Switch Mode

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 534

Please login or register to translate this post.

店主さんのかなりダークな使い方を視た伊奈野は、それをそのまま上位存在さんに報告した。

もちろんこれは上位存在さんに告げることで店主さんを叱ってもらおうとしたわけではなく(そもそも恐らくだが交流はない)、上位存在さんから人々がどのように吸収するために使いどころを見つけるのかが知りたくなり求められたからである。

『人とはやはり業の深い生き物なんじゃなぁ。もちろん、人間に限った話でもないとは思うが』

「おそらく私が貸した相手が特別だと思いますよ?みんながみんな処分する必要があるような書類を持っていると思わないでください」

『そこまでは言っておらんじゃろ。妾もそれくらいは分かっておる…………それに、そうした業の深いやり方が悪いと言っているわけではないのじゃ。妾もそうした使い方をしようと思っての』

「上位存在さんが書類とか持ってるんですか?」

『書類とは違うが、過去の都合の悪い物などいくらでもあるのじゃ。妾が作ったものも、そうでないものも。たくさんな』

店主さんの話を聞いた上位存在さんは、そのやり方をまねると言い出した。店主さんのように書類を処分するというわけではないようだが、それ以外に処分したいものがあるらしい。

伊奈野には見えないところまで処分のために球体が持っていかれ、何やらガシャンガシャンとかゴウンゴウンとかバキバキバキバキッ!とかどう考えても正しくない方法で処分されてそうな音をたてながら何かが処分されていく。

そんな処分は上位存在さんの生きてきた年数なども考えればそれなりの長さになるかと思われたのだが、意外なことに数分で終了した。

伊奈野はそこから、意外と上位存在さんは知り合いなどが少なくて処分するものも少ないのではないかと失礼なことを考えつつもそんなことはおくびにも出さず球体を返却してもらい、

「特に変化は見られないでしょうか?」

『そうじゃな。だが、だんだんと吸収の力が弱くなってきておるような気もするのじゃ。妾ももう少し処分したかったのじゃが、これ以上やると時間がかかりそうでなぁ』

「ああ。思ったより早いと思ったらそういう理由だったんですね。友達が少なくて貰えるものも少ないのかと誤解しそうになりました」

『失礼過ぎるじゃろ。妾だって友達くらい…………おるんじゃよ?』

「私も今の瞬間までそう思ってましたよ。でも、明らかにその間は不自然すぎます」

伊奈野は上位存在さんに知り合いは兎も角として友達と言う存在がいないことを察した。

上位存在さんの性格から考えればそこまで棘もないし友好関係を築ける人間がいてもおかしくはないような気がするのだが、

『仕方ないじゃろ?妾、一応破壊とか崩壊とか終末とかを司っておるから生物は基本的に本能的な恐怖を抱くんじゃよ』

「え?上位存在さんってそんな感じだったんですか?」

初耳である。

封印されているのだから何かしら良くないものを抱えてはいるんだろうと思っていたが、そこまでだとは思っていなかったのだ。伊奈野は本格的にこの上位存在さんが将来のボスとなるように思えてくる。嫌な未来だが、もしそうなるのならこの上位存在さんと交流を持っている今の伊奈野は良くない状況にいるということになる。

「てっきり、誰かのプリンを勝手に食べて封印されたのかと思ってました」

『そんなわけないじゃろ、どうやったらそれで妾を封印しようとまで思うのじゃ。せいぜい妾に新しく作れとかいうくらいじゃろ』

「終末とか司ってるのにプリンを作れるんですか?」

『作れるに決まっておろう。さすがに何も作ることができぬとか不便でしかないからのぅ。壊すことの数億倍は難しいが、それでも作ることだってできるんじゃよ。それこそ、球体にかけた制限だって妾が作ったものともいえるじゃろ?』

「確かに」

上位存在さんは、封印が解かれた瞬間に世界を終わらせるほどマズい存在でもないのではないかと話しているうちに思えてくる。てっきり解き放たれたらその力によってすべてを滅ぼしてしまうのかと思っていたが、どうやらプリンを作れるとのたまって見せることを考えれば破壊の力も抑えることはできるらしい。

とはいえ、あまり積極的に解放などに手を貸したくないとも思うことは確かだ。伊奈野も上位存在さんにはお世話になっているため多少は協力しようとは思っているが、それが自分や周囲に与える影響が大きすぎると考えれば無条件に手を貸すわけにもいかない。

ついでに言えば、崩壊やら終末やら、どう考えても伊奈野があまり積極的には関わりたくない方面の力に思えるのだ。ただでさえボスの側についたりすると悪ぶってそうな痛いキャラになりかねないのに、そこで手にする力が破壊や崩壊となれば完全にそっちの人になってしまう。

伊奈野としてはそれを避けたいのだ。

『ちなみに、等価交換とかも権能としては持っておるんじゃよ』

「等価交換、ですか?となると、商売の神としてまつられていたりするんですか?」

『うむ。昔はそういうこともあったのじゃ。ただ、最近は商売を等価交換として見ずに利益をどれだけ得るかと言うことに重点を置く者が増えてきたから妾の事を信仰する商人など皆無に等しいんじゃがな』

「なるほど。確かに利益を得ようって心意気でやらない人がいたとしても、その人だって等価交換をしようと思ってやってるわけではなさそうですもんね」

伊奈野は納得する。どうして、上位存在さんが解放されないのか理解できた気がするのだ。

さらに言えば、上位存在さんが結局は一般的な人間には好まれないような力しか持っていないことも理解し始める。

ただ、驚きはそこからだった。

あまり伊奈野は意識していなかったのだが、その等価交換と言うものは意外なところで利用されているようで、

『ほら、何じゃったか…………呪い、じゃったか?そんな形で妾の力を使っている者がおらんことはないんじゃよ。商売ではないが、あれもまた等価交換の力じゃからな』

「呪い?もしかして、怪しい服の人の?」

『なんじゃ?今呪いを使っておる輩は怪しい格好をしておるのか?言われてみれば昔呪いと言っておった者も変な格好をしていたような気もするのぅ。かなり時間は経っておるはずじゃが、そこは変わらないのかのぅ』

「かもしれませんね。というか、私はその呪いを受けているはずなんですけど感じないんですか?」

『え?…………あっ、本当じゃな。最初から妾との親和性が高かったのはそういうことじゃったか。てっきり妾と関わったことでパスができたのかと思っておったが、最初からつながりはあったんじゃな。納得じゃ』

怪しい服の人。そしてその弟子である怪しい服の人2号も使う呪い。

伊奈野も受けていたそれは、上位存在さんの力を活用したものだった。

と考えれば、怪しい服の人になら上位存在さんの話をしてもいいのではないかと言う風に思える。

もちろん、今のところそれをするほどのメリットがないためやるつもりはないが。

その後もしばらく上位存在さんと等価交換を含めた権能なる物の話を進め。

そろそろまた邪神の元拠点に戻って店主さんのところでもらってきたものを出しに行こうかと考えていたところ、

『それで、お主が今そうして魔力を吸わせているのは何か意味があるのかのぅ?辛くはないのか?』

「へ?魔力を?…………あっ、本当だ。吸われてる。全然気づいていませんでした」

伊奈野が玉に魔力を吸収されていることを指摘される。

手に持っていたこともあり、伊奈野の周囲にあった伊奈野の魔力を吸い込んでいたようだ。

伊奈野も勉強中の癖などで魔力を操る機会が多いため基本的に外に出す量が多く、それを吸われてしまっていたらしい。

「でも、もう吸い込むことをやめましたね………ここで急にやめられるともしかしたら何かの前兆なんじゃないかと思ってしまうんですけど」


This website is on the brink of collapse. I’m forced to place rather intrusive ads. Subscribe for just $1 to get unlimited access to the Translation Tool and remove all ads.

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset