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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 525

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伊奈野の勉強。

それは、今までと大して変わらないものとなっている。

当たり前の事ではあるが伊奈野に勉強場所など基本的には関係ないし、周囲に何も害がない状態なのだから勉強ができない理由がない。

いつも通り威圧をまき散らし、癖である魔力の操作も属性の変化も好きなだけやりながらひたすら問題に向き合っていく。何にも配慮せず勉強できるというのは、ダンジョンに行って聖属性に関する部分で怒られることがあるだけに伊奈野にとっては素晴らしい物に思えるのだ。

そして、そんな伊奈野の近くにいるのが黒い本。

いつも通り伊奈野の周りを飛び回ってその観察を行なう…………かと思いきや、そこの様子はたまに確認しながらも他の部分に目を向けることが多い。

特に黒い本が気にしているのがその周囲にある地面などで、

「やっぱり、ちょっとだけど邪神の力が残ってる…………もしかして、これを使ってもう1回ここを自分の支配下に置こうとしてる?」

土地や建物か何かの残骸。

そこには、少しだけだが邪神の力が残っていた。そしてその力は、使おうと思えばいつでも邪神が使用可能な物。つまり、いつでもこの土地をまた邪神が手中に収めることができてしまうということだ。

もちろんそんなに簡単にできる事ではないのだが、それでも邪魔さえなく時間をかけられるのなら確実に可能なことだった。

黒い本は、それを良しとしない。

気付いたからには対処しようと動き出す。

やることは至極単純で、

「ご主人様の周囲は威圧で消えてるから…………離れた場所の力を僕が取り込めばいいかな?」

邪神の力を黒い本が取り込む。それだけだ。

黒い本としても力を得られることは自身の強化につながるため悪い事ではなく、積極的にやっても良い事だと思えた。

ここであれば他人の目を気にせず人化できるし、伊奈野よりも楽に交流ができるため悪くない。伊奈野にとっては新しい選択肢の1つと言う程度だが、黒い本からとってみれば総合的に観てかなり上位の勉強場所に思えた。

さらに、ここを勉強場所とする利点の1つがもう1つある。

これはそこまで重要というわけではないのだが、

「おお。良いんじゃない?剣と双剣と短剣が一緒に攻撃したら威力が1番高くなるんだね」

力を取り込む黒い本の視線の先では、武器たちが好きなように周囲の武器と組んで攻撃や防御などの技を試していた。

それぞれ単体でも強いのだが、お互い属性などの組み合わせ次第ではさらなる威力の増加を生み出せるため様々な組み合わせで技を試しに放っている。

ここであれば犬っころについて行く時とはまた違った実験が行なえて、被害を気にせず力を無制限に使用できる。

これが武器たちにとっては良い事だった。

伊奈野の知らないところで武器たちは勝手に強くなっていっているのである。

「高威力の攻撃なんてなかなか見れないから、すごくためになるな~。知識がいっぱい増えて嬉しい」

武器たちの様子を眺める黒い本は大変ご満悦の様子。

こうして周囲を気にしないような大技を見ることができる機会はそれほど多くはなく、その辺りのデータはまだまだ足りていなかったのだ。こうした光景を見ることで、より黒い本の知識は深まっていく。

ただ同時にここで惜しむのは、

「逆侵攻の時、あの魔法を使って邪神の本体と戦わせるつもりだったんだけどなぁ。結局出てこなかったし……」

思い出される、逆侵攻の事。

実は、黒い本は逆侵攻の際に思い描いていた計画を上手く実行させることができなかったのだ。

その思い描いていた計画こそが、伊奈野の使える魔法の中でもトップクラスに危険な魔法を使用すること。

つまり、伊奈野が初めて魔女さんから魔法陣をもらった時の魔法を使い、ここで出た被害者の魂を使用して怪物を召喚することだったのだ。

「強い人達がやられたところであれが使えるなら、絶対邪神を苦戦させられたと思うんだけど」

しかし黒い本の想いとは裏腹に、最後の方までほとんどプレイヤー側に被害は出なかった。

一応邪神の使徒や分体の被害を考えればほどほどに強い物を召喚はできたと思うのだが、所詮はほどほど。邪神と競えるほどの強さにまでなったかと問われると怪しいところであった。

さらに言えば、そもそも黒い本が召喚したとして邪神の本体と戦わせることは不可能だった。

なにせ、邪神の本体が一切姿を現さなかったのだから。

「うまくいかなかったな~…………ご主人様がいたら、何か変わったのかな?」

黒い本は自分が知る中でもっともイレギュラーを引き起こす存在、伊奈野がいたならばどうにかなったのではないかと考えてしまう。

当然いた場合は邪神側の思惑通りに事が進むためひどいことになったのだが、そんなことを知らない黒い本は純粋にそこが気になる。

こうして伊奈野は勉強し、黒い本は力を取り込みながら学習し、そして武器たちは自分たちの力を組み合わせ高めあい。

比較的有意義な時間を各々過ごしていくのだった。

ただもちろん、こんな状態をずっと続けるような伊奈野ではなく、

「この土地、本当に誰も来ないね」

「そうだね。来る手段を持ってる人がいないからじゃないかな?」

「そうなの?私みたいにここに来れる人って珍しい感じ?」

「うん。普通は、邪神の使徒が持ってたようなアイテムを使ってくるから。でも、それはこの間の逆侵攻でほとんど使いきっちゃったみたいだし」

「ああ。そういえばあのアイテムがあったね…………でも、それが本当ならここって私たちくらいしか使う人はいないってことだよね?じゃあ、好きなように使っていいってこと?」

「う、うん。そうだけど?」

伊奈野の言葉に、黒い本は何かが起きる予感がした。

伊奈野の言葉の節々からこの土地を何かに活用しようという考えがにじみ出ているため、何もしないとはとてもではないが思えないのだ。

ただ、その考えを予測することはできない。

伊奈野が興味を持つものなど勉強くらいであるため、この土地の有効活用方法なんて予測できたものではないのだ。

当然ながら、この土地ですることは勉強への活用ではないだろうから。

「何をするつもりなの?」

「ん?農業だけど?」

「…………え?」

伊奈野の答えは、いつだって想定外。

戦闘関係なのではないかと予想をしていたりもしていたのだが、伊奈野の答えはそれとは全く離れたものとなっていた。

しかも、さらに予想外なことは今までの伊奈野と一切関わりがなかったものを出してきたこと。

農業なんて、伊奈野が今まで一度も口にしているところを聞いたことがない。一体何を目的としてそんなことを始めようとしているのか、黒い本にはさっぱり分からなった。

だがそんな黒い本のことは気にせず伊奈野は頭の中で計画を立て始めて、

「まずは店主さんのところで買い物かな?それと、上位存在さんに話を聞いてみたりしても良いかも」

『む?呼んだか?』

「あっ、上位存在さん。聞きたいんですけど、何か使い勝手がいい植物とか知りませんか?あと、育てやすいけどものすごく有用な植物とか」

『植物?また急じゃな…………では、いくつか教えるとしよう。その口ぶりじゃと、自分で育てるつもりなんじゃろ?ならば、あまり頻繁に観ておかぬものは外さねばならんなぁ』

すでに上位存在さんから聞き込みを始めている。

どうやら、邪神の拠点は農地に変わるようであった。

そうなると黒い本もおいて行かれるわけにはいかず、

「ご主人様!僕も農業のこと知ってるよ!植物の本もたくさん見たもん!」

「へぇ?黒い本はそっちの知識もあるんだ。じゃあ、手を借りようかな」

感想でいろいろと過去の部分などのご指摘をいただいたので、修正しなければと思う今日この頃


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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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