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A Thirty-Something Becomes a VTuber – Chapter 286

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6月×日

前回から引き続き温泉旅行中の一幕である。冷え性、自律神経不安定症など様々な症状に効能があるらしく、幸運な事に我々の貸切り状態だった。自宅でもお風呂には浸かるけれども、大きなお風呂で目一杯身体を伸ばして入れるのは気持ちが良い。ついつい長風呂になってしまったが、その甲斐もあってか身体が少し軽くなったような気がした。その後創作物の世界ではよく見るお約束展開の卓球に興じる事となったのだが――

「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ。俺もう無理っすぅ」

「な、なかなかごっほごっほ、いい勝負だったぜぇ。ぐぅっへおっほ。この魔王もごっほごっほ」

御影君と柊先輩が息も絶え絶えな様子で語るが、同じようにプレイしていた私と朝比奈先輩は多少息は切らしながらも流石に2人程ではない。日頃から運動していない中でこんな風に動けばそりゃあそうなる。それに加えてこの2人は撃ち合いの際にアニメや漫画顔負けの叫びや必殺スマッシュの名前を叫びながらプレイするもんだから、余計に体力を消費してしまっている節がある。とは言えこれは競技ではなく、あくまでも仲間内で楽しむための物なのである意味一番正しい楽しみ方と言えるだろう。

「でもなんで温泉と言えば卓球、なんだろうね」

「確かにそうですよね。浴衣姿でも無理なくできますし、卓球台は折り畳みも出来るので普段使わないときには場所も取らないとかそう言った事情もあるのかもしれないですね」

「なるほど。あ、そうだスマホで皆で記念撮影しとこう」

「記念撮影?」

「そ、ほら女子組からはちょこちょこ写真ディスコの方に貼られてるけれど、こっちはそう言うのやってないからね。そっちもやれよ的なご意見があってね」

どこからか取り出した自撮り棒を使って手慣れた所作で撮影を試みるも、首を少し傾げているところから察するにお気に召さなかったらしい。撮影用の機材を一旦卓球台の方に置いてから、バテバテでぐったりしている御影君の足を引っ張って位置の調整を行おうとしていたので、私が上半身を持つことにした。

「なんか死体運んでるみたいだね」

「傍から見ると確かに不審者感丸出しですよね」

「お、俺はまだ死んでないっすよ。お水ほちい」

「はいはい、今買ってあげるから」

「う゛ぅ゛、俺もぉ……」

お誂え向きにすぐ脇に自販機があったので、彼のリクエスト通りに水を購入する。柊先輩の分だけでなく、私とそれから特に声は上がらなかったが朝比奈先輩の分の合計4本分。ちなみに電子決済で。最近少しずつ電子マネーでの支払いをする事が増えてきた。いつだったか柊先輩とその妹さんである夏嘉ちゃんと一緒にオフコラボの買い出しに行った際に、電子マネー支払いが初めてであたふたしていた事があって以降は時折利用するようになっていた。

本当は新幹線もモバイルや交通系ICカードと紐付ければ、チケットレスにすることもできるのだけれども……どうにも紙のチケットじゃないと安心できないので、毎月のようにあんだーらいぶ事務所へ顔を出しているのにも関わらず未だに昔のままだ。流石にチケット購入はみどりの窓口じゃあなくて、ネット予約だけれども。

ちなみに私が自販機で購入している間にも撮影のリテイク準備をしている朝比奈先輩。柊先輩の場所がお気に召さなかったらしく、強引に身体を引っ張っている姿が目に入った。傍から見ると絵面が酷い。浴衣を引っ張ったりして伸びたりしないように必死に運ぶ辺りに朝比奈先輩の気遣いを感じる。もっとも運ばれている側の柊先輩にはそれは伝わらないだろうけれども……彼の口の端から涎がこぼれ落ちているが、漫画なら一緒に魂まで抜けていそうな表現がされていることだろう。

「――それはともかくとして、汗かいたのでもう一回お風呂行きませんか?」

「賛成」

「俺はシャワーだけにするー」

「サウナの水風呂入りたい」

「御影君、それすると体調崩しそうだから止めた方が良いのでは?」

「そこまで貧弱じゃないっすよ?!」

◇◆◇◆◇◆

「ほい、食事も終わってあとは寝るだけって状態なんで雑談配信。柊冬夜だぞ。今は後日公開用の動画の簡単な台本みたいなの書いてる」

「録音データの無言部分カットしたりとかしてるっす。御影和也でーす」

「僕は今配信のコメント欄見てる。いえーい、みんな見てるー? 朝比奈あさひだよー」

[男子組も配信枠来たか]

[うおおおおお!]

[女子組だけかと思ったけど、枠助かる]

[あれ? 1名いなくね?]

いつもの如く配信を始めている面々。SNSへの書き込みは時間帯をズラしていたけれども、こうして配信していて大丈夫なのだろうか? まあ、温泉に行ったくらいのノリだから平気なのだろうか? 一応同業者さんも似たような事をやっていた前例はあるようだが……

「怜くーん、みんな呼んでるよー?」

「えーっとお茶汲み兼運転手の神坂怜です? いや、この挨拶もどうなんだろうか」

[鎖骨]

[さこつ]

[エロい鎖骨の人だ]

[イイ身体してる人だ]

「どう言う認識なんですか、皆さん?!」

「いやぁ、さっき画像送ったら思いの外好評だったみたいでねぇ」

「腹筋とかもっとすごいからな、ふふん」

[何でミカが誇ってるんだよ]

[お前とラギーはもうちっと運動しろ]

[健康には気を付けるんやで]

先程撮影した画像はディスコの方に貼り付けられたのだが、どう言う訳だか鎖骨が褒められる謎現象があった。よりにもよって女子組が今の我々と同じように生配信している最中にその感想を述べた物だから、『鎖骨さん』だとか『鎖骨がエロい人』だとかよく分からないコメントが飛んでくる始末である。まあ、褒められているんだと思うので別段気にしていないのだけれども……とは言え、女性Vからそうしたお言葉を賜るとそれを良しとしない人が一定数いると言う事は既に皆さんご想像の通りだろう。

「弁明するとわざと服をはだけさせたとかではないですからね」

「いや、寧ろ僕がサービスショットとして狙って撮ったからね」

「そんな需要ないですからね」

「あるから!」

[あ゛?! あさちゃんありがとう、本当にありがとう……!]

[普段オフの時に仕事してる組がフリーなのか]

[確かにいつもと逆やな]

[動画や編集関係はやっぱラギーとミカの方が得意やろうしな]

「てかそもそも神坂はここに来るまでの運転とかしてたし、あさちゃんは宿の手配とか日程組んだりしてくれたしな。負担としては皆一定あるさ」

「ラギ先輩って黙って作業してると仕事できる感ありますよね」

「お前滅茶苦茶失礼だな、オイ!」

[確かにラギーが静かなの珍しいよな]

[ちょっと解釈違い]

[この配信のノリも嫌いじゃない]

[あ゛ー……この部屋の壁になりたい]

その後なんでもない雑談を少しして配信枠は閉じて明日は少しゆっくり過ごした後帰路に就く予定なので、全員布団に入ってやはり疲れていたのかあっと言う間に意識を手放した。きっと温泉での癒し効果も相まっているのだろう。

「…………ん?」

なにやら気配を感じて薄目を開いてみると柊先輩がふすまの向こうで作業しているキーボードのタッチ音が聞こえてきた。「進捗どんなもん?」と言う柊先輩の声とそれに応える御影君の「もう少しで終わりそうっすね」と言う会話。夜中にこっそり起きて作業しているようだ。こちらも起きて何か手伝った方が良いものか? いやいやあの2人は私たちにあえて隠れて作業しているのであれば、軽々しく顔を出す行為は彼らの気遣いに泥を塗る事になりかねない。

「あの2人なんだかんだ真面目だもんね」

「朝比奈先輩も起きてたんですか」

「案外キーボードのタッチ音って響くじゃない?」

「確かにそうですね」

「それに皆寝る時間がいつもよりずっと早かったからね」

「朝比奈先輩も作業中ですか」

「事務所スタッフから作成中の動画送られてきたから、それチェックして気になるところメモしてたところ」

「こちらの作業と同時並行で事務所スタッフさんも動画制作してるんですよね」

朝比奈先輩も起きていたらしい。スマホで事務所から送付された制作中の動画をチェック中らしい。我々が録音、台本を一部考えて提出し、あんだーらいぶの動画制作チームさんとクラウドを通じて全員で作業を同時並行しているみたいだ。後で私も時間を見付けてチェックしておかなくては……それにしても便利な世の中になったものだ。ネタは鮮度が命、と言う事なのかゆっくりと羽根を伸ばすつもりが、やはり配信や動画と言ったYourTuberとしての活動がどうしても頭から離れないのは最早宿命だろうか。

その後皆さんが作業を終えて再び床に就くまではじっと寝たふりをしていたのはここだけの話。本当は暗い部屋の中でスマホの画面を見ることは身体に良くないんだけれども、マイシスターへメッセージを投げてみたり、スマホで朝比奈先輩のように動画をチェックしてみたりとかやっていたが、やはり本格的な動画作成に何も寄与していないと言うのは罪悪感に苛まれてしまうな。私ももっと動画作成関係の勉強しなくてはと決意するのだった。

◇◆◇◆◇◆

翌日帰りの車内の中、昨日夜遅くまで動画のための作業をしていた皆さんは眠っていた。一定間隔で寝息が聞こえるのを聞いて、私は少しだけアクセルを踏む力を緩めた。なるべく揺らさないように、いつも以上に丁寧な運転を心掛けた。

「楽しかった。また皆で旅行とか行きたいな」

◇◆◇◆◇◆

あんだーらいぶを語るスレ XXX配信目

644 名無しのライバー ID:B+jBUv7L8

男子組の配信もはじまったか

645 名無しのライバー ID:nwZFeifhW

鎖骨がエロイ人だ!

646 名無しのライバー ID:oVKPNfgX0

そのコメント流れててて思わず吹き出したぞ

647 名無しのライバー ID:gckineki/

そこまで言われるとどうなのか気になるだろ……

本当にさぁ……

648 名無しのライバー ID:wAN7+d/bL

男子組温泉卓球後サービスシーン

畳:バテバテ

ミカ:バテバテ

脱サラ:元気(鎖骨)

あさちゃん:元気(ウィンク+おへそ)

649 名無しのライバー ID:/ebBN25/W

女子組といい画像がないのが悔やまれる

650 名無しのライバー ID:JdJNLnn2g

VTuber特有のお悩みやなぁ

651 名無しのライバー ID:+DQLlB5eI

酢昆布ネキやmikuriママあたりがきっとなんとかしてくれるだろ

652 名無しのライバー ID:U9u5XuN64

元々のVのガワや公式イラスト関係でも

脱サラは鎖骨アピールされてるのはmikuriママの性癖なのか

653 名無しのライバー ID:w7s3IWghK

それはありそうやな

654 名無しのライバー ID:gckineki/

あ゛ー……でも誕生に一枚噛んでいるらしい酢昆布ネキのかもしれない

655 名無しのライバー ID:hi22BOGaJ

酢昆布ネキの意見もある程度反映されたんだっけか

656 名無しのライバー ID:lQNwen3pq

リアルの写真とか送りあうのなんかこう……

批判されそうではある

ワイもちょっとモヤる

アンスレ民みたいに誹謗中傷とかは絶対しないけどさ

657 名無しのライバー ID:j4qRZhiTX

バーチャルなのにリアルを持ち出すと

批判を生むのはまあ致し方ないし

そう思う人もいるのは当然か

658 名無しのライバー ID:HRmPTmXKU

最近は割とリアルとの境界線があんまりないというか

そもそもリアルも含めた活動みたいなところもあるしなぁ

659 名無しのライバー ID:fD4uWOg71

活動としてのスタンスが昔とちょっと変わってきたってのはあるな

660 名無しのライバー ID:u3WU4+YL/

確かに

このリアル旅行云々も昔なら考えられなかったよな

661 名無しのライバー ID:MoBthread

なおハッス評価

畳:ふとももえっち

ミカ:二の腕えっち

脱サラ:鎖骨えっち

あさちゃん:おへそえっち

総評:えっち

662 名無しのライバー ID:MTFbtN59d

>>661

うーん、この……

663 名無しのライバー ID:Gl+cMN9Oc

>>661

ハッスの目には映るもの全てエッチに見えるのか(困惑)

664 名無しのライバー ID:VkmHA1iB5

>>661

なおこのあとルナちゃんと男子カプトークで盛り上がった模様

665 名無しのライバー ID:E7BapfdFG

男子組動画作成しながら配信してんのか

666 名無しのライバー ID:fzJ7Q1KnK

根っこは真面目な人間が多いんだよ、ここ

行動や言動があれな連中は多いが

667 名無しのライバー ID:XCgSlOS+W

パコガワ「せやな」

668 名無しのライバー ID:tn394eV2P

>>667

や め ろ

669 名無しのライバー ID:nNKqNHzQ3

>>667

あんらいガチ黒歴史はNG

670 名無しのライバー ID:u9fg37ZpY

>>667

なお普通に配信者として活動中

脱サラより数字が強い模様

671 名無しのライバー ID:1DaT4qLPE

672 名無しのライバー ID:iwr3EHIX0

脱サラ負けてるのかよ(困惑)

673 名無しのライバー ID:LqL7eTNoE

両方事務所スタッフと協力して動画制作は進行してるっぽいな

674 名無しのライバー ID:o0naGM5BE

畳とミカがメイン作業か

675 名無しのライバー ID:bj01pmF+o

脱サラは運転してきてたし

あさちゃんは宿屋日程の調整

得手不得手きっちりわけてる

676 名無しのライバー ID:sHJHyEKZP

畳「かんざかー、お茶ぁ」

脱サラ「はい、少し待って下さいね」

ミカ「怜先輩、なんか食べる物」

脱サラ「お煎餅ありますよ」

677 名無しのライバー ID:tQGw3W/PW

カーチャン……

678 名無しのライバー ID:y9Wqn7LsT

空気感すこ

679 名無しのライバー ID:xC9Sy41ZI

畳の言う箱は家族って言うのは割とガチでそうだよな

680 名無しのライバー ID:ACpk0Soe5

あさちゃん「温泉街で迷子になった幼女を保護した話とかする?」

681 名無しのライバー ID:hikIg2WTv

事案か

682 名無しのライバー ID:1N1hnUDNb

もしもしポリスメン?

683 名無しのライバー ID:MoBthread

脱サラやはり許せん

畳「驚くほど手慣れた様子で保護する神坂」

あさちゃん「手慣れてたね」

ミカ「流石先輩だぜ。すぐに幼女の心を掴んじまうんだ」

脱サラ「なんかちょっと人聞きの悪い言い回し止めてもらって良いですか?」

684 名無しのライバー ID:o58HOcSnp

>>683

あっこりゃあああ!

685 名無しのライバー ID:54WmriQDR

>>683

脱サラ低評価

686 名無しのライバー ID:7ctsEPT9K

>>683

やたらと年下特効持ってるよな、こいつ

687 名無しのライバー ID:bihggXDu1

歳の離れた妹持ちなのが根っこにありそう

688 名無しのライバー ID:KFQXb+Qyi

言ってしまえば迷子保護して交番に引き渡したって話なんだが

689 名無しのライバー ID:4SC+fHL2w

脱サラ「地元だとスーパーでお年寄りに商品の場所を聞かれる」

690 名無しのライバー ID:8uAflXOOC

691 名無しのライバー ID:41CSFX7Od

年上もいけるやん!

692 名無しのライバー ID:O08+ho0jr

年上どころの騒ぎじゃねぇだろ

693 名無しのライバー ID:gckineki/

まあ、うん

解釈一致

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次回更新は11/22更新予定です。

https://comic-walker.com/detail/KC_005559_S?episodeType=first

A Thirty-Something Becomes a VTuber

A Thirty-Something Becomes a VTuber

アラサーがVTuberになった話
Score 4.6
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2022 Native Language: Japanese
After quitting a toxic, overworking job on the brink of burnout, I, a thirty-something, somehow ended up becoming a VTuber named Kanzaka Rei under the virtual talent agency “UnderLive,” all thanks to my little sister’s persuasion. “I don’t really get this VTuber thing, but I’ll give it my all!” I thought, brimming with enthusiasm. However, in the female-dominated world of UnderLive, just being a male VTuber gets me bashed by viewers. To make matters worse, on just my second day, a fellow debutant causes a massive scandal, leading to their firing! Will this thirty-something VTuber, swarmed by haters, have any future at all!? …Well, it’s probably still better than working myself to death, right?

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