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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life – Chapter 705

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「……良いのだな?」

公女と別れて一週間後。

余の自室に前触れなく転移してきたレジルスに、静かに問うた。

「はい。

リドゥール国に続き、冒険者ギルド本部の本部長、そして蠱毒の箱庭を共同統治するデイラム国からも、協力する旨を取りつけましたから」

「そうか。

エメアロルは?」

レジルスの報告に頷くも、ふと、後から苦労しそうなもう1人の息子が頭を過り、口にする。

「エメアロルの打たれ強さは、俺達兄弟の中で1番強い。そもそも全てを考慮し、エメアロルの入学を早めたのでは」

「……ふう」

こ奴、やはり伝えておらなんだのか。

余も、まさかレジルスがここまで早く事を成すとは思わず、また、おいそれと口にも出来ぬ立場。

それ故エメアロルには、レジルスの計画について話しておらぬ。

が、レジルスよ。

王子としても、兄としても、どうなのだろう。

小心者のエメアロルに、有無を言わさず諸々を押しつける気しかないな。

エメアロルを気の毒に思いつつも、国王たる余が率先して、父親としての立場を優先するわけにもいかず、あえて話題を変えるに止めようと口を開く。

「間に合いそうか」

恐らく公女は、兄ミハイルの複雑な感情に気づいておる。

そしてライェビストは、かねてより決めておったロブール公爵家当主の世代交代を、先延ばしはせぬ。

そして公女は、余とライェビストに創造した空間を見せ、悪魔となった初代ロベニア国王の顛末を見せた。

もちろん余に見せたのは、幾つかの人生を挟んだとて、王女としての責務を果たす意味合いが大きいはず。

しかしライェビストに見せたのは、単に公女の父親だから、ではない。

魔法馬鹿ライェビストを魔法で釣り、何かの便宜をもぎ取っておる。

『それではお父様。

例の件諸々、お願いしましてよ』

『ああ。

ミハイルはこのまま、当主に任命しておこう。

お前は、お前の好きにすればいい』

公女の空間から出た後の、親子の会話だ。

これだけなのに不穏さを感じるのは、余が少なからず公女の、そして多大にライェビストの性格を知っておる故にだ。

なお、かなり短く、あっさりした会話であったが、この程度の事に驚く情緒は、今更持ち合わせておらぬ。

この後、公女はすぐに転移していなくなった。

ライェビストにどういう事か尋ねても、既に興味はないとばかりに、本人も転移してしまった。

一応、余は国王で、魔法馬鹿は魔法師団長ぞ?

しかしロブール公爵家内の事に、口は出せぬ。

故に今日まで、真相を掴めぬまま。

わかるのは、公女が何かしら動く可能性が高く、ライェビストは全く止めるつもりがない事だけ。

「難しいかと。なので、俺が、公女の側に侍る最短ルートを目指します」

やはりレジルスは、公女の動きを察しておる。

どうでも良いが、それとなく【俺が】を強調せなんだか?

まあ良い。

レジルスは学園祭以降、見せた事のない処理能力を発揮し、これからに備えて動いた。

この初恋馬鹿め。

能力の高さを発揮するのは、父として、王として、嬉しくもあり、頼もしくもある。

【初恋の公女が絡んだ時のみ】でなければな。

一体何の限定解除……初恋限定解除であったな……そうであった。

「はあ……お前もギリギリのところでは、王族の自覚があったのだな」

それでも王族としての順序でいえば、レジルスは守っておる。

何よりレジルス自身は、これから厳しい矢面に立つ事を、あえて選択したとも言えよう。

もう少しエメアロルにも、初恋にかける千分の1くらい、気遣いと察しを向けて欲しいと思うのは、望みすぎであろうか……。

「まあ、公女に嫌われたくありませんから」

確かにレジルスが言った通りよな。

ベルジャンヌ王女の頃の記憶がある以上、公女は王族として、最低限の責務を求めておる。

公女自身、死んで転生したにもかかわらず、王族が負うべき責務を果たしておる。

なのにレジルスが、王族として何の責務も果たさず公女に侍ろうとしたとて、公女は決してレジルスを受け入れぬ。

余はそう確信しておる。

レジルスも確信しておるからこそ、先に成すべきを成すと決めたのだ。


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A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

A Notorious Villainess Enjoying a Life of [Talentless and Incompetence] in Her Third Life

Notorious No More: The Villainess Enjoys Feigning Incompetence, 稀代の悪女、三度目の人生で【無才無能】を楽しむ
Score 5.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: , Released: 2022 Native Language: Japanese
Once upon a time, there was a princess notorious for being the epitome of incompetence and evil. Driven mad by jealousy after her fiancé was stolen from her, the princess attempted to summon a demon, using the lady who stole him as a sacrifice. However, at that moment, the crown prince, who was her half-brother, rose up and defeated both the demon and the princess. “Hehe, truth is stranger than fiction.” —But that’s fine. As the princess, I was truly healed in another lifetime. Yet, being reborn in the same world and becoming a duke’s daughter, she found herself once again scorned as an incompetent and useless figure. Nevertheless, the duke’s daughter, Labianje Robur, continues to wear a graceful smile and lets the ridicule slide off her like water off a duck’s back. “Because being deemed incompetent and useless has its perks, doesn’t it?”

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