A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 243

Posted by Kuze, ? Views, Released on November 8, 2025

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4月×日

「こうなるかぁ……」

神坂怜の公式SNSに寄せられている一般のユーザーさんからのメッセージ、匿名メッセージ送信サービスであるところのマシマロ、エゴサーチ等々で自然と目に入る情報群。今月本格始動した男性VTuberグループのスターライト・プロジェクトさんと我々の比較をするような類いのもの。そしてそれを良く思わない人たち、あるいは面白がって茶化す、両者の対立を目論む『対立煽り』を目的とする者たち。本当に良くも悪くも盛り上がるときの勢いが異常とも言って良いのがこの界隈である。ネット媒体としての運命と言ってしまえば、その通りなのだけれども。

元々この界隈自体、各事務所のVTuberさんの同時接続者数やチャンネル登録者数、再生数、スーパーチャット額をランキング形式で紹介するサイト、それらをまとめた情報を掲示板上では定期的に書き込まれたり、動画としてまとめられたりと元々そう言う風潮なのは事実。他のどの職業よりも比較できる『数字』が第三者にもお手軽に入手できてしまうのが一番の要因だろう。競争意識が演者やファンにも自然と根付いている節があるのかもしれない。この業界が異常なスピードで発展し続けているのも、それが要因の一端なのだろうか？　競い合うように推し活をする人もいるわけで……かけたお金や想いの強さを競い合うものでもないと思うのだけれども。

ともあれそうした背景の中で、スタプロさんは企業系の男性V繋がりという共通点があったので引き合いに出されるのは至極当然の結果であった。そこに加えて、更に彼らの配信内容も相まって更にそれが加速してくこととなった。配信内容も同一のゲームタイトルを行っているとなれば、まあそりゃあそうなるよね、という感じだ。そしていつものごとく数字的にはあまり褒められたものではない私なんかと比較して、『あんだーらいぶはオワコン』だとか批判されているのが現在のダイジェストである。

呆れるほど見慣れた光景であるのだが、ウチのファンと名乗るユーザーがスタプロさんに対して批判するような構図も見かけるようになってしまったのはあまり喜ばしい事ではない。私のファンの方は皆さん大体の空気を読んで下さっているらしく『いつものあれになってて草』『い　つ　も　の』『今月のノルマ達成』と言う反応。もっとも、彼や彼女らはきっと私が気に病まないようにわざとそう言う風に言っているところがあるのだと思っている。私なんかのファンをやっているくらいのお人好しの皆さんだし、きっとそのくらいのことがあっても不思議ではないだろう。毎度毎度ファンの人に気を遣って貰って介護されている気がする。こんなVTuber他に早々いないんじゃなかろうか？　情けない話ではあるものの、そこを含めて推していると言われてしまうと、もはや何も言えない。

あんだーらいぶのファンの人があまり快く思っていないのには配信内容の模倣の件もあるが、もう一件別での問題もあったりする。YourTubeでは基本的にマスク状態となっているものの、特定のキーワードを設定する事で検索時に引っかかりやすくなったり、それらに関連動画として表示されやすくなるメリットがある『メタタグ』と言うものがある。通常のハッシュタグであればどのユーザーからも見る事が出来るものの、この『メタタグ』と言うものは見えない仕様になっている。インターネットブラウザでページのソースを表示させたり、特定のアドオンなどを使えば視聴者側でも確認できるらしく、スタプロさんのアップロードした動画には『VTuber』や『アイドル』と言う単語から、本来無縁であるはずの『あんだーらいぶ』『SoliDlive』と言った他社のVTuberグループの事務所名も入れられているんだとか。過去にも似たような事をやっていたところがあるようだが、一応はガイドラインに違反している事ではある。しかし私が知る限りはそれが原因で罰則を受けたと言う話は聞かない。

他社様のやり方にどうこう言うつもりはないので、私の方からは深く言及するつもりもないが……私としてはいつも通りに配信をするだけだ。これらの騒動に関して言及する事は当然避けるべきであり、意識していることすら気取られる訳にはいかないだろう。数字が事務所内では褒められたものでない事自体は否定のしようもない真実であるわけだし。そもそもアイドル活動を売りとする筈が、こちらの配信に合わせるような配信内容が目立つような気がするが事務所の方針としてそれで良いのだろうか……？　普段アイドルなどに興味のない層へのアプローチなのかは分からないけれども。私も会社員時代はよく分からない上層部の指示で変な仕事やらされていた経験もあるし、今回のこれもそう言う事務所側からの指示なのか、あるいは営業で言えば契約取ってこいと飛び込み営業させられているようなものなのか……あ、なんか思い出したら胃が痛くなってきた。部外者の私がとやかく言うのも余計なお世話と言うものだが、過去に似た経験のある身としては是非頑張って頂きたいものだ。

しかし私だけなら良かったが、御影君もこの一件で引き合いに出されて数多くの批判的な意見を投げかけられているのは少々複雑な心境。後でそれとなく探りを入れておいた方が良いだろうか。彼は彼で現状の数字を良しとせず、苦心しているところがある。メンタル面が心配だ。ともあれ、まずは自分の役割――仕事をこなすとしよう。

◇◆◇◆◇◆

「さて、みなさんこんばんは。今日はゾンビハザードのリメイク版をHDリマスター化したバージョンをやって行きたいと思います」

[ゾンビゲー]

[神ゲーやん]

[懐かしい]

[リメイクのHDリマスターって単語だけ聞くとよく分からんな]

[ざっくりリメイクってことでええぞ]

ゾンビ物として日本のみならず世界中でも大ヒットしており、現在も続編がリリースされ続けている。私自身も名前くらいは聞いたことがあるくらいのビッグタイトルだ。実写映画も昔見た記憶がある。今回プレイするのは90年代に発売されたシリーズ第1作目を2000年代に入ってリメイクしたものを、更にHDリマスター化したものだ。まあ、ザックリ説明すると昔のゲームを今風にリメイクしたものとでも受け取って頂ければいいだろう。最近は過去の名作をリメイクする事も珍しくはない。当時手を出せずにいたタイトル、プレイしたことはないけれどタイトルだけは知っている――そんな人にはありがたい時代になったものだ。ただし、リメイク版の評判がすこぶる悪いケースもままあるけれども……

「調子に乗って銃ぶっ放していたらすぐジリ貧になりませんか、これ？」

[そうだよ]

[敵倒すより逃げるってのも選択肢のひとつやで]

[好き放題撃てないから恐怖感より増す的なあれ]

[銃以外の武器強いからまあ何とかなるって]

普通この手のゲームでは残弾はあまり気にする必要はないかもしれないが、この作品は少し話が変わってくる。極端に無駄遣いできない仕様になっている上に、セーブ機能を使用するにもインクカートリッジと言うアイテムを使用する必要があり、回数制限がある。普通そうしたプレイする上でストレス、不便に感じる部分をあえて残す事で、ゲーム内での緊張感をリアルでも反映させる作りとなっている。ゲームキャラクターとプレイヤーの心理状態を自然と近付けるような形であり、これが中々どうしてハラハラさせられる。とは言え、救済措置として銃以外の武器も結構豊富に配置されており、お遊び要素も多分に含まれている。ネタっぽいものもあり、ホラー系統をあまり得意としないユーザーにも楽しんでもらえるようにという制作側の気遣いを感じる。こうしたちょっとした工夫や気遣いを見ているだけでもゲームと言うのは楽しいものだ。

「なんでカジキマグロそのまんま冷凍されているんですかね……」

キッチンを探索していると業務用冷凍庫を発見、調べるボタンを押すと中から操作キャラクターの身の丈と同じくらい大きなカジキマグロが出てきた。『装備する』という表示が出ているところから察するにこれが武器になるらしい。確かに、このチクチクに尖った先端は中々強そうだけれども。

[ホラー要素バイバイタイム]

[ネタ武器装備しだすと途端にホラー要素なくなるよな、これ]

[実はBGMの雰囲気も若干変わってんだよな]

[ネタ武器使用不可設定も一応あるぞ]

「冷凍カジキマグロ、銃より強くないですか？　一撃でゾンビ絶命しましたけれど……ちなみにこのカジキの先端のこれって『吻』って言うらしいですよ」

[ある意味救済武器だからな]

[ロケットランチャーといい勝負するからな]

[時間経過すると自然解凍されて弱体化するぞ]

[武器として使えなくなったあとは回復アイテムになるぞ]

「いや、ゾンビ倒すのに使ったマグロ食べるの色々危ないでしょうに」

[火通してるからへーきへーき]

[まあ、主人公何回か噛まれても平気な人だし……]

[そもそもそのゾンビの菌バラまいたのそいつだし]

「怪しげな企業に潜入したエージェントがくしゃみして間違ってボタン押して、隔離したゾンビ大脱出ですからねぇ……そりゃあ、企業側も主人公本気で殺しに来ますよねぇ」

[ぐう畜生]

[戦犯：主人公]

[回復アイテムが怪しげなハーブだしな、なんかキメてんだろ]

[情報貰う相手がそれの売人だし]

[武器買う相手がどう見ても堅気じゃない奴だし]

「前勤めていた時に数億する機械をぶっ壊されたときの気持ちと、この企業さんの気持ちは何か似たようなところがあるのかもしれない」

ちなみにスピンオフとしてこっちのゾンビ研究企業さんが主人公を撃退するタワーディフェンスゲームもリリースされていたりする。

「今日もご安全に」

[ヨシ！]

[火炎放射器スルーしたよな？]

[無言で今、お前の属性一致武器見て見ないフリしましたよね？]

[火炎放射器「ワクワク」]

[ポシェモンならタイプ一致で火力上がるから装備しろよ]

[草]

【ゾンビハザード】ゾンビ倒す【神坂怜/あんだーらいぶ】

最大同時視聴数:約150人

高評価：100

低評価：200

神坂怜　チャンネル登録者数23,500人（+0）

◇◆◇◆◇◆

あんだーらいぶを語るスレ　XXX配信目

147 名無しのライバー ID:7rH2tCYKk

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