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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 508

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黒い本のようにプカプカと浮かぶ本。

それは、魔女さんたちが言うには邪神の攻撃をすべて避けきったものらしい。そういわれた直後は伊奈野には何のことだかよく分からなかったが、イベントにやったことを段々と思いだしてきて、

「あぁ。あの本まだやられてなかったんですか?もう1回どこかに放り込む必要があるでしょうか?」

「やめてあげてください!?本当に頑張っていたんですからね!??」

「いや、頑張っていたとしても私の害になる物を残しておくことはちょっと…………」

呪いを使う際の材料か何かに触れて、その手を洗わずに触った結果呪いのような何かの力を得てしまった本。それこそが伊奈野の目の前に浮かんでいる本だ。

イベントの際に注目が集まるようにして処分されるように誘導したつもりだったのだが、どうやら失敗してしまったらしい。

(私の想定よりプレイヤーとかから狙われにくくなってたってことは考えられるね。今の話を聞く限り、主にこの本を狙ってたのは邪神だけだったってことみたいだし)

伊奈野は自分の想定通りにはことが進まなかったことを感じ取る。もう少し周囲のヘイトを買ってくれるかと思っていたのだが、プレイヤーから狙われるということはなかったようだ。

ボスに狙われるとなると一点集中でこの本だけがターゲットにされるということは到底考えられないし、そこまで難易度が高い事でもなかっただろうと考えてしまう。

結果として、伊奈野は自分が甘かったとしか思わないのだ。この本の頑張りなど全く理解はしていない。

「手ごろな場所があればそこに放り込むんですけど…………あっ、そうだ。邪神の拠点とつながる裂け目を作るようなアイテムとかありませんか?そこに放り込んだらいい感じになるのでは?」

「本当にやめてあげてください!あっ、そういえば師匠が邪神の使徒を撃退してくださった上にあの面倒なアイテムまで使わせてくださったんでしたね。ありがとうございました」

「いえ。お気になさらず。もうお礼とかは貰っちゃいましたし」

話をそらすためなのか、魔女さんからはついでとばかりに邪神の使徒撃退に関しても礼を言われる。伊奈野もそういえばそんなこともあったなと思いつつ首を横に振る。

こうして伊奈野に別の話を振って反応させたということができたのだから魔女さん達の勝ちと言っていい。

後はひたすら、本の事なんて忘れるくらい関係のない話を振り続ければいいだけなのだから。

本もその周囲の空気を感じ取り、できるだけ目立たないようにひっそりと浮かんでいることにする。せっかく邪神の猛攻を耐えきって生き残ったというのに、こんなところで処分を決定されてしまってはたまらないのだから。

だが、そんな頑張りが効果を発揮してくれるかと問われると微妙なところだった。

何せ、脅威と言うのは気づいていないが伊奈野だけではないのだ。いくらそうやって伊奈野の注意は逸らせても、別の脅威がすでに本の事を捉えている。

そしてそんな脅威こそが、

「あっ、黒い本。興味でもあるの?」

黒い本である。

先日は伊奈野の背中を押して壁にぶつけてしまったことから助けを借りられず上位存在さんによる強引な力の利用をされてひどい目に遭ったこともあり、少し精神が落ち着いていなかった。そのため、衝動的な行動が多くなってしまうのだ。

そして同時に、上位存在さんに好き勝手されない程度には力をつけたいという気持ちも強くなっている。

その結果として、

「「「「あっ、食べたぁ!?」」」」

「黒い本、そんなの食べたらお腹壊さない?大丈夫?呪いとか関係してるんでしょ?」

黒い本が、その頑張った特殊な本を吸収してしまった。

図書館のNPCたちは悲鳴すら混じっているような驚愕の声を上げるが、伊奈野は体に悪いんじゃないかと心配するだけ。その吸収された本の方には全く以て心配やかわいそうと言った感情はわかなかった。

「だいたい、そんな本を吸収したところで知識は増えないんじゃない?私が勉強してた時に使ってたものだし新しい情報は何もないでしょ?」

「…………」

「そう?別に良いならいいんだけど」

伊奈野はあまりその本の吸収のメリットが分からず首をひねる。

しかし、黒い本は喜びをその動きと伊奈野の称号から確認できる簡単な感情の表示によって表現した。そうされると伊奈野にも何か分からないだけでいいことはあったんだろうと納得するしかなく、それ以上言うことはない。

ただ、

「いやいやいやいや!待ってください!?」

「なんで食べたことをそのままにしちゃうんですか!?」

「グリモワール!吐き出してください!今吸収した物を吐き出してください!代わりの本なら上げますから!ね?…………ね!」

伊奈野が何も言わなくても、周囲まで何も言わないわけではない。吸収されてしまった本の頑張りを知っている者達としては、ここで黒い本に吸収なんてされてしまう想定ではなかったのだ。

皆一様に返還を求めてくる。

しかし、黒い本はそれらを意に介した様子もなく知らんふり。

返す気などさらさらないようだ。

「そんなにあの本を気に入ったの?」

「…………」

「あっ、そういうわけではないんだ。普通なの?」

「普通なら返してほしいんだけど!?」

「普通って何ですか!普通の定義なんて人によって違うでしょうね。これだから最近の若者は…………」

伊奈野はそれほどまでにその本が良かったのかと少し驚くのだが、どうやらそこまで気に入ったわけでもない様子。ならどうしてここまでかたくなに返還してくれないのかとは思うのだが、よくよく考えてみれば吸収した本が返却されないことはいつもの事だった。

今回特別に返してくれるということはあり得ないだろう。

こうなってしまえばもう、どうにもならないと考えてしまっていい。

と言うことで伊奈野は黒い本の説得などには巻き込まれたくもないため、

「じゃあ、私は勉強するので」

「ちょっと!?師匠!?」

「協力してくれませんか!?」

「あぁ~。ダメだね。もう勉強始めちゃったよ。いつも通りしばらくはこのままだろうね」

「グリモワールを説得可能であるのなんて読み友くらいなんですけどねぇ。困ったものです」

伊奈野は勉強に逃げた。勉強さえ始めてしまえばそれなりの集中力を発揮できるため何かされてもある程度までであれば集中を保ち続けられるし、そもそも勉強中に弟子や読み友や下僕が邪魔をしてくると思わない。

実際こうされるとこの中にいる面子は誰も邪魔などできず、ただその様子を恨めしそうに見ることしかできないのだった。

そしてこれにより、黒い本から吸収された本を取り返すことの難易度は急激に上昇してしまった。

黒い本を説得することなど、この中にいるメンバーにはほぼ不可能なのだから。1番関わりのある司書でさえ、説得となるとかなり難度が高い。それこそ、不可能と言ってもよいほどに。

しかも、最終手段と言うことで強引に捕まえようとしても、

「回避性能高くないですか!?」

「明らかにおかしいわよね。もしかして、さっき取り込んだ本の回避能力を使えるようになってるのかしら?」

「な、なんという厄介さ。僕たちでも苦戦するって、どんだけこのグリモワールは強化されてんの!?最初はここまでじゃなかったよねぇ!」

「師匠の出す知識を吸収したというだけでここまでは強くならないでしょうし、何かしら力を取り入れたんでしょうね」

簡単には捕まえることができない。図書館内と言うこともあってできることが限られるという理由もあるのだが、それ以上に黒い本の回避能力が高いのだ。しかも、その動きが邪神の攻撃を避けていた直前に吸収されたばかりの本の動きを思い起こさせるものであるばかりによけいに難易度の高さを感じてしまう。

そしてそれだけでもきついというのに、

「この剣とか槍とか、いったい何なのよ!?」

「ここまでの力を持つ武器がこれだけそろっているというのが信じがたい事ですね」

「これ全部、ご主人様の武器なんだよね?いつの間にこんなもの手に入れたの?」

黒い本をサポートするのは、黒い本に恩がある武器たち。

主に伊奈野にひどいことをされた後のカウンセリングなどをしてもらっているだけだし黒い本としてはただの情報収集のつもりなのだが、それでもかなり黒い本の事を慕っているのだ。

たとえ相手がどれだけ強かろうと、黒い本のためならそれなりに頑張れてしまうのである。その武器全て、伝説と言っていいような性能を持った武器だというのに。

《称号『英雄対抗軍』を獲得しました》

《スキル『指揮権放棄』を獲得しました》

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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