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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 329

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「ロブール夫人」

ロブール公子は、自分の母親に冷たく声をかけた。

「……ミハイル、お前っ……」

夫人は喉から絞り出すような、まるで怨嗟がこもっているかのような声をだす。

2つの同じ色合いの菫色の瞳が交わるのに、片方は底冷えするような、片方は怒りに燃えるような温度差。

ただ1つ。

どちらもそこに、親子の情が感じられない事だけは同じ。

この2人とロブール公女は本当に、血の繋がった家族なのかと思うくらい、似ていない。

今しがた見た公女はそれくらい、温かみと可愛らしさ、そして年相応の弾けた笑顔をしていた。

あれが巷で流行りの小説の、ギャップ萌えなのね、と妙に納得してしまったわ。

もしかしたらヘイン様も、してやられたのかもしれない。

こっそり二次創作なんかを、出版社に送った事もあるの。

作者が見てくれたら……嬉しい。

そんな気持ちで。

返事はその後刊行された後書きの、お礼の欄に書いてくれていた。

見た時は、天にも昇る心地だったわ。

冒頭は皆様へ、だったから、私の他にもそんな読者がいたのも、その時知ったけれど。

時々オリジナル……といっても流行りの小説の影響を受けてはいるのだけれど、小説も書くようになった。

最近出た新刊のイラストレーター様に、いつか私の小説も、と野望を抱いてしまう。

いえ、小説と同じね。

これからは他にも、イラストを描く人が出てくる。

イラストも少し練習し始めたの。

小説もイラストレーターも、きっと同志はいるはず。

いつかそんな集いを…………なんて、烏滸がましいかしら。

「あの時は不意打ちの魔法以外にも、どなたかの介入があったようだ」

冷えた菫色に見据えられ、思わずビクリと体を震わせて、現実に意識が舞い戻る。

立場上、私の加護を知らないはずもなく、当然事実なのだから、今更否定もできない。

公女の悪女的な噂もまた、違うのかしら。

だってこの人達のほうが、よっぽど悪女や悪人のようだもの。

けれど、と思い直す。

公女には突然、鞭で引き寄せられて盾にされたんだもの。

噂通り?

判断に迷ってしまって、ちょっとわからないわ。

もしかして、とハッとする。

あの溌剌とした顔に、してやられた?!

あの笑顔で小説で言うところの、推し認定というやつを、知らずやってしまったの?!

でもヘイン様と密会しているのを知った時は、もしかして彼を手に入れる為に、公女がひと芝居打ったんじゃないかと、そう思ったのも事実で……。

公女の婚約者だった第2王子の暴言が、日々エスカレートしていたのは、ヘイン様情報を集めている時から、知っていた。

これに関しては、間違いなく事実。

その後突然第2王子が療養を取り、2人の婚約が解消され、第1王子が臨時講師として学園に突然赴任した時に、そう理由付けしていたようだもの。

言動を諌めきれていなかったヘイン様も、何かしらは咎められるだろうと、当時少なからず察していたし。

もちろん、それで除籍なんてあり得ない。

けれどもし、公女がそこにつけこんで、アッシェ公爵に示談をもちかけたとしたら?

第2王子からの慰謝料の件は、どうやら本当らしいわ。

身分が1番高い王族が、自らの婚約者に対する暴言を、認めた事になる。

それなら側近候補として、長い間常に側にいたヘイン様にだって、公女は請求できてしまう。

除籍処分となったなら、身分的にヘイン様は平民で、あの方は公女。

公女という立場を利用すれば、平民なんて好きにできてしまう。

けれど自分が直接見た現実が、噂を否定しているの。

「だが、もう後れは取らない。

次期当主として、あなたを邸の牢へ連行する。

現当主からの沙汰も、追ってあるだろう」

「は、沙汰ですって?!

ふざけないで!

私は何もしていないでしょう!

それに私はロブール公爵夫人なのよ!

お前の母親よ!」

とうとう夫人は怒りに任せて火球を放つ。

けれどそれは、ことごとく霧散してしまう。

「何をどうやったのか知らないが、初級程度の魔法なら、どうとでもなる」

息子の言葉で、夫人は更に逆上していく。

何か、とても嫌な気配が夫人からしてくる。

あの左手の中指にはめた指輪?

よく見れば、桃茶色の指輪に、黒い靄が絡みついている?

「何、あれ……」

思わずそう漏らすくらいには、禍々しい。

けれど他の人達は、全く指輪を注視しない。

もしかして……気づいていない?

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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