Switch Mode
Now you can use the translation tool for free for the first 200 chapters of each novel.

A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 262

Free translation limit for this category has been reached for older posts. Please login or register to translate this post.
Balance: 0 coin

Click here to buy coins


5月×日

無事に事務所用のスチールキャビネット組立てを終えて、打ち合わせ中の月太陽コンビの邪魔にならないように早々にお暇したかったところなのだが――

「ふふっ、どうっすか。先輩。俺役に立ったっすよね」

ドヤ顔で語りかけてくるのは後輩の御影君である。私が組立配信をやっていると聞いて、当人は特に事務所に用事もないのにやって来たのである。まあ、所属事務所に顔を出すくらいは別段問題はないんだけれども、用事もないのにわざわざ足を伸ばしてまでやって来るほど面白い配信でもないし。数字的にも美味しい内容でも無かったろうに。

私からすると普段よりは同時視聴者数は多かったのだけれども、それでも私以外の他あんだーらいぶメンバーと比べると見劣りするような数値である。そういった数字を抜きにして慕ってくれているのは素直に嬉しいが……私も彼も学生時代に人間関係であまり良い思い出がなく、親しい友人もいなかったという点においては共通点があり、今のVTuber活動が何よりも楽しいと言う彼の気持ちもよく分かる。歩んできた人生は違えども、このあんだーらいぶと言うグループに救われた者同士なのだ。

ちなみに用事はなかったらしいが、来たついでと言わんばかりに途中で彼のマネージャーである犬飼さんに連れていかれて打ち合わせを行っていたようだが……この間も触れたような、定期面談を行っていたらしい。少し席を外したと思ったら10分もしない内に戻って来たみたいだけれども。

「そちらも打ち合わせは大丈夫だったの? すぐに終わっちゃったみたいだけれども」

「内容はあってないようなものですからね。『最近どんな感じっすか?』みたいな定期確認の面談みたいなものですよ。高校の時の先生よりしっかり見てくれている感じするっすよね」

「所属タレントのメンタルケアも彼らの仕事の範疇と言う事なんだろうね」

「ちょいちょいリア充感醸し出して来る点以外は良い人っすよ」

「あぁ……愛妻弁当とか、スマホの待ち受けとかそう言ういかにもなのやってるらしいからなぁ……」

本来学校の先生方もそう言うところもお仕事の内なのだろうかもしれないが……昨今ではスクールカウンセラーという人がいるそうだが、私の時代にもいたところで結局何かが変わっていたってことはないだろう。きっと。カウンセラーに対して批判的とかそう言う訳ではなく、あの頃は本当に身内や本当に一部の親しい人以外は誰一人として信じられなかった。殻に籠って身を護るので精一杯だったのだ。

「設置も終わったので、ご飯行きましょ。ご飯。最近良いお店見付けたんすよ」

「そうだね。丁度お昼時だし、行こうか」

「邪魔が来る前に――」

「邪魔……?」

それが何かを尋ねる前に本日二度目となる事務所の廊下を元気いっぱい走る音が響いてきた。もはや到着を待つまでもなく、それが誰のものであるかは明白だった。元気だなぁ。転んで怪我しないかだけは心配であるが。

「怜さん!」

「怜せんぱーい!」

ブラン嬢と日野嬢の月と太陽コンビだった。御影君とは違い彼女達の打ち合わせは随分と時間がかかっていたようだ。表情を見るに別段打ち合わせ内容が重々しい内容であったり、彼女達に負担がかかるような案件ではなかったようで何よりだ。マネージャーのお姉さんとも仲良しのようで、よく一緒に食事に行ったりもしているんだとか。

彼女達はお姉さんのように慕っており、マネさんもそんな彼女たちを可愛がっている。よく2人の雑談でそう言った『てえてえトーク』を聞く事が出来るのでファンの皆さんは必聴である。私は別に彼女や他あんだーらいぶメンバーの配信を全てチェックは出来ていないので、各々の情報を全て網羅しているわけではないが、空いた時間に極力はアーカイブや切り抜き動画やSNSはチェックはしているんだけれども。ある意味営業活動的なところがある。コラボなり雑談等の場面でそう言った知識が生きてくることもある。

「っち、邪魔者が来やがったな!!」

「邪魔って何、邪魔って。生意気だぞ、後輩!!」

「そーだ! そーだ!!」

御影君の言う『邪魔』と言うのは月太陽コンビのことらしい。彼の言葉に日野嬢が即座に反応し「生意気」だと反論、それにブラン嬢が同意していた。誤解のなきように補足しておくけれども、彼らは別段険悪な仲と言うわけではない。喧嘩する程仲が良いとか、そう言う類いのやつだろうか。こう言うやり取りは普段ディスコ辺りでは日常的に見られるが、現実で会ってもそのスタイルなんだなぁ。ある意味心許している間柄だからこそ、ああいうやり取りが出来るんだろう。

「そもそも怜さん、怜先輩って馴れ馴れしくない?」

「いや、仲良しですし」

「オイオイ、ブランパイセンよォ! 仲良しって笑わせるぜ。俺なんて一緒の部屋で寝泊まりしたり、毎月オフで会ってるんだけどぉ? ふっははぁ!!」

「あーちゃん、こいつムカつくんだけど!!」

「この後輩滅茶苦茶マウント取って来るな」

「ドヤァ」

楽しそうだなぁ。御影君初対面相手だと人見知りする性質みたいなんだけれども、彼の中で身内判定されるととっても懐いてくれる。よくファンから大型犬に例えられることがあるが、言い得て妙だなとも思ってしまう。こう言う子に慕われるのは悪い気はしない。みんな今日の事務所での用事が終わったみたいだし、いつまでもここで駄弁っていても仕方がない。

「もうすぐお昼だし、この後みんなで食べていく?」

「勿論っすよ先輩! きっとこの子供たちは家でママがご飯作って待ってるんで、駅までは一緒に送って行きましょうよ、ええ。そのあと2人で食べに行きましょう」

「あたしとるーは元々今日は一緒に外で食べる予定だったので、平気なんですぅ」

「……じゃあ、仕方ないんで4人で飯行きますか」

「あーちゃん、こいつ露骨に苦虫を噛み潰したような表情で言ってるよ」

「すっごい不服そう」

御影君とは結構な頻度で食事に出かけているけれども、後輩ちゃんズと一緒に食事に行くのは初めてじゃなかろうか。柊先輩とのリアルイベントと言った配信関係で行くことはあっても、こう言った機会は1年以上活動していたがお初だ。これが表になると燃えるんだろうなぁ、と思いつつもこの子たちの性格上黙っている訳はないだろうなーと半ば諦めている。

「そっちと食事行くと絶対炎上しそうじゃん!」

「ごめん、それは否定できない」

「滅茶苦茶笑顔だし全然悪いって思ってないでしょ、日野パイセン……」

御影君も私と全く一緒の事を考えていたらしい。彼は彼で私程ではないが、日々批判の声を多く受けているだけあって、思考も似てくるのだろうか。当人の反応を見るに本気で嫌がっていると言う訳ではなく、あくまでネタとして言っているので微笑ましいやり取りだ。

「でもそもそもSNSとかで情報を発信しなければ燃えないのでは?」

「それはちょっと面白くないんで」

「怜さん、その選択肢はないんですよ」

「怜先輩、それはないです」

後輩一同にダメ出しされる先輩の図である。VTuberはエンターテイナー故、その辺りのご指摘は至極ごもっともだ。事務所に偶然居合わせて仲良くみんなで食事に行ったと言うことで違和感もないだろうし、これが私と女性後輩ちゃんズ2人だとあれだが、今回は御影君もいるのでまだビジネスライク感を強く推せるだろうか。ともあれ今更多少燃えたり、小火騒ぎになるのを気にすることもない。少なくとも悪い事をやっているわけではないからね。

「じゃあ、みんなで仲良くお昼とでもSNSで発信しよっか」

「「「はーい」」」

◇◆◇◆◇◆

あんだーらいぶを語るスレ XXX配信目

124 名無しのライバー ID:AmBybEL5y

結局脱サラの謎配信は終わったのか

125 名無しのライバー ID:BV6PD087C

終わったぞ

――――――――――――――――――――――――

神坂怜@お昼配信お休み@kanzaka_underlive

スチールキャビネット完成しました

思ったより時間かかっちゃいましたね

pbs.twimg.vcom/media/cabinet

――――――――――――――――――――――――

126 名無しのライバー ID:H0toTuLwG

>>125

思ったよりでけぇ!

127 名無しのライバー ID:5hzFIFfq5

>>125

もう一回り小さいやつ想像してたぞ

128 名無しのライバー ID:/pP74aGJm

>>125

ガチでオフィス用のやつやんけ……

129 名無しのライバー ID:AJCoFtQO3

やってることが休日のお父さんなんよ

130 名無しのライバー ID:ssiK92Aow

いつもオカンやってるから

たまにはそっちもやんないと

131 名無しのライバー ID:HbaCObkMH

ミカが途中でやってきてお手伝いしてたな

132 名無しのライバー ID:hhIIEg8qO

何の用事もないのに脱サラの配信見て来た男

133 名無しのライバー ID:1nJAyd4dc

相変わらずよう懐いとる

134 名無しのライバー ID:XurzFmsIG

なおその後仲良くランチに

――――――――――――――――――――――――

御影 和也@kazuya_underlive

怜先輩とランチ行くぞ行くぞ

なんかオマケで月太陽パイセンいるけど

――――――――――――――――――――――――

ルナ・ブラン@luna_underlive

あーちゃんと、怜さんとランチ行ってきます

なんかくっそ生意気なミカ後輩もオマケでいるけど

――――――――――――――――――――――――

日野灯@akari_underlive

るーと怜先輩、運動できない方の後輩

とランチに行ってきまーす

――――――――――――――――――――――――

135 名無しのライバー ID:mc/Cr6SGI

仲良く……?

136 名無しのライバー ID:oaUWAb+UI

まあ、仲良しではあるな

137 名無しのライバー ID:yrj6gcain

脱サラの取り合いに何故か参加するミカ

138 名無しのライバー ID:n4/ROIMBT

露骨に月太陽コンビに対抗意識を燃やす男

139 名無しのライバー ID:LnwQfgOod

もうすっかり舎弟ポジ

140 名無しのライバー ID:SCSR16cq1

男女で飯行くだけでも燃えそう(小並感)

141 名無しのライバー ID:bzKYnjFV5

脱サラとミカとか余計に燃えやすいからなぁ

142 名無しのライバー ID:h4VeEcC/k

箱推しにはただのてえてえイベントなんですがねぇ

143 名無しのライバー ID:MoBthread

朗報 脱サラお年寄りに人気!

――――――――――――――――――――――――

御影 和也@kazuya_underlive

ランチのお店に到着するまでに

2度お年寄りに道を尋ねられてた怜先輩

やっぱり良い人オーラ出てるんだよな

――――――――――――――――――――――――

144 名無しのライバー ID:Dpe4s9dsj

>>143

145 名無しのライバー ID:SpwT4jWic

>>143

容易に光景が想像できるな

146 名無しのライバー ID:gckineki/

>>143

あまりにも解釈一致

こいつやっぱ良い奴なんだよ……

147 名無しのライバー ID:NSvX5PA5M

呟いてる時間的にも

流石にリアルタイムじゃなさそう

148 名無しのライバー ID:mnGE8+NU+

何なら日程もズラしてる説もある

149 名無しのライバー ID:hmH9fvOGt

今日ではあるんじゃね?

ルナちゃんと灯ちゃんが雑談でランチの話してた

150 名無しのライバー ID:rOEwbAz6y

月「近くの幼女に懐かれてた」

灯「あの人年下に好かれ過ぎない?」

月「ほんとそれ!」

151 名無しのライバー ID:IQhLxsKEp

あっこりゃああああ!

152 名無しのライバー ID:iali78VVS

なんでだよww

153 名無しのライバー ID:MoBthread

幼女に好かれる脱サラ

ギルティ……

154 名無しのライバー ID:AX5pecXfh

と言うか年下に好かれ過ぎるって

自分たちも含まれてるやんけ……

155 名無しのライバー ID:ytqKKP31l

あっ……(察し)

156 名無しのライバー ID:W2Lfh3F95

確かに年下特効持ってそうだよな

157 名無しのライバー ID:gckineki/

元々面倒見の良いお兄ちゃんなわけで

当然と言えば当然なのでは?

158 名無しのライバー ID:3P4aMP15b

と言うかあいつアラサーだし

結構な確率で年下だろ

159 名無しのライバー ID:aNRA42VJ/

何てこと言うんだお前!

160 名無しのライバー ID:3/mMjnra6

さ、さっきお年寄りにも好かれてただろ!!

161 名無しのライバー ID:Ar/0UpMKe

単なるお人好しなだけでは……?

162 名無しのライバー ID:gfv2RuCOJ

ちな幼女に好かれる経緯

幼女に何故か観察されてる脱サラ

視線に気付き

お得意のコインマジックを披露

すっかり懐かれる

163 名無しのライバー ID:EYDdffv91

こいつ前も泣いてた幼女をあやしてたよな……

164 名無しのライバー ID:e5zp2hkJY

カードマジックも出来るらしいが

コインは常に持ってるからな

165 名無しのライバー ID:yOcyahGDM

謎に多芸な男、脱サラ

なお配信には生かせない模様

166 名無しのライバー ID:q9VqkmtEN

ここまで来ると逆に凄いよな

これだけのスペックを持っててこれっぽちも生かせてないあたり

167 名無しのライバー ID:EZSWGJEaD

そう言うところがあるから

ファンにガチ恋が多いんやろなぁ

168 名無しのライバー ID:MoBthread

月「その女の子がお店のお孫さんだった」

太陽「懐かれた結果、料理1品とデザートがオマケされた」

月「終盤膝の上に座ってた」

太陽「配信でも聞かせないくらい良い声であやしてた」

月「あれを普段の配信でやれば良いんじゃ?」

太陽「それができないのが怜先輩なわけで」

月「そう言う不器用なところも魅力的なんですけどねー」

太陽「2人の絡みはてえてえだったよね」

月「マイナスイオン出てそうだった」

169 名無しのライバー ID:PCw5v6Tvj

人情味あふれる展開ダナァ

170 名無しのライバー ID:gckineki/

あ゛ぁ゛ん゛?!

ねえ、そのボイスについて詳しく

そのボイスどこで買えますか??

なんで販売しないんですか?

171 名無しのライバー ID:2pexACvfi

幼女が声フェチになってたら

お前のせいだぞ、脱サラ

172 名無しのライバー ID:dbnBGzH9+

――――――――――――――――――――――――

御影 和也@kazuya_underlive

俺の怜先輩と小さい女の子が仲良くお話してるところ

滅茶苦茶てえてえシーンだった

皆にお見せできないのが残念

あの時店にいた全員ニヤニヤしてた

――――――――――――――――――――――――

173 名無しのライバー ID:Ata+a3ur4

他のお客さんもいたのかよ!!

174 名無しのライバー ID:Pjb3P/Ar7

SNSとかにあがったら

滅茶苦茶バズりそうなネタだよね

175 名無しのライバー ID:pUErDJeYi

こいつやっぱV向いてないわ(誉め言葉)

アラサーがVTuberになった話。書籍版6巻、コミカライズ版2巻発売中。

リアルスパチャよろしくお願い致します。

コミカライズ版次回更新は5/24更新予定です

【6巻特典情報】

■メロンブックスさん

・6巻有償特典『女帝とニートの雑談』

・6巻通常特典『霧咲季凛 冬のお出かけ』

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2858940

■ゲーマーズさん

・6巻有償特典『柊冬夜と新戸葛音の立ち話』

・6巻通常特典『酢昆布 犬の散歩』

https://www.gamers.co.jp/pn/pd/10784300/

■アニメイトさん

・6巻特典『イラストカード』

https://www.animate-onlineshop.jp/products/detail.php?product_id=3061427

■BOOK☆WALKERさん

・6巻購入特典「で、結局誰なの……?」

https://bookwalker.jp/de20f47faa-f6af-4423-9e02-a85d519691a4/

コミカライズ版連載開始しています。

次回更新は6/7更新予定です。

https://comic-walker.com/detail/KC_005559_S?episodeType=first

コミカライズ版2巻の表紙は月太陽コンビです

こちらも限定版の特典付きがございます

■メロンブックスさん

ルナ・ブラン アクリルフィギュア

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2885514

■ゲーマーズさん

日野灯 アクリルフィギュア

https://www.gamers.co.jp/pn/pd/10786794/

これで1巻の特典だった脱サラをサンドイッチすれば炎上再現できます(多分)

リアルスパチャ何卒よろしくお願い致します!

A Thirty-Something Becomes a VTuber

A Thirty-Something Becomes a VTuber

アラサーがVTuberになった話
Score 4.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2022 Native Language: Japanese
After quitting a toxic, overworking job on the brink of burnout, I, a thirty-something, somehow ended up becoming a VTuber named Kanzaka Rei under the virtual talent agency “UnderLive,” all thanks to my little sister’s persuasion. “I don’t really get this VTuber thing, but I’ll give it my all!” I thought, brimming with enthusiasm. However, in the female-dominated world of UnderLive, just being a male VTuber gets me bashed by viewers. To make matters worse, on just my second day, a fellow debutant causes a massive scandal, leading to their firing! Will this thirty-something VTuber, swarmed by haters, have any future at all!? …Well, it’s probably still better than working myself to death, right?

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset