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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 131

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伊奈野の転職先が何やら過去に逸話を作っていそうなものだった。

『やはりあれか?これからは積極的に英雄などを狙い最強を目指すのか?』

「いえ。そんなことしませんよ。私の目的と明らかに合致しませんし、時間の無駄すぎませんか?」

「本当ですか?ご興味がおありでしたらダンジョンにいる冒険者や傭兵などと戦うのも良いと思うのですが」

「いえ。やらないです」

迷うことなく首を振る。何のメリットもないのだから。

(転職するのは百歩譲って良いんだけど、変に勘違いされないと良いなぁ。そんなバトルジャンキーっぽい人がなってた職業なら、私まで戦うのが好きって勘違いされちゃいそうじゃん)

どちらかと言えば職業がバレた場合のデメリットの方が多いように思えた。

「ごまかせないですかね?」

「ごまかす、と言いますと?」

「今の『覇者』という職業であることを隠すってことです。バレても面倒くさいことになりそうですし」

「ん~。職業を隠すというのは装備を変えたりステータス鑑定を防いだりと色々対策方法はありますが………まあ隠したいのならば自分から言わなければ一先ず問題ないと思いますよ。きっと『覇者』の装備なんて知ってる人はいないでしょうし。骸さんが言うには何百年も前、下手すると1000年以上前の職業みたいですからね。装備なんて今時知っている人はいないはずです」

「そうですか?……………まあ、そうだと良いですね」

希望的観測でしかないが、そうであることを伊奈野は祈る。

伊奈野はどういった条件で転職したのかは分からないが、伊奈野が転職できたということは他のプレイヤーにも転職できる可能性が高いと思われる(伊奈野視点で)。

となると、NPCにはバレなくともプレイヤーにはバレるのではないかと思われた。

(いや、逆に考えよう。たとえバレるにしても、私が転職できたくらいだから数人は転職してる人もいるはず!そこまで珍しい職業じゃないんじゃないかな!たぶん!!!)

と、無理やり思いこみつつ。

その後ダンジョンの経営方針や今後の対応を協議した伊奈野はその日ログアウトし、次の日、

(バレないよね?というか、バレても大丈夫だよね?)

ドキドキしながらログインし、ログイン地点で周囲を見回す。

道行く人々は伊奈野の格好に目を向けてくることもあったが特に驚いたりすることもなく自然な様子で通り抜けていく。

(セ、セーフ!!珍しいとは思われてないね!)

まずは第1関門突破と言って良いだろう。

あとは転移後、

「おはようございます」

「あっ。師匠、おはようござ、え?」

「おはようございま、す?」

挨拶をする伊奈野に視線が集中し、挨拶の返しが途中で止まる。

全員困惑したような表情を浮かべていて、

「もしかして師匠、転職されたんですか?」

「あっ。実はそうなんですよねぇ。アハハッ」

質問を受け、伊奈野は困ったように笑いながら正直に答える。

そうしながら反応を見ていると、

「なるほど。恰好から考えると魔法使いからの順当転職ではなさそうですね………格闘家系でしょうか?」

「いや。格闘家系ならあまりにも転職が早すぎるのでは?特殊職の可能性が高いでしょう」

「でも、格好は明らかに格闘系ですよ?あの感じ、おそらく鎧もなさそうですし」

「ん~。どうなんだろう?修練系の特殊職の可能性はあるんじゃない?修行僧とか」

「あぁ。なるほど。修行僧とは格好が違いますが、修練系なら確かにあり得ますね」

議論は盛り上がっている。それぞれ伊奈野の職業を考察しているようだが、誰一人として『覇者』の名は出していない。

ということは、

(よし!バレてない!私は戦闘狂だとは思われてないってことだよね!良かった~)

とりあえず一安心である。面倒くさいことに巻き込まれる可能性が高い伊奈野の職業にまつわる諸々は隠すことができそうだった。

「いやぁ~。今日も勉強日和ですね~」

「あっ。はい。そうですね。ところで師匠は職業をどうやって……………って、もう勉強始めてる」

「相変わらず早いですね。後で聞くことにしましょう」

「そうしよっか」

伊奈野はこれ以上職業について聞かれることを回避し、なおかつ純粋にやっておきたかったので勉強を始める。

このまま時間をかけてごまかしていけば、うやむやになって全員忘れていくだろう。

そう。何もなければ、実際そうなっていたはずだった。

だが残念なことに、

「……………ふぅ~。休憩休憩」

1時間程度経過し、伊奈野が勉強をやめて休憩に入る。

そこで顔を上げてみると、周囲から無言で視線を向けられていることに気づいた。

「え?み、皆さん、どうかしたんですか?」

あまりにも急なことに困惑する伊奈野。

勉強中周囲の状況も見ることができていなかったためなぜこうなっているのかはさっぱり予想がつかず、

「し、師匠」

「は、はい。何でしょう?」

「師匠が『覇者』って、本当ですか?」

「…………………………え?」

(なんで、バレた?)

先ほどまで知らずに考察していたはずなのに、なぜか職業を言い当てられてしまった。突然のことに困惑する伊奈野の視界の端では、本来牢屋に入っているはずの見覚えのある存在が興味深そうに笑みを深めている。

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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