Switch Mode
Now you can use the translation tool for free for the first 200 chapters of each novel.

A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 186

This post is one of the first 200 oldest posts in its category and is free to translate.
Balance: 0 coin

Click here to buy coins


2月×日

「――で、何の相談なんすか? あ、もしかして恋の相談? 任せて下さい。美少女ゲームで鍛えた俺の力をば……」

柊先輩が配信部屋から出てきたところで「待ってました」と言わんばかりに御影君がハイテンションで話しかけていた。全員酒は入っているとは言え、そこまでの飲酒量ではなかったと記憶しているが……いつもの陽気で明るい彼のままと言えばその通りだけれども。一応、ミネラルウォーターをカップに注いでおこうか。

「いや、あっちから言ってくるまで待とうって言ったじゃん……」

「あっ、そうだった。しまった。聞かなかったことにして下さい。はい、やり直し!」

「もう完全に酒が回ってますね。はい、お水飲みましょうね」

「わーい」

「ヒョロイから酒が回るの早いのかな。致死量少ない」

「死んでない、死んでないっすよ?!」

配信の様子を全員で同時視聴しながらやいのやいの騒いでいたわけだが。柊先輩の何か言いたげな様子を全員が察しており、「彼が何か言って来るまで根気よく待とう」みたいな結論に至ったが初手で計画破綻である。まあ、このくらいの緩い感覚の方がいかにもなあんだーらいぶ感あって良いのかもしれない。

「な、なぜバレた……もしや超能力……」

「なぜバレないと思ったのか。さすがの僕にもわかる」

「柊先輩、思ったより顔に出やすいんですよ」

「長い付き合いっすからね」

「いや、お前は一番新参だろ。付き合いも――え、もう五ヶ月? 早い、早くない?!」

「知ってますか、柊先輩。歳食って行くとどんどん月日の流れって早く感じるんですよ」

「サムズアップしなくていいから! お前もミカほどじゃないけど絶対ちょっと酔ってるだろ?!」

元職場でもお付き合いと言うか接待で多少飲むことはあっても精々グラスに1杯程度で後は水とかお茶をちびちびと飲んでまさに言葉通りお茶を濁していたわけだが。自宅でも父親とちびちび飲むくらい。基本我が家の血の特徴なのかは知らないが、酒はそんなに強くはないらしい。父だけでなく祖父も似たような感じだったらしい。

「まあ、何となく予想できただろうけれど――ソリライからデビューした新人の子、知ってるだろ?」

SoliDliveから今月頭にデビューした新人綺羅星カグヤのことだろう。彼が相談してくるとなると、この件だと言うのはなんとなく予想はしていたが……

「声聞いて分かった――あれは元あんだーらいぶ所属だったダリア……ダリア・バートンだった子だ。本当はこう言う前世とかに触れるべきじゃあないんだろうけどさ」

「あんだけ周りで騒がれてればこっちの耳にも自然に入ってくるよね」

「俺のとこにもマシマロでめっちゃ来てた」

私に限らず他の人のところにも色々そう言う類のコメントやマシマロは届けられていたらしい。送り主は同じ可能性高いけど、同じ文面を所属VTuber全員にスパムメールのように送る方が効果はありそうだし。だが、実際にその手のメッセージが一番多く届いているのは柊先輩だろう。元同僚。引退後も切り抜き動画が新規投稿されたりもしたくらいだ。ファンの人々は口を揃えて言う。『時代が悪かった』と。あんだーらいぶが評価され、伸び始めたのは彼女が引退して間もなくだった。神の悪戯とでも言うべきか。本当に後少しタイミングが違っていれば、ダリア・バートンとしてまだ活動を続けていたかもしれないのだ。ままならないものだ。

「色々言われるのは致し方ないと思うし、DMで申し訳程度に本人からも謝罪文が俺を含めた関係者――当時居たメンバー全員に届いてた。流石にあっちの立場もあるから本人から直接正体を明かしたりってことはなくて、本当に形式的な謝罪文のみだったけどさ」

「わざわざ当時の面々にだけ送るってなると……まあそう言うわけですよね。私のところには来てないですし。何故かSNSの方はフォローされてましたけれど」

「僕のところには来てたね。と言うか『あんだーらいぶ』グループメンバー全員フォローしてるからなぁ、あの子」

「大きめの企業勢はフォローしているからその一環という形にはなってるっぽい。あ、俺だけフォローされてなくね?!」

「素で忘れられてるの草。同じ脱退後の男性V枠で怜君はしっかりフォローされていると言うのに」

「あいつ昔っから肝心なところで抜けてるからなぁ……」

スマホでSNSを覗き込んでいた御影君ががっくりと肩を落としていた。恐らくは綺羅星さんのフォローユーザーの一覧を眺めていたのだろう。確かにあんだーらいぶメンバーで何故か彼だけ抜けていた。多分だけど素で抜けていたのだろう。多分。いや、流石に私がフォローされていて彼がされていない理由なんてそれくらいしか考えられないし。柊先輩の口振りだとこういう一面は過去にもあったらしい。

「セクハラでもしたの?」

「前世でなんかやらかしたのか?」

「ラギ先輩もアサ先輩も酷くない?! 冤罪だー! お、俺もしかして影薄いのか……」

「神坂君は良くも悪くも目立ってるからなぁ」

本当に良くも悪くも、である。企業イメージとしては炎上というのはマイナスなのは言うまでもないのだが、そうなってでも知名度を高めたいという側面があるのがYourTuberさんなのである。個人的にはこれっぽっちも誇らしくはない。平々凡々、ほどほどくらいの立ち位置を目指している。それすら難しいのが現状なわけだが。

「原因は主にこれなんじゃないの?」

朝比奈先輩が半ば呆れたような表情でスマホの画面をずいっと差し出していた。そこには御影君のSNSプロフィール画面が表示されていた。Vの場合は立ち絵やファンアートと言ったものから自身の顔をアップしたものが設定されていることが多い。しかし、彼のは某エナジードリンクのケース。いや、この間健康に気を付けるとか言ってなかったか? 滅茶苦茶不健康そうな元気の前借りするタイプのドリンク。決して身体に良いとは言い難い。

「えぇ……御影君、私は少しガッカリです」

「俺でも箱買いはしねぇよ……」

「ち、違うんです! お仕事で頂いただけなんで! その喜びを企業様にアピールしている健気な配信者アピールの一環なんすよ!!」

言い訳にしか聞こえないが、実際のところ取引先企業様の心象は大事であるという点には同意せざるを得ない。ともあれ、フォローが漏れた原因は恐らくこれだろう。パッと見でこのアカウントがVTuberのそれとは思えないし。

「まー、話は逸れたが……ザックリ言うと俺個人の我儘と言うか自己満足でしかないんだが。現役時代引退する直前に約束したんだよな。『次またコラボしよう』って。帰って来た今だからこそ、それを果たしたいってだけの話なんだ。いや、まあマジで企業勢的にはあまり良くないって自覚はあるんだよ?」

「別に良いんじゃない?」

「他所の箱、それと女性ばっかの箱とかめっちゃ燃えそう。なんかオラワクワクしてきたゾ!」

「1対1だとちょっと角が立ちそうなのでいっそ箱全体――と言うか、私たち三人セットとかにすると良い塩梅なんじゃないです?」

「あれ? 僕最初から全員参加するシステムだと思ってた」

「この状況でハブられる方がショックっすよ、俺」

全員がもう他所の箱――それも女性だらけのところとコラボする前提でお話している。そりゃあ幾ら先輩と言えども1対1で渦中の人物とコラボともなれば色々憶測を呼んだり言われたりするのは分かりきっている……であるとすれば、自分が参加する方がずっと良い。それは私以外も同じ考えだったらしい。幸いあっちの箱には知り合いもいるし、頭数同数揃えるのだとすれば問題ない。ただ問題はどういう口実でやるか、という点になるわけで

「え……み、皆最初からやる気なの?」という問いに全員で「うん」と自然と回答の声が被った。先輩の表情が一瞬固まった後、少しだけ瞳の端に涙を溜めてからぐっと堪えて、いつもの笑顔を見せてくれた。

そうだ、私は先輩やみんなのためならなんだってやる。

「取り敢えず作戦会議だな!」

「じゃあ議事録書きます」

「怜君、どこからともなく黒革の手帳出すの怖いからやめて!」

「怜先輩あれっすか、デスなノートですか。それ」

「いや、俺寧ろ中身が気になるんだが」

私はこんないつも通りの、こんなどうしようもないやり取りが何よりも愛おしい。だからどんな苦労だって、何だってやれる気がする。家族以外でこういう感情を抱くことになるなんて……本当、去年の私に言っても絶対信じないだろうなぁ。

ちなみに中身は妹への愛が長々と綴られていると言うのはここだけの話である。

◇◆◇◆◇◆

あんだーらいぶを語るスレ XXX配信目

864 名無しのライバー ID:+dNC/I6sd

さっきの畳の配信一体なんだったんだ……?

865 名無しのライバー ID:pRaUVGLvK

>>864

なにってそりゃあ野郎共のイチャコラ配信よ

866 名無しのライバー ID:LuoFZKTmc

>>864

推しが楽しそうならオッケーですb

867 名無しのライバー ID:+XHOl8NDL

>>864

女性リスナーは大喜びだぞ

868 名無しのライバー ID:MoBthread

畳配信まとめ

・後輩家別室放置で配信してる

・あさちゃんがスマホ充電器を借りにくる

・ミカァ!がポシェモンで色違い出現報告

・脱サラがサーモンのカルパッチョと唐揚げを持ってくる

・隣室で楽しそうに談笑しててちょっぴり寂しくなる畳

869 名無しのライバー ID:QcdsDY+rJ

なんか1人だけおかしくない?

870 名無しのライバー ID:o2GBosdYr

いや、冷静に考えなくても全員おかしいぞ

871 名無しのライバー ID:ygvkhlLwT

裏でネタ合わせていたわけでもなく

本当に素でやってんだよなあ……

872 名無しのライバー ID:nfuY5E89A

無言で料理だけ置いていくオカンが混じってる件

873 名無しのライバー ID:yYUxHRv/T

一家に一人は欲しいな

874 名無しのライバー ID:TVV5iYFwU

畳「みんな好き放題で草」

ミカ「先輩のアルバム出てきたんで皆で見てますね」

畳「オイコラ! 待てェ!!」

あさちゃん「全部夏嘉ちゃんじゃん……うっわぁ……」

脱サラ「えっ、妹のアルバムあるの普通では?」

畳「だよな」

ミカ&あさちゃん「えっ……」

脱サラ「過半数獲得だから一般的なことですよ、ええ」

畳「世の中のお兄ちゃんは皆作ってる」

875 名無しのライバー ID:g8wgU5aBV

>>874

シスコンビェ……

876 名無しのライバー ID:V/TqTlkfn

>>874

いや、絶対お前らがおかしいだろw

877 名無しのライバー ID:vevnmLA4M

>>874

夏嘉ちゃんアルバム

雫ちゃんアルバム

確かに需要しかなさそうである

878 名無しのライバー ID:D3MngKSRW

実際あのくらい可愛い妹がいたら

猫可愛がりする気持ちは分からんでもない

879 名無しのライバー ID:hyQu917ww

それはそう

880 名無しのライバー ID:JvOgXl2Qo

脱サラ&雫ちゃんとか

声と言動で身バレとかしないのかな?

881 名無しのライバー ID:zTHuO4W73

個人ですら身バレ報告があるご時世だもんね

882 名無しのライバー ID:mbZ11Iffe

アレが身バレしてると言うお話

883 名無しのライバー ID:VGfZSV3Eu

アレは汚い笑い声がそっくりという理由でバレたゾ☆

アレ「ぎゃははははww」

リア友「ねえ、その笑い声……VTuberとかやってたりする?」

アレ「ピェ……」

884 名無しのライバー ID:FSfyccdt8

アレ草ァ!

885 名無しのライバー ID:o/1Y+kCmR

あんだーらいぶでは身バレトークは聞かないな

886 名無しのライバー ID:ej0X2ZxBt

1番危なそうなのは現役JK組の月太陽コンビだが

最近の高校生ってVはあんまチェックしないのかな

887 名無しのライバー ID:o1SMY7IOe

コアなオタク程度だろ

と言うか、現役JKもう一人居るでしょ!

888 名無しのライバー ID:lEp3EFy1O

えっ誰かいたっけ?

889 名無しのライバー ID:W0mhbwfBm

あさちゃんでしょ(適当)

890 名無しのライバー ID:5cxfN+6vs

ニートだよ!(過激派)

891 名無しのライバー ID:2r6BZ5Gm9

女帝も一応定時制の高校に通ってる設定だから(震え声)

892 名無しのライバー ID:sC8ZdaZpi

なお当人すら忘れている設定の模様

893 名無しのライバー ID:smQ5fsTJv

設定て言うなよぉ!

894 名無しのライバー ID:fi0pbnRbA

忘れられがちな設定

・女帝のJK設定

・畳の魔界設定

・忍ちゃんの人見知りで控え目な女の子設定

895 名無しのライバー ID:TgS+Sswdz

最後のやつ初耳なんだが??

896 名無しのライバー ID:wnIt908Nj

公式サイトの紹介ページにちゃんと書いてあるんだよなあ

897 名無しのライバー ID:VJNccg2dz

なんでや!?

忍ちゃんはちょっと台パンするだけで

人見知りで控え目な女の子やろ!

898 名無しのライバー ID:eXem9hCiV

普通の女の子は台パンあんな頻繁にしないと思うの

899 名無しのライバー ID:et+EOl3+R

そういやシン・ダリアはあんだーらいぶ面子全員フォローしてんだな

900 名無しのライバー ID:jR9hydgAu

シン……あれいつになったら完結するんですか?

901 名無しのライバー ID:REU43/EFT

本人も口にはしないけど隠す気はないでしょ、あれ

902 名無しのライバー ID:ah+AZEpGt

これだけ騒がれてればな

903 名無しのライバー ID:GGUohzVkn

なおミカだけフォローされていない模様

904 名無しのライバー ID:WJESvK7TT

905 名無しのライバー ID:D+9ogdCfd

何やってんだミカァ!

906 名無しのライバー ID:Hwa4bjlJQ

変なプロフ画像のせいだろ

907 名無しのライバー ID:HmexJBzhu

普段の言動が原因だよ☆

ミカ「Vってエッチなコスプレイヤーさんから画像が送られてくると思ってたのに」

畳「お前はVを何だと思っているんだ」

あの畳も真顔で突っ込むよ

908 名無しのライバー ID:uxO9Uj/QB

―――――――――――――――――――――――――――

御影 和也@kazuya_underlive

怜先輩が持ち歩いてる黒革の手帳

中身見せてもらったけどザックリ言うと『今日の妹ちゃん』

怪文書だった

―――――――――――――――――――――――――――

909 名無しのライバー ID:5LzcY10Bp

910 名無しのライバー ID:U1b0+6G5j

怪文書言うなww

911 名無しのライバー ID:CNLu5/2CN

妹ちゃんのことばっか日記形式で書いてるんだろうなぁ

912 名無しのライバー ID:DGZa7CYiK

何だかんだこいつが一番あんだーらいぶで狂ってる説

913 名無しのライバー ID:gckineki/

ネジぶっ飛んでるけど平気なフリしてる一般人だから……

年内最後の更新となります。

本年は大変お世話になりました。

来年は2月に4巻、春頃にコミカライズ開始なども控えておりますので引き続きご支援、リアルスパチャなどよろしくお願い致します!

A Thirty-Something Becomes a VTuber

A Thirty-Something Becomes a VTuber

アラサーがVTuberになった話
Score 4.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2022 Native Language: Japanese
After quitting a toxic, overworking job on the brink of burnout, I, a thirty-something, somehow ended up becoming a VTuber named Kanzaka Rei under the virtual talent agency “UnderLive,” all thanks to my little sister’s persuasion. “I don’t really get this VTuber thing, but I’ll give it my all!” I thought, brimming with enthusiasm. However, in the female-dominated world of UnderLive, just being a male VTuber gets me bashed by viewers. To make matters worse, on just my second day, a fellow debutant causes a massive scandal, leading to their firing! Will this thirty-something VTuber, swarmed by haters, have any future at all!? …Well, it’s probably still better than working myself to death, right?

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset