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A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 163

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×月×日

休日。私は在宅勤務なのもあって休日くらいにしか外出することはない。足が不自由なのもあって、基本的に出不精なんだ。あ……なんか出不精って響きがあまり好きではないな。デブじゃないやい。一時はちょっと危なかったけど、最近はめっちゃ運動嫌いかもしれないけれども。でも麻痺していないところの筋肉とかはきちんと動かさないといけないらしい。実際、以前に比べると随分細くなってしまった。今のところの目標は歩行器を使っての歩行だ。

閑話休題。

休日である本日、午前9時。本来はもっとゆっくりと惰眠を貪りたいところだが、今日は用事と言うか約束があってこんな時間から待ち合わせをしていた。相手は割と最近になって知り合って、友人と言うか――趣味が同じ同好の士ってやつだろうか? 解釈違いとか諸々あってそこも微妙にニュアンスは違いそうだけれども。そのお相手は目の前でこの朝っぱらからハンバーガーとポテトとコーラを貪っていた。何故か今日は男装しているし、前会った時ロングだったのが今はベリーショートになっている。おかげで最初待ち合わせした時全然気付かなかった。本人曰く「暑いじゃん」とのこと。いや、そんな理由であんなに伸ばしていた髪を切ったのだろうか。これまた本人曰く「ワイエロいからすぐ伸びるんよ」というよく分からない理由を挙げていたが。

「よく朝からそんなに食べられるわね……」

「たまにこういうジャンキーなの食いたくなるんよな。ほら、ワイって普段あほみたいな値段のもんばっか食ってるでしょ?」

「いや、それは知らんけど。良い所のお嬢様なんだもんね……そんなんでも」

「そんなんとか失礼だな」

「普段なにしているんでしたっけ、お嬢様?」

「朝5時起きでソシャゲのデイリーをやって、あとはVTuberの配信見ながら掲示板で実況とかレスバする」

「あんたのことは『そんなん』表現で誤りではなかったと言う事は分かったわ」

「えー……外ではきちんとしてるでしょ、ワイ」

「きちんとしてる人は『ワイ』とか言わん言わん。後今操作中のスマホを見せろ」

「あ、やめろォオ!」

さっきからポチポチ操作していたスマホを取り上げて画面を確認すると、掲示板の専用ブラウザアプリ画面。『あんだーらいぶを語るスレ』って書いてあった。こいつ外でも掲示板に書き込んでるの……? 「は? ワイは誰もが羨む究極の美少女だが?」とか書き込んでる。あながち間違いではないのが腹立たしい。VTuber的に言うなら『ガワだけは良い』ってやつ。

「めっちゃドン引きされた件」

「せめて人と喋ってる時くらいやめなさいってば」

「さすがのワイでもおじい様と喋るときは控えてるけどね。一人称もわたくしになる模様」

「うっそでしょ!?」

わたくしってなんだよ。お前は清楚モードのときの女帝かよ。こいつだけ出てくる作品間違えてるキャラしていない? 冗談みたいな、それこそ漫画とかで見るタイプの金持ちのお嬢様キャラである。なお処女厨で掲示板入り浸っている模様。そこだけ設定ミスしてるぞー……

「今日は執事さんいないんだ」

「メイとセバスは今日はお休み」

「そうなんだ。2人の名前はじめて聞いたな」

「セバスは本名が瀬場という理由だけでおじいさまに頼み込んで本家から引き抜いた逸材なのよね。いやぁ、おじい様主催の出たくもないパーティーに出席したワイの努力の賜物やな。ガハハハ。たまにああ言うの参加させられるのホント勘弁してほしいんよなぁ」

「あんた人の人生なんだと思っているのよ……」

「あ、メイは顔が良かったからメイド喫茶で引き抜き採用した」

「こいつ、とんでもない事やってるな。オイ。後メイド喫茶で引き抜くなよ」

「最近男装させたら思いの外似合ってて、日ごとにメイドと男装になってもらってる」

「メイさんも気の毒だなぁ……」

「完全週休二日制。年間休日130日。外出時には特別手当を支給。メイちゃんは男装手当も支給。フレックス制度を導入し、誕生日休暇も実装した――無料石を配りまくる神運営の如き裁量のわたくしを舐めないでくださる?」

「あ゛?! う、うちより条件いいじゃんか……てかそんなに融通利かせて良い職業なんだ、それ」

「ふっふふ……ぶっちゃけいなくても良いけど、メイドと執事はあって困るものではないのだよ。ワトソンくん」

権力を振りかざしまくってんなぁ、こいつ。いつか絶対痛い目見そう。いや、そう言えば昨日もスレで滅茶苦茶叩かれてたな。うん……

「ちなみにメイちゃんは有給消化、セバスは歯医者で歯石取りがあって休んでる」

「なんか夢もへったくれもない理由でお休み取ってるぅ!」

「ガチ恋ネキは一体執事やメイドにどんな理想を押し付けているんだよ」

「ガチ恋ネキ言うな、ぼけ」

「( ゜Д゜)ハァ?」

「にゃによぉ」

勝手にポテトを一本彼女のトレイから略奪して、口に運ぶ。油っこいなぁ。まあたまに食べたくなる気持ちは分かるけれど。ガチ恋ネキとかなんだよ、それ。第一、外でそんな変なあだ名で呼ぶなよ。変な人に見えるじゃんか。

「その露骨にバッグでアピールしている推しの缶バッジはなんなんすか?」

「あ゛……」

「しかも素で付けてたやつの反応じゃん。しかも3つも付けてるとか」

「あ、余ってただけだし……」

「余るほど買っとるやん、自分」

「あ゛?!」

「語るに落ちると言うか、語らずに勝手に落ちてるやん。まあ、あの憎っくき男に落とされているという意味ではまあ間違ってはいないか。いつかバッグ一面が缶バッジ装備して防御力アップさせるんやろなぁ。ッチ、あの野郎。ワイの目の付けた娘にばかり手を出しやがって。炎上しろ、ばーかばーか!」

「小学生みたいな語彙力の雑な叩き止めなさい。あと彼は昨日も炎上してたでしょ」

「それはそうか」

確かにグッズ売り切れてたけど、その後再販とかあってその度に買い足したりとかしてバッグとかに複数付けるくらいの余裕はできている。きちんと自宅にも飾る用と予備でまだ何個かあるけど……い、いやだってあれは仕方ないというか。配信中に変なマロを送っちゃった迷惑料なのよ、これは! うん。慰謝料的なやつ。決して他意はない。そこんとこ勘違いしないように!

「こいつ今脳内でめっちゃ言い訳してそう」

「あ゛?!」

「痛い痛い、アイアンクロー や゛め゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!」

「あら、ごめんなさいね。お じ ょ う さ ま!」

「病弱設定なのに握力設定ミスってるミスってるぅ」

失敬な。適度な運動は大事ってあの人もいつも配信で言っている。不摂生な生活で体調を崩してしまっては本末転倒。でもそう言っている当人が一番無理していそうなのが笑えないけれど。無理を無理とも思っていないああ言うところ、ホント……ま、まあそういうところ含めて、あの人の個性なんだろうけれども。

「痛い痛い」

「筋トレの賜物」

「あ、でもこれはこれでご褒美かも……可愛い子に痛めつけられる――げへへ」

「あ゛……?」

「そのゴミを見るような目もワイはすこやで」

こいつある意味すごいわ。私のさっきのモノローグのしんみりとした雰囲気返して。

「てか、知らん間にメカクレ属性がなくなってる……」

「切っただけよ。邪魔だったから」

「へー、ふぅーん」

「なによ……」

「前髪を心の壁に見立てていた女の子が唐突に髪の毛をカットする。一体どんな心境の変化があったのだろうか、わたくし何となく分かってしまったわ」

「……た、ただ気まぐれで。リハビリとかで忙しくて伸びてたの切っただけだし…………」

そうだ。ちょっとした気分転換も兼ねて切っただけだ。それにあの人に好きな髪型とかマロで聞いたけど、普通に「似合っていればなんでも」みたいな回答しやがった、クソが。このまま髪を伸ばすかは現在検討中だけど、多分リハビリとかの邪魔になりそうだししばらくは短いままで良いかなって思っている。

もし「長い方が良い」とか回答来たらどうしてたって? あ゛? そんなん伸ばすに決まってるだろ。他意はないけど。断じて。

「化粧っけなかったのにナチュラルメイクするようになったり?」

「いや、これは普通に外出時の最低限のやつであって……」

「この前掲示板見てたらなんか脱サラが厚化粧より、自然体の方が良いかなーみたいな事言ってたとか見たような気がするなー」

「偶然に決まってるでしょうが……」

掲示板に常駐しているだけあって滅茶苦茶把握してやがる。ちなみに正確には「ゴテゴテしたものよりは自然体の方が私は良いと思いますけれどね」である。他にも「可愛く、綺麗になろうと頑張る女の子って本当に素敵ですよね」だとかも言ってたりもした。だからと言って別に他意はないのだ。それに私は元々こういう感じなのだ。断じて誰かさんの意見に左右されているとかではない。

「最近不慣れなお料理はじめたり、やたら音質にこだわったイヤホン買ったり、涼しい顔して推しのSNS画面を何度もスワイプしてツイートないかチェックしたり、特定の誰かさんのファンアートをファボしまくってたり――」

「ただのファンよ、悪い!?」

「お、ようやく認めたな。いや、ファンな事くらい普段の言動で分かるんだからそんな顔真っ赤にすることなくない……? ファンでいるのが恥ずかしいだなんて……それはそれで失礼なお話ではないかとわたくしは思いますわよ」

「ぐ……」

「最初嫌っていたのに絆されていつの間にか生活の中心になるくらいのガチガチの沼に落とされたという背景を考えれば、まあその反応も分かるんですけれど――人間、時には自分に素直になることも大事でしてよ?」

たまにわたくし口調になるのやめろ。あとその口調でストローでじゅるじゅると目一杯吸い込んで残り少ないコーラを飲もうと悪戦苦闘するな。あ、お前カップの蓋開けて氷をガリガリ食べ始めるのもやめようよ……

「まー、推しがいると生活に潤いが出ていいよね。わかるわかる。でもあなたの場合は『ただのファン』の範疇超えてるような気がするんですよねぇ。あなたに限らず少数精鋭みたいなファン作るのだけは上手よね、彼」

「ただ誰にでも良い顔してるだけでしょ。誰彼構わずお節介焼く癖に、いざ自分の事となるとぜーんぶ1人で抱えて解決しようとするところとかが少数精鋭化に拍車をかける原因だと思ってる。それを狙ってやってるわけじゃなくて素でやってるところが尚更に――」

「めっちゃ語るやん」

「あ゛?」

はいはい、好きな物になると早口で語りたがるオタクですよーだ。こう言うのリアルで語れるのなんてあんたくらいなんだし、このくらいは大目に見なさいよ。普段から逆にあんたの早口詠唱だって聞いてやってるんだからさ。

「ちなみに彼のファン的にアレことアレイナ・アーレンスとかってどういう扱いなん?」

「カス」

「ドストレートで草」

「ビッチ」

「散々で草」

掲示板でよく「メスを出している」とか言われているが大体その通りだ。彼と関わるときだけ明らかに声色が違う。本当に乙女みたいな声出しやがって……お前だけは絶対に認めない。なんか出している欲望のそれが自分の内に抱いているそれと似ていて、同族嫌悪とかでは断じてないはずだ。

「ふぇ……ど、どうしよう」

「ん……? 急に泣きそうな顔してどうしたのよ」

「掲示板、書き込み制限になったんだけど?! ねぇ、どうしよう!?」

「書き込まなきゃいいのでは……?」

「このままじゃわたくしがレスバに負けたみたいじゃない!! 『効いてて草』だって? ハァ?! くっそ、ふざんけんな!」

「えー……」

ドン引きである。周囲の目が痛いので今すぐ離席したい。今ほど自分の足が自由だったら、と思ったことはない。もっとリハビリ頑張ろうっと……こいつ悩みとか無さそうで本当に羨ましいなぁ。たまにはこう言うのに振り回されるのも悪くはない気がした。毎日は疲れるので絶対嫌だけど。

『アラサーがVTuberになった話。』第3巻発売中です。

本日7月29日(土)22時~

Re:AcT所属の美睡シュカさんに本作紹介していただくことになったそうです。

案件出す側になるとはなぁ……

イラストレーターさん繋がりですね。

配信はこちらから↓

https://www.youtube.com/watch?v=uSdkv3YwT1o

■特典情報■

■メロンブックスさん

特典SS『新衣装 ルナ・ブランの場合』

書き下ろし小冊子付き限定版『それでも太陽はあなたの隣を歩みたい』

■ゲーマーズさん

特典SS『新衣装 日野灯の場合』

書き下ろし小冊子付き限定版『それでも月は寄り添いたい』

■アニメイトさん

特典SS『御影和也のあんだーらいぶ裏事情』

■BOOK☆WALKERさん

特典SS『東雲 愛莉のつぶやき』

リアルスパチャお願い致します。

A Thirty-Something Becomes a VTuber

A Thirty-Something Becomes a VTuber

アラサーがVTuberになった話
Score 4.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2022 Native Language: Japanese
After quitting a toxic, overworking job on the brink of burnout, I, a thirty-something, somehow ended up becoming a VTuber named Kanzaka Rei under the virtual talent agency “UnderLive,” all thanks to my little sister’s persuasion. “I don’t really get this VTuber thing, but I’ll give it my all!” I thought, brimming with enthusiasm. However, in the female-dominated world of UnderLive, just being a male VTuber gets me bashed by viewers. To make matters worse, on just my second day, a fellow debutant causes a massive scandal, leading to their firing! Will this thirty-something VTuber, swarmed by haters, have any future at all!? …Well, it’s probably still better than working myself to death, right?

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