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A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 273

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6月×日

「雨降って来たなぁ」

「この時期ジメジメして嫌ですよねぇー」

「それには同意しますけれども……なんで葵さんが我が家でくつろいでいるんですかね………」

「お母様が上がって下さいって言うもんだから、ついつい甘えてしまいました」

「あー、なるほど……」

平日の昼間。スーパーマーケットから帰宅したところリビングには見覚えのある顔があった。声優の葵 陽葵さん。主に美少女ゲームをメインに活動をしている活動上での名義ではあるが、VTuberとしても活動をしている。ちなみにそのガワを担当したイラストレーター……即ちママは酢昆布ネキである。活動をはじめたキッカケが私なんだと言うから驚きではある。私を通してこのV界隈を知って「自分も!」と思うようになったんだとか。個人としてやっているらしく、チャンネル登録者的には私の方が多いみたいだけれども当人は趣味の一環としてやっているらしく、数字云々と言うのはあまり気にしていないようだ。

「今回はなんでまたこちらに?」

「お祖母ちゃんの家、スマホとテレビ買うらしいから、それのお付き添いです。本当は5月の連休に帰省して行く予定だったんですけれども、お仕事の収録が入っちゃってこっち来れなかったんですよ。なので少し時間取れたこのタイミングでこっち来たんですよ。休講ウェーイ!」

「教授の都合やら大学側の都合で急に休校になるケースありますもんね」

「そういう事です。まあ私も正直家電にそこまで詳しいわけじゃないんですけれど。レビュー見て高そうなのテキトーに店舗で選ぶつもりですけれど」

「その辺は使用者の好みもありますからね。必要な機能があって後は保証が効くとか……あとお2人の場合は配送と設置までやってくれるところの方が良いかもしれませんね」

「本人は買い替えもいらないとか言ってるんですけれども、テレビなんて画面に線入ってたりするんですよ」

「コネクタの取り付けとか背面のお掃除しても変わらなかったですか?」

「スマホで見て色々やってみたけどダメでしたね」

彼女はお祖母ちゃん子なので時折こうしてこちらにやって来ているらしい。何度も説明しているとは思うが、彼女のお祖母さんと言うのが、私が昔からかなりお世話になっているご近所に住むタヱ子さんだ。料理の師匠は母と彼女だったりするわけだ。今回はタヱ子さんがスマートフォンとテレビを購入するのでそのお付き添いの為の訪問とのこと。決して安い買い物でもないし、タヱ子さんくらいの年齢になるとその辺の判断が難しい事もあるのやもしれない。

「そう言うそちらはお買い物帰りですか?」

「まあ、そうですね」

「お買い物袋抱えて帰宅する。それを出迎えする私……これは実質夫婦では?」

「普段からそう言う冗談半分の発言してるといずれ配信中とかボロが出て炎上しますよ?」

「何度も炎上してる人が言うと説得力があるのかないのかよく分からないですよね」

「確かに」

彼女と会話をしながらも要冷蔵の食品類を冷蔵庫に入れていく。彼女とは直接会う事もしばしばあるし、時折チャットアプリでタヱ子さんの近況などの情報交換や世間話していたりもするので、お互いに昔ほど距離感を持ったやり取りはしなくなった。いや……そもそも初対面の頃から葵さんは距離感近かったような気がしなくもないが。とある事情による男性不信気味なのを考えると、今の関係はそれなりに信頼されている証だと思いたいところ。

「――で、何で母さんは『家政婦が見た』ポジションでこちらの様子をこっそり観察しているんですかねぇ」

「お母様可愛らしいですよね。見た目もすっごい若いし。場合によっては雫ちゃんと姉妹に見間違える」

「お邪魔かなと思って。うふふ」

今までのやり取りをリビングの隅っこから隠れるようにして見守っていた我が母上。ニヤニヤと妙な笑みを浮かべながら観察していたが、葵さんのお世辞にご満悦の様子。確かに身内の私から見ても同年代よりは随分と若く見えるが、マイシスターと姉妹は流石に言い過ぎだと思うけれど。葵さんはお仕事柄、年上の同業者ともやり取りをする機会も多いのか、扱いが上手いなぁと関心していた。人って言うのは伝え方にもよるけれども、基本的に褒められて悪い気はしないものなのだ。

一応最初は母が応対していたらしく、アイスティーと昨日私が作ったパウンドケーキが出されている。出来合いの個包装されたお菓子も確か仏間にお供えしてあった気もするのだが……こう言うの女性や潔癖症の人とかは嫌がる人も多いだろうし、そっちをお出しするべきだったのでは?

「ねえねえ、うちの子どう? 身内が言うのもあれだけどお人好しだし、家事はほぼ完璧。収入面がちょっとアレだけど」

「えー、急に言われても困るなぁ。えへへ」

葵さんも母の変な冗談に付き合っていないできちんとビシッと断って頂きたい。何故か嬉しそうに笑いながらパウンドケーキを食べているんだけれども。いや、そもそもこれ母さんはあまり冗談のつもりでは言っていないのかもしれないが……同年代の人たちが結婚しただの、子供が出来ただの色々話は聞いているわけだし、いつまでも実家暮らしのアラサーがいると言うのはご近所的にも外聞が良くないのやもしれない。まあ、そう言うだけで私を無理矢理くっ付けようとかそう言う事は、母の性格上考えられないので……あくまで冗談半分と言ったところだろうか。

「そうだ。この前から配達関係で段ボール溜まってるから、それまとめてきて」

「了解。母さんも葵さんにあまり迷惑をかけないように」

「母に向かって失敬な」

「葵さんも変なノリに付き合わなくて良いですからね?」

「私は割と楽しんでますけれど」

「…………」

そう言われると困る。そそくさとビニール紐とハサミを持ってその場を後にする事にした。最近私宛の荷物やら、他に家族がネットショッピング等で買い物をすることがあって、それらの梱包に使われていた段ボールが結構溜まり始めていた。私もそろそろまとめてゴミ出ししないとな、と思っていたところだったし丁度良い頃合いだろう。

「あの子、変わってるでしょ?」

「はい。すっごく。でも私はそう言うところも含めて彼なんだと思いますから」

「仲良くしてあげてね。超絶シスコンだけど」

「ははは、それはもう紛うことなき純度100パーセントのシスコンですもんね。超仲良くするので、大丈夫です」

「あらあら、なんだか早とちりしちゃいそう」

「してくれてもいいですよ?」

「本気なら親として何一つ反対する理由はないけれども。本気なら、ね」

私がリビングを出たところで2人のそんなやり取りが聞こえて来た。幾つになっても子は親には頭が上がらないものらしい。複雑な心境になりつつも、会話を聞かなかったことにして与えられた役目を果たすのだった。

◇◆◇◆◇◆

「もしかして我が愛しの妹は傘を忘れて行ってしまったのだろうか?」

「あー、そうかもね」

「じゃあ、ちょっと迎えに行ってくる」

「相変わらず過保護よねぇ。まあ良いけれど。出掛けるならついでにこれ郵便ポストに入れてきて」

「懸賞ハガキって今もあるんだなぁ」

「そりゃあ、あるでしょうよ」

朝の天気予報では40パーセントだったのだが、午後から一気に天気が崩れてしまい夕方には土砂降りになっていた。マイシスターの愛用の傘は傘立てに刺さったままであることから、恐らく持って行っていないだろう。いつも折り畳みの傘を持って行くようには言ってあるが、この降り方だとズブ濡れになってしまうだろう。制服はまあすぐ乾くから良いとして、靴は色々と面倒だな。それにあの子が風邪をひいてしまうかもしれない。それは兄として看過できない。

「何か前に兄がスポーツカーでお迎え云々って言うのは切り抜き動画で見たことがある気がする」

「事実ではあるんだけれども……身バレしないのだろうか、私は最近心配」

「今日もそれで行きましょうよ、お迎え」

「あの子から怒られるの嫌なので、SUVの方で行きます」

「えー、つまんなーい。女の子はスポーツカーのお迎えに憧れるものなんです。そうじゃなかったらバイクで後ろに乗るやつ!」

スポーツカーには分類されるが四人乗れなくもない。2人乗りの車種も検討候補にあったらしいが、一応その辺だけは父親が自重したのか母の許しが降りたのがこれだったのか分からないけれども。よく休日に「ちょっと転がしてくる」とドライブに出かけたりしている。たまに母も一緒についていくので何だかんだ夫婦円満で何よりだ。

「じゃあ、私もついていきます」

「何故?!」

「そっちの方が面白いから!!」

「えぇ……」

母の方に助けを求めて視線を送ると満面の笑みで車のキーを渡して来た。人様乗せて事故でも起こしたらどうするんだ。いや、まあ安全運転はするつもりだけれども……しっかし、これマイシスターにどう説明したものか…………

◇◆◇◆◇◆

あんだーらいぶを語るスレ XXX配信目

366 名無しのライバー ID:rU0/UITyy

梅雨っすね

367 名無しのライバー ID:iEX6xpbNt

暑くね?

368 名無しのライバー ID:W5Fz9opHM

日本って四季あるんじゃなかったっけ?

ってなるよなぁ

369 名無しのライバー ID:8+H/oguTP

もっと他に話題ないのかよ……

370 名無しのライバー ID:2yeEmhaYp

昼配信がないねん

371 名無しのライバー ID:aM6Y6g1jD

空き巣配信でお馴染みの脱サラはどうしたんだよ!!

372 名無しのライバー ID:gckineki/

雨だから雫ちゃんのお迎え行ってる

――――――――――――――――――――――――――

十六夜 真@makoto_solidlive

親友の神坂雫(@kanzaka_shizuku)

雨で大好きなお兄ちゃんがお迎えに来ていてご機嫌です

――――――――――――――――――――――――――

373 名無しのライバー ID:M38iWgUp5

>>371

こいつ本当ブレないな

374 名無しのライバー ID:XQCaqAZ6g

>>371

うーん、このシスコン&ブラコンさぁ……

375 名無しのライバー ID:FUBdQvJUq

>>371

雫ちゃん絶対口では文句言いながら

嬉しそうにしてるんだろうなぁ

376 名無しのライバー ID:C8e0Gzku0

雨でお迎えとは羨ましいですなぁ

377 名無しのライバー ID:MQbUAM4Qk

実際雨の日に家族がお迎えに来るケースはあるからなぁ

378 名無しのライバー ID:0/Va3620p

田舎だと車持ってること多いしな

割とあると思うが

379 名無しのライバー ID:2bRsgHE3B

なお当人の反論です

――――――――――――――――――――――――――

神坂雫@kanzaka_shizuku

嬉しそうになんてしてないです

雨だったしラッキー程度です

でもまあ、お礼は言うけど……

――――――――――――――――――――――――――

380 名無しのライバー ID:aiMzRBIld

雫ちゃんかわよ

こんな妹ならそりゃあお迎えにも行くで

でも身バレとか平気か?

381 名無しのライバー ID:LT9k1RTYl

全国的に雨模様だから大丈夫じゃね?

382 名無しのライバー ID:DMknzItk7

あっ……

――――――――――――――――――――――――――

十六夜 真@makoto_solidlive

近くまで送ってもらう事になった

送り狼こわーい

――――――――――――――――――――――――――

383 名無しのライバー ID:rrxjmVu2a

>>382

あっこりゃあああああ!!

384 名無しのライバー ID:nc/di/sGH

>>382

アカン……

385 名無しのライバー ID:nC4kvNhK5

>>382

消せ消せ消せ

386 名無しのライバー ID:3WT6UIknG

>>382

今月もノルマ達成か

387 名無しのライバー ID:MoBthread

ワイも自分の車に雨に濡れたJK乗せたいンゴねぇ

はぁー、ホンマこいつ許せねぇわ

388 名無しのライバー ID:Nt6TymUlL

ハイエース乗ってそう(小並感)

389 名無しのライバー ID:98Ah8LkAk

中古の軽とかじゃね?

390 名無しのライバー ID:GwX5NPZF9

そもそも免許持ってるかも怪しい

適性検査で落ちてるだろ

391 名無しのライバー ID:MoBthread

失礼だな

免許持っとるがな!

ペーパーだけど

392 名無しのライバー ID:Et/b7b0SG

ペーパードライバーかよ!

393 名無しのライバー ID:8IuaaGPDN

まあ実際身分証明書として取得するだけして

乗らないってケースもままある

394 名無しのライバー ID:MoBthread

そもそも運転手いるし

あと黒塗りの高級車で乗り付けるからな

395 名無しのライバー ID:uhM5tT0Mc

はいはい、妄想乙

396 名無しのライバー ID:bFbeO0oL3

はい、お爺ちゃん

コンちゃんの配信始まったから実況しましょうねー

397 名無しのライバー ID:v6p4RvOh5

夕方配信とは珍しいな

珍しくゲーム配信じゃなさそう

398 名無しのライバー ID:pbzylXNmx

そういや収益化配信やるとか言ってたな

399 名無しのライバー ID:NoA3j4+ht

コンちゃん「配信用スマホないなった」

400 名無しのライバー ID:uKYu2yNGF

401 名無しのライバー ID:45G/+lwMF

何やってんだよ!

402 名無しのライバー ID:rGmTecsQ8

デビュー1月も経たず何やらかしてんだよ、この子ォ?!

403 名無しのライバー ID:NiD8EaEFe

あんらいメンバー配信用スマホなくしがち

404 名無しのライバー ID:x299j8ax1

配信用スマホないのにどうやって配信してるんだ?

405 名無しのライバー ID:Gaj8GEhdU

ガワは動いてないやろ?

406 名無しのライバー ID:GwJEFjieY

バーチャルのガワ動かすためのやつやな

顔認識を利用しているとかなんとか

あんらいは自社開発産らしい

407 名無しのライバー ID:3A3shMiuf

あんらい驚異のメカニズム!

408 名無しのライバー ID:LitIrpu61

コンちゃん「不味い不味い不味い」

猫ちゃん「なんでアタシまで……」

コンちゃん「ゲスト枠」

猫ちゃん「ただ失せ物探しさせてるだけでしょ」

コンちゃん「同期の絆だぞ、てえてえだろ?」

409 名無しのライバー ID:sxiHTt5eg

猫ちゃんェ……

410 名無しのライバー ID:Ti4dcK3It

同 期 の 絆

411 名無しのライバー ID:p5YyWhI0g

それなんか違うと思うんですが……?

412 名無しのライバー ID:CEAt0T89W

コンちゃん「スパチャが飛んできたところから探すか」

猫ちゃん「収益化記念配信がどうしてこうなるの」

コンちゃん「忘れられない思い出の日になるじゃん?」

猫ちゃん「悪い意味でね!」

413 名無しのライバー ID:P3TKN3hDU

こんな収益化記念配信あってたまるか!!

414 名無しのライバー ID:SMU/B1xjf

コンちゃん……あんらいって感じだな

415 名無しのライバー ID:k7Y1XWyfM

脱サラのさっきの問題が無事目立たず鎮火しそうで何よりだぜ

416 名無しのライバー ID:3RjVohhgH

それフラグでは……?

417 名無しのライバー ID:e3VNdr4jH

今頃とんでもない騒動に巻き込まれている可能性が微レ存

『アラサーがVTuberになった話。』書籍版6巻、コミカライズ版2巻発売中です。

リアルスパチャ頂けますと幸いです。

コミカライズ版3巻発売中、書籍版7巻は9月29日発売予定。

書籍版7巻は書下ろし、加筆約15万字です。対戦よろしくお願いします。

限定版の特典付きがございます

■メロンブックスさん

アレイナ・アーレンス アクリルフィギュア

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=3080224

■ゲーマーズさん

柊兄妹 アクリルフィギュア

https://www.gamers.co.jp/pn/pd/10815556/

KADOKAWAさんのラノベWEBマガジンの『メクリメクル』の創刊記念で本作も協力させて頂いております。

サイン&イラスト入り複製色紙プレゼントキャンペーンやっています。

https://x.com/mequrimequru/status/1945654247212941772

また、書籍版7巻は秋頃を予定しています。

【6巻特典情報】

■メロンブックスさん

・6巻有償特典『女帝とニートの雑談』

・6巻通常特典『霧咲季凛 冬のお出かけ』

https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2858940

■ゲーマーズさん

・6巻有償特典『柊冬夜と新戸葛音の立ち話』

・6巻通常特典『酢昆布 犬の散歩』

https://www.gamers.co.jp/pn/pd/10784300/

■アニメイトさん

・6巻特典『イラストカード』

https://www.animate-onlineshop.jp/products/detail.php?product_id=3061427

■BOOK☆WALKERさん

・6巻購入特典「で、結局誰なの……?」

https://bookwalker.jp/de20f47faa-f6af-4423-9e02-a85d519691a4/

コミカライズ版連載開始しています。

次回更新は8/16更新予定です。

https://comic-walker.com/detail/KC_005559_S?episodeType=first

A Thirty-Something Becomes a VTuber

A Thirty-Something Becomes a VTuber

アラサーがVTuberになった話
Score 4.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2022 Native Language: Japanese
After quitting a toxic, overworking job on the brink of burnout, I, a thirty-something, somehow ended up becoming a VTuber named Kanzaka Rei under the virtual talent agency “UnderLive,” all thanks to my little sister’s persuasion. “I don’t really get this VTuber thing, but I’ll give it my all!” I thought, brimming with enthusiasm. However, in the female-dominated world of UnderLive, just being a male VTuber gets me bashed by viewers. To make matters worse, on just my second day, a fellow debutant causes a massive scandal, leading to their firing! Will this thirty-something VTuber, swarmed by haters, have any future at all!? …Well, it’s probably still better than working myself to death, right?

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