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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 487

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「ふぅ。いったん休憩」

1時間半ほど経過しただろうか。この空間にいるすべての存在が終わる時をまだかまだかと待っていた中、やっと伊奈野は勉強の手を止めたのだ。

これにより、事態は急変する。

まず伊奈野の威圧感が消えるのだから、行動を縛られている相手も動けるようになるのだ。もちろん『牽制魔弾』の効果を完全に無効化できるわけではないが、頑張ればまた回避して動けるようになるはずだ。

ということですぐにではないものの伊奈野への攻撃が予想され、

「…………あれ?あのモンスターどこ行った?」

その攻撃が来る前に伊奈野は首をかしげることとなった。

彼女の目には、どこにもそのモンスターの姿が映っていないのだから。かなりの巨体であり見落とすような存在ではないため当然伊奈野は困惑。

そんな伊奈野が視線を向ける先には、モンスターはいないものの、

「人?」

「…………我が炎、消ゆることなし」

人であった。しかも、言葉まで話している。

とはいえ、その言葉は会話を成立させるようなものではない。明らかに決め台詞のようなものに聞こえ、これは固定のセリフなのではないかと予想された。

柔軟なNPCが多い中で固定のセリフが設定されているなどこのゲームでは珍しい事なのだが、伊奈野のは特に気にした様子もなく、

「さっきのモンスターと同じ位置にいるせいで私の牽制魔弾が直撃してるけど大丈夫かな?」

こんなことを気にしていた。

知らない人がいたかと思えばその人は自分の攻撃を大量に浴びているのだから、これに焦るのも仕方のない事ではあるのかもしれない。

ただ、

「もう牽制魔弾は使わなくていいってこと?でも、同じセリフばっかりの人だとこの先どうすればいいのかとかわかんないしなぁ…………って、いつの間にか私の足元に炎来てない?滅茶苦茶熱いじゃん!なんで今まで気づかなかったんだろう?」

こんな風に油断をしていられる相手でもなかった。

伊奈野はしっかり見ていなかったため気づいていないが、この相手はモンスターが倒れた時に代わりに現れた存在なのだ。

なぜモンスターが倒れたのかと言えば、それはもう『牽制魔弾』を1時間半も継続して大量に食らい続けたからに他ならないのだが(1秒に1発1ダメージと考えると5400ダメージとなり、その1発のダメージも実際に当たった数も実際はもっと大きいためモンスターを倒せるだけのダメージとなってしまった)、そのモンスターを倒してもこの空間から脱出できていないのだからこの空間の主が考える何かしらの構想が続いているのは確実。

伊奈野の足元にある熱が消えていないことをも含めて考えると、モンスターがいなくなっても伊奈野の勉強を邪魔したかったのは確実であり、

「我が炎!消ゆることなぁぁぁぁぁし!!!!」

「え!?速っ!?」

ついに空間の主の目的は果たされた。威圧感がなくなり牽制魔弾への対処もしやすくなったことで、そのモンスターの後から出てきた人間は、伊奈野へと急接近してきたのだ。

その手にはなんとなく見覚えのある燃え盛る剣が握られており、間違いなく伊奈野へと振るうつもりだろうことを伊奈野も感じる。

ただ、それを今から回避しようにも圧倒的に相手の方が速度が上であり、伊奈野はそれを受けるか迎え撃つかしか選択肢はなく、

「『龍落とし』」

「グゥ!?」

ここで初めて、固定セリフ以外の言葉を聞くことができた。言葉とはいってもただのうめき声でしかないのだが、呻き声が聞こえたということは伊奈野の試みは成功したということ。

つまり、とっさに出した『龍落とし』は成功したということだ。

長らく使っていなかった(気がするが割とダンジョンのボス相手に使っていた)『龍落とし』はカウンター系スキルであり、成功すればほぼ確実に相手の動きを止めることができる。

だからこそそれなりにダンジョンで伊奈野も一時期使いこなせるよう頑張っていたスキルなのだが、今回はそれが成功するかどうかは少し不安だった。なぜなら相手がダンジョンのモンスターたちとは違い、人型なのだから。

当然その動きはモンスターとは変わってくるわけで、タイミングを合わせられるかどうかわからなったのだ。

「どうにか上手くいったけど、これどうしよう?とりあえず『並列思考』『牽制魔弾』『繰り返し』」

動きは止められたものの、その効果は少しでしかない。またすぐに動き出すことは予想できたため、伊奈野はまず『並列思考』を使って思考能力に余裕を持たせつつその余裕がある分で『牽制魔弾』を使用し続けられるようにした。

これで、また勉強中と同じように他の事を考えたり行なったりしながらでも『牽制魔弾」を連射できるというわけである。

これだけで内心伊奈野は勝利(?)を確信しかけたのだが、

「我が炎、消ゆることなし!」

「そればっかりだね…………って、なんか『牽制魔弾』蒸発してない!?」

ここで驚くべきことに、敵は伊奈野の攻撃を無効化して見せた。なんと全身から炎を吹き出し、牽制魔弾をすべて燃やし尽くしたり消してしまったりしたのだ。

特に蒸発するようなものではないが一瞬で消えるその光景は伊奈野には蒸発したように見え、認識は間違っているにしろ、

「え?これ、私にはどうにもならないのでは?」

危険な状況であることは理解できた。

伊奈野の1番と言っていいほど頼れる相棒だった『牽制魔弾』の『繰り返し』が無効化されてしまったのだ。どうにもならないと思ってしまうのも当然である。

一応有効打は『龍落とし』なのだが、

「『龍落とし』…………って、熱っ!?」

相手は今、炎を纏っている。そんなところに攻撃をすれば、伊奈野だって熱いしダメージを受けてしまうのもまた仕方のない事だった。

ただ幸いなことに、

「HPは減ってないね。そんなにダメージは大きくないってことかな?地形の固定ダメージみたいなものもジワジワ入ってるっぽいけど、これもまだそこまでひどい影響がある感じではないかな?」

伊奈野のHPにはまだまだ余裕がある。受けたダメージも地形のダメージも即座に回復できる回復能力が伊奈野には備わっているし、ずっと炎系の継続ダメージを受けているためかなり耐性もついてきているのだ。この調子で行っても、まだまだ伊奈野が負けるということはないだろう。

とはいえ、勝つ方法が簡単に思いつかないというのも事実だが。

「せっかく代わりを見つけられそうだったから頼りたくないけど、やるしかないか。来て……………………あれ?来ない?もしかして、ここって特別な空間で黒い本がこれないとかいう制限があったりするの?」

伊奈野は最後の頼みの綱ということで黒い本を出そうとするのだが、残念ながらこの空間に黒い本はやってこられないらしい。こんな事態は初めてであったため伊奈野は困惑するが、それでも黒い本に頼れないということは理解させられた。

こうなるともう選択肢はキルされるか、

「永遠にこっちへ来れないような状況を作るか、のどっちかしかできないよね?」

相手の攻撃をひたすら耐えてログアウト時間まで粘るか。このどちらかとなる。

この時伊奈野は防御のためのスキルとして思いつくものはいくつかあって、

「とりあえず大丈夫そうなのは、『魔力障壁』『かまくら生成』」

どちらも、自分が閉じ籠ったり相手を閉じ込めたりすることに使用できるスキルという認識のスキルだ。本当はここに『氷鎧』という防御スキルも組み合わせればもっと防御は固められるだろうという確信があったのだが、氷鎧は自身に凍結が入るという大きなデメリットがあるため今回は封印するしかなかった。

こうした結果、

「おっ。意外と『魔力障壁』が頑張ってるかな?ちゃんと壊れた時に作り直せば、ほとんど敵が移動できていない気がする。さすがにかまくらはこんな場所だからすぐに溶けちゃってるけど。この様子なら私は勉強してても問題なさそうかな?」

《称号『ボス監禁』を獲得しました》

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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