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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It – Chapter 538

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勉強と薬の摂取。

カシューナッツの呪いをどうにかするため、伊奈野と黒い本は試行錯誤して解決を図る。

幸い薬は大量にあるのだから試し方は無限大。

伊奈野と一緒に本にもかけたり塗ったりしてやれば、元々の薬を作っていた目的も達成できてウマ味だ。

「カシューナッツ」

「そうなの?特に変わった感じはしないけど」

「カシュー、カシューナッツ」

「へぇ。凄いね」

この作業を進める中で、黒い本もだんだん伊奈野の言葉が分かるようになってきていた。カシューナッツしか単語は出てこないが、それでも声色などによって込められている感情は分かる。

アクセントや声の高さなどで何かしらの単語を表現しようとしていることもあり、そうしたものも黒い本は読み取っている。

黒い本の聞き取り能力はメキメキと伸びていて、このままいけば完全に伊奈野の言いたいことを読み取ることもできるようになるのではないかと言う希望も見えてきている。

つまり、黒い本からするともうカシューナッツしか喋れないままでも意思疎通ができるようになって、問題はなくなるということになる。少しずつ黒い本にとってはこの問題を解決する必要性が薄れていくように感じてしまうのだ。

「カシューナッツ(本気で私の言いたいことわかってるつもりなの?)」

「そうだったんだ。凄いね、ご主人様」

「カシュー、カシュカシュ。ナッツ。カシューナッツ(は~。逆にそうやって会話がつながってると思っていられるのはある意味の才能だよね。凄いのはそっちだよ。もちろん全く以て羨ましくはないけど」

「そしたら、この薬が良いんじゃないかな。きっとこれなら解決につながると思う!」

黒い本はとても読みとれている気になっていた。

黒い本自身は本当に読み取れていると思っているのだ。今までの会話のパターンなどからだいたい言いそうな単語を推測し、その単語と音の雰囲気が近いことから間違いなく何を言っているのか推測できるという状況になったと思っているのだ。

だからこそ、本気でそう言っていると分かるからこそ伊奈野はあきれているわけだ。

こいつ、何を言っているんだ、と。

《称号『誤解されやすいんです』を獲得しました》

伊奈野からすればずっと黒い本は会話がかみ合わない、頓珍漢なことを言い続けるだけの小僧である。

逆に聞こえているんじゃないかと言うくらいにはずっと受け答えを続けているのに会話はつながらないし、そのたびに逆にどんどん黒い本は自信満々になっていくのだから余計に救いようがないように思えてしまう。

それなりに黒い本とは一緒に居た時間も長かっただけに、そのひどさにはショックも受けないわけではなかったが、逆にここまでくると心配の気持ちも出てき始める。

今まで黒い本は本として自身に記録を付けられるからこそそれなりに知識や解析といった分野では信用をしていたのだが、今回のことを思うとこれからも信用して良いのかと言う部分が揺らいでくるわけだ。知識はあるのだろうが、それはあまりにも実際に使うことには適していないのではないかと。

とは言っても、そうなったからと言ってすぐさま黒い本を以前のように売ろうとするというわけではない。

結局黒い本が子供の姿になってしまうことから人身売買と言う雰囲気が出てしまうし、そもそも黒い本には魔法吸収の能力がある。それが優秀なだけに、売る選択肢も捨てる選択肢も今のところ存在していない。

「カシュー(ところで、この辺の薬って混ぜて良い物だっけ?確か、黒い本がこの辺は作用の関係から混ぜると麻痺とかの副作用を引き起こしちゃうとか言ってた気がするんだけど。さすがに自分で言ってたんだし、憶えてるよね?)」

「ふんふふ~ん。それじゃあ、ご主人様にはこれを飲んでもらおうかな~…………って、あっ!これ、副作用が起きるやつだった!?ご主人様!吐き出して!」

「カシュッ!(ぺっ!黒い本、それくらいは覚えておいてもらわないと困るんだけど!?)」

ただし少し売るかどうか迷う場面がないとは言えなかったりもする。

ちなみに、こうした黒い本が複雑な組み合わせの中でミスをする(必ずしもすべてがわざとであるとは言ってない)事だけが伊奈野のそうしたイラつきを加速させる要因となっているわけではない。

1番伊奈野が売りたいと思ってしまったのは、薬を使い始めて数時間後(途中で勉強を何度か挟んだゆえの時間)。

黒い本は何かを思いついたとばかりに顔を輝かせて、

「そうだ!さっきのアイテムの効果、頭以外だと別の効果を発揮するはずだよね!カシューナッツにご主人様は飽きてそうだし、別の言葉になるように変更するね!」

黒い本はアイテムをすぐに伊奈野へと近づけ、押し当てた。

押し当てた部位は腕。

ここに当てた場合は、カシューナッツとはまた違った言葉しか喋れなくなる特殊な状態になるのだ。黒い本もこれは効果が変更されることになるのかもしくは重複して変なことが起きるのかは分からないが、とりあえず実験してみようのテンションで押し当てていた。

当然ながらここで慌てるのは伊奈野。

自分はあまり効果を把握していないため、腕に押し当てたらどうなるのかと言うことを知らないのだ。

さらに言えば、たとえ腕に当てて別の言葉に変更されるのだとしても、それ以外にも効果が発動するのではないかと言う恐怖がある。上位存在さんに爆発させられた関係上、そうした恐怖は非常に強いものとなっているのだ。

「カシュー!カシューナッツ!!(やめてくれる!?使わないで!)」

「え?何?そっちの腕がいいって?反対の腕だと確か他の効果の兼ね合いで違ってくるはずなんだけど…………じゃあ、そっちにやるね」

「カシュッ!?カシューナッツ!?(痛っ!?ダメージ食らったんだけど!?)」

「あっ、やっぱりそっちの方が効果を感じた。じゃあ、そっちを追加でやるね。何回か連続でやったら、効果が出るまでの時間が速まったりしないかな」

会話ができない結果、伊奈野はひどい目に合うことになるのだった。

恐ろしいことに最初に黒い本が押し付けてきた方とは反対の手にアイテムが触れると、ダメージが発生してしまったのである。特に大きなダメージと言うわけではなく最大値の2%程度でしかないのだが、そんなダメージでも今の伊奈野にとっては大問題である。

ただでさえ今までのダメージの積み重ねと回復阻害の影響で通常時の1割近くしかHPは残っていないというのに、そこからさらに2%も削られたらたまったものではない。

なにせ、5回程度同じことをされたらキルされることになるのだから。

最初の頃に飢えてHPが尽きていたときとは違い、伊奈野もすでにそれなりの長い期間ゲームをやってきた。そうなるとその頃のように初心者らしくデスペナルティーが緩いとも考え難く、何かしら代償を払わなければならない可能性が高い。

それが経験値の減少やレベルダウン、ステータスダウン、特に攻撃力や防御力の低下と言ったものであるのならば支障は出ないが、速度の低下や動きの制限などを付けられると勉強面に支障が出かねないのだ。

そういったことまで考えれば、絶対に伊奈野としてはキルされるわけにはいかないのである。

そう考えた結果、会話が通じないせいでアイテムをまだ押し付けてこようとする黒い本に対して伊奈野がとる行動はと言うと、

「カシューナッツ(『龍落とし』)」

「へっ!?…………ふごっ!?」

伊奈野の攻撃がクリーンヒット。

黒い本は吹き飛んでいった。

こうして黒い本に手を出すと絵面は完全に児童虐待のそれなのだが、伊奈野はそんなことを気にしてはいられない。

特に吹き飛んでいた黒い本を心配して駆けよったりもせず、逆に余計なことはするなとばかりに自分の周りに魔力障壁とかまくらを作って黒い本が近寄ってこられないようにした(つもり)。

そして、もう余計なことはされないように勉強を始めて自分の世界に入っていく。

「えぇ?なんで?何かおかしかったかな?」

伊奈野から直接攻撃を受けることなど初めてのように思える黒い本は、本気で困惑した表情を見せる。

わけが分からないため下手なこともできず、やろうと思えば魔力を吸い取って関係なく接近できる魔力障壁にも特に手を出さずに悩み続けるのだった(もちろん転移もしない)。

《称号『反撃とは?』を獲得しました》

なお、1時間ほど経過した後。

勉強が終わったくらいのタイミングで、

「小籠包」

カシューナッツとはまた違う単語しか話せなくなり頭を抱える伊奈野の姿が目撃されたとか。


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I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

I Became a Legend Just by Studying in a VR Game Without Even Trying to Beat It

VRゲームで攻略などせずに勉強だけしてたら伝説になった
Score 7.8
Status: Ongoing Type: Author: Artist: Released: 2023 Native Language: Japanese
Amidst the world’s excitement over full-dive VRMMOs brought by new technology, there appeared the figure of a girl joining in. However, she was greatly different from the many around her who sought to find enjoyment in this new world. “With this, I can study longer than everyone else!!” Yes. She was an exam student. One who cast herself into the terrifying place called entrance exam war, day by day shaving away mind and body as she tried to get ahead of others. What she sought from the new game was an increase of experienced time. In a full-dive VRMMO, where time was extended and one could spend three times as long inside the game compared to reality, she thought she could study for more hours than the other exam students. With such an aim, she began the seemingly contradictory action of studying with all her strength inside the game. And thus, just like that, she kept studying every day inside the game for the sake of passing her desired school… though for the most part this was realized, unforeseen events occurred one after another. NPCs who took interest in her study content. Players who came up with ideas similar to hers. Participation in events. And, waiting beyond, activities and successes she had never expected. Contrary to her simple wish of only wanting to study for exams, she would go on to create a legend inside the game.

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