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A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 164

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1月×日

正月三が日を過ぎて年末休みも終わってしまった人も少なくはないだろう。現に父親は元気に出社していった。ちなみに母親はデパートへママ友さんとお出かけ中。とは言え学生さんはまだお休みのところがほとんどだろう。後1週間くらいはあるのかな? 私は相変わらずの生活。季節感あんまりないよね、このVTuberしてたら。気が楽でいいが、楽すぎてもう元の生活に戻れなくなりそうで怖い。

「~♪」

「め、めちゃくちゃご機嫌ね……お兄ちゃん……わたし関係以外で鼻歌なんて……」

「えー、だってホラ! 見てよ。甘酒も作れちゃうんだよ! これ!」

「ここまでテンション高い姿を見るのはなんだか新鮮。良かったね」

キッチンで先日福袋で引き当てたヨーグルトメーカーを目の前に付属の冊子とスマホを睨めっこしていたら背後から若干呆れたような顔のマイシスター。え、そこなんで呆れるところなの?

「そんなに嬉しがることなんだろうか、お兄ちゃんのラインがよく分かんない」

「えっ、これで作ったヨーグルト美味しかったでしょ?」

「まあうん……そうなんだけどさ。なんかこう……安上がりだよね。お兄ちゃんって」

「これでも奮発してるんだけどなあ」

「お兄ちゃんが幸せなら別にいいけど」

種菌にしているヨーグルトはちょっとお高めのやつだし。とは言え、当たり前の値段で既製品のヨーグルト買うよりはお安くなっているはず。牛乳をパックのまま電子レンジにぶちこんで人肌程度になるまで温め、種菌となるヨーグルトを投入。更に砂糖を少量加えてヨーグルトメーカーにセットするだけ。これだけで何とビックリ! ヨーグルトの完成である。凄い便利! 食べてみると市販品と同等。あるいはそれ以上の仕上がりではないか。お好みでジャムや蜂蜜などを加えれば、朝のデザートやちょっとしたデザート代わりにもなる優れもの。健康にも美容にも良いので、母も妹も大喜び間違いなし。

ちなみに含まれているホエイなんとかと言う成分が血糖値の上昇を抑えてくれるので父にもピッタリだ。家族にはいつまでも笑顔と健康でずっと居て欲しいもんね。その維持が私の役割なわけだし。更には甘酒とかまで作れてしまう。

「甘酒って年始くらいしか飲むイメージないや」

「ビタミンB群が多く含まれてて美肌効果もあるらしいよ。『飲む点滴』とまで呼ばれてるんだとか」

「すぐつくって、すぐに」

「現金だなぁ」

そんなところも可愛いからヨシ! このくらいの年の子はみんなそんな感じなのかな。私の方はそういうのにはそれほど興味を抱く事はなかったからなあ。男性ってそういうのそこまで気にする人って――いるか。普通に。私の場合はどちらかと言うとコンプレックスの方が大きい。見た目やこの根暗な性格をよく馬鹿にされたりしたものだ。昔は結構ぽっちゃりしていたと言うか太ってたし。そっちの方面改善するのに必死だったから……

そのおかげで現在は健康体になったからある意味当時の彼らには感謝するべきなのかもしれない。私の原点はそういうところにあるのだろうし。今の生活があるのもそれのお陰と考えれば決して無駄ではなかったろう。もっとも世の中無駄な事なんて早々ないだろうけれども。それを生かせない事が多いだけであって、何事も日々勉強なのだ。偉そうなこと言ってるけどそう言う自分自身がどうかと言われると……まあ、うんお察しデス。

ちなみに甘酒は米麹に水を加えてスイッチオンで大体できちゃうらしい。思ったよりもお手軽だ。ヨーグルトメーカーに不満があるとすれば残り時間の表記が1時間単位でしか表示されないという点くらいだろうか。結局スマホでタイマー設定しておかないとついうっかり忘れてしまいそうだ。高価な上位機種みたいなのだとその辺も改善されていたりするんだろうか。

「お兄ちゃんさ」

「うん?」

「VTuberやっててたのしい?」

「どうした急に」

「ただ……その…………なんとなく」

日中。否が応でも顔を合わせる事になる食事のタイミングではなくわざわざ今――他に家族の居ない瞬間を狙ってきたのだろうか? 少しばつの悪そうな、そんな表情。何を気にしているのかと思えば。今更そんなこと気にしてどうするんだろうか。前もそんなこと聞かれたような気がしなくもないけれど、新年と言う事で改めて――ということなのだろうか。

「楽しくなかったら続けてないよ。早々に再就職してる」

「ほんとう……? 私が言ったからやってるとかじゃあない?」

「今更そんなこと気にしてどうしたの? どっか調子悪いのか」

マイシスターの額に手を当ててみる。回避されなかった。珍しい。熱があったりはしないらしい。朝食はいつもと同じ量を食べていたし、血色が悪いわけでもない。そういう感情になるような事でもあったか? 別に直近で私がどえらい炎上していたわけでもないのに。

「そんなんじゃないけど……もうすぐ1年経つじゃん」

「1年……うおっ、マジだ。もう1年なのか」

時が経つのは早いもので、VTuberという単語をはじめて聞いたのが昨年の2月頃。そしてデビュー配信が3月だが、面接やら採用。諸々の準備期間を含めれば実質来月で1年みたいなものだ。活動一周年記念とかそういう特別感のある企画も何かしらか考えなくちゃかな。企画力が試されている……先輩たち何やってたのか後で調べて参考にさせてもらおうっと。

「まあお前から言われて始めたのは事実だけどさ。言葉にするのはちょっと難しいんだけれど……なんか充実しているって言うか。機械的に生きてるような頃に比べればずっとずっと『生きてる』って感じがする」

確かにこの活動をしていて悩みはある。苦労もある。理不尽な事だって少なくはない。それでも昔と違って支えてくれる人が沢山居る。それにどれだけ救われたことか。

「だからさ――俺をVTuberにしてくれてありがとう――■■」

「――ッ……」

久しぶりに妹の名前を呼ぶ。心から感謝している。本当に。きっとあのままだったらまた同じような生活を繰り返していたかもしれない。靄がかかったような、モノクロの世界で生きていただろう。だからきちんとお礼を言わなくちゃならないって今思ったのだ。

「ばか」

目の端に涙が溜まっているのが見えて一瞬焦った。ごしごしと目を擦り冷蔵庫の中から牛乳をコップに注ぎ一気に呷る。たくさん食べて飲んですくすく育つんだぞ。うんうん。

「なあ、一周年とかなにやったらいいかな?」

「もう――お兄ちゃんは私がいないとダメなんだから」

「そうだよ。お前が、お前たちがいなくちゃ俺は駄目なんだ」

「パンケーキで手を打とう」

「仰せのままに。マイレディー」

「ふふっ、よろしい!」

本当に私は果報者だ。

◇◆◇◆◇◆

「おや……?」

インターホンの音。こんな平日に誰だろうか? 配送業者さんか、ご近所さんが回覧板持ってきたとか。新聞の集金。あるいは何かしらの勧誘とかのどれかだろう。オッズ的にトップは配送業者さんと睨んだ。

「あー、わたし出るよ。今作業中でしょ。ん? 女の人……? 怪しげな勧誘かな。これ」

ドアホンの液晶画面を覗き込んで呟くマイシスター。何やら怪しんでいる様子。確かに我が家には縁の無さそうな来客層だ。若い女性なんてのは。ひとまず妹に任せておけばいいだろうか。相手が男だったら私が出張っていたことだろう。

えーっと、甘酒は米麹どのくらいいるんだっけか。メモっておかなくちゃ。何だかんだ便利になったとは言え、手書きのメモ帳が未だに手放せない。自分で手を動かして書いた方が確実と思っちゃう。歳のせいだろうか。

バタバタと淑女が絶対に立てないような音と共に玄関の方から全速力で走ってくる音。大変元気でよろしいと思いますよ、私は。もう少しお淑やかになっても良いかもしれないが、そうなったらそうなったで大人になったんだなって言う喜びと共に悲しみも味わう事になりそうで複雑な心境。

「お、お、お、お兄ちゃんにお客さん」

「そんなに慌ててどうしたのさ?」

「すごい綺麗な人がお兄ちゃんに用事って……騙されてない? びじんきょくとかいうやつ!」

「びじんきょく……? ああ、『つつもたせ』ね美人局」

間違えてそう読んじゃうのも分かる。私も初見では読めなかったし。月極駐車場も『げっきょく』という謎組織が運営しているのかと幼い頃勘違いしていたのも割とあるあるだと思う。

と言うか私そういうのに騙される風に見えちゃってるんだろうか? ――いや、過去実績から察するにそういうのあっても不思議ではなさそうだけどさ。最近って訪問式の美人局だったりするんだろうか。そっち界隈に関しては全然知らんけど。

何にせよ私が出向いて対応するべきってことなんだろう。玄関に赴いた私の目に飛び込んできた光景に思わず閉口した。確かに見覚えのある顔ではあった。仕事上でのお付き合いもある。お世話になっている人だ。だが、わざわざこのタイミングで来るなんて想像できるわけないじゃないか。

「どうもこんにちは」

「コンニチハ」

「来ちゃった(はぁと」

「…………」

どうしてこうなってしまったんだろうか?

眼前には美少女ゲームの声優であり、VTuberとしても活動している葵 陽葵さんの姿があった。どうしてぇ……なお背中には妹の視線が痛いほど突き刺さっている。一応、前回帰省時に挨拶やって来たときにチラっと彼女の姿くらいは見ていなかったか……?

でもまあ、ヤキモチ焼きのマイシスターも最高だなっ! 可愛いなぁ、本当に。

「なんか今凄い、私のことを一切考えてないような顔してますよね、ね?」

「まさか、そんなことあるわけないじゃないですか」

「うそつき」

◇◆◇◆◇◆

あんだーらいぶを語るスレ XXX配信目

534 名無しのライバー ID:Sl2oitFgv

もうお休み終わりとか短くない?

535 名無しのライバー ID:EOFdYuSXX

キッズは後一週間くらいお休みあるやで

536 名無しのライバー ID:RGX67iJbH

大学生に至っては来月の試験終わったら1ヵ月くらい休みやで

537 名無しのライバー ID:qDvSGSFIw

いいよなぁ学生さん……

538 名無しのライバー ID:PeYn3V5le

まあ年末年始休んでたVの配信がチラホラ再開されてるから

喜んでおこうぜ

539 名無しのライバー ID:C1o5xuFqo

灯ちゃんが家族と温泉旅行に行った話

540 名無しのライバー ID:gJqYUGnpZ

温泉?!

541 名無しのライバー ID:k+QghrAmK

ONSEN?

542 名無しのライバー ID:KralUfylC

kwsk

543 名無しのライバー ID:nYKssjp6C

灯「家族と温泉行った。お姉ちゃんと久しぶりに沢山お話した」

544 名無しのライバー ID:35m9yQWH3

姉おったんか?!

545 名無しのライバー ID:+mScczCC9

お姉ちゃんの存在は初耳

546 名無しのライバー ID:AdU/XRtIa

補足しとくと親戚のお姉さんな

547 名無しのライバー ID:7ItR1rUJH

ちなみに沢山恋バナしたらしいで?

548 名無しのライバー ID:QFuygTr8U

?!

549 名無しのライバー ID:F61frP3+P

なん……だと……?

550 名無しのライバー ID:XJWISa0yr

おいおいおい

551 名無しのライバー ID:LvpwrYpnv

つまりそれって……

552 名無しのライバー ID:MoBthread

好きな人とかいなくても

好みの男性とか、知り合いの恋話とか

延々と会話デッキ回せるもんやでとマジレスしてみる

553 名無しのライバー ID:F+Bei/WnS

駄馬君にしては随分と落ち着いた態度じゃないか

ワイ、ビックリ

554 名無しのライバー ID:lJi4tLtDt

おなごはこいばなすきだからね

555 名無しのライバー ID:4C5nn6Y0Z

立ち絵もそうだけど、リアルでも髪を伸ばしてる灯ちゃん(ルナちゃん情報)

これは絶対お姉さんに勘繰られそう

556 名無しのライバー ID:YA8uVM9UG >>557 >>558 >>559

ちなあんだーらいぶ男性陣の好みはこちら

・畳→ショート

・あさちゃん→ロング

・脱サラ→ロング(推定、変化有)

・ミカ→ショート

557 名無しのライバー ID:VZTRav5Q0

>>556

なんだその需要のなさそうな情報は

558 名無しのライバー ID:6Kcx9+yi4

>>556

綺麗に割れてんのな

559 名無しのライバー ID:7y+fLcOKp

>>556

なんや脱サラの(変化有)って……

560 名無しのライバー ID:gckineki/

聞いても「似合っているならなんでもいい」っていう回答だったから

雫ちゃんの今の髪型が1番好きだろうっていうただの決め付けの模様

でも多分清楚系がすきだよ、あいつ

561 名無しのライバー ID:lB3Dma8KW

562 名無しのライバー ID:XBiEvaw0l

大体あってそう

563 名無しのライバー ID:48X8OvwDy

オタク君は絶対黒髪ロング派おおいよね

564 名無しのライバー ID:PHdfYXui3

ちな、あさちゃんのロング派なのは

女の子の髪の毛で色々なセッティングしてみたいから

565 名無しのライバー ID:v0BT2lBWT

女子力高いもんなぁ

566 名無しのライバー ID:TSDeqVruu

畳の髪の毛見て「潤いが足りてない」とオススメのトリートメントを紹介する子や

567 名無しのライバー ID:5TZZounSN

あいつ潤い足りてないんか……

568 名無しのライバー ID:9KpVasF+g

ライバーの使っているシャンプー情報をまとめているHENTAIもいるらしい

569 名無しのライバー ID:gckineki/

単に同じメーカーのを使いたいって層向けの情報では??

570 名無しのライバー ID:y4bpuSJfQ

いや、あれ飲む用だろ?

571 名無しのライバー ID:gckineki/

あ゛?

572 名無しのライバー ID:MoBthread

グルシャンで調べてみると幸せになれるゾ

573 名無しのライバー ID:Hp0GgAkWC

そんなん誰も幸せにならないやろ……

不幸になるだけや

574 名無しのライバー ID:BGwaUeJD4

どう考えても体に悪いだろ

ネタじゃなくてガチでやってるやつマジでおるん?

575 名無しのライバー ID:ycDlHirRC

女性ライバーのやつガチで飲んでレビューしてる特異な性癖のヤツはマジでおる

576 名無しのライバー ID:lDQLM/+tm

脱サラとか絶対ストレスでハゲそう

なんならもう薄くなってそう

577 名無しのライバー ID:13OC1hdxE

やめたれww

578 名無しのライバー ID:MoBthread

あー、ワイもあさちゃんに髪の毛イジってほしいなぁ

579 名無しのライバー ID:w3tzdQaPK

そんなに髪の毛ねぇだろ

580 名無しのライバー ID:j1YTXw55P

イジるって表記からもう要警戒だろ

変な意味にしか見えない件

581 名無しのライバー ID:gckineki/

シャンプー飲むとかぜったいおかしい……

582 名無しのライバー ID:NAQtq3DaJ

皆も若い内から髪の毛は大事にするやで!

583 名無しのライバー ID:fc7ytthWs

また髪の話してる……

『アラサーがVTuberになった話。』第3巻発売中です。

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書き下ろし小冊子付き限定版『それでも太陽はあなたの隣を歩みたい』

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リアルスパチャお願い致します。

A Thirty-Something Becomes a VTuber

A Thirty-Something Becomes a VTuber

アラサーがVTuberになった話
Score 4.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2022 Native Language: Japanese
After quitting a toxic, overworking job on the brink of burnout, I, a thirty-something, somehow ended up becoming a VTuber named Kanzaka Rei under the virtual talent agency “UnderLive,” all thanks to my little sister’s persuasion. “I don’t really get this VTuber thing, but I’ll give it my all!” I thought, brimming with enthusiasm. However, in the female-dominated world of UnderLive, just being a male VTuber gets me bashed by viewers. To make matters worse, on just my second day, a fellow debutant causes a massive scandal, leading to their firing! Will this thirty-something VTuber, swarmed by haters, have any future at all!? …Well, it’s probably still better than working myself to death, right?

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