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[Villain X Marriage] From A Lazy Villainous Nobleman Like Me, The Villainess Daughter Whose Engagement Was Broken Off Has Become My Wife, And Together We Became The Most Formidable Couple – Chapter 188

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《レティシア・バロウ視点》

「あなたは事件の当事者だから教えるけれど、今から話すことは部外秘。他言無用でお願いね」

念を押すようにオリヴィア姉さんは言う。

それを聞いて、私はコクリと頷く。

オリヴィア姉さんはスゥッと小さく息を吸い、

「グレッグ区長が持っていた〝魔導書〟――アレはおそらく【エーギルの書】だろう、というのが私や魔法省の見解よ」

「【エーギルの書】……」

「まず前提として、〝魔導書〟とは既に現存しないと言われていた太古の書物のことを指すわ。魔法省が保管する古文書によると、古の時代には〝魔導書〟に分類されるモノが何冊か存在していたみたい。【エーギルの書】は、その中の一つね」

オリヴィア姉さんの話に対し、私は自然と身体を前のめりにして耳を傾ける。

それはつまり〝魔導書〟というのはあくまで総称で、グレッグ区長が持っていた物はその一種に過ぎない、ということよね……。

あんな危険な物が、他にも幾種存在する可能性がある……と。

これは本当に知らない情報だわ。

心して聞かないと――。

彼女は話を続け、

「……【エーギルの書】は、深淵に潜む〝眷属〟を使役するための本と古文書には書かれてあった。グレッグ区長はこれを使って、モンスターの大群を操っていたのでしょう」

淡々とした口調で、そう語る。

冷静過ぎるくらい冷静に。

まるで自分で自分を落ち着かせているみたいに。

しかしすぐに肩をすくめて見せ、

「とはいえ……グレッグ区長が持っていたモノは偽物――言わば写本だったと私は思っているけれど」

「え? それは、何故……?」

「〝薔薇教団〟がどんな組織にせよ、グレッグ区長なんかにおいそれと本物を渡すとは思えないからよ。彼が〝薔薇教団〟の一員だったとは考え難いし、最後に本の回収を試みず燃やしてしまったのも、本が偽物でグレッグ区長共々使い捨てるつもりだった……と考えた方が辻褄が合うもの」

バカにされたモノよね、と不快そうに眉をひそめるオリヴィア姉さん。

……確かに、姉さんの言う通りだ。

グレッグ区長が死ぬ直前、本は独りでに消滅していた。

あの感じを見るに、きっと本の中に魔法陣が仕込まれてあって、何者かが遠隔から発動して燃やしたのだ。

――もしアレが原本だったとしたら、それは世紀の大発見。

失われた太古の技術を記した本であり、秘術を記した本であるかもしれない。

その貴重性は言わずもがな、のはず。

それをあんなに易々と処分してしまうということは――〝薔薇教団〟は〝魔導書〟の模造品を量産できている、と考えた方が自然だわ。

そこまで考えて、私も改めて過去の記憶を遡る。

……たぶん、グレッグ区長は魔法に関してあまり詳しくなかっただろう。

ほとんど素人に近かったと思う。

にもかかわらず、たった一冊の本を持つだけで、あれほどのモンスターの大群を支配下に置くことができるなんて――。

そう考えると、〝魔導書〟はやっぱり〝呪装具〟と似たような道具なのかもしれない。

アレも装着するだけで、歪んだ力を人に与える代物だったから……。

そう思って、私は自らの首元に手を伸ばす。

……かつて意図せず〝呪装具〟をかけられ、私は悪意を暴走させた。

そしてアルバンを傷付けてしまった。

また、あんなモノが出てきたのだとしたら……。

私はそんなことを思っていたのだが――

「……レティシア、言っておくけれど――〝魔導書〟の力は〝呪装具〟なんかとは比べ物にならないわよ」

私の手の動きを見てか、オリヴィア姉さんは穿つように言う。

「え――?」

「……ねぇレティシア、あなたはそもそも〝魔導書〟という存在を、どれほど知っているかしら?」

どれ……ほど……?

そう聞かれ、私は口元に指を当ててて考える。

「そ、そうね……昔姉さんから聞いた〝本自体に強大な魔力が宿り、所持するだけで禁忌の力を扱えるようになる〟ということくらいしか……」

「より正確には〝本を通して何者かの力を借り、所持するだけで禁忌の業を扱えるようになる〟――それが〝魔導書〟よ」

――オリヴィア姉さんの目つきが険しくなる。

私は一瞬無言となり、

「…………何者か……って?」

「古文書の記述によると――〝大いなる存在〟と呼ばれるモノらしいわ」

問いに対し、オリヴィア姉さんは静かに答えた。

……〝大いなる存在〟?

なんだか酷く抽象的で、仰々しい名前。

いや、そもそも名前なの?

偉大な神を崇めるかのような言い回しなのに、まるでその神の名も姿も知らないかのような……。

なんとも腑に落ちない私に対し、オリヴィア姉さんは言葉を続ける。

「ヴァルランド王国内の遺跡で発見された古文書によれば……この王国ができるよりも遥か前、この地に根付いていた古の人々は、その〝大いなる存在〟を崇める信仰を持っていたそうよ」

「……」

「そして〝大いなる存在〟は、信仰の見返りとして〝魔導書〟を人々に授けていたけれど……ある時〝魔導書〟は、古の人々を文明ごと滅ぼしてしまった。以来、古文書には〝魔導書〟が禁忌と記されるようになった……」

真剣な表情でそこまで話したオリヴィア姉さんだったが――突然「ハァ」とため息を吐いた。

「――というのが定説だけれど、その詳細に関しては魔法省の中でも未だ研究途中……。なにせ〝魔導書〟は長らく実在が確認されない、古文書の中に出てくるだけの本だったからね……」

「そういえば、姉さんは言っていたわよね。〝魔導書〟は御伽噺の中の存在だって」

「ええ、御伽噺の中の存在――あるいはオカルトの類だと思っていたわ。グレッグ区長の件があるまでは」

悩ましそうに頭を抱えるオリヴィア姉さんだったが、すぐに気を持ち直した様子で私のことを見据え――

「……魔法省は〝薔薇教団〟の調査を本格的に始めたし、私も私なりの方法で手は打っておいた。でも注意なさい、レティシア」

「……」

「あなたと夫は――少なくとも〝魔導書〟の写本を持っているような危険組織に狙われているのだから」

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[Akuyaku ✕ kekkon] taidana akuyaku kizoku no ore ni, kon'yaku haki sa reta akuyaku reijō ga totsuidara sai kyō no fūfu ni narimashita, 【悪役✕結婚】怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりました
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2023 Native Language: Japanese
Alban Odran. Arrogant, insolent, and――lazy. He condensed all the negative elements into the worst villain. He was a s*um who indulged in power and talent, but he suddenly realized that he was destined to be the ‘villainous noble who would eventually meet ruin.’ This can’t go on like this! Alban thought. To avoid ruin, he begins to put in effort――but then, talk of a marriage proposal comes his way. The one coming to marry him is none other than the discarded villainess. He hears that she’s a problem child who lost her place due to her villainous actions, and Alban is at his wit’s end―― “Huh? Isn’t she a really capable and good wife?” This is the story of what happens when the ‘lazy villainous noble’ and the ‘discarded villainess’ meet, resulting in the most dreadful couple.

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