【王家】
その色味に違いこそあれど、銀髪が王家の直系によく現れる色。
王族のみセカンドネームが与えられているが、昔これを呪いに使った愚か者がいたために公開されない習慣ができている。
聖獣達と愉快な仲間達には嫌われている。
●前々国王
ベルジャンヌ王女と異母兄である前国王の父。
王女が悪魔を呼び出して国に大損害を与えそうになった責任を取るという名目で王太子に王位を譲り、形だけの蟄居を取った。
後継者が1人だけとなった為に、また己を犠牲にして国を救った王太子の名声の為に、使えなくなった王太子でも王に据えるしかなく、実権だけは握っていた。
孫である現王が即位してすぐに前国王と名実共に蟄居。
その数年後、執政が孫の代で上手く機能するのを見届けたかのように没した。
●前々王妃(ベルジャンヌ時代の王妃)
ベルジャンヌの異母兄の母親で元アッシェ家公女。
【公表データ】
王女亡き後、亡き平民の側室が産んだ自分とは血が繋がらない娘であったとはいえ、王女を育んだ者としての責任の重さを痛感し、また、唯一の世継ぎだった王太子の惨状への心痛が重なって早々に蟄居。
自らを咎人として城の奥にあった王女とその母が過ごしていた離宮で晩年を過ごした。
●ベルジャンヌの母親(王家最後の側室)
正式な手続きを経た妃ではない。
当時の国王が手を出した婚姻もしていない若い下女がたまたま妊娠した為に、愛妾という形にするのは醜聞だからと側室という形で王室に留まらせた。
何の権限も持たされていない、ただ王の子を産んだだけの妻ですらない女が当時の側室と呼ばれる。
今は側室制度は撤廃。
稀代の悪女のせいらしい。
●前国王
ベルジャンヌの異母兄。
ベルジャンヌ没後に形ばかりの国王となった。
無才無能で魔法をまともに使えない性格の悪い王女は、悪魔使いとなって国を滅ぼそうとしたが、当時の王太子だった異母兄によりそれを阻止したとされている。
【演劇や吟遊詩人が好んで語る話】
強い正義の心で悪魔に立ち向かい、己の心と強大な魔力を引き換えに世紀の大魔法を駆使し、悪魔にとり憑かれた王女ごと討ち滅ぼした。
正義のヒーローが稀代の悪女を倒す話のヒーロー。
【決して演劇には使われないがこの国の誰もが知る話】
稀代の悪女ごと悪魔を倒した正義のヒーローは、その後大魔法を使った反動で弱く卑屈な心根となり、生活魔法しか使えなくなった。
国王として即位後、四公のうちベリード家、ニルティ家から正妃を娶らせて早々に世継ぎを数名作らせた。
国を救ったヒーローに敬意を払い、平民も貴族も等しく堕ちた後のヒーローの話は特に語らず、ただ受け入れて支えた。
代わりに稀代の悪女を常に貶し、立場が下になるほどその傾向は顕著になる。
●現王太后。
ベリード公爵家から嫁いだ前王妃。
唯一産んだ王子が国王となり、王太后となった。
●前王妃
ニルティ家から嫁いだ前王妃。
王太后の産んだ第1王子が国王となり、自身の産んだ息子達は国王が王妃を娶った事でそれぞれ大公として臣籍降下している。
●現王
まだまだ働き盛りの40代後半。
ベリード公爵家から嫁いだ現王太后が母。
学園の最終学年中の19才という若さで即位。
薄く青みがかった銀髪にベリード家に多い朱色の瞳をしていて、普段はどこか無機質さを感じさせる冷ややかで無表情。
●ソフィニカ現王妃(ロブール家傍系にあたる元侯爵令嬢)
第1王子と第1王女の実母。
国王と共に表立って政に参加する資格と権限を持つのが側妃との決定的な違い。
●クリスタ現側妃(アッシェ家の傍系にあたる元伯爵令嬢)
元々パワーバランス的に現国王には側妃が必要だったが、第1王子が産まれた事、それから産まれて1年経つ頃に次の子が出来なかった事で選ばれた。
第2・第3王子の実母。
第2王子とラビアンジェの婚約解消に難色を示し、第1王子がラビアンジェに婚約を申し出ると聞いて取り乱した。
王妃と共に城の内政を取り仕切る。