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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 442

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「明日返ってくるかな…………」

伊奈野の頭を埋め尽くしているもの。

それは、図書館で結界の中に閉じ込められている伊奈野の本が返却されるかどうかということだった。1日程度であれば対処はできるが、あまり長いこと返ってこないようであるとどこまで進めたかもわからずやっていない問題が現れかねないのだ。

もし抜けた問題が本番に出るようであれば伊奈野としては耐えられない。

1日ぐるぐると頭の中を嫌な可能性が巡り、気分が重くなっていく。

そして、

「画智是、今日は一段と気合入ってるな。よく頑張ってる。どれくらいのペースで問題が進められてるか教えてもらっても良いか?…………おい?画智是?」

勉強の時間となると勉強への集中と不安が相まってゲームではないにもかかわらず周囲の声が聞こえなくなったりもした。

割合としては勉強への集中の方が大きいため、もしかすると普段よりも勉強が進んでいるかもしれないが、この状態が続くのはメンタル的にも問題があるだろう。

当然そんな様子の伊奈野を周囲は心配するわけだが、

「お嬢様?大丈夫ですの?体調が悪いとかでしたら一度お休みになられても問題はないと思いますけど。特に受験前ですし体調は万全にしておくべきだと思いますわよ」

「うん。ありがとう。でも、別に体調が悪いとかじゃないからきにしないで」

「そうなんですの?では、一体何が………」

その普段と違う状態となっている原因が分からないためどうしようもなかった。

体調不良なわけでもなければ、受験前の不安やストレスだともあまり思えない。となるとなぜ伊奈野がここまでおかしいのか特定できるはずもないのだ。

学校で一日中観察してやはりおかしいという結論に達した使用人の瑠季は、翌日も同じような状態で改善されていないようであれば問いただすことにしようと心の中で決めた。

そんない周囲から心配される伊奈野はやはり普段現実世界で行動している時より視野が狭まっているようで、心配をかけていることは理解していてもそれがそこまで深刻にとらえられていることまでは分かっていなかった。

そんな状態で保存していたデータを再度ゲームへと移送して、

「ログイン、と」

ダンジョンのあるサーバへと入る。

ログイン地点であるダンジョンの最奥にいる炎さんと骸さんに軽く挨拶をして、さっそく伊奈野は新しい本を開き、

「…………ハァ」

思わず小さくため息をこぼす。決して大きいわけではないが、シッカリと周囲に届く程度のものにはなっていた。

当然それは近くの2人の耳に(耳が存在しているかどうかは兎も角)届いているわけで、

『ど、どうしたダンジョンマスターよ!そんな本を開いてため息をつくなど今までなかったぞ!?悩みがあるなら話すといい』

「一体どうしてしまったんですかダンマス!普段ならため息どころか活き活きするところじゃないですか!何か悩みがあるなら専門機関へ相談などした方がいいと思いますけど…………ところで専門機関っていったいどこにあるんでしょう?この街にそんなもの見かけた記憶がないですが」

目に見えてうろたえ、慌てる2人。こんな事態は初めてなのだ。

今までどちらかといえばあまりよくないことが起きてもポジティブな雰囲気で勉強に取り組んでいたことが多かったため、勉強中ため息をつくなんてありえない。だからここの勉強という物が伊奈野にとっていい物であり喜ばしい物だと思っていただけに、こんなため息なんてつかれるとどうすればいいか分からないし不安になるわけだ。

もしかすると伊奈野は何かとてつもない問題を抱えているのかもしれない、なんて思うくらいには。

そうして本気で心配をされた伊奈野はというと、

「…………」

『「……………………」』

「………………………………」

「…………反応なし、ですか」

『で、あるな。そこはいつも通りか。安心したと言えば安心したが、事情を聴けないというのも不安であるな。もどかしい』

反応なし。いつも通り勉強に集中はできているようである。

だが今は、そのいつも通りが非常にもどかしい。今すぐその抱えているかもしれない爆弾が爆発しないか確認をしたいというのに、伊奈野の勉強が終わるまで待たないといけないのだから。

相手が伊奈野でなければ無理やりにでも作業を中断させて確認をはさむところなのだが、伊奈野であるからこそ勉強の邪魔なんてできない。

日本サーバで図書館のメンツが考えたように、下手に勉強の邪魔をしようものなら伊奈野が怒りかねないのだ。それはそれで非常にマズい。

今はもう、耐えるしかないのである。

『かなりの年月生きてきたが、この1時間は長そうだ』

「自分はまだ数年ですから、余計に長く感じられそうな気がしますよ。ダンマス、今回に限って早く終わるとかないですかね~。ちょっと途中で気になることが出てきたとかで」

『そうなればいいがなぁ。逆に、今回に限って長く作業が続くなんてことにならないと良いのだが』

「ハハハッ。さすがにそれは心配し過ぎですよ。まさか悩み事があってメンタルが不安定な状態で、そんなに長く集中力を保てるわけないじゃないですか~」

『であるか。さすがに悲観しすぎかもしれぬな。カカッ』

考えすぎだと笑う2人。まさか悩み事があるのに勉強にひたすら向き合い続けることは難しいだろうと思うわけだ。

なお、この会話はフラグである。

伊奈野がやってきてため息をついてから1時間が経過し。

いつもならばいったん中断して休憩に入るタイミングとなってもなかなか顔を上げない。

『だ、大丈夫であるよな?ダンジョンマスターはそろそろ終わらせる時間であるよな?』

「大丈夫なはず…………だと思うんですけど。いや、まさかそんな時間がかかるなんてことがあるはずが、ハハッ、ハハハッ」

『うむ。あるはずがないな。それこそ、今顔を上げるのではないか?ほれ、今、今だ』

そろそろ。そろそろ顔を上げるはずだ。

そう期待して2人は伊奈野が顔を上げるのを今か今かと待つ。ついでに声をかけてそのタイミングに合わせようなんていうくだらない遊びまで始めるくらいだ。

そしてそのまま数分、数十分、そして1時間と時間が経過していく。伊奈野の勉強の手は止まらないままに。

「…………いやいやいやいやっ!ちょっと待ってください!?なんであのまま1時間もぶっ通しで作業進めてるんですか!?普段なら1時間くらいで終わるところでしょ!?」

『いったい何が起きているというのだ?まさか、先ほどのため息は作業を暫く終わらせられないゆえのものであったりしたのか?だとすれば、余たちはとんでもない勘違いをしていたことになるが』

「可能性としては考えられるかもしれませんけど、そんなことありえますか?ダンマスの場合、しばらく作業を終わらせられないとしてもため息をつくまで嫌がるとは思えませんけど」

『ふむ。それを言われると確かにそうであるな…………だが、そうなるといったい何が起きているというのだ?相当深刻な事態だと考えた方がいいだろうか?』

「考えたくはないですけど、覚悟だけはしておいた方がいいかもしれませんね…………ハァ~。自分もため息つかないとやってられないですよ」

頭をかかえる2人。

どんどん悪い可能性が浮かんでくるのだからやってられないのだ。

「どうしたんですか?そんなため息をついて」

「どうしたもこうしたもありませんよ。考えるだけで気が重いんですから」

『うむ。余も炎の気持ちはわかるぞ』

「そうなんですか?大変ですね」

「『…………ん?』」

「ダンマス!?」

『ダンジョンマスター!?』

「わっ、どうしたんですか?急にそんな大声を出して」

ここまで待って2時間と少し。

ようやく伊奈野は顔を上げた。

《称号『遅刻魔(無罪)』を獲得しました》

もしかしたら忘れられているかもしれない主人公の名字

画智是

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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