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A Baby’s Crawling Struggle in Another World – Chapter 184

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「おお、どうだった? 鉄工職人、使えそうか」

「ん。ありがと、たすかった」

「素直に礼を言われると、気味が悪いな」

「ほっといて。あと、そのてっこうこうぼうのきょうりょく、いりそう。あの、らぐなのようぼう、ゆうせんてきにとおるように、おやかたにつたえてほしい」

「分かった、言っておく」

「ありがと。あと、これ、あげる」

ヴァルターから手渡してもらったのは、カティンカが描いたオオカミの絵だ。

ますます伸び伸びとしたカティンカの筆で、元の挿絵よりさらに生き生きと、今にも動き出しそうな出来になっている。

実家に残してきた友を思い出して、思わず僕の鼻の奥がじんとしてきたくらいだ。

「おう、なかなかのもんじゃないか。気に入った」

「なら、よかった」

「じゃあな、ありがとよ」

「ああ、そのてっこうのでき、あすごごいちばん、たしかめる。よかったら、みにきて」

「分かった。殿下は呼ばなくていいのか?」

「あすのは、しさくひん。ほんものできたら、みてもらう」

「そうか、分かった」

ゲーオルクが出ていくと。

カティンカとナディーネは、きゃあ、と歓声を上げて手を打ち合わせていた。

カティンカの絵が、公爵子息に認められたのだ。

「おめでと。でも、あっちのさぎょう、できたら、もっとかんげき」

「ウィラとイーアンが、カティンカの絵を使って板を彫っているんですよね?」

「彫っている途中も見たいけど、見せてもらえないの、残念です」

「できあがり、みたら、かんげきする」

「そうなんですか」

午後からは、ヴァルターには執務室で報告書などを書いてもらう。

ナディーネとテティスを供に作業場へ出た。

ナディーネには荷車の作業を見ていてもらい、僕は小屋に入る。

この日は夕方まで、二班の作業を指示しながら見守ることになった。

これで、翌日には第一弾の製品が完成に向かいそうだ。

次の日にはまた、ヴァルターとカティンカを連れて外に出る。

移動途中、脇についたテティスが、声をかけてきた。

「そう言えば、今日は奥様やウォルフ様が、領地へ向けて発たれるはずです」

「そう」

そこそこ感傷的な思いはあるけど、こちらの忙しさで、それに浸ることもなさそうだ。

外に出ながら空を仰ぎ、今日も好天だ、旅立ちにも作業にも助かるだろう、と考える。

ホルストとイルジーの急ピッチの作業を二人に見守ってもらい、僕はテティスと小屋の中へ。

二班の作業は佳境に入っている。

見守り、指示を出しながら、三班の進捗も確かめる。

カティンカの絵を彫ったウィラとイーアンの作業結果は、予想以上の出来だった。

元の細い繊細な線が、見事に活かされている。

「ん、じょうでき」

「本当ですか?」

「やった!」

「あとで、もすこし、たしかめてみるけど、たぶん、ごうかく。ふたり、るーとるふりゅうほりじゅつの、かいそ、なのれる」

「すごい!」

「やった!」

「これで、もっとはやくできるように、うで、みがいて」

「「頑張ります」」

まだ午前半ばだが、ラグナが来たという報せがあった。

外に出ると、晴々とした顔で作品を抱えている。

「どうだった?」

「はい、ばっちり、す。こいつの見本通りの出来のはず」

「じゃあ、くみたてに、はいって」

早速指示をして、三人で試作品荷車の完成を目指させた。

ほとんど組み立て終わった木製品に、鉄製の部品を加える。

組合せ部は、多少のずれなら木の方を削るなりして、合わせることができるようにしているはずだ。

その後はまた任せて、僕は小屋の中に戻る。

二班の作業が、待望の第一弾製品の最終段階に来ているのだ。

しばらくの作業の後、出来上がり間近の状態のものが、一同の目の前に取り出される。

しかし、それを見て、僕は首を捻った。

これでは、品質が十分ではない。

グイードが横から見て、不安げな顔を向けてきた。

「何かまずいことになりましたか、ルートルフ様?」

「ん。みんなのせいじゃない。たぶん、ざいりょうのひとつ、あわない」

「じゃあ、失敗?」

「いや。あたらしいざいりょう、とりよせる。みんなは、このざいもくで、もういちどさいしょから、つくってて」

「分かりました」

失望の様子もなく、四人はまた動き出していた。

僕も、落胆に埋もれるつもりはない。この程度の事態は、予想の範疇だ。

思い巡らせながら、外に出る。

試作品荷車は、出来上がり寸前に見える。

午後いちばんで出来を確認すると告げて、執務室に戻った。

侍女たちが昼食を運びに出た後、ヴァルターが気遣わしげに訊ねてきた。

「お顔が優れませんが、小屋の中の作業に支障でも?」

「ん。そうていない、だけど、さいしょのできは、いまひとつだった」

「そうなのですか」

「まだなんかいか、やりなおすよゆう、ある」

「そうですね。殿下とのお約束は、二週間ですから」

「ん」

最初の王太子とのやりとりは「二週間から一か月」という表現だったはずで、とりあえず荷車が二週を待たず完成の目処が立ったので、そこの面目は保てる。

とは言うものの、この作業を始めた僕の最大の目的は二班の作成物なので、これが形を成すまではどうにも手放しで喜べないのだ。

第一回の試作品は、失敗だった。その挽回策は、いくつか考えてある。

一策として、秘かに父と連絡をつけたい。

昼休憩中にこっそりヘルフリートを捕まえられないか、とヴァルターに頼んでみた。

しばらく出かけていったが、ヴァルターは虚しく戻ってきた。やはり「こっそり」は無理だったようだ。

こんなことなら、もう少し早く手を打っておくべきだったのだろうが。何とか手持ちの駒だけで成功すればそれに越したことはない、と希望を優先してしまった。失敗だったかもしれない。

とにかくゲーオルクを呼んであることだし、裏庭作業の初めての大きな形をとる成果だ。ここは試作品荷車の完成確認に集中しよう、と外に向かった。

作業場には、もうゲーオルクが出て待っていた。

裏返した荷車の車軸受け部分を三人で囲んで、ホルストの握った木槌が小さな音を立てている。最終段階の微調整ということだろう。

作業小屋前には、二班三班の六人が固まってそちらを見ている。自分たちの代表の成果が気になるようだ。

近づいていくと、ゲーオルクが振り返ってきた。

「おう、あれだな。もうでき上がるところか」

「ん。そのはず」

「何だか、前見た荷車と比べて貧弱なんじゃないのか」

「しさくひんだから、だいのぶぶんは、かんそ。たいせつなのは、しゃじくのところ」

「ふうん」

確かに、以前仮完成の荷車を皆に見せているのだから、見た目の落差は大きいかもしれない。

同じ『荷車』と呼ぶから、誤解を生むのか。この製品は『台車』と呼ぶことにしよう、と勝手に決める。

やがて作業が終わったようで、三人はその台車を立て直している。

そうしてこちらを見て、慌てて頭を下げてきた。集中していて、貴人に見られていることに気がついていなかったようだ。

ゲーオルクの顔を知っているのだろう、ラグナは狼狽しながら膝をついた。

笑って、ゲーオルクは「そのままでいい」と手を振っている。

近づきながら、僕は小屋前の六人を手で招いた。

ここは、みんなで完成を喜ぶのも意味があるだろう。

本製品の完成時には王太子なども呼ぶので、なかなか堅苦しいことになりそうだし。

「できたのか。動かして見せてくれ」

「はい」

A Baby’s Crawling Struggle in Another World

A Baby’s Crawling Struggle in Another World

赤ん坊の異世界ハイハイ奮闘録
Score 7.4
Status: Ongoing Type: Author: Native Language: Japanese
Rudolf Berushuman, the second son of an impoverished baron, suddenly awakens to an adult-level consciousness at just six months old. At the same time, he senses the presence of “memories” from a world different from the one he now lives in, whispering to him. Panic sets in. Everyone in this world possesses a seemingly pathetic, magic-like “blessing.” Upon learning of his real older brother’s existence, Rudolf enlists his brother’s power and sets out to save their territory.

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