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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 524

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ダンジョンの攻略が進んでしまう可能性が高い。それは憂慮するべき事柄だ。

しかし、だからと言って伊奈野にできることはそう多くはない。

今までにやってきたゲームの関連しそうな知識は一通り伝えたはずだし、そもそもこのダンジョンの動かし方などについてもそこまで詳しいわけではない。

普段なら有益な意見を出せるような状態にはないように思えた。

しかし、今もそうかと問われると決してそんなことはない。

確かに伊奈野には普段出せる意見などそう多くはないが、

「この間の迷路、ダンジョンで再現できないかな?」

『む?何かあるのか?』

「迷路でしたらすでにこちらでも取り入れてますけど」

「そうなんですか?ただ、私の思う迷路は普通のものとは違って、どこまでも続くようなタイプの…………」

伊奈野が思い浮かべるのは、以前試練を出された際に経験した迷路。伊奈野は知らないがどこまでも無限に生成されるように設定されていたもので、通常のプレイヤーは絶対にと言って良い程突破の難しい仕掛けとなっていた。

もちろん、その迷路の突破は無理でも別の脱出方法が隠されていたわけだが、もしそれがない場合には伊奈野のような強引な手段を持っていない限り突破は不可能だったもの。

「黒い本。作り方とか知らない?」

「…………」

「まだそんなに詳しい話とかはできてないの?なら、仕方ないか」

その迷路を作り上げた武器と仲がいい(?)黒い本に作り方を聞いていないか尋ねてみたのだが、さすがにまだそこまでの情報は得られていない様子。

伊奈野には難しいが黒い本には武器とも意思の疎通ができるため、黒い本にここは動いてもらう必要がある。

そもそも、伊奈野は混雑してる日本サーバには行きたくないためたとえ自分が分かるとしても行く気はない。

だから黒い本に任せて後は放置…………とするつもりだったのだが、

「ん?私に話?何?」

黒い本が手招き(手はないけど)をして伊奈野を物陰に誘う。

この様子から考えると、黒い本は人化して何かを伝えようとしている様子。

今の話で伝えたいことなどあるのかと伊奈野は首をかしげたのだが、

「あのね。向こうもちょっと工夫すれば使えるよ?」

「向こう?…………あっちの世界が同じように使えるってこと?」

「うん」

あっちの世界。それは、日本サーバの事。

黒い本は、どうやら日本サーバを今の状況でも使える方法を知っているらしい。

ただそれを聞いても伊奈野としては、

「使えるのは私だって知ってるよ。今でも使おうと思えば使えるし。ただ、制限時間とか使える時間の長さとかそういうものに影響があるからさぁ」

「大丈夫。そこもどうにかできるはず」

「…………本当に?」

「うん。本当に」

自信を持ってはっきりと頷く黒い本。伊奈野も、さすがにそこまで自信満々に答えられると疑うことも難しい。

とは言っても、信じることもまた難しかった。重くなっているサーバを制限なしで使えるとはとてもではないが思えないし、具体的な抜け道が思い浮かばないわけだ。

ただ、もし本当なのだとしたら悪い話ではない。

伊奈野だってずっとこの薄暗い(雰囲気が薄暗いだけで照明はかなり明るめ)ダンジョンで勉強をしていると飽きそうだと思っていたからそちらでも勉強したかったし、できるのであればその話に乗りたいところではあった。

ということで、伊奈野はとりあえず午前中はこのままダンジョンのサーバで過ごし、放課後に話に乗ってみることにして、

「いや~。怖いなぁ。これ、もしうまくいかなかったら今日はかなり時間が上手く扱えなかったことになっちゃうんでしょ?」

伊奈野はこのまま本当に日本サーバの方に行ってもいいのかと混雑を現す印を視ながら指を伸ばした。

結果として、

『む。来たか。話は聞いている。早くいくと良いのじゃ』

「あっ、上位存在さん、こんにちは…………行くってどこにですか?」

『そこに、じゃ』

ログインした伊奈野を待ち受けていたのは、何やら既にこの後の予定を知っているという様子の上位存在さん。

そんな上位存在さんは、伊奈野に行く道を指し示す。

その示す先(なんとなくそっちを指されている気がするだけで、伊奈野には上位存在さんなど全く見えていないが)にあるのは、

「黒い本が作る裂け目…………この先に行けばいいんですね?分かりました。行ってみます」

『うむ。この先でも話はできるようにしておるから、暇になったら話しかけてくるのじゃ』

「分かりました。では休憩時間にはそうさせてもらいます」

黒い本が作っただろう裂け目。それも、上位存在さんが力を貸したのか伊奈野が入れる程度にはかなり大きい裂け目が出来上がっている。

そんな先に入っていくと、伊奈野の前に現れるのは、

「うわぁ~。何にもない」

無、だった。

もちろん、本当に何も存在しないというわけではない。地面だってあるし、あちこちにその地面がえぐられたような跡もある。

だが、それでもそこはあまりにも、生活感がない。

生物が存在している形跡がないのだ。

伊奈野は来る場所を間違えてしまったかと思ったが、

「あっ、こっちだよぉ~!」

「黒い本?ということは、ここで間違いないんだね」

伊奈野に声をかけてくる、1人の少年。

それこそが、人化した黒い本である。黒い本が呼んだのだからいることは問題ないのだが、気になるのは人化しているところ。

黒い本は人化すると基本的に人見知りで、人化している姿を伊奈野以外に観られることをとても嫌がる。

となると、こうして人化をしているということは周囲に人がいないということであり、

「ここ、何なの?」

「ここは邪神の拠点だよ!この間襲って奪ったところ」

「ああ。例のところね…………なんでわざわざそんなところに?」

首をかしげる伊奈野。

黒い本が言うようにこの場所は先日のプレイヤー主導のイベントで邪神から奪い獲った拠点なのだが、まだ伊奈野にはそこに連れて来られた理由が分からない。

邪神の拠点だろうが何だろうが、結局伊奈野のお眼鏡にかなう場所なのかどうかは怪しく思えるのだが、

「ここなら、たぶん制限はないんじゃないかな?時間はそんなに変にはなってないはずだよ」

「そうなの?」

黒い本によれば、日本サーバの混雑による負荷の影響がここではなくなるらしい。

伊奈野は当然疑うわけだが、それを確かめるすべなどない。

と思うところだろうが、伊奈野は以前知らない間に負荷がかかって予定より早くログアウトさせられてしまった経験があるからこういった場合に確かめるすべを持ち合わせていた。

それこそが、他のところは何が書いてあるのかよく分からないヘルプを活用する方法で、

「…………本当だ。問題ない表示になってる」

「でしょ?人もたぶん来ないから、良い場所じゃない?」

「うん。今のところ私もそう思う」

元々色々なサーバとつなげる関係上、日本サーバが対応している場所とは別のところでこのワールドは対応がなされている。

そのため、この元々邪神の拠点とされていた場所であれば日本サーバの負荷など関係なく伊奈野が活用することができた。

「足場は悪いけど、その辺りは魔力障壁とかサイコキネシスでどうとでもなるし、それが無理でも武器に頼れば良いし…………悪くないかもしれないね」

伊奈野はこの場所の魅力を強く感じた。

そして、それと同時にしばらくこの場所を使ってみることを決める。

「いったんは武器の中に入らずに勉強してみるね。黒い本は好きにしてていいけど…………私が帰れる用意だけはしておいてもらった方が良いかな?」

「うん。分かった。僕は他のところにはいかないから大丈夫だよ」

「そうなの?特にここに黒い本が好きそうなものはない気がするけど…………黒い本がそれでいいならいいか」


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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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