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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 569

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「ポチ」

「ワン!」

俺はポチ。

人間名をレジルス。

王女に愛称で呼ばれた俺は、喜び勇んで王女の元へ走る。

勇みすぎて、うっかりと、ついうっかりと道中のぶりっ子未来の教皇の背中を、四つ足で踏み台にジャンプした。

王女の目の前へ、秒で移動する。

俺の時代の教皇は、初老に見えない中年男。

だがこの時代のリリは幼女に擬態しているからか、ひょろっこい。

「ふぐっ」

蛙が潰れたようなリリの声が後ろで聞こえた。

まあ良いだろう。

何せ俺は今、犬。

多少の暴挙に及んでも、攻撃力など高が知れている。

「ポチ!」

擬態幼女が怒りの声を上げても、知らん!

性別も中身も、王女を狙う野獣だ!

「ポチ……」

離れた場所で豚骨風スープを器によそうラルフが、何か言いたげに俺の名前を呟いても、知らん!

「ポチ、お使いをお願いできる?」

「ワン!」

(王女よ、もちろんだ!)

王女の目の前で、ゴロンと腹を見せたい衝動に駆られる。

だが俺は人間。

犬の構造上の諸事情から、一線だけは越えられないと踏みとどまる。

尻尾が勝手にブンブンと振れるも、下腹部は見せないようにして地面に伏せをする。

「ありがとう」

俺の意図は、全力のボディランゲージで王女につたわったようだ。

眦を極々僅か、気持ち程度に下げた王女は、かがんで礼を言いながら、俺の頭と顎を擦ってくれる。

俺に向かい、王女なりに微笑んでくれているに違いない。

王女が表立って優しげな表情へと崩すのは、残念ながら未来のロブール夫人、シャローナを見かけた時くらいだ。

もっとも他に人がいると、王女は決して笑わないが。

俺は犬だからな。

人にカウントされないらしく、何度か人知れず微笑む王女を目にした。

微笑んだ王女は、ある肖像画の姿へと成長しつつある。

幼い俺が魔法呪になりかけた際、一時的に隔離された城の離宮。

その一室の壁に隠されていた、小さな紙に描かれた姿に。

蠱毒の箱庭で初めて王女を見た時よりも、姿がずっと近づいた。

つまり……王女の死期が近い。

俺は王女の死を防ぐつもりだ。

猫と子兎だったミハイルとラルフ共々、地下牢にいた時に現れた初老の男。

あの男が俺達に手をかざした際、本能的に王女と離されると思った。

あの男が放った光から逃れた瞬間、光に飲まれるように猫も子兎も初老の男も消えていた。

それにしても王女の肖像画を描いたのは、誰なのだろう?

てっきりこの時代の国王だと思っていた俺は、この時代にきたからこそ勘違いに気づいた。

曽祖父が王女の肖像画を描くはずがない。

そう確信するほど曽祖父は王女を忌み、憎んでいる。

曽祖父はスリアーダのように、直接鞭打って王女を傷つける事はしない。

ただ頻繁に、相当量の魔力を消費する魔法を使うような無理難題を命令し、魔力枯渇という地獄の苦しみを味あわせて殺そうとしている。

自分の契約聖獣であるキャスケットに、王女が助力を求める事は許されていない。

聖獣の力に決して頼るなと、曽祖父が王女の真名に命じているからだ。

曽祖父は自ら手を下す事はせず、言外に死ねと告げて長年に渡り実行してきた。

今でこそ、王女には契約したラグォンドルがいる。

いざとなれば魔力補填をしてもらえる。

この事は俺、キャスケット、リリしか知らない。

曽祖父が知れば、どんな暴挙に出るかわかりきっているからだ。

ラグォンドルは契約して比較的すぐ、王女に信頼を寄せるようになり、聖獣としての力も1年程で安定させた。

王女の体も、昔より楽になっただろう。

だが、それは結果論だ。

王族の祝福名と、自ら定めた王族印に使う花。

まさか歴代の国王達が、王族を縛る隷属のような契約に使われていたとはな。

俺にも祝福名と祝福花は存在する。

しかし俺の時代には、祝福名を肉親にすら他言しない。

他言しようにも、本能的に忌避する。

祝福名を与える聖獣が危険だと、決して教えるなと、魂に干渉して激しい警告を受けるからだ。

その聖獣の名は、少なくとも俺の時代にも伝わっていなかった。

だが聖獣ピヴィエラが最期の時に口にした、アヴォイドという名がそうなのだろう。

名を聞いた直後は、正直ピンと来なかった。

王女がキャスケットと話すのを聞いて、名もなき聖獣の名だと察した。

「ポチ、おいで」

そう言って立ち上がった王女の後に続いて、人気のない場所へ移動する。

「今から君を私の離宮に転移させる。

スリアーダが隠れて何かしそうな隠し部屋を見つけて。

隠し部屋は地下の排水用通路の内、貧民街まで流れる川に繋がっている通路の近くにあるはずだ。

この花の形を覚えて」

説明する王女は幻影魔法を使う。

「スノーフレーク。

普通の植物じゃないよ。

球根に魔力の宿った魔植物の方のスノーフレークを、1輪で良いから持ち帰って」

王女の手の平に、鈴蘭に良く似た植物が投影される。

下向きの小花は白く、花弁の縁には緑の斑点がポツンと1つあった。

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

レジルスがベルジャンヌの肖像画を見つけた経緯はNo.269、No.270に。

よろしければ、ご覧下さい。

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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