Switch Mode

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 526

Please login or register to translate this post.

なぜ急に伊奈野が農業に手を出そうと考えたのか。

その理由が、黒い本が取り込んでいるある1冊の本が関係していた(正確にはもう数冊含まれているが)。

その本と言うのが、呪いに近い何かによって変質した本。

怪しい服の人に色々と試してもらって完成した、本であるにも関わらず岩をも砕いてしまうほどの威力を出すことができる本である。

骸さんがお願いし、伊奈野の手も借りつつ怪しい服の人に量産してもらって自身の配下に装備させているそれ。

伊奈野は、それに似たものを作ることができないかと考えているのだ。

「お得意様にはこの種も付けてあげよう」

「いいんですか?ありがとうございます、店主さん…………ちなみに、育てるのがとても難しいとかそういうものではないですよね?」

「ハハハッ。安心しな。水をやってれば勝手に育つよ」

大量に、そして様々な種類の種を買い込んだ。水を上げるための装置や肥料だって買ったし、農作業用の鍬やスコップなど買ってある。

準備は万端だ。

買った種は基本的にどこでも水さえあれば育つと言われるようなかなり育てやすい部類の植物、特に一部は雑草に分類されるようなものもあるため、間違いなくうまくいくだろうと伊奈野は考えている。

さらに、自分はあまり目をかけるつもりはないが、

「ここにこんな感じでお願いできる?…………そうそう。だいたい深さはこれくらいかな?」

「じゃあ、ここに棒を立てておくね。僕が抑えて置くから続けて」

『肥料は良いのか?特にその話が聞こえんが』

「あっ、忘れてました。上位存在さん、ありがとうございます。それじゃあ、ここに肥料混ぜ込んで土を変えておいてもらえる?」

農作業に参加するのは、当然伊奈野だけではない。

黒い本にだって協力させるし、上位存在さんにもアドバイスをもらう。

さらには武器たちの中で水を出すことができるものには必要な水やりを任せ、土を操れるものには適当な肥料の分配を行なってもらう。

このまま伊奈野がいなくなっても世話は武器たちなどに任せるつもりであるため、完璧な体制が出来上がっていた。

と、伊奈野は考えているわけだが、黒い本や上位存在さんには懸念がある。

それは伊奈野にはあまり気付きにくい事であり、

「…………ご主人様の威圧に耐えられるかな?」

『ある程度距離を離しておかぬと、生半可な植物では芽を出すことすらできぬじゃろうなぁ。あれは動物でなくとも効果を発揮するじゃろうし』

伊奈野の威圧。それが植物の成長に影響を与えかねなかった。

勉強する場所から多少は離れるように黒い本が調整はしたのだが、それでも伊奈野の威圧はかなり強化されてしまっているため全く植物に影響が出ないということは考えづらい。

最悪、植物が芽を出すことすらできずに死滅してしまう可能性すらある。

『本よ。妾の渡した肥料もきちんと使っておくのじゃぞ』

「うん」

こちらには来れないが、上位存在さんも協力できるところは協力してくれている。

威圧に植物が負けないように、そしてだからと言って自分の力でも植物が負けてしまわないように念入りに調整した植物を保護するための肥料も作ってくれている。

こうして伊奈野は知らないところでカバーをしてもらいながら、農業を進めていった。

ここで幸いしたことの1つが、植物系の能力を持っている武器もいたこと。

さすがにその力だけで全てをどうにかできるというわけではないが、最低限のものさえあればある程度植物が育つようにはしてくれる。他の武器たちのサポートもありつつ、植物たちの成長を促す作業は上手く進められていた。

このため、

「…………さて、また作業に戻ろうかな」

なんて伊奈野が一度勉強を終わらせた頃には、

「あれ?もう芽が出てない?植物の発芽ってこんなに速いものだったっけ?」

緑が見え始めていた。

それほどまでに上位存在さんの力は大きく、そして武器の成長を促す能力が高かったということでもある。

こうした様々な要因が重なり、本来ならまともな栄養分などほとんどないはずの元邪神拠点でも農業を行うことが可能になっていた。

《スキル『農地化』を獲得しました》

《称号『初心者農家』を獲得しました》

《称号『奇跡の農家』を獲得しました》

《称号『企業的農家?』を獲得しました》

なかなか特殊なことをしているため、これにより当然ながらスキルや称号が手に入る。

よって、更に伊奈野の農業関係の能力が向上するため、

「目に見えて大きくなってきてない?成長速度があまりにも大きすぎる気がするんだけど」

「すごいね。農業って思ってたより簡単かも」

『それは色々と妾だったり、おぬしらだったりが手を加えておるからじゃろうな。独力でやる場合はそんなに簡単ではないのじゃ』

黒い本が間違った認識を持ちそうだったため、そこを上位存在さんが正す。だが、そうして黒い本が認識をしてしまいそうなほど簡単に農業が上手くいってしまっていることも間違いなかった。

さすがはファンタジーゲームと言ったところだろう。

こうなると伊奈野も試してみたいことに色々と手を出していけるようになるわけで、

「ここにあるもう使い終わった本に、植物をすりつぶして出した液体をかけてみたりしようかなって思ってるんだよね」

「へぇ~。それじゃあ、お手伝いできそうな武器を探してみるね」

「うん。よろしく」

ここで頼るのもまた黒い本と武器たちである。

武器たちの中で伊奈野が試したい作業に付き合えるものを黒い本が探し(伊奈野はすべての武器の属性や出来ることを把握していない)、見つかったら伊奈野の指示のもと早速実験が行われていく。

もちろんそんなに上手くいくはずもなく、

「何か感じる?強そうだったりとか」

「全然。本がぐちょっとしただけ」

「そっか。それじゃあこれは失敗かな」

次々と生み出されていく失敗作の数々。

大抵本がダメになるだけなのだが、そうなっても伊奈野の持つ本は好きに出したり消したりとできるため消滅させればいいだけの事。

一度消して取り出せば、その状態で保存でもしない限り元の状態で戻ってきてくれる。

本の方はいくらでも実験に使用可能であり、後は植物があればいいだけ。

さすがにこれが1時間と続けば植物なんてあっという間になくなってしまっただろうが、伊奈野がこうして実験に使える時間はせいぜい10分、そして1時間ほどの休憩が挟まれるため、その間にまた植物は成長して素材を作成してくれる。

「小さい時の葉っぱは駄目だったね。次は根っことかも試してみようか」

「じゃあ、抜いても問題なさそうなものを判断して抜いてもらうね。根っこまで抜いちゃうと、さすがに今後の成長にも支障が出そうだし」

「そうだね。その辺の調整はお願い」

伊奈野のやりたいことを何となく理解している黒い本は、伊奈野が必要と考えるだろう素材を取って行けるように調整していく。

いくら植物がすぐに成長するとは言ってもそれなりに根気のいる作業ではあるのだが、黒い本は泣き言1つ言わず従事する。

そこにはやはり、知識として頭に入っている(自分に書かれている)ことだけでなく実際に自分がやってみた場合の記録ができるという部分が大きいだろう。知識はあっても、それを理解していることと活用できることは別なのだから。

『そういえば、先ほどの根と今の花の蜜を合わせると薬ができると聞いたことがあるのじゃ』

「そうなんですか?ちょっと試してみます。黒い本、使って大丈夫なものはある?」

「今言われたのは比較的余裕があるから用意できるよ。待ってて」

まだまだ結果は出ない。

だが、その間に意図しないものができたりすれば、それはそれで黒い本にとってメリットになる。

ついでに、あまりメリットと呼べるのかは分からないが伊奈野の生物関係の知識も少しだけ深まったのは良い事なのではないだろうか(なおファンタジー生物の知識は余計な部分が多いということには目をつむるとする)。


This website is on the brink of collapse. I’m forced to place rather intrusive ads. Subscribe for just $1 to get unlimited access to the Translation Tool and remove all ads.

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

Comment

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

Options

not work with dark mode
Reset