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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 396

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底の見えない穴を落下し横道に抜け、靄の濃度が高い方へと吸い寄せられるように伊奈野は移動していく。

罠の数々も危ういことはあったが何とか回避に成功しており、今のところ無傷で済んでいた。

そうしてしばらく危険と隣り合わせで歩いていたのだが、やっとその終わりも見えてきたのか、

「うわっ!濃い!?何も見えないんだけど!?」

伊奈野の目の前は完全に靄が覆いつくしており何も見えなくなってしまっている。この罠だらけの状況下でこれは致命的だ。

慌てて『エフェクト変更』を活用して各種変更した設定を初期値に戻していき、

「ふぅ。良かった。見えるようになった……………って、あれ何?いかにもな感じのがあるんだけど?」

『暗視』のおかげで周囲の様子がよく見える伊奈野は、近くに気になるものを発見した。靄に覆われていなければ視界の隅に入った段階できっと気になっていただろう。

それはなんともこの土で覆われた穴の中にあるには似つかわしくない物であり、

「何かのポッド、みたいな?」

見た目は完全に現代、というか近未来の装置。

現代風に近いものを言えば酸素カプセルで、ファンタジーに出てくる近未来風に言えば休眠ポッド。明らかに何かが中に入っているか、もしくは何かをため込んでいるか作り出しているか。

とりあえず詳しいことはさっぱり分からないが何かがありそうな気がしていた。

「ついでとばかりに隣に操作用の端末みたいなのまであるし……………ちょ、ちょっと触ってみていいかな」

明らかにここまでの仕掛けられていたトラップの数々を考えていれば明らかに危険な可能性の高い物だとは思われるのだが、伊奈野の好奇心は止められない。というか、ここまでそこそこ苦労してきた(なお精神が疲れ切っている状態であるため普段と比べて苦労の感じ方は10倍以上とする)ため、何か成果を求めているのである。ただ頑張ったという経験が何よりも大切なことなどと言う部活かと思うような考え方は通用しないし、納得できないのだ。

「今は靄が見えなくなっちゃってるから絶対ではないけど、たぶん何かしらの力の発生源。と考えれば、それを私のものにできればパワーアップ間違いなしなのでは!?……………使いこなせるかどうかも謎だし強くなったところであんまり意味はない気がするけど」

わざわざトラップのあるかもしれないものを利用してわざわざそこに仕込まれているものを得たとして、今後役に立つかどうかは分からない。どちらかと言えば中身が伊奈野の予想する通りのものであった場合役に立たない可能性の方が高いとすら思えてしまう。

しかしそれでも、現在の彼女は成果を得る方向へと動いた。

飛んで火にいる夏の虫と言ったところだろう。

「まずはここにタッチしてみて……………おぉ。やっぱり認証端末みたいな感じなのかな?」

捜査用の端末に手を伸ばし触れてみれば、装置が起動した。

突然端末と思われるそれの一部から光があふれ出し伊奈野は驚くが、しばらく接触し続ける。指紋認証なのか虹彩認証なのかよく分からないが、こういったものであれば何かしらで個別に認証をするというパターンが多いようにも思われる。

もしパスワードや合言葉なんていうものをもとめられたら面倒だったが、

「お?MPが減ってる?」

どうやらすぐに認証が起きるということはとりあえずないらしい。とはいえ変化が何もないわけではなく、伊奈野のMPが少しとは言えない量減少していた。単純に減っているだけでなく、感覚としては端末の方に吸い取られているといった感覚である。

ずっと吸収し続けるのか何かが溜まるまでなのかは分からないが、少し吸った程度で満足してくれるとは到底思えない。

が、

「ぁ。私の回復力なら余裕はあるかな?これ、本当になんで回復してるんだろう?」

かなりのペースで吸収されているものの、それ以上に伊奈野の回復量が大きい。伊奈野はある程度吸い取られても(吸い取られてなくても)一瞬にして回復して、そのうえ最大値まで上昇させるのだ。最大値が上昇するのはHPやSPも同じであり、ただ回復しているだけとは到底思えない。

それこそすべてが底上げされている、そんな風に見える。

が、伊奈野はあまりそこに関して深く考えることはなく、自分の回復力って結構高い方なんだろうなぁ、くらいにしか思っていない。

それよりも圧倒的と言えるほどに、

「何が出てくるかな。私の予想したものが出てくると面白くないし嬉しくないんだけど」

その端末を操作した結果どうなるのか。そして装置に何が入っているのか。

そういったことの方がよっぽど気になることとなっていた。

現在も勢いは衰えることなく伊奈野のMPは吸われ続けているため、それほどまでのものを必要とする相当すごい何かが出てくるのだろうと期待はどんどん膨らんでいく。もちろん、無限に吸収される可能性は無視だ。それはあまりにも夢がなさすぎるのだから。

そんな伊奈野の期待が届いたのかは分からないのだが、プシュッというビール缶でも開けたかのような空気が抜ける音が聞こえてきて、

「あっ。吸収止まってるし装置も動いてる!」

伊奈野がまず見たのは、何かがありそうな装置。端末ではなく本体だと思われる装置の方だ。それの一部分が動き、そこから白い煙が出てき始めて、何かしら装置に変化を与えられたということは理解できた。

それに加えて、MPの吸収もなくなっている。この装置の動きと併せて考えれば吸収し終わってチャージなり何なりが完了したため装置が動き出したのではないと思われた。

装置の一部分は中身を見せるためなのか一切音を立てることなくゆっくりとカバーのようなものを開いていき、

「さてさて。気になる装置の中身とご対面……………って、え?そんな感じ?」

伊奈野はワクワクした期待にあふれる表情で装置のカバーが開き終わるのを待っていたのだが、その中身を見たことにより笑みは消え困惑の色が見え始めた。

今更かという話ではあるのだがかなり大きな事件か何かに関わってしまったような気がしてしまうほどだ。

ではそんな風な変化を与えた中身が何であったかと言えば、

「……………人、かぁ。ちょっとどころじゃなくさっきから冷気が漂ってきてるし、コールドスリープ装置みたいな感じだった?」

人。

そう。中には人が入っていたのだ。それも、氷漬けにされた。

伊奈野は過去の遺物を目覚めさせたのである。

「……………いや、コールドスリープ装置は先に解凍してから蓋が開くものじゃないの?自然解凍に任せたら死ぬでしょ。結構今の状況ってマズくない?」

伊奈野は焦った様子でどうすれば目覚めさせてしまった(?)人を殺さずに済むかと考え慌て始める。

この状況では伊奈野の求めていた力やらなにやらの成果を手に入れたとは言い難い。伊奈野の探索は結局無駄な重荷を増やしただけに終わりそうである。

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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