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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 3

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「俺が先だああああぁぁぁぁ!!!!!」

「クエストを受けさせろおおおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」

「進め!止まってんじゃねぇ!」

響き渡る大声。

大勢が叫び、群がり、押し合い、どうにか自分の目的を果たそうとしているように見える。

「ログイン初日だから当然、かな」

伊奈野は届いてすぐにログインしたが、実は今日がログインが可能になる日だったのだ。そのため今日という日は初ログインとして参加してくるものが多く、混雑するのも当たり前。

特に、チュートリアルやその後に行うことに必要な場所などは混雑するのではないかと予想できた。

が、

「まあ、チュートリアルもその先も関係ないからいいんだけど」

伊奈野の望みは勉強のできる場所のみ。彼女の視界の端に映りこんでいる、『チュートリアルを受けますか?』という表示も全く関係ないのだ。

もちろん、

「何か分からないこともあるかもしれないし、残してはおくけど」

YESかNOを選択する問いなのだが、NOを選べば恐らく消える、

ただ、どこでどう壁にぶつかるか分からないので、一応残しておくのだ。わざわざ消さなけばならないといけないほどのものでもないし。

「さて。できれば混雑しているあっちには近づきたくないけど」

伊奈野はプレイヤーの集まる方向から離れ、勉強できそうな場所を探す。目星をつけている場所は、図書館だ。

きっとそういう場所なら勉強できるし、こういったゲームにも存在すると考えられる。

このまま探し続ければ見つけることも可能ではあるだろうが、

「すみません」

「ん?なんだい?」

彼女はできるだけ早くたどり着きたい。ということで、現地の人間、NPCに聞くことにしたのだ。

このゲームのNPCもAIがかかわっているようで、柔軟性が高く人間に近い動きをみせる。

伊奈野の質問も理解し応えてくれるのは間違いない。

「ちょっと道をお尋ねしたいのですが………何か先に買うのが礼儀なんでしたっけ。私ここに来たばかりなんですけど、買えるものとかありますか?」

何か聞くときは商品を買うというのはほかのゲームでも良くあること。

これを言われる前に行うことでNPCからの好感度を上げられるゲームもあったため、伊奈野はそれを含めて考えて安全策を選択した。

そんな伊奈野の思惑は、

「おぉ~。礼儀の分かってる子だね。今時珍しいくらいだよ………とりあえず最初に持ってるのがいくらかは分からないけど、これならギリギリ買えるんじゃないかねぇ?」

思惑はばっちり決まった。

露店をやっていたおばあs、ではなく、妙齢の女性が、少し悩んだ後に1つの腕輪を差し出してくる。

「800Gの腕輪だね。町の中とか限定だけど、自分の行ったことのある場所に何度でも転移できる効果があるんだよ」

「へぇ。良いですね………えっと。所持金は1000Gとか書いてあるので買えますね。購入させていただきます」

願ったりかなったりとでも言おうか。

1度図書館に行くことができれば、あとは好きなタイミングで転移していけるということだと思われる。伊奈野は即決で購入を行ない、おそらくチュートリアルでも使うのではないかと思われた所持金の8割を使う。

「で、何か聞きたいことがあるんだろう?」

「あっ。はい。そうなんです。図書館に行きたくて」

「あぁ~。はいはい。図書館なら向こうだねぇだいたいここからこう進んで………と、説明するのも面倒だねぇ。ちょっとサービスで地図も渡しておいてあげるよ」

途中まで説明してくれたのだが、伝えるのが面倒になってきたのかややこしくなってきたのかしたようだ。

妙齢の女性は伊奈野にこの町のものだと思われる地図を差し出してきた。

「い、良いんですか?ありがとうございます」

渡された地図を眺める。

そこには現在地と、町全体の各施設が記されていた。この町で過ごしていく分には非常に便利なものである。

「図書館はここだね」

「ああ。なるほど。分かりました。ありがとうございます」

「いやいや。気にしないでおくれ。せっかく買ってくれたお客さんなわけだし、サービスするのも当然だよ。気を付けていっておいで」

「はい。ありがとうございます」

伊奈野は頭を下げ、足早にその場を去る。老婆はその背中を興味深げに眺めていたが、伊奈野は一切振り返ることもなかったので気づくことはなかった。

そして、地図を頼りに彼女は数分歩き、

「ここ、かな」

ついに目当ての物を見つける。

中世な雰囲気を持つこの世界では違和感を感じさせるほど大きなその建物は、現実のものと同じくらい大きいのではないかと思わされた。

「さぁ。勉強の時間だね」

一瞬足をとめたが、それ以上時間をロスするつもりはない。

彼女は迷いなくその図書館へと入っていくのだった。

「………広い」

やはり中はかなりの広さがある。いろんな種類の本があるようで、時間があれば眺めてみるのもいいかもしれないと思うほどだ。

そこからすぐに机に向かってもいいかとは思ったのだが、

「すみません。ここで勉強をするのは大丈夫でしょうか?」

念のためフロントへ許可を取ることもする。当然その返答はYESだった。

さて、こうなれば後はやることが決まっている。

このゲームでは現実の問題集などは持ち込むことができないが、インターネット上に転がっているものなら持ってくることができる。

そのため、いくらでもある練習問題などを引っ張り出しては解いていくことになるのだった。

「はぁ。時間があるって最高」


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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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