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[Villain X Marriage] From A Lazy Villainous Nobleman Like Me, The Villainess Daughter Whose Engagement Was Broken Off Has Become My Wife, And Together We Became The Most Formidable Couple – Chapter 144

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《レティシア・バロウ視点》

声に釣られ、私とローエンは後ろへと振り向く。

そして私たちの目に映ったのは――ニコニコ笑顔を浮かべた、パウラ先生の姿だった。

「! パウラ先生!」

「お疲れ様です、レティシアさん! いや~、実にお見事な采配でしたよ!」

パチパチと小さく拍手しながら、彼女は私の方へと歩み寄って来る。

「魔法映写装置越しにじっくりと観戦させて頂きましたが、もう最高に楽しめました! 先生大満足です!」

「は、はぁ……」

「本音を言えば、Fクラスの代理〝王〟であるレティシアさんと、Aクラス〝王〟であるロイドくんには最後まで潰し合ってほしかったんですけど……流石にそれは職務怠慢って言われちゃいますからね!」

彼女は顔面に張り付けたようなニコニコとした笑顔を一切崩さず、今度はその顔を〝串刺し公〟へと向ける。

「ロイドくん――ではなく〝串刺し公〟くんとお呼びした方がいいでしょうか? まあ、どっちでもいいですが」

「……」

「キミにFクラスの動きを漏らしていた協力者は、全員捕縛させて頂きました! Aクラスの担任、監督官を担当していた者、洞窟に入り込んでいたFクラスを監視していた部外者――延べ十二名!」

「! 十二名って……そんなに……」

数字を聞いて驚く私。

Aクラス協力者――というよりエルザ第三王女の協力者が妨害工作をしてくるだろう、というのは私も予測していたし、実際それ前提で戦略を立てていた。

だけどまさか、そんなに人数がいたなんて……。

パウラ先生も「私も驚きましたよ~、まさかそれほどの人数を買収していたとは!」と感嘆とした様子で言葉を続け、

「大方、万が一Aクラスが負けたらFクラスを始末する役目も任されていたのでしょうね! ですが……レティシアさんの動きを見て動揺し、相互に連絡を取ろうとしたのが〝隙〟になりました」

「……ククク、それで芋づる式に捕まってしまったと」

「ええ、尋問すれば本当の首謀者もすぐに明るみになるでしょう。……残るはあなただけです」

――僅かにパウラ先生が殺気を帯びる。

同時に、剣や杖などで武装した学園の監督官たちが周辺の道から現れて、遠巻きに〝串刺し公〟を取り囲む。

もはや、彼に逃げ場はない。

「言っておきますが、絶対に逃がしませんから。私こう見えても、狙った獲物を取り逃がしたことがありませんので」

「……………………………………………………………………ク…………ククク…………」

長い沈黙の後――〝串刺し公〟は不気味な笑い声を奏で、

「逃げる……? 小生は逃げるつもりなど、毛頭ありませんよ?」

そう言って、右手の指に挟んだトランプを構える。

それを見た監督官の一人が〝串刺し公〟を取り押さえようと僅かに身体を動かしたが、パウラ先生がバッと片手を伸ばして制止。

けれど視線は〝串刺し公〟に向けたまま、

「……私、これでも生徒想いでして。最期に、なにか聞き届ける言葉はありますか?」

「それでは――――〝エルザ様よ、どうかお幸せに〟」

一言そう述べた彼は、ゆっくりと右腕を動かし、トランプを自らの首筋に当て――それを素早く引いた。

刹那――〝串刺し公〟の首から、深紅の鮮血が恐ろしい勢いで噴き出る。

「――ッ!!」

その光景に、私は思わず両手で口元を覆う。

ショックで肩が震え、足が竦んで動かない。

彼がまとう白の衣装は瞬く間に真っ赤に染まり、足元には血溜まりが作られていく。

文字通り、全身の血が抜け出ていっているのだ。

見る見るうちに顔面が真っ青になり、〝串刺し公〟はズシャッと地面に膝を落とす。

「クク……ク……」

「あ……あなた……どうして……!」

「エルザ様は……想いを……遂げられた……。ならば……偽物など……不要……」

額からは止めどなく汗が流れ、息も途切れ途切れ。

酷く苦しそうなのに――それでも彼の口の両端は、大きく吊り上がっていた。

「レ、レティシア・バロウ……小生に、聞きましたな……〝それでいいのか〟と……。クク……いいに決まっている……ではありませんか……!」

「え――?」

「エルザ様が……エルザ様さえ幸せなら……小生は……それで満足なのです……! 小生の人生は……愛しき人のために……!」

徐々に、〝串刺し公〟の呼吸の間隔が短くなり、弱々しくなっていく。

それに合わせるように、目の光も失われていき――。

「あぁ……エルザ様……お慕い……申し上げ……て……」

グラリ、と力が抜けるように姿勢が崩れる。

そのままドサッと地面に倒れると――彼の呼吸は、完全に途絶えた。

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[Akuyaku ✕ kekkon] taidana akuyaku kizoku no ore ni, kon'yaku haki sa reta akuyaku reijō ga totsuidara sai kyō no fūfu ni narimashita, 【悪役✕結婚】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Alban Odran. Arrogant, insolent, and――lazy. He condensed all the negative elements into the worst villain. He was a s*um who indulged in power and talent, but he suddenly realized that he was destined to be the ‘villainous noble who would eventually meet ruin.’ This can’t go on like this! Alban thought. To avoid ruin, he begins to put in effort――but then, talk of a marriage proposal comes his way. The one coming to marry him is none other than the discarded villainess. He hears that she’s a problem child who lost her place due to her villainous actions, and Alban is at his wit’s end―― “Huh? Isn’t she a really capable and good wife?” This is the story of what happens when the ‘lazy villainous noble’ and the ‘discarded villainess’ meet, resulting in the most dreadful couple.

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