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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 595

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「おのれ、おのれぇぇぇぇ!

アヴォイド!

ヒュシス!」

また場面が変わった。

赤黒い肌、背中には蝙蝠のような翼を生やしたヴェヌシスがいた。

耳が尖り、瞳が赤黒く染まり、両こめかみから後頭部へ角が生えている。

はみ出た牙が覗く口で、怨嗟の言葉を吐き散らすヴェヌシスと、対峙しているのはヒュシスとアヴォイド。

更にその後ろには、幼い王子が恐怖した顔で座りこんでいる。

かろうじて先程の城だとわかるこの場所は、まるで廃墟だ。

天井は完全に消し飛び、壁には無数の亀裂が入っている。

敷かれていた赤い絨毯も、幾つかあった亡き骸も、恐らくどこかに吹っ飛んだのだろう。

もしくは、場所が変わっているのかもしれない。

そう思わせる程にボロボロだった。

ヒュシスは体中に火傷や、深い切創を負っている。

傷口は黒ずみ、腐食されているように見えた。

光の影となってヒュシスの体と一部を繋げ、隣に並ぶアヴォイドも、放つ光が弱まっている。

大きさも、ヒュシスの2倍程まで小さくなった。

「許さん!

俺から離れるなど絶対に許さん!

ヒュシス!」

言うが早いか、ヴェヌシスの体から赤黒い靄がヒュシスを襲う。

「ヒュシス!」

アヴォイドが警告を発する。

しかしヒュシスは抵抗する事なく、靄に絡み取られる。

「アヴォイド、もう良いの。

どうせ助からないから」

そう告げたヒュシスは、アヴォイドとの繋がりを切ったのか?

ヴェヌシスの方へ引き寄せられるヒュシスの体から、アヴォイドが抜け出た。

アヴォイドの瞳の色が、藍に金が散った色へと変わる。

「離れないわ、ヴェヌシス」

「ああ、ヒュシス。

そうだ。

抵抗など無駄だ」

抵抗せずにヴェヌシスの胸に抱かれたヒュシス。

そんなヒュシスにヴェヌシスが気を良くした。

「力を得た俺には叶わ……何をする」

饒舌に語りかけたヴェヌシスが、眉を顰めた。

僅かに離れた2人の体の隙間から、ヒュシスが魔石を手にしているのが見えた。

あの魔石は、ヒュシスがヴェヌシスとの別れ際に渡した魔石だ。

「共に眠りましょう」

「無駄な足掻きを!」

ヴェヌシスがヒュシスを突き放そうとするも、ヒュシスが片手に魔石を握りしめたまま、抱きついて防ぐ。

「私の得意な魔法は、封緘。

アヴォイドの異能、魂に干渉する力を私にも移してある。

私とヴェヌシスの魂を、魔石に繋げた私の世界に封じるわ」

「くっ、離せ!

お前まで死ぬつもりか!」

「魔石に籠めた私の魔力が続くまで。

私の魂が消えるその時まで。

私達がこの世に生まれ出るまで、母の胎内にいた時みたいに、共に眠りましょう。

私の双子の弟……ヴェヌシス……」

ヒュシスの眦から、一筋の涙が伝う。

同時に、俺の瞳にはヒュシスとヴェヌシスの輪郭が陽炎のように揺らぎ、魔石に吸いこまれていくのが視えた。

ヴェヌシスの肉体は、赤黒い魔法陣に囚われた時、失っていたのかもしれない。

燃え尽きた灰のように手足から崩れて消えていく。

「させ、ん……消滅など……ヒュシス……消滅するなど、許すものか」

顔の目鼻が先に消える中、牙の出た口元が紡ぐ拒絶は、双子の姉と自分。

どちらが消滅するのを拒絶する言葉なのか。

黒い灰が床に落ちる事なく宙へ舞う。

「ヴェヌシス!

させん!」

灰が一斉に幼い王子へと向かった。

アヴォイドが光を発して王子を庇うも、灰の一部が王子の口から体内へ侵入する。

「魂だけの……聖獣、など……宿主がいなければ……無力、な……」

ヴェヌシスが言い終わらない内に、バサッと完全に灰化して、消えた。

__ドサ……カラン。

残ったヒュシスの肉体が、力なく倒れた。

魔石が手から転がる。

「伯母上!」

ヒュシスに駆け寄る王子。

今のところ異常はないようだが……いや、違う。

ヒュシスを抱き起こした王子の瞳に、黒い何かが蠢いている。

「伯母上、目を開けて……そんな。

死んでる」

絶望した顔の王子。

瞳の黒が少し大きくなった?

「聞け、ヴェヌシスの子。

幼いそなたの体に、悪魔となったヴェヌシスの一部が宿ってしまった」

「わかっています。

私もすぐ、伯母上の後を追いましょう」

涙を流す王子は幼いながらに、王族としての覚悟を持っているようだ。

そんな王子に近づいたアヴォイドは、ゆっくりと頭を振る。

いつもご覧いただき、ありがとうございます。

ラビがジャビを封緘したシーンはNo.507にあります。

ついでにエビアスとジョシュアの選んだ祝福の花も出てきます。

よろしければご覧下さいm(_ _)m

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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