本日3話目。前回優秀過ぎて順応してしまった読者様方は何もおっしゃられませんでしたが、誤字修正していない状態で投稿していました。申し訳ない!
日本サーバのとある場所。
そこに英雄という存在が集まっていた。
「全員集まるのはこの間の邪神との戦い以来かしら?」
「ふむ。そうだな。それぞれ個別に会う機会はあるが、全員とというのは久々かもしれんな」
「うちのお得意様が陛下に手紙を届ける時が1番集まったときかねぇ」
英雄は合計8人。
それぞれ国や世界において非常に重要な立ち位置にいて、様々な分野でその力を発揮している。
前回全員で集まったのは邪神復活を阻止するイベントの時。それ以降に集まった中で1番数が多かったのは、賢者と教皇の師匠であり大商人のお得意様であるプレイヤーが国王に手紙を届ける時だ。
その時には、
「私と勇者以外は全員集まっていたんでしたっけ?」
「ええ。そうなるわね。あの時は2人以外全員師匠がパートナーか準パートナーになっていたわけだし」
英雄の一人である姫が確認して、賢者がそれにうなずく。
その賢者の言葉の中で、
「あの時は、ですか。すでに勇者も準パートナーとして賢者の師匠を受け入れてるんですよね!良いですねぇ皆さんおんなじ1人と関われて!!」
「「「「え、えぇ?」」」」
姫が少し怒った様子で話しだす。周囲の者達は困惑させられた。
だが、姫の言葉は止まらない。
「なんですか!私だけ仲間外れなんですか!全員特別な関係に成れてるのに、私だけカヤの外なんですか!?ズルいズルいズルいズルいズルい!私だってお友達になりたいですぅぅぅぅ!!!!」
「で、殿下。落ち着いてください」
「そうであるぞ。我らは英雄、民たちの見本であらねばならん。それに、いくら外見が変わらなくなったとはいえ我らの年齢は、「レディに年齢の話をしないでください!!」グフォッ!?」
娘である姫をなだめようとした国王は、姫の重い一撃に沈む。
ただ、さすがにデリカシーがなさすぎると他の英雄である女性陣たちからも冷たい目が向けられ誰も味方にはなってくれそうにもなかった。
そんな様子を見ながら、
「最近聖女も筋力トレーニングをしていたのですが、後衛職の女性陣に何かあったのでしょうか?」
「さぁ?そこは俺にもサッパリ。だが、怖いから話題には気を付けないとな」
「ですね」
国王を除いた英雄の男性陣、教皇と勇者は同じ轍を踏まないように気を付けようと心に誓うのであった。
ただ、結局そんなやり取りが行なわれても、
「私もお友達になりたいですぅぅ!!」
姫の機嫌と口から出る単語が変わることはなかった。
国民からもプレイヤーからも幅広く人気がある姫だが、誰だかは分からないがそんな彼女にすら会いたいと言わせる存在がいるらしい。何も知らない誰かがこの発言を聞けば、それはもう人たらしな人物なのであろうと予想されるだろう。
「姫様も優秀な方なんだがなぁ」
「あの下僕の一件以来絶妙に外からの人間へ言い表しがたい感情を抱いてるみたいだし、仕方ない話なのかしら?」
「下僕をパートナーから降格させるのも気が引けるという話ですし。お優しいですからねぇ」
英雄の女性陣からは、姫に同情を含んだこれまた言い表しがたい感情を含んだ視線が向けられる。
姫のパートナーは土下座して下僕でもいいからパートナーにしてほしいとか頼みこんできた存在であるため、普通の関係性のパートナーを持ちたい気持ちがあるのだ。
ただ変な人だと困るというので微妙にプレイヤーとの関係も持ちづらく、だからこそある程度の信用性がある姫以外すべての英雄が関わりのあるプレイヤーと自身もつながりを持ちたいと考えたわけだ。
「賢者!お願いです!会わせてください!」
「え、えぇ」
「何ですか?不満なんですか?ダメなんですか?私のことはやっぱり仲間外れにしたいんですか?」
「いや、そんなことはないわよ。ないんだけど……」
賢者に詰め寄る姫。将来そういう意味でのパートナーができた際にヤンデレにでもなりそうなほどに、彼女の瞳は濁っていた。
「……………はぁ。分かったわよ。師匠に会ってくれないか頼めばいいんでしょ?でも、頼むだけよ」
「はい!それでいいです!よろしくお願いしますね!!」
魔女さんがあきれた様子で頷き、姫は気合を入れる。彼女の頭には、賢者の師匠とお友達になりキャッキャウフフとしながら遊び買い物をしてお出かけするヴィジョンが鮮明に描かれていた。ただし、肝心の賢者の師匠の部分だけは某探偵漫画の犯人のように黒塗りになっている、
だが、
「何で断られたんですかぁぁぁぁぁ!!!!!!」
数日後姫は膝をつき、泣き叫ぶことになる。
賢者の師匠から面会を拒否されたということで。
いや、正確に言えば、
「師匠。師匠にお会いしてお話がしたいという人がいるのですが」
と賢者が師匠に問いかけてみたところ、
「えぇ?最近そういう人多いですね。屈辱さんしかりガチ恋コールさんしかり」
「そうですね。それだけ師匠の名が売れたということです………で、どうでしょうか?」
「もちろん構わないですけど、条件はいつもの通りここにきて私の休憩時間だけ、ということになりますよ?」
「あぁ~。やはりそうなりますよね………」
師匠に出された条件。それが問題だった。
姫は、腐っても王族なのである。面倒な申請をして師匠がどうにか面会を可能にした国王と同じ、王族なのだ。
そう易々と他人の下へ赴けるような立場ではなく、師匠の言葉は実質面会拒否に近しい物となってしまったのだった。
もちろん、師匠の側はそんなことを一切知らないが。
「皆………皆私のことが嫌いなんですよねぇぇぇぇぇ!!!!!」
「姫様落ち着いてくださぁぁぁぁぁぁい!!!!!」
お陰でいろいろと大変なことになってしまったのであった。
あんな「本編に関係しない話をダラダラ書くのは嫌いだ」とか気取って言ってた作者がこんな閑話みたいなものを書くなんて……………変わっちまったなぁw
…………べ、別に姫虐がしたかったわけではないんですですよ?