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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 440

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結界にぶつかる音。

それは突然暴れ始めた本が発した音であった。

「急に!?いったい何が…………」

「力はそこまで強くないですね。しばらくは結界でどうにかなりそうです」

「しかし、今は大丈夫でもこの後保ち続けられるでしょうか?結構な暴れ具合ですよ」

今まで静かだっただけに、その暴れ具合には強い違和感を感じる。図書館にいる面々はなぜこうなったのか、そしてどう扱ったものかと頭を悩ませるのだった。

手っ取り早いのは倒してしまうことなのだが、

「変な機能を持ってて逃げられたりすると面倒なのよねぇ。解析が進んでないのが痛いわ」

「それに関しては私たちの力不足だというしかないですね。すみません」

「全力は尽くしたのですが、やはり呪いなどが絡み出来ますとどうにも…………やはり禁術ですので深入りできないんですよね」

「分かってるわ。責めてるわけじゃないのよ」

呪い。それはゲーム上、神によって制限されているという設定となっている禁術の1つである。

様々な制約がある関係上禁術の事はほとんど不明であるため、呪いが少し関係しているだろう本の解析は上手く進められないでいた。

だからこそ、分からないという恐怖がある。

今まで見てきた様々な呪いや魔術的な物の厄介さ。それを考えれば迂闊なことはできないのだ。

それこそ、黒い本に敵対しようとしないのと同じような感覚かもしれない。危険な代物であることは間違いないが、下手に何かしようと思えばいらない被害を受けかねないのだ。それなら放置していた方が短期的には良い。

今回の場合で言えば放置すると暴れて大変なことになりそうだが、無理に攻撃して倒そうとするよりは結界に閉じ込めておくなり封印するなりした方が安全なような気がするのだ。

もし攻撃して反撃に変な呪いでもかけられたら堪ったものではない。

そう警戒してとりあえずより行動が悪化するまでは観察と解析だけにとどめようと考えていたところに、

「あっ、すみません。私忘れ物してませんか?」

「おや。師匠?」

「忘れ物、ですか?」

「珍しいですね。特にそういったことはないと思いますが」

伊奈野が戻ってきた。

どうやら忘れ物をしたかもしれないらしい。

特に図書館のメンバーは気づかなかったが、それは単純に今まで本の方に気を取られていたからかもしれない。

一緒に探そうと考えたところで、

「あれ?止まってない?」

「え?…………ああ。確かに止まってますね」

「さっきまであんなに暴れていたというのに。読み友の影響でしょうか?」

「疲れたとかじゃないの?ご主人様の影響って何があるのって感じだけど?」

魔女さんが本の動きの停止に気がつく。先ほどまであんなに暴れて結界に衝突を繰り返したというのに、今は何もせずジッとしたままなのである。

まるで普通の本に戻ったかのようだ。

油断でも誘っているのかとそれぞれが怪しみ首をひねって、

「っ!これです。やっぱり本回収してなかったですよね」

「「「「あっ、そういう……」」」」

伊奈野がその結界の中にある本を見つけた。それを忘れものだと思っていたようである。

伊奈野も途中で問題が魔女さん達の作ったものにすり替えられていたことは伝えられていて分かってはいたが、どこにその本があるのかは把握していなかったのだ。

てっきり自動的に回収されている物かと思っていたら取り出そうとしても同じものが出てこなかったため、急いで戻ってきたというのが今回の伊奈野が戻ってきた理由である。

ただそう言われても先ほどまで本が暴れていた様子を見ていた面子は素直に渡すわけにもいかず、

「こ、これの回収はちょっと待ってもらってもいいですか?」

「少々問題が起きておりますのでまた次で良いですか?」

「え、えぇ?それ、まだ私やってる途中なんですけど」

返還を渋られ困った表情になる伊奈野。

それも当たり前で、ダンジョンのあるサーバでも同じように伊奈野は本を使って勉強しているのだ。今まで使ってきたものを急に使えなくなってしまえば困る者だろう。

とはいえ、伊奈野にとっては嫌でも図書館のメンバーたちが真剣であることもまた確か。

しかも本が結界らしきものにまで入れられているのだから何かが起きているのは間違いないように思うわけだ。加えて、

(というか、私がとろうと思っても取れないよね。結界ってミサイル何発も耐えられるし、私じゃ破壊できないよ)

伊奈野の脳裏に浮かぶのは、ダンジョンのあるサーバでの初期の記憶。

うるさい人と宗教勧誘少女のいた小屋がミサイルによる爆撃に合っていた時のものである。その時宗教勧誘少女が張っていた結界は、何十発ものミサイルに耐えていた。

その印象がある伊奈野としては、今目の前にある結界も自分では壊せるように思えないのだ。

いくら伊奈野に『牽制魔弾』の『繰り返し』があるとは言っても、それがミサイルの爆撃を超えられるとは到底思えない。

だからこそ伊奈野には選択肢などあってないような物。

一応説得して返してもらうというのも手ではあるのかもしれないが、現在は時間がないため、

「…………分かりました。次に来た時にはちゃんと返してくださいね」

諦めるほかなかった。

本1冊のために学校に遅れるわけにもいかないのだ。

それに、問題のデータ自体は伊奈野の方で保管してあるため同じ問題を出すことも可能だ。ただ、どこまでやったものかを瞬時に分からないことが欠点であるためできる事ならばしたくないことではあったが。

背に腹は代えられないためそれを選択するほかないだろう。

ただ、返してもらえないというのは困るため翌日ログインした時には返してもらえるよう釘を刺したのだが、

「ええ。全力を尽くします」

「頑張ります」

予想以上にはっきりとしない返答が来た。

多少はぐらかされるくらいは予想していたのだが、まさかここまで露骨に来るとは思っていなかったのだ。

ほぼ「行けたら行く」と同じくらい信用できない返答である。伊奈野も一瞬耳を疑った。

文句の1つや2つ、3つや4つ…………n個(n+1)個くらい言いたいところではあるがあまりにも時間が惜しいためそれをぐっとこらえて、

「よろしくお願いしますね?」

それだけ言って転移し、今度こそゲームから去って行った。

直後、図書館の部屋の中にはガタガタッ!と音が響き渡り、

「あぁ~。また動き始めましたね」

「これは師匠がいるかいないかっていうのが問題になってるのかしら?」

「読み友が関わってるのは間違いないでしょうね。ただ、作成者に執着を見せるというのもあまり聞いたことがない話ですが」

「あんまり聞いたことがないね~。呪いだから跳ね返されてかけた人にとかはよく気けど、別にそういうわけでもなさそうだし」

再び本は動き始めた。

もうこの状況から判断すれば本が動かなくなる条件は近くに伊奈野がいるということだと考えられ、何がそこまで伊奈野がいることによって変わるのかと本を眺める面子は考え始める。

そのまま活発な議論が始まって…………いくはずだったのだが、

「ん?変な声が聞こえないかしら?」

「そういわれてみると確かに聞こえますね。何でしょうか?」

「騒がしいですね。問題が起きているのかもしれませんし一応見てきます」

周囲からの声。

あまり聞いたことがないくらい騒がしいそれに意識がそらされる。

何かあったのだろうかと不思議に思いながら司書が外の様子を見に行けば、図書館の周りに人だかりができていることが分かった。

そしてその中心には見覚えのある人物がいて、

「あっ!司書!入れてくれ!!」

「…………何やってるんですか、魔王」

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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