となれば、三段跳びの昇爵である。

「続いて個人褒賞、勲功第二位!

ヴァイス・フォン・シュバルツファルケ男爵!

帝国第一皇子の捕縛の他、各戦線での陣頭指揮は誠に見事であった。故に、子爵への陞爵と金貨一万枚を授け、新領地、魔境公国内に双頭の鷹傭兵団が所有する領地を認める。また、ヴァイス子爵率いる、魔境騎士団長の地位を、王都騎士団軍団長と同格とする」

やった! 最後の下りは、俺も予想していなかった内容だ。

まだ人数は揃っていないが、団長は名実ともに将軍、万を率いる軍団長として認められたことになる。

俺は少しだけ、前回の歴史から感じていた引け目が、和らぐ思いだった。

「続いて個人褒章、勲功第三位!

カッパー・フォン・エロール男爵! 大きな勲功を陰で黙々と支え続けた、其方の功に報いることは、今後の範とすべきことである。子爵への陞爵と金貨一万枚を授け、西部辺境に子爵領を与える」

ほう? これで彼も、名実ともに兄さんを支える右腕になる訳か。

彼も前回の歴史とは、まったく違った運命を歩んでいるよなぁ。

「続いて個人褒章、勲功第四位!

ソリディア・ゴルド!

此度の西部戦線ではクラリス殿下を支え、窮地の際に発揮された指揮能力も誠に見事であった。

彼の者には、ウエストライツ公王以外に、クラリス殿下、シュルツ軍団長よりも強く推挙があり、異例の事ではあるが、男爵に任じ、金貨一万枚を授ける」

マジですか! 俺も準男爵が精いっぱい、そう思っていたけど、まさか平民から騎士爵、準男爵を飛び越していきなり三段跳びで男爵とは! 味なことをしてくれる。

まぁ、逆に本人は恐縮して青くなっているだろうけど……

共に戦った殿下やシュルツ軍団長が、彼を高く評価してくれていたことが、何よりも嬉しかった。

「勲功第五位以降は、複数名のため新たな爵位と褒賞を読み上げる。

ソリディア・フォン・クリストフ男爵、ソリディア・フォン・ゲイル男爵、ソリディア・フォン・ラファール男爵、ソリディア・フォン・エラン男爵、ソリディア・フォン・バルト男爵、各々は功績による陞爵と、それぞれに金貨三千枚を授ける」

5人とも騎士爵からの二階級特進か。大盤振る舞いに感謝だな。

でも彼らは全て、戦況の重要部分で大きく貢献してくれたのだから、俺の中では至極正当な評価だ。

その後も勲功第六位(4人、金貨千枚:仲間からは該当者なし)、勲功第七位(仲間から22人/25人中)が認定され、金貨六百枚が授与された。

奥さんたち、ユーカは子爵、アン、ミザリー、クレア、ヨルティアは男爵となった。

他の仲間で、新たに男爵となった者はローザ。準男爵となった者は、16人にも及んだ。

そして、ここに任じられていない魔法士の仲間たちのうち、何名かを後日、俺の権限で騎士爵とするつもりだ。

彼らは全て、ここ数年それに恥じない働きをしているのだから…

俺直属の仲間の人事も定まり、16人の準男爵、11人の男爵、3人の子爵を家内に誕生させた。

これらはもちろん、これまでの功績に応じたものだが、カイル王国からウエストライツ魔境公国の未来を担う者たちへ、手向けとして贈られたものである側面も否めない。

これらの論功行賞は、俺にとっても期待以上の結果であったが、俺が予想すらしなかった効果、大いなる後押しとして、ウエストライツ公国に幸をもたらすこととなった。

「陛下……」

「おおっ! 内務卿、忘れておったわ」

え? まだ終わりじゃなかったの?

ニヤリと笑ってこちらを見た、国王陛下の顔を見て、嫌な予感が走った。

「これもあくまでも個人への褒賞じゃが、フェアラート国王よりのたっての願いでな。

ウエストライツ魔境公国の公王には、彼の国の交易都市サラームの領有権を、反乱軍鎮圧の礼として与えるとのことじゃ。ありがたく受け取ってほしいとの言伝があったわ」

『は? そんな話、聞いてませんでしたよ? いや、別れ際にこれからもサラームを頼む、そう言っていた記憶は確かにあるが……』

「公王は既にサラームにはお抱えの商会も置き、事実上拠点としていることだし、問題なかろう?」

「ありがたく……、頂戴します」

まぁ、サラームなら信用できる伝手もあるし、俺のスパイス戦略では重要な都市だ。

嬉しいんだけどね。

正直サプライズが多すぎて、もうお腹一杯……、って、こんなこと言ったら罰が当たるか。

こうして、何もかもが波乱続きの論功行賞は幕を閉じた。

◆参考

<現在の役職>  <氏名> <現爵位> <新爵位>         <褒賞>

東部防衛司令官  アレクシス 準男爵→ 領主貴族子爵(三階級特進)、金貨三万枚

魔境騎士団長   ヴァイス  男爵 → 領主貴族子爵(二階級特進)、金貨一万枚

副領主      ユーカ   男爵 → 子爵、金貨六百枚

家宰(行政府長) ミザリー  準男爵→ 男爵、金貨六百枚

内務・護衛部隊長 アン    準男爵→ 男爵、金貨六百枚

渉外部門管理官  クレア   準男爵→ 男爵、金貨六百枚

商業部門管理官  ヨルティア 準男爵→ 男爵、金貨六百枚

<武官>

工兵部隊司令官  エラン   騎士爵→ 男爵(二階級特進)、金貨三千枚

輸送部隊司令官  バルト   騎士爵→ 男爵(二階級特進)、金貨三千枚

諜報部門司令官  ラファール 騎士爵→ 男爵(二階級特進)、金貨三千枚

特火兵団司令官  クリストフ 騎士爵→ 男爵(二階級特進)、金貨三千枚

駐留軍司令官   ゲイル   騎士爵→ 男爵(二階級特進)、金貨三千枚

派遣軍司令官   ゴルド   平民 → 男爵(三階級特進)、金貨一万枚

魔境騎士団副団長 マルス   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

東部駐留軍指揮官 ダンケ   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

西部駐留軍指揮官 アラル   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

屯田兵指揮官   マスルール 平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

自警団指揮官   イサーク  平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

傭兵団指揮官   キーラ   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

救護部隊指揮官  マリアンヌ 平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

兵站部門指揮官  ウォルス  平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

魔法戦闘指揮官  リリア   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

長弓兵大隊指揮官 グレン   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

<文官>

名誉司教(施療院統括管理官)

ローザ   騎士爵→ 男爵(二階級特進)、金貨六百枚

都市開発統括官(特殊兵装統括官:武官兼任)

カーリーン 平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

都市計画統括官  メアリー  平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

都市計画統括官  サシャ   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

工業開発統括官  カール   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

アイギス統括官  アストール 平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

ディモス統括官  ライラ   平民 →準男爵(二階級特進)、金貨六百枚

いつもご覧いただきありがとうございます。

次回は『ふたつの国』を投稿予定です。

どうぞよろしくお願いいたします。

※※※お礼※※※

ブックマークや評価いただいた方、本当にありがとうございます。

誤字修正や感想、ご指摘などもいつもありがとうございます。

I Thought It Was My Second Life, But It Was Actually My Third!~I Will Challenge Unhappy History with Historical Knowledge and Domestic Efforts~

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2-Dome no jinsei, to omottara, jitsuwa 3-domedatta.~ Rekishi chishiki to naisei doryoku de fukōna rekishi no kaihen ni idomimasu ~, My Second Life... or So I Thought, but It's Actually My Third Life: Using My Knowledge of History and Domestic Policies to Change the Unfortunate History, 2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。~歴史知識と内政努力で不幸な歴史の改変に挑みます~
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Released: 2022 Native Language: Japanese
Born the second son of a baronial family plagued by misfortune, Takuhir became the head of the household at the age of 16 after successively losing his family to calamities. Desperately working on domestic affairs, but being an ordinary man, he was unable to prevent the continuing disasters or restore his domain. He was called incompetent and defeated by a neighboring country’s invasion at the age of 20. Pleading for the protection of his people in exchange for his own life, he awakened to magical skills at the moment of his execution and transferred himself to the past to redo everything. Returning to the time of his birth as the second son of the baronial family, he also regained the sad memories of his first life, living and dying as a Japanese person. Utilizing the historical knowledge gained in his second life in another world and the knowledge of modern Japan from his first life, he resolves to avoid disaster and save his family and companions in his third life. However, being still a child, he cannot achieve overwhelming power or sudden reversals. He starts with steady proposals for domestic reform, earns funds, increases his allies, develops the town, and gradually accumulates power. Can he change history and save his family? Is there a bright future in this world of redoing? The grand rebellion of an ordinary man, who has resolved to fight against a history that brings one disaster after another, now begins.

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