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A Baby’s Crawling Struggle in Another World – Chapter 159

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道端の作業ははた迷惑かもしれないけれど。

とりあえず場所は隅に寄っていて、傍らを馬車でも通り抜けられそうだ、と確認する。

そんな作業を見学しながら。

僕はさっきいた防火水槽の方を振り返ってみた。

今いる道の脇まで、百マータ弱といったところか。

向こうからこちらへ、緩い下り坂になっているようだ。それでさっきこの少年たちは、荷車の停止に苦労していたのだろう。

真っ直ぐかなり先に、王宮。水槽の位置に、右折の道路あり。

探しに戻ってくる馬車がこの真っ直ぐ先の道を辿るなら、見つけてもらえそうだ。

あの右折の方から王宮へ向けて戻るなら、これだけ離れてしまっては難しいか。

――ま、いいか。

今となっては、僕にとってたいして期待できない森の視察より、目の前の『すごい発明』たる荷車の方が興味深い。

まあヴァルターたちは、死にそうな思いで僕を探しているかもしれないけど。

それでも、こちらの改良を見届けなければ気が済まない、という思いの方が強くなっていた。

「よし」

ホルストが呟き、かたりと前輪の車軸が外れた。

固定していた箱状のものを、灰色髪が地面にそっと下ろす。

その弾みで、中からころころ転がり出すものがあった。

かなり小さな、玉の形だ。石でできているらしいものが、何個も。

「ん?」

「あ、見るな!」

灰色髪が、慌てて手で覆って隠す。

どうもこれが発明の勘所で、秘密にしたいようだ。

荷台の下から這い出したホルストも、険しい顔でこちらを睨みつけてくる。

秘密にしたいのなら、見ない振りをしてやってもいい、気もするけど。

これは、そういうわけにはいかない、と思う。

「これ、はつめい?」

「そうだ、見るな」

「もしかして、そのたまで、じくをかこむ?」

「そう――え、なんで分かる?」

「きみ、かんがえた?」

「そうだよ!」

ムキになったように声を張り上げるその顔から、僕は隣のホルストに目を移した。

正面に向き合ったままの、相棒に指を差し向けて。

「かれ、てんさい?」

「あ、ああ」

一瞬ぽかんとしてから、ホルストは破顔した。

「そうだよ、イルジーは天才なんだ!」

「え、いや――」

言われた灰色髪のイルジーは、顔を真っ赤にしてしまった。

発明品を隠すのとは逆の手を、左右に振って。

「いや、これだってホルストがいるからできるんだ。こんな細かいのに頑丈な細工、できる奴めったにいない!」

「へええ」

つまりは、イルジーが発想と設計、ホルストが細かい細工の担当で、全体として二人で協力して作り上げた、ということらしい。

思わず緩んだ手の中の発明品を、僕は無遠慮に覗き込んだ。

確かに、細かく繊細な細工に見える。

僕としては『記憶』に近いものが見つかってその価値が察せられるのだが、あちらのこの部分はすべて金属製のはずだ。石の玉以外木でできているらしいその造りは、どれほどの技術が必要か、想像に余る気がする。

「ふたり、いくつ?」

「え、十二歳、二人とも」

「しゅごい」

「いや……」

二人とも、照れているような戸惑っているような、という表情だ。

まあ確かに、赤ん坊にこんな感心をされても、反応に困るだろう。

しかしどう考えても、十二歳でこの発想と技術、二人とも稀に見る天才なのではないかと思える。

「かいりょう、どうなった? みせて」

「お、おう」

外した部品などを荷台に片づけて、僕も少し離れた地面に座り込んで。

二人が前の持ち手を握り、そろそろと荷車を引き始める。

「お、いいんじゃないか?」

「うん、軽くて曲げやすくなった」

「しゅごい」

ぱちぱち手を叩いてやると、二人とも笑顔になっていた。

近づいて、残りの車軸の部分を覗き込んでみる。

「これ、さゆう、しゃじくわけられない?」

「え?」

ぽかんと目を丸くして、イルジーが隣に屈み込んできた。

意味が分からないという顔で、首を傾げている。

「そのほうが、まがるときとか、せいぎょしやすい」

「………」

ますますその目を丸くして。

いきなり、相棒の顔を振り返る。

「そうだよ! 右左別に回れば、曲がりやすい。ホルスト、できるか?」

「あ、ああ――軸を別にって、この辺で切る?」

「うん。それで、ここで支えるようにする」

「こっちも固定しなけりゃならないな。しかし、やればできそうだ」

「やろうぜ!」

「そのぶぶん、ちいさくなる?」

二人の相談に、口を入れる。

すると、ホルストは勢い込んで頷き返してきた。

「おお、これぐらいの大きさになりそうだ」

「それなら、にだい、ひくくできる」

「なんだあ?」

「え、え――?」

また二人、顔を見合わせる。

荷車の台を覗き込み、改めて互いの顔に頷き合っていた。

「そうか、軸が分かれるから、この部分を荷台の隅にできるんだ」

「それで、重心を下げるともっと安定する」

「それに、荷物の積み下ろしも楽になる」

「ん」

「すげえよ、お前!」

いきなりこちらに向き直って、ホルストが顔を寄せてきた。

一方で、我に返った様子でイルジーはその肩を掴む。

「お、おい待てよ、ホルスト」

「ん、何だ?」

「その子、それ、その服装、貴族様じゃ?」

「え、嘘? 本当?」

「ん。まあ」

「それは、その――」

「きにしなくていい。それより――」

荷台に掴まった姿勢から振り返ると、二人ともすっかり毒気を抜かれた顔になっている。

まるでお化けを見るような様子だけど、こちらも気にしないことにする。

「これどこか、こうぼうでつくってる?」

「え、いや――作ってるのは、孤児院」

「俺たち、孤児だから」

「そなの?」

「作るのは、工房でも習ってるけど」

工房で習っているけど、作るのは孤児院?

どういうことだ?

僕は、首を傾げる。

どういうことか、よく聞いてみると。

まず、二人はこの道の五百マータほど先にある孤児院に住んでいるとのこと。

そこから、木工の工房に見習いとして通っているらしい。

A Baby’s Crawling Struggle in Another World

A Baby’s Crawling Struggle in Another World

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Native Language: Japanese
Rudolf Berushuman, the second son of an impoverished baron, suddenly awakens to an adult-level consciousness at just six months old. At the same time, he senses the presence of “memories” from a world different from the one he now lives in, whispering to him. Panic sets in. Everyone in this world possesses a seemingly pathetic, magic-like “blessing.” Upon learning of his real older brother’s existence, Rudolf enlists his brother’s power and sets out to save their territory.

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