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[Villain X Marriage] From A Lazy Villainous Nobleman Like Me, The Villainess Daughter Whose Engagement Was Broken Off Has Become My Wife, And Together We Became The Most Formidable Couple – Chapter 184

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「イヴァン……お兄様ぁ……?」

俺は思わず左目を点にし、反射的にイヴァンの顔を見る。

すると――イヴァンの表情は険しく、真っ直ぐ美男子の方を見つめていた。

「……ユーリ」

ポツリ、と呟くように名前を呼ぶイヴァン。

その名を聞いたレティシアは、何故かハッとしたような表情を見せる。

「! ユーリ、って……それじゃ、彼がユーリ・スコティッシュ!?」

「ああ……僕の〝弟〟であり、スコティッシュ公爵家の現跡取りだ」

驚くレティシアにイヴァンは答え、数歩前へと歩み出る。

「久しぶりだな、ユーリ。変わりないようでなによりだ」

「ええ……お兄様の方は、すっかり変わられてしまったようですが」

――まるで突き放すかのような、冷たい声。

いや、声だけでなくイヴァンを見る目つきも、凍り付くほどに冷たい。

どうやら、兄との再会を喜んでいるってワケじゃなさそうだ。

にしても――イヴァンの弟、か。

兄弟って割りには、あんま似てないな。

髪の色こそ同じだが、顔立ちは全然違う。

もしかするとイヴァンは父親似で、このユーリって弟は母親似なのかもしれない。

だが……雰囲気というか、その身にまとう覇気はそっくり。

もっとも、弟の方が些か刺々しい感じもあるが。

イヴァンは短い沈黙の後、

「お前が王立学園に入学することは知っていた。だが、お前の方から僕に会いに来るとは思わなかったぞ」

「……今や私の方が、スコティッシュ公爵家の中での立場が上だから――ですか?」

「……」

ユーリの言葉に沈黙で答えるイヴァン。

ユーリは続けて、

「私は……正直、ずっと信じていませんでした。私が尊敬し、愛してやまなかった誇り高いお兄様が、オードラン男爵などという遥か格下の者に懾伏したなんて……なにかの間違いだと」

チラリ、と俺の方を流し見てくるユーリ。

お、なんだぁ? やるか~?

喧嘩売ってるなら買うぞ、コラ。

俺は腰の剣に手を伸ばしかけるが、すぐ隣にいるレティシアが「アルバン」と小声で言い、俺の左袖をキュッと引っ張る。

どうやら「喧嘩はダメ」ってことらしい。

う~む、レティシアがそう言うなら大人しくしていよう……。

イヴァンはスッと眼鏡を動かし、

「口を慎み給えユーリ。アルバン・オードラン男爵は、今やヴァルランド王国の英雄と呼び称されているのだぞ」

「それもです。本来なら、〝救国の英雄〟と称賛されるのはお兄様でなければいけなかった」

「……!」

「お兄様……学園に入られる前のあなたは、さながらスコティッシュ公爵家の生き字引のような方でした。気品があり、誇り高く、まるで夜空に輝く一等星のように眩しくて……覇気に満ちたあなたの姿は、時に近寄れないほど恐ろしいと、そう感じる時すらあった」

そう語るユーリの声に――段々と、失意が混じっていく。

「ですが……今のお兄様からは、あの頃の輝きを感じられません」

「ユーリ……」

「何故オードラン男爵の隣を歩いているのです? 何故オードラン男爵を背に歩こうとしないのです? お兄様は――〝最優であって当たり前〟という、スコティッシュ公爵家の家訓を忘れてしまわれたのですか?」

失意と――怒り。

いや、憎悪と言った方がいいか。

ユーリの言葉とイヴァンを見つめる目は、これ以上ないほどの侮蔑で満ちていた。

「私は、スコティッシュ公爵家を継ぐお兄様のためなら、この命捨てても惜しくないと心から思っていました。けれど……私の愛したお兄様は、もういないのですね」

そう言って、ユーリはクルリと俺たちに背を向ける。

「私は必ず一年を制し、〝王〟となります。そしてアルバン・オードラン男爵を倒して、学園の王座を我が物とする――。今日はその宣言をしに来ました」

「……そういう形で僕に引導を渡すのが、自分の役目だとでもいうのか? ユーリ・スコティッシュよ」

「はい。これはスコティッシュ公爵家の指示ではなく――あくまで私の意志です」

そう言い残し――ユーリは俺たちの前から去っていった。

俺は「チッ」と舌打ちし、

「小生意気なクソガキめ。な~にが学園の王座を我が物とする、だよ」

ペッと吐き捨てるように言う。

気に食わないね、あの露骨に人を舐め腐った態度。

喋り方が如何にも鼻に付く感じが、最初に会った頃のイヴァンにそっくりだ。

そもそも王座に挑むっていうなら、イヴァンじゃなくて俺に挨拶するのが筋では?

完全に俺のこと見下してるな?

もしあの態度でレティシアのことまでバカにしてたら、俺はすかさずグーが出てたわ。

だってムカつくから。

レティシアも頭を抱え、

「イヴァン……弟さんには、なんだか随分と倒錯した想いを抱えられてしまったようね」

「フッ、そうでもない。予想はしていたことさ」

悩ましそうにするレティシアに対し、苦笑しつつもクールぶって言葉を返すイヴァン。

イヴァンはユーリが去って行った方向を見つめて、

「……心配するな。いずれユーリにもわかるだろう。オードラン男爵――いいや、キミたち夫婦がどれだけ凄いか、ということが」

そんな風に語るイヴァンの表情は――少しばかり、物悲しそうに見えた。

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[Akuyaku ✕ kekkon] taidana akuyaku kizoku no ore ni, kon'yaku haki sa reta akuyaku reijō ga totsuidara sai kyō no fūfu ni narimashita, 【悪役✕結婚】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Alban Odran. Arrogant, insolent, and――lazy. He condensed all the negative elements into the worst villain. He was a s*um who indulged in power and talent, but he suddenly realized that he was destined to be the ‘villainous noble who would eventually meet ruin.’ This can’t go on like this! Alban thought. To avoid ruin, he begins to put in effort――but then, talk of a marriage proposal comes his way. The one coming to marry him is none other than the discarded villainess. He hears that she’s a problem child who lost her place due to her villainous actions, and Alban is at his wit’s end―― “Huh? Isn’t she a really capable and good wife?” This is the story of what happens when the ‘lazy villainous noble’ and the ‘discarded villainess’ meet, resulting in the most dreadful couple.

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