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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 30

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スライムのような何かを駆除し戻ってきた伊奈野。

相変わらず戻ってきてもフィールドは閑散としており人の気配を感じられない。

「まあ、私は私の仕事をしたってことで許されるでしょ」

多くの人がイベントに出ているということで同調圧力のような物を感じていないわけではないが、それでも伊奈野は自身の道を歩む。

ここで誘惑に負けるわけにはいかない。

「さぁ。早速続きをしようか!」

伊奈野は自身の片手に持っている本を片づけつつ、自分用の本を開こうとした。

しかし、本を片づける前に片手に握っていた本がその大きい方に触れ、

「え?何これ?いつの間にこんなに黒く!?」

ここで初めて自身が持っていた本が黒くなっていたことに気が付く。

しかもそれで驚いているというのに、

「え?消えてる!?……………って、黒いのが移って行ってるんだけど!?え?え?え?何!本当に何!?」

さらに混乱を招く事態となる。

伊奈野の持っていた本が溶けていくように消え、大きな本の方にその黒いものが移動しているように見えた。

バタバタと本を振ってそれを止めようとするが、一向に止まる気配はなく、

「う、うわぁ。真っ黒じゃん。完全に黒歴史ノートだよ、これ」

中学二年生の時にでも書いていそうなノートの色をした本。

どんな黒歴史が描かれているのかとふざけたことを思いつつ、伊奈野はその本を開いてみる。そこには、

「ん?書き換わってる?」

ペラペラとページをめくってみると、本の内容が伊奈野がまとめた内容とは別のものに変わっていることに気が付く。

彼女のこの受験に向けてまとめ上げた1冊が書き換わってしまっているのだ!

「な、なんてことを!私はもう勉強ができな………………………………くはないね。外部にデータは保存してあるから、新しいのはすぐに出せるし」

あくまでもこの伊奈野の本はデータである。

ここで1冊が書き換わったとしても、また同じものをダウンロードして来ればいいだけの話だ。何も問題はない。

それよりも、

「ん?ちょっと待ってこの本。もしかして全部これ、問題になってる?」

よく読んでみれば、書き換えられた内容は全て受験に出るような問題へと変わっていることに気がつく。つまりこれは書き換えられてしまったが、伊奈野に新しい問題を提示してくれたということにもなるわけで、

「え?この問題良いじゃん!これも良いし、こっちも良いし…………何でこうなったのかよくわかんない、こともないけどラッキー!イベントに参加して良かった~無料で質のいい問題集が手に入っちゃった!」

伊奈野は本がこうなった原因は、イベントに参加したことであると予想した。今の本の色と倒したスライムもどきの色も近かったように思えるし、ほぼ間違いない推測だと思っている。

「まあ、理由なんて何でもいいんだよ。いつまでこうなのかは分かんないけど、今のうちに解いちゃお!」

この本がまた書き換えられてしまわないうちに。そして、元に戻ってしまわないうちに。伊奈野は初めて出会う問題達へと挑み戯れるのであった。

それはもう、

「………………………………はっ!?いつの間にかログイン制限来てた!?」

と、初めて強制ログアウトをくらうくらいには。

伊奈野は休憩すら忘れて勉強していたのだ。それほどその新しく出会った問題達が魅力的で素晴らしかったのであり、決して普段はいる人たちがいなくて集中できたというわけではない。決して。

「明日もそのままだと良いなぁ~」

伊奈野はそんなことを思いながら現実世界でも机に向かう………前に少し体を動かしたりしつつ、健康を損ねない程度に努力を重ねる。

それから、次の日。

伊奈野は不安と期待を抱えながらログインし、

「よ、良かったぁ~。そのままだぁ」

伊奈野の本は相変わらず黒いまま。

解いたところを見て見ると何やら文章に書き変わっているがぼやけていて読みにくいため、とりあえずそれは一旦無視。解いた問題が消えてしまって後から見直しができないのは残念だが、解く問題が残っているだけでもありがたい。解いた問題は記憶に残しておいて後から書き写せばいいのだから。

「ふふふっ。解き甲斐がある………………………………ふふふふふふっ!」

怪しいくらいに笑いがこぼれる伊奈野。

本に問題の答えを書き込んでいけば次々に問題が消えていき、そのたびに伊奈野から怪しい雰囲気が増していく。

幸いなことにというか不幸なことにというか、まだ今はイベントの2日目でありイベント中。

その姿を誰かに見られるということもなく、伊奈野は黒い本の問題を解き続けるのであった。

「………………楽しい。ふへへっ。楽しい」

楽しすぎてそれはもう薬物でもやってるかと思うような雰囲気まで出しているが、伊奈野が自身を客観的に観ることはできない。その日のログイン時間のほぼすべてを使って問題を解いた伊奈野は、

「あれ?もう半分くらい解けたかな?」

昨日の分も合わせて半分ほど問題を解き終わっていた。それほど集中できたし、楽しかったわけである。

「このペースから考えればあと2日で全部解けるかな?新しいタイプの問題も多かったし楽しかったんだけどなぁ」

そんなことをつぶやきつつ伊奈野は本を閉じる。

伊奈野は気づかなかったがその表紙は、金色の文字で途中まで何かが書かれていた。解き終わって書き換わった文字も不気味にうごめいており、明らかに変化が起きている。

スライム的な何かの名称が安定しないw

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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